海外大学進学情報

日本人留学生が海外の大学を卒業したら、どんな道がある?どんなスキルを生かして就職できる?

海外大学で学びたいけれど、卒業したあとはどんな道に進むかまではあまり考えたことがない、という方は多いのではないでしょうか。今回は、海外の大学を卒業した日本人留学生が進路を選択しているのかという実態をご紹介します。将来を見据えることで、進学準備の本気度や大学生活の充実度も変わってきます。ぜひご自身の海外大学進学後のイメージを膨らませてみてください。

※データ等は下記の資料等を参考にしています。

【参考文献】:「海外留学経験者の追跡調査 平成30年度版」/2019年8月(独立行政法人日本学生支援機構)
【参考文献】:「未来を創造する若者の留学促進イニシアティブ(第二次提言)」/令和5年4月27日(内閣官房 教育未来創造会議)

日本人留学生が海外の大学を卒業したらどんな道がある?

1. 海外大学卒業後の進路一覧

就職

■日本国内で就職:

留学期間が2~4年以上という方の場合、40~50%程度が日本に帰国して就職しています。(学士学位を取得された方の場合は46.2%)
日本拠点を持つ外資系企業やグローバル企業、日本の大手企業などで多く採用される傾向があり、専門職に携わる割合も多めです。企業が雇用に関して設定している「帰国子女枠」や「グローバル採用枠」などを活用するケースもあります。ただ日本企業の場合は、就職時期が固定されていることが多く、海外大学卒業と就職活動のタイミングがずれるケースも少なくないため、注意が必要なようです。

■海外(現地)で就職:

学士学位を取得された方の場合、海外(現地)で就職する方は10%強程度。留学先の現地企業や日本企業の海外拠点での就職が多くなっています。アメリカ、イギリスをはじめとした多くの国では、企業の人材需要や業務都合に応じて通年で採用活動を行っているため、卒業時期にとらわれずに就職活動が可能です。グローバルなキャリアを築く大きなステップとなりますが、国によっては就労ビザの取得や現地での生活基盤の確立など、クリアすべきハードルも多いのが現状です。


大学院進学

学士学位を取得した後に日本に帰国して大学院に進学する場合と、現地の大学院に進む場合がありますが、帰国して進学を選択する方が多いです(学士学位を取得した方の中で、帰国して進学する方の割合は13%程度)。進学は、大学で学んだ分野の専門性を深めつつ、研究者・専門家とのネットワークを築く機会を得ることもできるので、キャリアアップにつながりやすい進路といえます。海外の大学院では特にMBA(経営学修士)や、STEM(科学・技術・工学・数学)分野、国際関係学などが高い人気を誇っています。


起業・フリーランス

海外で得た知識やネットワークを活かして新たな事業を創出したり、フリーランスで活躍したりするという道もあります。その場合は、日本国内で活動を始める方が多いようです。


その他の選択肢

国際的な業務を行う公的な機関・組織や、NGO/NPOなどに所属して活動するケースもあります。グローバルに働きつつ、社会貢献を通じて自身の価値観を実現できる進路といえます。

2.日本人留学生の強み ~帰国して就職する場合~

日本人留学生(学士学位を取得)のうち留学経験が就職に「役立った」と答えた割合は70%を超えています。では、先輩たちは具体的にどんなことが役立ったと考えているのでしょうか?日本に帰国して就職をする場合、海外大学で学んだ経験をどう生かせるのかをご紹介します。

海外留学を通して得た力と企業のニーズが一致!

「留学経験が実際に仕事に役立ったこと」として、日本人留学生が挙げているのは主に以下のような力です。 (「海外留学経験者の追跡調査 平成30年度版」/2019年8月(独立行政法人日本学生支援機構)より)

  • ■語学力:48.2%
  • ■視野の広さ:36.1%
  • ■異文化理解:30.3%
  • ■コミュニケーション力:30.1%
  • ■専門性:19.5%
  • ■チャレンジ精神:14.5%

留学生の半数以上が語学力を強みと感じています。
また、視野の広さや異文化に対する姿勢などの「柔軟性」やコミュニケーション力、チャレンジ精神なども上位に。

一方で、企業がグローバル事業で活躍する人材に求める素質、知識・能力についての調査では下記のような結果が出ています。

<企業がグローバル事業で活躍する人材に求める素質、知識・能力>(*)

  • ◆海外との差異に興味・関心を持ち、柔軟に対応する姿勢 75.7%
  • ◆既成概念にとらわれず、チャレンジ精神を持ち続ける 57.6%
  • ◆外国語によるコミュニケーション能力 47.2%

知識以上に「異文化理解」「柔軟性」「チャレンジ精神」「コミュニケーション力」といった素質が求められていることがわかります。

まさに、企業が求める力を養えるのが海外大学での経験といえるでしょう。

*日本経済団体連合会「グローバル人材の育成・活用に向けて求められる取り組みに関するアンケート結果」(平成27年3月)より

3.大学内や国の制度で活用できるもの ~現地で就職する場合~

海外大学卒業後に現地で就職を目指す場合に役立つ制度としては、次のようなものが挙げられます。

●大学のキャリアサービス

多くの海外大学では、留学生向けのキャリアサービスが充実しています。留学生向けの部門がなくても、大学の就職担当のオフィスで相談すると就職フェアやフォーラムなどの情報を提供してもらえるケースが多々あります。自分から積極的に情報をとりにいく姿勢が大切になります。

●留学生向けの特別な就労ビザ制度

国によっては、留学生が卒業後に就労可能なビザの制度が整っていることがあります(OPTやGraduate Routeビザなど)。

※詳細については次回の記事で詳しくご紹介します。

海外大学を卒業した後には多様な進路が拓けていること、自分の意志によって様々なキャリアが目指せること、がおわかりいただけたかと思います。海外大学に「入学する」ことだけでなく、少しずつでも「大学卒業後」の自身の生き方やなりたい自分をイメージしていきましょう。それによって、大学での学びや活動にも目的意識が芽生え、より充実したキャンパスライフを送ることができるはずです。

▼先輩方の就活体験談もチェック!

【参考記事(アメリカ)】:日本とは全然違う!? 海外大の就職活動①
【参考記事(オーストラリア)】:日本とは全然違う!? 海外大の就職活動②
【参考記事(アメリカ)】:日本とは全然違う!? 海外大の就職活動③
【参考記事(アメリカ)】:卒業後の進路、どうやって考えた? ~就職・大学院へ進学~


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※この記事でご紹介している内容は2024年12月18日現在の情報に基づいています。

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