高額な授業料の海外大にも手が届く!奨学金が充実している世界の大学は?
アメリカを中心に海外大学の授業料は年々高騰している傾向があり、高等教育の費用負担が社会問題化しつつある国もあります。そうした状況の中で、世界中から意欲の高い優秀な学生を集めたいグローバル大は、学生家庭の負担を軽減させるべくそれぞれに様々な財政援助の施策を用意しています。
公的な機関や財団、民間企業が提供している奨学金等はハードルが高く、競争も激しいためあきらめてしまっている方も、大学独自の奨学金に留学をサポートしてもらえるかもしれません。今回は、留学生にも奨学金サポートを惜しまない大学の例を5校ご紹介します。
※ここでご紹介している内容は変更になる可能性があります。最新・詳細は必ず公式発表をご確認ください。
カナダ
トロント大学(University of Toronto)
トロント大学では、非常に多くの幅広い学生アワード(Scholarship・Grantなど)プログラムが提供されています。優れた学業成績やリーダーシップから、地域社会への参加やクリエイティブな業績を対象としたものまで多様な種類があり、基本的に返済は不要です。
・Scholarship(奨学金):主に経済的な必要性に基づいて授与される
・Grant(助成金):主に経済的な必要性に基づいて授与される
※学業成績、経済的必要性、またはその両方の組み合わせに基づき、年間1億ドル以上に相当する数千の返済不要の奨学金が支給されています。
資格のあるすべての学生(留学生を含む)は、出願・入学審査時に自動的に様々な奨学金の対象となります(*1)。入学奨学金の中で主要なものは「トロント大学奨学生プログラム」と「学長優秀奨学生プログラム」の2つです(いずれも申請不要)。
*1)別途申請が必要な入学奨学金や、受賞プロフィールの記入が必要な入学奨学金もあります。
名称 |
概要 |
対象人数 |
金額 |
---|---|---|---|
トロント大学奨学生プログラム(University of Toronto Scholars Program) |
優秀な学生を入学時および継続的に表彰する制度。国内および海外の優秀な学生は、入学時の平均点に基づいて自動的に対象とみなされる。
※場合によっては、大学や学部から授与される他の奨学金と併用できることもある |
約1,000名(入学時) |
7,500ドル |
学長優秀奨学生プログラム(President’s Scholar of Excellence Program) |
学士課程1年次に直接入学を希望する優秀な学生に授与される(優秀な学生が自動的に対象となる)。 1年次に1万ドルの入学奨学金が支給されるほか、2年次には学内でのアルバイトの機会が用意されるとともに、在学中は国際的な学習の機会が提供される |
約150名 |
1年次に10,000ドル |
※いずれも奨学金が支給される年の秋に、支給対象学部にフルタイムで在席していることが条件
<留学生を対象としたその他の奨学金>
名称 |
概要 |
対象人数 |
金額 |
---|---|---|---|
レスター・B・ピアソン国際学生奨学金 |
優れた学業成績と創造性を発揮し、学校内でリーダーとして認められている学生を対象とする。高校からの推薦が必要 ※高校からの推薦を得て、大学の学部課程に出願すると、奨学申請のための個人用リンクが送られてくる |
約 37 名 |
授業料、書籍、雑費、および 4 年間の寮費全額をカバー |
国際奨学生アワード(International Scholar Awards) |
トロント大学の最大規模の部門および学部の優秀な留学生に、入学時に自動的に授与される。更新可能で、総額10万ドルの価値がある <対象部門・学部は下記> ・Faculty of Arts & Science ・University of Toronto Mississauga ・University of Toronto Scarborough ・Faculty of Applied Science and Engineering |
部門・学部による |
最大100,000ドル |
国際優秀学生賞(International Merit Admission Award) |
芸術・科学部の選抜された留学生を対象に、入学時に授与される。学生は自動的にこの賞の選考対象となり、連続する4年間、または学位取得までのどちらか早い方で最高5万ドル(初年度は最高2万ドル、2年目、3年目、4年目は1万ドルで更新可能)が授与される |
― |
最高50,000ドル |
*入学奨学金以外にも、毎年5,900以上の在学中奨学金が活用できます。下記のページから検索が可能です。
【参考ページ】:Award Explorer|University of Toronto
オーストラリア
シドニー大学(The University of Sydney)
シドニー大学では学部・専攻などにより様々な奨学金制度があります。学部課程で700以上、総額8,400万ドル以上の奨学金プログラムが提供されています。
願書を提出すると成績等により自動的に奨学金の審査が行われるものと、通常の出願書類とは別に奨学金専用の申請が必要なものがあります。
学部課程の留学生向けの奨学金には「一般奨学金」と「学部奨学金」があります。例としては以下のようなものが挙げられます。
<一般奨学金(General scholarships)>
名称 |
概要 |
金額 |
---|---|---|
シドニー国際学生賞(Sydney International Student Award) |
特定の国や地域(日本を含む)からの入学者のシドニー大学での勉学をサポートし、多様で才能豊かな留学生のコミュニティを育むために授与される |
授業料の 20 % |
<学部奨学金(Faculty scholarships)>
名称 |
対象学部 |
概要 |
金額 |
---|---|---|---|
工学国際学部優秀奨学金(Engineering International Undergraduate Merit Scholarships) |
工学部 |
シドニー大学工学部で学士号を取得する留学生を奨励し支援する奨学金
※2024年度は提供なし |
年間13,000ドル(最長4年間) |
*ほかにも多くの奨学金があります。詳細は下記ページでご確認ください。
【参考ページ】:Bachelors and honours scholarships – international|The University of Sydney
アメリカ
スタンフォード大学(Stanford University)
スタンフォード大学では、学部生のほぼ半数が必要に応じた奨学金を受給しています。大学の奨学金はすべて出願時の書類に記載された経済的ニーズに基づいて決定・授与されます。家庭収入が 15 万ドル未満の学部生には授業料が全額支給、家庭収入が 10 万ドル未満の学部生には授業料、部屋代、食費が支給されます。
留学生で援助を必要とする場合は、願書にその旨を記載する必要があります。奨学金の資格が得られると、家庭の経済状況に基づいて大学からの援助が支給されます。なお、出願時に奨学金の申請しなかった留学生は、学部在学中ずっとスタンフォード大学で奨学金を申請する資格がなくなるので注意してください。
*下記のページでは、スタンフォード大学在学時にかかる総費用と受け取れる奨学金の額を見積もることができます。
【参考ページ】:Estimate Cost|Stanford University
イギリス
ロンドン大学クイーン・メアリー校(Queen Mary University of London)
ロンドン大学クイーン・メアリー校では、どのような背景を持つ学生もサポートするために様々な奨学金や給付金が提供されています。
日本人も受給可能な学部生向けの奨学金には以下のようなものがあります。
名称 |
概要 |
対象人数 |
金額 |
---|---|---|---|
グローバルタレント奨学金 – 学部生(Global Talent Scholarship – Undergraduate) |
国籍に関係なく、定められた基準を満たす、対象プログラムの入学許可を受けたすべての留学生が対象 <主な基準> ・Aレベルの成績AAAまたは同等の成績を取得
※基準を満たした留学生に自動的に授与されるため、申請や登録の手続きは不要 |
無制限 |
3,000ポンド |
*そのほかにも法学部を対象とした学部奨学金などがあります。詳しくは下記のページでご確認ください。
【参考ページ】:Find a scholarship|Queen Mary University of London
シンガポール
シンガポール国立大学(National University of Singapore)
シンガポール国立大学では、優れた学業成績、リーダーシップの資質、特別な才能を持つ学生にさまざまな奨学金や賞を提供しています。
留学生(学部生)を対象に大学が提供している新入生奨学金で、日本人も受給できるものは以下のようなものがあります。資格のある学生は、出願すると自動的に奨学金の対象となります。最終選考に残った応募者は、別途奨学金申請書を提出するよう求められます。
名称 |
概要 |
金額 |
---|---|---|
科学技術学部奨学金(Science & Technology Undergraduate Scholarship) |
優秀なアジアの学生(シンガポール国民を除く)を支援するために提供される
※コンピューティング、エンジニアリング(インフラストラクチャとプロジェクト管理を除く)、または科学(環境研究と薬学を除く)のフルタイムの学部課程 |
・授業料補助 ・年間生活手当6,000シンガポールドル ・入学時にS$1,750のコンピュータ手当 ・入学時にS$200の一時金支給 ・キャンパス内施設の年間宿泊手当 ・プログラム開始時、完了時の往復交通費 |
NUS国際学部奨学金(NUS International Undergraduate Scholarship) |
優れた成績を収めたすべての国 (シンガポールを除く) の優秀な留学生を支援するために提供される
※フルタイム学部課程 |
・授業料補助 ・年間生活手当5,800シンガポールドル ・入学時にS$1,750のコンピュータ手当 ・年間5,000シンガポールドルの宿泊手当 |
*そのほかに、学部・カレッジ・研究室が提供している奨学金もあります。詳しくは下記のページでご確認ください。
【参考ページ】:SCHOLARSHIPS FOR FRESHMEN (Administered by NUS Faculties/Offices and External Organisations)
海外大学の学費(とくにアメリカ)は、非常に高額になるケースが多いのが現状です。ただ、在学中のほとんどの学生が奨学金など何らかの財政援助を得て学んでいる、というのも事実。奨学金の内容や金額は大学によってもさまざまで、成績や家庭の経済状態など応募条件もそれぞれで異なります。気になる大学があれば、奨学金制度の詳細を大学のWebサイトで調べてみるとよいでしょう。
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※この記事でご紹介している内容は2024年8月30日現在の情報に基づいています。