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世界大学ランキング(THE)2021年版発表!日本の大学の位置付けは?

2020年9月に、イギリスの高等教育専門誌「Times Higher Education(THE:タイムズ・ハイヤー・エデュケーション)」が発表した2021年のTHE世界大学ランキング。今回は、この最新版のランキングにおける日本の大学のランクイン状況についてご紹介します。世界の高等教育の中で、日本の大学はどのような位置づけなのでしょうか?世界レベルの視野から日本の大学を見てみることで、あらためて「国内大か、海外大か」の検討をしてみるのもよいのかもしれません。

THE世界大学ランキング2021年版での日本の大学の位置付けは?

THE世界大学ランキング2021にランクインした日本の大学(800位までにランクイン)

今回で17回目の発表となる「THE世界大学ランキング」では、「教育」「研究」「被引用論文」「国際性」「産業界からの収入」の5分野・13指標で各大学のスコアを算出し、ランク付けしています。ここでは、2021年版の全体ランキングで800位までにランクインした日本の大学を一覧でご紹介します。

2021年順位 2020年順位 順位の変動 大学名 設置区分 日本版ランキング2020の順位
=36 =36 東京大学 国立 =3
=54 65 京都大学 国立 2
201-250 251-300 東北大学 国立 1
301-350 251-300 東京工業大学 国立 =3
351-400 301-350 名古屋大学 国立 7
351-400 351-400 産業医科大学 私立 151-200
351-400 301-350 大阪大学 国立 8
401-500 401-500 九州大学 国立 5
401-500 401-500 東京医科歯科大学 国立 =29
401-500 401-500 筑波大学 国立 9
501-600 401-500 藤田医科大学 私立 151-200
501-600 401-500 北海道大学 国立 6
501-600 401-500 帝京大学 私立 131-140
601-800 601-800 会津大学 公立 24
601-800 601-800 東京慈恵会医科大学 私立 121-130
601-800 501-600 関西医科大学 私立 151-200
601-800 601-800 慶應義塾大学 私立 14
601-800 601-800 神戸大学 国立 15
601-800 601-800 日本医科大学 私立 131-140
601-800 501-600 横浜市立大学 公立 =36

※ 順位の数字に「=」がついている場合:同順位の大学あり
※ 順位の変動が「=」の場合:前回順位から変動なし

2021年版ランキング 日本の大学の動向

2021年版では、日本の大学の全体ランクイン数は前年より6校多い116校で、アメリカに次いで世界2位となりました。初ランクインは、独協医科大学、金沢医科大学、高知工科大学など6校となっています。設置者別に見ると国立57校、公立12校、私立47校で、国立大優位の傾向が続いています。
日本のトップは、前年に引き続き36位タイにランクされた東京大学。現在のランキング指標が導入された2011年以降、毎年トップ50以内をキープしています。日本のNo.2は54位タイの京都大学。2017年から一度も順位を落とすことなく、着実にランクアップを重ねてきた同大学ですが、今年は「産業界からの収入」分野で8.4ポイント、「教育」と「国際性」の分野で4ポイント強のスコアアップなどにより総合ランキングで11ランクも上昇するという躍進を見せ、THEも「目覚ましい快挙」と称賛しています。続く3番手には前年251~300位から201~250位にアップした東北大学が入りました。4番手の東京工業大学、5番手の名古屋大学までは前回と同じ並びとなっていますが、いずれもランキングはそれぞれ1バンドずつダウンしています。
私立大学最上位となる6番手に入ったのは、前回初ランクインした産業医科大学、順位は変わらず 351~400位でした。私立大学としては、藤田医科大学、帝京大学と続きますが、いずれも前回の401~500位から501~600位にダウンとなっています。

THEのチーフ・ナレッジ・オフィサーであるフィル・ベイティ氏は、「日本のトップ大学は一貫して世界大学ランキングの上位の業績を上げており、とくに東京大学、京都大学、東北大学はこれまでで最も競争の激しいランキングの中で、2020年より順位を向上または維持しています。さらに、日本は再びランクイン数で2番手となり、世界の高等教育の舞台で最上級の大学と競争していくという野心を示している」とコメントしています。
ただ日本は、ランクイン数で見れば世界2位ですが、トップ200入りしている大学は6年連続で2校のみ。世界1位のアメリカ(59校)や、トップ200以内で2位のイギリス(29校)、3位のドイツ(21校)に大きく水をあけられています。世界で上位のポジションを獲得できる大学の層を厚くしていくことが、日本の高等教育の今後の課題といえるでしょう。

指標分野ごとのスコアにも注目!

「THE世界大学ランキング」のWEBサイトでは、Overall(全体)のランキングだけでなく、各ランクイン大学の指標分野ごとのスコアも見ることができます。「Teaching(教育)」「International outlook(国際性)」「Industry income(産業界からの収入)」「Research(研究)」「Citations(被引用論文)」の5分野について、それぞれの分野のスコアが高い順に大学を並べて見ることもできるので、全体順位と分野ごとの順位の違いなども明確にわかります。いろいろな大学の指標分野ごとのスコアを見比べてみると、それぞれの大学の強みや特徴などがつかめるので、非常に興味深いデータと言えるでしょう。
たとえば、全体1位のオックスフォード大学は「Research」分野でも1位ですが、「Industry income」では189番目となっており、この分野で少し弱いことがわかります。
日本の大学でいえば、東北大学が「産業界からの収入」分野で97.4と前回に続き高いスコアを獲得し、分野別で42位となっていることや、「被引用論文」分野では産業医科大学が満点である100.0、帝京大学が92.3という、非常に高いスコアを誇っていることなどが読み取れます。
世界の大学、日本の大学のランクイン状況や順位変動だけでなく、指標分野ごとのスコアにも注目して「THE世界大学ランキング」を見てみると、世界の中で日本の大学がどのような位置付けなのかがチェックできます。国内大学か海外の大学かで迷っている方は、このようなデータ・視点も参考に、大学選びをしてみてはいかがでしょうか?

【参考ページ】:World University Rankings 2021|Times Higher Education

※この記事でご紹介している内容は2020年10月23日現在の情報に基づいています。

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