発表!’25THE世界大学ランキング –アジアの大学が躍進、日本の大学にも注目–
イギリスの高等教育専門誌「Times Higher Education(THE)」は、日本時間の10月9日に2025年版の「THE世界大学ランキング」(THE World University Rankings 2025)を発表しました。世界で最も権威あるランキングの1つとして知られるTHEの大学ランキングは、今年で21回目。単純に大学の順位だけを見るのではなく、このランキングを通して「世界レベル」の目で海外・国内の大学を知り、どの国・どの大学で学ぶかという広い視点を持つことに生かしていきましょう。
THE世界大学ランキング2025の全体TOP20
「THE世界大学ランキング」、THEが独自の指標で世界各国の大学のスコアを算出してランク付けし、2004年から毎年発表している大学ランキングです。「教育」「研究環境」「研究の質」「産業界」「国際性」の5つの領域の、18 のパフォーマンス指標(*1)に基づいてランク付けされています。
*1) 18の指標のうち「国際性」分野の「派遣留学生の割合(Studying Abroad)」は将来的に採用予定で、現在は含まれていません。
■「THE World University Rankings 2025」 1位~20位
順位 |
2024年 の順位 |
順位の 変動 |
大学名 |
国名 |
---|---|---|---|---|
1 |
1 |
= |
オックスフォード大学 |
イギリス |
2 |
3 |
↑ |
マサチューセッツ工科大学 (Massachusetts Institute of Technology) |
アメリカ |
3 |
4 |
↑ |
ハーバード大学 (Harvard University) |
アメリカ |
4 |
6 |
↑ |
プリンストン大学 (Princeton University) |
アメリカ |
5 |
5 |
= |
ケンブリッジ大学 |
イギリス |
6 |
2 |
↓ |
スタンフォード大学 (Stanford University) |
アメリカ |
7 |
7 |
= |
カリフォルニア工科大学 (California Institute of Technology) |
アメリカ |
8 |
9 |
↑ |
カリフォルニア大学バークレー校 (University of California, Berkeley) |
アメリカ |
9 |
8 |
↓ |
インペリアル・カレッジ・ロンドン (Imperial College London) |
イギリス |
10 |
10 |
= |
イェール大学 (Yale University) |
アメリカ |
11 |
11 |
= |
チューリッヒ工科大学 (ETH Zurich) |
スイス |
12 |
12 |
= |
清華大学 (Tsinghua University) |
中国 |
13 |
14 |
↑ |
北京大学 (Peking University) |
中国 |
=14 |
13 |
↓ |
シカゴ大学 (The University of Chicago) |
アメリカ |
=14 |
16 |
↑ |
ペンシルバニア大学 (University of Pennsylvania) |
アメリカ |
16 |
15 |
↓ |
ジョンズ・ホプキンス大学 (Johns Hopkins University) |
アメリカ |
17 |
19 |
↑ |
シンガポール国立大学(National University of Singapore) |
シンガポール |
=18 |
19 |
↓ |
コロンビア大学 (Columbia University) |
アメリカ |
=18 |
18 |
= |
カリフォルニア大学ロサンゼルス校 (University of California, Los Angeles) |
アメリカ |
20 |
20 |
= |
コーネル大学(Cornell University) |
アメリカ |
※ 順位の数字に「=」がついている場合:同順位の大学あり
※ 順位の変動が「=」の場合:前回順位から変動なし
オックスフォード大学、9年連続で首位を維持
2025年版のトップは9年連続でオックスフォード大学(イギリス)。首位維持期間は史上最長となりました。2位にマサチューセッツ工科大学、3位にハーバード大学とアメリカの大学が続きます。
トップ10の顔ぶれは前回と同じで、アメリカ7校、イギリス3校と英米の大学が占める結果となりました。前回2位だったスタンフォード大学が4ランクダウンの6位になったことを除けば、いずれも2ランク以内の変動でした。
「THE世界大学ランキング2025」では、133の国・地域の2,860校(前回の2,674校から6.9%増)からデータが提出されランキング対象となりました。この中から115の国・地域の2,092校(前回の1,907校から9.7%増)がランクイン。ランクイン校数が2,000を超えるのは初となり、前年からの伸び率は過去5年間で最大となりました。
アジアの大学がさらに台頭 – 清華大学、北京大学、シンガポール大学が上位に
アジアからは前回と同じ総合12位の清華大学(中国)をトップに、13位に北京大学(中国)、17位にシンガポール国立大学(シンガポール)といずれも順位を上げてトップ10入りに近づいています。
ランキングの上位は依然としてアメリカとイギリスの大学が占めているものの、その背後にあるデータは憂慮すべき傾向を示しつつあるとTHEは指摘。両国とも「教育」「研究環境」分野の「評判調査」の指標が急速に低下していることが顕著に見て取れるのです。
トップ200のランクイン校数を4年前(2021年版)と比べると、アメリカは59校から55校に減少。イギリスも4校減で25校となっています。逆に増えたのは中国(6校増の13校)と日本(3校増の5校)だけ。2021年版以降、新たにランキングに加わった210大学のうち60%をアジアが占めており、アジア勢の躍進が続いています。
日本の大学では、東京大学が28位に上昇。東北大学・大阪大学は大きくランクアップ
日本のトップは東京大学で、前年から1ランクアップの28位。2015年以降では最高順位となりました。続く京都大学は前年と同じ55位 、東北大学は10ランクアップの120位、大阪大学は13ランクアップの162位でした。
日本からランクインしたのは119校。トップ50が1校、トップ100が2校、トップ200は5校、トップ500は10校となっています。新たにランクインしたのは一橋大学(1201-1500バンド)、岡山理科大学(1501+)、東京工科大学(1501+)の3校でした。
■「THE World University Rankings 2025」で1000位以内にランクインした日本の大学
2024年 順位 |
2023年 順位 |
順位の 変動 |
大学名 |
設置 区分 |
総合スコア |
THE日本大学ランキング 2023の順位 |
---|---|---|---|---|---|---|
28 |
29 |
↑ |
東京大学 |
国立 |
83.3 |
2 |
55 |
=55 |
= |
京都大学 |
国立 |
75.2 |
5 |
120 |
=130 |
↑ |
東北大学 |
国立 |
65.0 |
1 |
162 |
=175 |
↑ |
大阪大学 |
国立 |
61.0 |
3 |
195 |
=191 |
↓ |
東京工業大学 (現 東京科学大学) |
国立 |
59.1 |
4 |
201-250 |
201-250 |
= |
名古屋大学 |
国立 |
55.8-58.6 |
8 |
301-350 |
301-350 |
= |
九州大学 |
国立 |
51.1–53.6 |
6 |
351-400 |
351-400 |
= |
北海道大学 |
国立 |
49.4–51.0 |
7 |
351-400 |
351-400 |
= |
筑波大学 |
国立 |
49.4–51.0 |
9 |
401-500 |
401-500 |
= |
東京医科歯科大学 |
国立 |
46.0–49.2 |
17 |
601-800 |
601-800 |
= |
広島大学 |
国立 |
38.2-43.2 |
11 |
= |
順天堂大学 |
私立 |
=81 |
|||
= |
慶應義塾大学 |
私立 |
12 |
|||
= |
神戸大学 |
国立 |
13 |
|||
= |
会津大学 |
公立 |
24 |
|||
801-1000 |
801-1000 |
= |
岡山大学 |
国立 |
34.5-38.1 |
21 |
= |
東京医科大学 |
私立 |
141-150 |
|||
1001-1200 |
↑ |
和歌山県立医科大学 |
公立 |
151-200 |
||
801-1000 |
= |
早稲田大学 |
私立 |
14 |
※ 順位の数字に「=」がついている場合:同順位の大学あり
※ 順位の変動が「=」の場合:前回順位から変動なし
日本の大学の課題は「研究の質」のスコアが他国を大きく下回っていること
国内トップ5のうち東京大学(29位→28位)、東北大学(130位タイ→120位)、大阪大学(175位タイ→162位)は順位を上げたものの、トップ5以外の114校のうち順位を上げたのは2校のみで、29校はランクダウンという結果でした。
201~1000位にランクインした日本の大学は、2019年版は49校、2022年版は25校、2024年版は18校で、さらに今回は14校と減少傾向にあります。THEはその最大の要因として「研究の質」分野のスコアが他国を大きく下回っていることを挙げています。一方で、「学生に対する教員比率」「特許に引用された論文数」の指標では「良い結果を出している」と説明しています。
THEのチーフ・グローバル・アフェアーズ・オフィサーのフィル・ベイティ氏のコメントは以下の通りです。
「日本の上位5校は着実に順位を上げています。アジア、とりわけ中国、香港、韓国など東アジア諸国との競争激化を考えると、見事な成果と言えるでしょう。
10兆円規模のファンドで大学を支援する『国際卓越研究大学』は素晴らしい取り組みです。現時点で唯一の支援対象となっている東北大学は野心的な目標を掲げていて、今後のランキング結果が注目されます。
その一方で、日本のトップ大学以外は研究の質や学生数の減少など、複数の課題に直面しています。我々の包括的で厳密なデータによると、日本の高等教育が今後、確実に進展するためには、抜本的な政策変更が必要だと言えます」
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※この記事でご紹介している内容は2024年11月15日現在の情報に基づいています。