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海外大・国内大総合選抜で評価される「課外活動」。なにをどう評価される?

海外大入試や国内グローバル大の総合選抜で評価される「課外活動」。学生の個性や魅力を判断する際に重要な評価資料とされており、合否を分けるカギとなる要素の1つとも言われています。
「課外活動」は学校の授業以外で取り組んできた活動ほぼすべてがあてはまるため、内容は非常に多岐にわたります。もちろん結果がすべてではなく、熱意をもって取り組んだことであればどのようなことでもアピールしてOKとされます。ただ、学習成績のように明確な指標でないだけに、「なにをどう評価されるのか?」は気になるところではないでしょうか。そこで今回は、海外大入試における課外活動について、「大学側のおもな評価ポイント」をご紹介します。ご自身の取り組みや実績をアピールする際の参考にしてみてください。

海外大・国内大総合選抜で課外活動は何をどう評価される?

「課外活動」は入試でどれぐらい重要か?~国別の傾向~

アメリカ

アイビーリーグなどに代表される名門大学やリベラルアーツ大学を中心に、課外活動が非常に重要視される傾向があります。 出願時は、基本的にコモンアプリケーション(Common Application:Common App)の「活動欄(Activity)」に課外活動を列挙する形式で、項目に沿って活動内容や自分の役割を詳しく記入します。このCommon Appは多くのアメリカの大学で出願の際に利用されている共通プラットフォームで、課外活動は最大10個まで登録することができます。記入欄の「活動分野(Activity Type)」選択では選べる項目(分野)が30近くあり、幅白い活動についてアピール可能です。
また、大学によっては補足エッセイで課外活動についてのテーマを設定している場合もあります。

一概に課外活動の数が多ければ良いとも言い切れず、最近では行動や経験の一貫性が重視されるようになっています。多様な活動経験の全体を通して学生の人間性や資質、能力などを含めたストーリーを読み取り、その大学が求める人物像に合致しているかをしっかり判断する大学が多いようです。

カナダ

カナダの大学入試で最も重要とされるのは高校の成績と言われており、同時に高校で履修した科目も注目されます。自分が学びたい分野に関連する賢明な科目選択を行い、良い成績をおさめていることが非常に大切になりますが、一部の大学では課外活動などの経験も見られています。

カナダでは州や大学によって出願システムが異なるため、課外活動については共通願書に自分の今までの活動を列記する方式と、大学ごとのエッセイ(Application essay)の中でアピールする方法があります。高校での履修科目や課外活動、将来やりたいことなどの全体を通して、学生個人に一貫したストーリーがあるかが評価につながると言われています。そのため、より志望する専攻分野に近い活動が期待される傾向があります。

イギリス

イギリスの大学入試でも学業成績が重視される傾向が強くありましたが、近年では課外活動などの経験も重要になってきていると言われています。

ほとんどのイギリスの大学(学部課程)への出願~合否決定までの手続きはUCASのアプリケーションを通して行いますが、このUCAS上にパーソナルステイトメント(Personal Statement)という要素があります。個人の志望動機や専攻での学問内容への適性を示すためのエッセイで、入力が必須となっています。このパーソナルステイトメントを書くうえで、志望動機や専攻科目への興味・関心を裏付ける材料として課外活動の内容を盛り込むことが一般的です。志望する学問分野に関連して取り組んだ活動が評価される傾向があります。

オーストラリア

オーストラリアの大学の出願書類は、一般的に高校の成績表・卒業証明書と英語力の証明書、パスポートのみ。学部・コースによっては推薦書や志望理由書などが必要な場合もありますが、通常は課外活動の実績について特に提出は必要ないケースがほとんどです。ファウンデーションコースから入学する場合も同様です。

ただし、志望理由書などの提出が求められている学校では、合否判定の直接の要素にはならないものの、学生の個性や熱意を示す手段として考慮される場合もあります。

日本(総合型選抜)

国内のグローバル系大学・学部を中心に広く行われるようになった総合型選抜では、海外大の入試と同様に課外活動の実績が重要な要素となってきています。個人の特性や成長過程を評価する観点から、合否を判断する材料の1つとしている学校が多いようです。

「課外活動」を通して学生の何が見られているのか? ~チェックの観点~

「課外活動」が海外大の合否判定で重要な要素の1つ、とはいえ、実は活動によって得た成果や名声だけが評価対象とされているわけではありません。大学側はその活動の記録・実績から、学生が何に興味を持ち、何に情熱を傾けて行動し、その経験から何を得て、どんな人格を形成し、どんな個性と能力を持つ人間に成長してきたか、という一連の個人ストーリーをなるべく具体的に組み立てようとしているのです。それによって、その大学に貢献できそうな学生、周囲の人に良い影響を与え、キャンパスライフを豊かなものにしてくれそうな学生を見つけようとしている、というわけです。

具体的な課外活動のチェック観点を挙げるとすれば、下記のような点になります。

◆活動に熱心だったか:

とくに活動への参加期間が重要。参加の頻度、実際の活動内容なども考慮されます。

◆リーダーシップを発揮しているか:

特別な役職や役割に就いて活動することで、積極性やチームビルディング力 ・コミュニティへの貢献度などで高い評価につながります。

◆地域社会や多様なコミュニティへの参加:

学校内での活動にとどまらず、地域や企業との関りを持つことで社会的な責任・市民参加の意欲・姿勢を示すことができます。

◆芸術性・創造性など「その人ならでは」の才能があるか:

音楽や演劇、創作活動などの芸術活動で培ったコミュニケーションや自己表現のスキルは、多様な創造的才能として評価されます。

◆チームスポーツでの功績があるか:

スポーツ競技、とくにチームスポーツに参加し、熱心に活動することで身につく粘り強さ、規律、協調性、チームスピリットは大学でも好まれます。

◆知的好奇心、問題解決力、学問への取り組み姿勢:

研究活動やプロジェクト、学術的な大会に参加することなどで磨かれた知識に対する好奇心、批判的思考力、問題解決能力などは、大学で学ぶ準備ができているとみなされます。

海外大入試において高く評価される課外活動は、あくまでも「量より質」。そしてそれは、必ずしも大会やコンクールでの華々しい成果が必要なわけではない、ということがおわかりいただけたかと思います。 あくまでも自分が興味あること、自分が輝ける活動を継続して続けていくことが大切です。そのうえで、志望大への出願を意識し始めたときに、「チェック者の目」を意識して、志望大学や専攻にマッチするように活動の選択・仕上げを行っていくのがベストといえるでしょう。

【参考記事】海外大受験時のアプリケーションに必要!な「課外活動」とはどんなもの?


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※この記事でご紹介している内容は2024年9月10日現在の情報に基づいています。

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