進級前にチェック!2020年版・IELTSの受検日・申込方法
まもなく4月、新年度を迎えるにあたって、進級・進学を控えた学生の皆さんに向けたシリーズとして、2020年の英語の資格・検定試験の日程等をご紹介しています。今回、取り上げるのはIELTS。TOEFLテストと並んで、世界中で広く認められている英語能力テストです。イギリスをはじめとした海外留学を視野に入れている方はもちろん、自分の英語力をもっと伸ばしたい方や、今の英語の実力を確認してみたい方も、ぜひ受検を検討してみましょう。まずは、日本で受けられるIELTSの試験日程や申し込み方法などをしっかりチェック!
※新型コロナウイルス(COVID-19)の拡散に伴い、世界の一部の地域では医療当局の公式要件に従って、IELTSのテストが一時停止されています(2020年3月17日現在)。状況は急速に変化しているため、今後、他の地域でもテストが予告なしに中断される可能性があります。詳細は必ずIELTSの公式サイトで確認してください。
IELTSとは
IELTS( アイエルツ)は、「International English Language Testing System」の略。ブリティッシュ・カウンシル、IDP:IELTS オーストラリア、ケンブリッジ大学英語検定機構の3団体が共同運営している英語テストで、世界140ヵ国・1,000以上の会場で受験することができます。
もともとIELTSは、英語の環境で授業についていく、または仕事や生活をしていく英語力がどの程度あるかを測るために考案されたもので、現在は海外留学・海外での研修の際や、イギリス、オーストラリア、カナダなどの海外移住ビザの申請のために英語力を証明する必要がある場合に使われています。イギリス、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドではほぼすべての高等教育機関で認められているほか、アメリカでもアイビー・リーグを含む3,000以上の教育機関で入学審査に採用されており、世界中の10,000を超える教育機関等によって英語力の証明として認められています。
IELTSには、主にIELTS AcademicモジュールとIELTS General Trainingモジュールの2種類があります。IELTS Academicは、英語を話す環境で高等教育や職業登録を申請する人向けで、主に留学申請のためのモジュールです。IELTS General Trainingは、英語を話す国で就労またはトレーニングプログラムのために行く人向けで、主に就業・実務など移住申請のためのモジュールとなります(オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、イギリスへの移住の要件でもあります)。それぞれ英語で必要とされる4技能(リーディング・ライティング・リスニング・スピーキング)全てを測定するテストとなっており、テスト結果は0から9までのスコアで評価されるとともに、各技能にも同じようにスコアがつきます。
【参考ページ】:IELTS世界共通サイト
■英国ビザ申請用のIELTSについて■
イギリスでの就学や就業を希望する場合は、英国ビザ申請のための特別なIELTS〔IELTS for UKVI(Academic/General Training)やIELTS Life Skills 〕など、英国内務省が認めた Secure English Language Tests(SELT)での英語能力の証明を求められる場合があります(基本的に、イギリスでのビザ申請の際の英語能力の証明としては、TOEFL®テストやTOEIC® L&R TESTは認められていません)。
ただし、16歳以上で、高等教育機関で学位レベル以上の学習プログラムに参加するために「一般学生ビザ(Tier 4)」を申請する(※1)場合は、留学を予定している受け入れ先の機関(大学・学校)が独自に設定した英語能力レベルを証明するテストスコア等が認められており、SELT以外も受け入れられていることがあります。イギリスのすべての高等教育機関はIELTS Academicの試験結果を採用しているため、特別なIELTS(IELTS for UKVI)を受検する必要がなく、IELTS Academicのスコアを提出することで十分な場合がほとんどです。また、留学先の大学がSELT リストに記載のない英語テスト(TOEFL iBT®テストなど)のスコアを受け入れている場合は、IELTS以外のスコアでもTier4の学生ビザを申請することも可能です。イギリスの大学・大学院等に留学する場合は、受け入れ先の教育機関の英語要件を必ず事前に確認しましょう。
※1 主に、大学や専門学校などの教育課程に学士/修士の取得目的で、長期間の留学をする場合。Highly Trusted Sponsor(HTS)の資格を持つ大学・大学院で、英国政府によってビザのスポンサーになることを認められた機関が対象。
【参考ページ】:Tier 4 register of sponsors|GOV.UK
日本におけるIELTSの公式テストセンター
日本国内では現在、以下の2つの団体が公式テストセンターとして、IELTSの試験の実施・運営及び広報活動を行っています。テストの内容は変わりません。
●公益財団法人日本英語検定協会〔ブリティッシュ・カウンシルとの共同運営〕
【公式サイト:http://www.eiken.or.jp/ielts/】
●一般財団法人日本スタディ・アブロード・ファンデーション(JSAF)〔IDP:IELTS Australiaとの共同運営〕
【公式サイト:https://www.jsaf-ieltsjapan.com/】
※テスト内容は同じですが、実施日時・会場等のテスト詳細は実施団体によって異なります。
2020年 IELTSの試験日程・試験会場
IELTSのテスト実施都市・会場
IELTS Academicモジュールの、実施都市・会場は以下の通りです。
実施団体 | 日本英語検定協会 | 日本スタディ・アブロード・ファンデーション(JSAF) |
---|---|---|
試験会場 (公開会場) |
【16都市】(*1) ●IELTS公式 東京テストセンター:札幌 仙台 埼玉 東京 横浜 長野 金沢 静岡 ●IELTS公式 大阪テストセンター:名古屋 京都 大阪 神戸 岡山 広島 福岡 熊本 |
【5都市】 東京(*2)・横浜・京都・大阪・岡山 |
※どちらの団体も、一定数以上の受検者がいる場合、在籍生徒・学生を対象にした特別会場(大学・高校等での実施)が設定されることがあります。
*1 各都市での実施会場は試験日により異なります。受検会場は、申し込みをした後、筆記テストの15日前に受験確認書〔IELTSログイン後のマイページより各自ダウンロード)で確認することができます。
*2 東京はTokyo-Takadanobaba/ Tokyo-Ikebukuroの2会場あります。
IELTSのテスト実施日
各団体によってテスト実施日は異なります。
基本的にどちらの団体も、すべてのテスト日でアカデミック・モジュールは受験可能です。ジェネラル・トレーニング・モジュールは開催のある日とない日がありますので、注意が必要です。
◆日本英語検定協会が実施するIELTSの日程
全国16都市で、ほぼ毎週実施されています。各会場の試験日程は、公式サイトの下記のページから確認することができます。
【参考ページ】:試験日程|IELTS(アイエルツ)公式テストセンター|財団法人日本英語検定協会
※各会場には定員があります。申込締切前に定員に達した場合は、受付が締め切られる場合があります。各会場の残席状況は下記のページで確認できます。
【参考ページ】:残席状況一覧(Test Place Availability)|IELTS(アイエルツ)公式テストセンター|財団法人日本英語検定協会
◆一般財団法人日本スタディ・アブロード・ファンデーション(JSAF)が実施するIELTSの日程
JSAFのIELTSには、「ペーパーで受験するIELTS」と「コンピューターで受験するIELTS」の2つのフォーマットがあります。現在、「コンピューターで受験するIELTS(Computer-delivered IELTS)」はJSAF-IELTS公式テストセンター東京(JP112)会場のみで受検できます。「ペーパーで受験するIELTS」は通常月に3回、東日本・西日本の各会場で実施されています。各会場の試験日程・実施されている試験の種類は、公式サイトの下記のページから確認することができます。
【参考ページ】: 一般会場申込みページ|IELTS公式テストセンター|JSAF(一般財団法人日本スタディ・アブロード・ファンデーション)
※申込締切前に定員に達した場合は、受付が締め切られる場合があります。
IELTSの申し込み・各種手続きの締切日
受検申し込み・各種手続きの締切日は、2つの団体で大きく異なります。
実施団体 | 日本英語検定協会 | 日本スタディ・アブロード・ファンデーション(JSAF) |
---|---|---|
申し込み締切日 |
●クレジットカード決済の場合: ●コンビニ・郵便局ATM支払の場合:クレジットカード決済の場合の申込締切日の5日前まで |
●クレジットカード支払の場合: 【ぺーパーで受験するIELTS】テスト日の3日前の23時59分 【コンピューターで受験するIELTS】テスト日の3日前の23時59分 ●コンビニ支払の場合: |
申込内容の変更 | 変更先に残席がある場合のみ申込締切まで可能 | 変更先に残席がある場合のみ筆記テスト実施8日前の17時まで可能 |
申込のキャンセル | 申込締切まで可能 | 筆記テスト実施8日前の17時まで ※それ以降のキャンセルは返金対象となりません。 |
IELTSの受検料・各種手続き費用と支払い方法
受検料はどちらの団体でも同じですが、その他の費用や支払い方法などは各団体で異なります。
実施団体 | 日本英語検定協会 | 日本スタディ・アブロード・ファンデーション(JSAF) |
---|---|---|
受検料 | 1人1回あたり 25,380円(税込み) | |
申込み内容変更手数料 | ●初回の変更:無料 ●2回目以降の変更:1回につき6,300円 |
6,050円 |
キャンセル手数料 | 6,300円(税込) | 6,050円 |
支払方法 | 以下の3つから選択 ●クレジットカード(JCB・NICOS・VISA・MASTER) ●コンビニ現金支払(ローソン・ミニストップ・セイコーマート・ファミリーマート) ●ゆうちょATM(Pay-easy〈ペイジー〉) |
以下の2つから選択 ●クレジットカード支払(Master・VISA)の一括払い ●コンビニ支払(サークルKサンクス・セイコーマート・デイリーヤマザキ・ファミリーマート・ミニストップ・ローソン) |
IELTSの申し込み方法、事前準備情報
IELTSを日本で個人受検する際は、日本英語検定協会または日本スタディ・アブロード・ファンデーション(JSAF)のどちらが主催するテストもWEBサイトからオンライン申し込みを行います。会場や日程、手続き方法などを比較して、自分に合ったほうを選ぶとよいでしょう。
◆日本英語検定協会が実施するIELTS 〔ブリティッシュ・カウンシルとの共同運営〕の申し込み手順
- 【ステップ1】 公式サイトの下記ページ下部から、ログイン/お申し込みページを開く(*3)
- <IELTS お申込みページ:https://www.eiken.or.jp/ielts/apply/>
- 【ステップ2】 受験情報と受験者情報の入力(試験会場、受検するモジュール、試験日程を選択)
- 【ステップ3】 支払い方法を選択
- 【ステップ4】 申込み内容確認
- 【ステップ5】 申込み完了
- 【ステップ6】 パスポートのカラーコピーを準備(筆記テスト当日までに)(*4)
- 【ステップ7】 受験確認書のダウンロード(筆記テスト15日前の19:00~)
*3 IELTS ID をお持ちの方は、IDとパスワードを入力して「ログインしてお申し込み」をクリック。IELTS ID をお持ちでない方は、そのまま「お申し込み」をクリック。
*4 試験当日は、パスポートの原本とともに、パスポートのカラーコピーを持参することが必要。
申し込み手順の詳細は、下記ページにてご確認ください。
【参考ページ】:お申し込み|IELTS(アイエルツ)公式テストセンター|財団法人日本英語検定協会
◆一般財団法人日本スタディ・アブロード・ファンデーション(JSAF)が実施するIELTS 〔IDP:IELTS Australiaとの共同運営〕の申し込み手順
- 【ステップ1】 公式サイトの一般会場申し込みページにアクセスする
- <一般会場申し込みページ:https://jsaf-ieltsjapan.com/ielts/application/general/>
- 【ステップ2】 モジュールを選択し、日程と会場・フォーマットを確認する
- 【ステップ3】 希望の日程・会場を選び「Apply」をクリックする
- 【ステップ4】 IDP IELTS のサイトへ移動(新しいサイトが立ち上がり、IDP IELTSの申込受付フォームに自動的に移動)
- 【ステップ5】 画面右下にある「Continue」をクリックし、さらに次の画面で「Create New User」をクリックして新規ユーザー登録に進む(*5)
- 【ステップ6】 「Candidate Details」で指示された項目をすべて入力し、登録を行う(パスポート画像のアップロードあり)
- 【ステップ7】 登録(入力)したメールアドレスに届いたメールを確認し、支払い方法を選択したうえで必要な項目を入力して、手続きを行う
- 【ステップ8】 支払期限までに料金を支払い、お支払い日の翌営業日に「お支払い完了メール」が届いたら申込み完了
- 【ステップ】 受験確認書をダウンロードする(筆記テストの2週間前までにアップロードされる)
- <受験確認書:https://jsaf-ieltsjapan.com/ielts/application/confirmation/>
*5 既に登録している場合は、Username と Password を入力してログイン
申し込み手順の詳細は、下記資料にてご確認ください。
【参考ページ】:JSAF-IELTS 公式テスト 申込方法
●申し込み・受検の際に必要となる書類●
どちらの団体を選択した場合でも、IELTSの申し込み・受検には試験当日に有効期限内のパスポートが必要となります。テスト当日は、パスポートの原本を試験会場へ持参します(日本英語検定協会が実施するIELTSの場合は、パスポートのカラーコピーも必要)。
※申し込みの際に登録したパスポート番号と試験当日に提示するパスポートの番号は一致している必要があります。当日、一致していなかった場合、受験は許可されません。
●スピーキングテストについて●
IELTSの試験で実施されるスピーキングテストの申し込み方法も、団体によって違いがあります。しっかり確認しておきましょう。
実施団体 | 日本英語検定協会 | 日本スタディ・アブロード・ファンデーション(JSAF) |
---|---|---|
スピーキングテスト 実施日 |
原則として筆記テストと同日に実施 ※ただし、東京2DAYと大阪2DAYは、筆記テストの翌日にスピーキングテストを実施 |
原則、筆記テストと同日の土曜日・午後に実施 |
スピーキングテストの 日時リクエスト |
日程・時間の変更はできない | 筆記テストの10日前までに申し込んだ場合に限り、日時のリクエストが可能(*6) |
*6 詳細の確認、日時リクエストの申し込みは下記ページを参照してください。
【参考ページ】:スピーキングテスト日時リクエスト|IELTS公式テストセンター|JSAF(一般財団法人日本スタディ・アブロード・ファンデーション)
※IELTS 公式テストセンター 東京(JP112)の高田馬場以外の会場(池袋、横浜、特別会場)で受験する場合は、申込み時にスピーキングテストの日時を選択しているため、再度手続きをする必要はありません。
イギリスの大学に進学する場合はほぼ必須となるIELTS
しっかり対策をして憧れの大学への道を開こう!
海外大学への進学の際に必要となる英語能力の証明として、世界中で広く認められているIELTS。TOEFL®テストと同じくらい、国際的にはメジャーな英語テストと言えます。多くの場合、IELTSもTOEFL®テストもどちらも受け入れられていますが、留学したい国や入学したい学校によっては、活用状況は国によって若干の違いがありますので注意が必要です(イギリスに留学する場合は、IELTSが必要となることが多いです)。まずは自分が海外で学びたいことをしっかり考え、留学したい国や大学を具体的に検討することが最優先。留学先が求める英語能力の証明の設定を確認したうえで、状況によってはIELTSを優先して受検していってもよいでしょう。IELTSを受検するのであれば、会場や受検フォーマットなどをきちんと比較検討し、自分に向いているほうの団体のテストを選択するのが成功への第一歩。日程や申し込み手順が確認できたら、受検日に向けてしっかりとテスト対策をしていきましょう。
※この記事でご紹介している内容は2020年3月20日現在の情報に基づいています。
※情報は変更になる可能性があるので、最新情報は各団体のIELTS公式サイト等でご確認ください。
※この記事は、旧GLCウェブサイトの「IELTSの基礎知識」2020年3月20日に掲載されたものです。