海外大生体験談

海外大に入学して驚いたこと!-勉強編①教育システム、カリキュラム-


世界で活躍中のGLC卒業生「海外進学・留学ラボ協力隊」が書き下ろし原稿、動画で入試や大学生活についてレポートします。5・6月の2か月連続でお届けするテーマは「海外大に入学して驚いたこと」。今回は、教育システム、カリキュラムについて語っていただきます。

海外での大学生活は、進学前に思っていたことや日本との違いもあって驚きもたくさんあるはず。 そこで、進学した国や大学が異なる先輩たちに登場していただき、実際に感じた“驚き”を様々な切り口でご紹介いただきます。
紹介をしてくれる先輩たちは、アメリカからYuka.T先輩(Middlebury大学)とKaito. N先輩(Havarford大学)、オーストラリアのY.H先輩(Western Sydney大学)、オランダからMia.T先輩(Leiden大学)の4名です。

 

Yuka.T先輩

アメリカ ミドルベリー大学(Middlebury College)

 

 

 

専門以外に色んなものを深く学べることに驚き!

Middlebury Collegeは”Little Ivy”と呼ばれることもあるアメリカ北東部に古くからあるLiberal Arts College群のうちの一つです。よく日本で”College”という単語は、短大や単科大学を指しますよ、なんて教えらえる事が多いようで誤解されがちなのですが、れっきとした4年制の大学です。
一般的な米国の総合大学や日本の大学と何が違うのか(驚きポイント)を3点にまとめると、
①入学時に学部学科に属さない
②「一般教養の授業」というものがない
③少人数制
という説明が一番わかってもらいやすいかと思います。どんな科目を受けるにもその科目を専攻にしようと思っている人と同じ入門の授業に入ることになります。だから「あなたはどうせ専攻じゃないのだから広く浅く知っとけばいいよね。」ということがなく、クラスのモチベーションも高くなるので、深い学びができるんです。つまり、リベラルアーツ校の基本概念として、専門以外にも色んなものを学べる体制があります。だから、私の場合、自身の専門と関係のない、ダンス学部のモダンダンスの授業や人類学部の考古学入門、中国語学部の古代漢文の授業、さらには芸術学部の”The Creative Process”という授業などをこれまで受けてきました。例えば、最後に挙げた”The Creative Process”の授業は、新しい楽譜の在り方を考える、子供用ではない新しいおもちゃを創る、みんなで体中にガラクタをくっつけて自らがどうやって動く作品になるかを考える、などが授業内容です。少しクレイジー?と最初は驚きました。でもこういった経験は「固定概念をどう壊すか?」を私に教えてくれました。こうして色々な授業に出てみて、自分が専攻にしたいなと思ったら、その学科のホームページに行くと、「あなたがこれらの授業を取ったら、専攻として認めてあげますよ」というリストが載っています。それに従って、専攻だと約10クラス、副専攻だと約5クラス取り、4年生が終わるまでに授業を全て取り終わるようにするといった考えで授業を組んでいきます。
私は脳科学専攻なのですが、その選択科目の幅はどの学校よりも広いと思います。なぜかというと、うちの脳科学は、生物化学方面だけの脳科学を脳科学としていないからです。色んな他の科目と掛け合わせることができる脳科学ですから、大きく分けて、①Biochemistry ②Psychology ③Philosophy の三つの方面から選択科目を選ぶことができます。Biochemistryよりも認知心理と言語学との境界線で学んでいきたい私としては最高でした。


考古学の授業
私の隣にいたのは、ホモサピエンスではなく、ラミダス猿人!

 


脳の部位テスト
こういうのが教室の机に10個ぐらいおいてあって、手元にテスト用紙を持ちながら、回覧して答えを記入していきました。 問題は「6番の溝をなんといいますか?」「40番を含むエリアは、どのような人間の行動を制御している場所ですか?」など、部位理解に関するものが9ページ…。


Kaito. N先輩

アメリカ ハバフォード大学(Haverford College)

 

 

 

近隣の大学で授業を受けられるし、テストの受け方が新鮮!

大学のシステムでへえ、と思った特徴は、近隣の大学で授業を受けることができることです。ハバフォード大学は、かなり小さいリベラルアーツ大学ですが、このシステムのおかげで、他の大学にしかない授業を受けたり、さらには学部で専攻したりすることができます。例えば、大学が無料で運営するバスで10分のブリンマー大学には、ハバフォード大学にはない都市計画の学部があり、そこで授業を取り、専攻することができます。より幅広く授業を受けることができるだけではなく、より多くの教授と知り合うことができます。僕は、2年生の春学期にブリンマー大学で受けた計算幾何学の授業がとても面白かったので、その教授の元で夏の間研究しました。

また、もう一つ驚いたことは、数学のハイレベルなクラスのテストの多くは、制限時間が「2日間」など長く、さらにテスト中に教科書やノートを見ても良いということです。日本のシステムとかなり違うので、最初は戸惑いましたが、テスト勉強をする際には、定理などの暗記に時間を費やすことなく、内容の理解に焦点を当てることができるので、慣れてからはこのシステム以外のテストが嫌になってしまいました(笑)。

 

Y.H先輩

オーストラリア ウェスタンシドニー大学(Western Sydney University)

 

 

 

専門学校や語学学校から編入できる柔軟なシステムにビックリ!

私の通っているWestern Sydney University はシドニーの中でも創立してからまだ30年ほどしかたっていない比較的新しい大学ですが、創立50年以下の大学ランキングで79位に評されるグローバルな大学であり、シドニー近郊に複数のキャンパスがあります。総合大学のためさまざまな学部がありますが、私はその中でもBachelor of Travel and Tourism Management を専攻していて、主に観光系の勉強をしています。

Western Sydney University は付属の教育機関(主に英語力が足りない留学生が利用します。日本から直接オーストラリアの大学に入るとしたら利用することになると思います。)からの入学だけでなく、専門学校や語学学校からの編入も受け付けています。私はこのシステムを利用して編入という形で入学しました。専門学校から大学に編入するメリットとしてあげられるのは、大学と比べて少人数の質の高いクラスで、英語で学べるのでまず環境に慣れることができるという点があります。おかげで大学に入ってからは確かに内容の難易度は上がりましたが、専門学校での経験を生かして順応することができました。そして、大学と比べて専門学校の学費は安いので大学の半額ほどで済みます。また、専門学校に1年通った単位を大学に引き継ぐことができるので、大学卒業までの年数を3年に短縮することが可能です。学部もそうですが、私はこのシステムを利用できるというのもあって、数ある大学から最終的にWestern Sydney Universityを選びました。

 

Mia.T先輩

オランダ ライデン大学(Leiden university)

 

 

 

ステップアップ形式で1から国際問題のスペシャリストを目指せる!

私の大学が提供しているコースは 日本でいうと「国際学」に入ると思います。1年生のうちは専攻を絞るためにJustice、Sustainability、Prosperity、そしてDiversityという4ブロックに分けて、様々な面から国際問題を追求して行きます。これを受けて、2年生で自分が専攻したい学科を選ぶというシステムです。このように、1年目は世界にどんな問題があるのかを総合的に学習、2年目から視点を絞って研究し、最終的には自分が貢献したい国際問題のスペシャリストになるようにステップアップが組まれています。これから世界情勢を把握し、インターナショナルに活躍したい学生にとって最適のプログラムだと思います。 私の場合は、1年生で学んだ中で最も刺激を受けた授業は、社会全体に存在するルールを学ぶInstitutionに関する内容でした。先進国と後進国の機関や制度の違いを学ぶことで、経済においても政治においてもInstitutionの在り方が重要であると感じ興味を持ちました。授業は一人ずつにテーマが与えられ、テーマにあった社会の実際のケースを調べてプレゼンをするという課題です。調べたり知ったりするだけではなく、毎回プレゼンがあるのです!講義だけでなく、表現するチャンスがたくさんあることもビックリポイントのひとつ。でも内容への理解が深められるし、コミュニケーション力もつくので、とても楽しく学んでいますよ!

※この記事でご紹介している内容は2020年5月5日現在の情報に基づいています。

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