海外大卒業後「クリエイティブ職」に就くには?
大学卒業後にどのようなキャリアを目指すか、その選択のきっかけや重視する決め手は人それぞれですが、世界的な人材派遣会社ロバート・ハーフが 12,000 人以上の労働者を対象に行った調査によると、キャリアの幸福度トップはクリエイティブ分野で働く人々。クリエイティブ職やマーケティング職に就いている人は、仕事に対する満足度や熱意が最も高くなっています。今回は、海外大を卒業した後にクリエイターになりたい日本人学生に向けて、おすすめのクリエイティブ職や在学中にどのような学びを選ぶとよいかをご紹介します。
クリエイティブな人に最適な仕事5選
●グラフィックデザイナー
グラフィックデザインとは、文字や絵・図・写真等を利用して情報やメッセージを伝えるビジュアルコミュニケーション手法の1つ。ポスター、やチラシ、DM、カタログ、本や雑誌、新聞・雑誌広告、製品のパッケージ、ロゴマーク、公共施設のサイン表示など制作に携わる分野は海外でも多岐にわたります。以前は主に印刷メディアにおけるデザインのことを指していましたが、近年はWeb、スマホアプリ、SNSなどデジタルメディア分野にもグラフィックデザインの領域は広がっています。グラフィックデザイナーの仕事は視覚的な美しさだけを追求するものではなく、アート、テクノロジー、マーケティングのプロセスを組み合わせたものと言えるでしょう。
◆勤務先・働く場所:
グラフィックデザイナーが活躍する場所はデザインスタジオ、広告・マーケティング会社、印刷・出版会社、一般企業のデザイン部門など様々な環境があります。また、フリーランスとして仕事を請け負い、在宅で働く人も少なくありません。
◆推奨されるスキル:
- ・Photoshop、Illustrator、After Effects、InDesignなどのグラフィックデザインソフトウェアやAdobe製品に関する豊富な知識
- ・優れた創造性と芸術的スキル
- ・細部にまで目が行き届くマルチタスクおよび単独での作業能力
- ・自ら進んで行動する力
- ・効果的な問題解決能力
- ・優れた写真編集スキル
- ・優れた時間管理能力やコミュニケーション能力
- ・印刷工程に関する詳細な知識
- ・業界のデザイントレンドに関する最新情報をキャッチアップする感度
◆必要な学歴:
グラフィックデザイナーになるために大学の学位は必須ではありませんが、グラフィックデザイン、グラフィックアート、または関連分野の学士号は海外大では潤沢に用意されており、それを保持しているほうが職に就きやすくなります。通常、上記の分野を専攻している学生はデザイン作品のポートフォリオを作成しているため、就職時に評価につながりやすいからです。
●ゲームクリエイター
ゲームデザイナーとは、ゲームのプロット、キャラクター、グラフィック、ルール、マップなど、あらゆるゲームの核となる機能を創り出すプロフェッショナル。ゲーム全体のクリエイティブなビジョンにも責任を持ち、プログラマーと密接に協力しながら、高度なプログラミング言語を使ってアイデアを形にしていく職業です。ゲームの開発サイクルや、コンセプトから完成までのプロセスに精通している必要があり、プログラミング、グラフィックデザイン、3Dモデリング、スクリプト、システムデザイン、ビジュアル・サウンドデザイン、デジタルアニメーション、ゲーム史、ゲーム理論、ユーザーエクスペリエンスデザインなど幅広い知識が求められます。
◆勤務先・働く場所:
ゲームデザイナーの求人のほとんどは、ゲームソフト開発会社のものです。また、教育関連企業での求人もあります。
◆推奨されるスキル:
- ・芸術的、直感的な豊かな表現力
- ・優れた問題解決能力と技術力
- ・スクリプト言語とプログラミング言語の知識
- ・細部への強いこだわり
- ・優れた時間管理スキル
- ・ゲームへの情熱
- ・口頭および書面による確かなコミュニケーションスキル
- ・既成概念にとらわれずに考える能力
- ・チームの一員として生産的に働く能力
◆必要な学歴:
ゲーム・デザインの世界に入るのに学位はとくに必要ありませんが、ほとんどの企業はゲーム・デザイン、コンピューター・サイエンス、コンピューター・プログラミング、コンピューター・エンジニアリング、または関連科目の学士号を持っているデザイナーを求めています。現在では、完全オンラインで学べるビデオゲーム・デザイン学位プログラムや修了証プログラムを提供する学校もたくさんあります。
●プロダクトデザイナー
プロダクトデザイナーとは、市場に出ているあらゆる製品のデザインを担う職業です。通常、製品のコンセプト設計から市場に出すまでには多くの労力とリソースが必要ですが、プロダクトデザイナーはアイデア出しやリサーチ、材料調達、モデル開発、プロトタイピング、テスト、製品の改良、生産など、製品設計プロセスのあらゆる側面と段階に関与します。デザインだけでなく、製品の安全性、有用性、規制問題、環境への影響など、製品設計と製造プロセスの側面からサポートし、製品を問題なく市場に送り出すこともプロダクトデザイナーの重要な役割です。
最近は、物質的な製品だけでなく、ウェブやモバイル・アプリケーションなどのデジタル製品のデザインや開発も仕事領域に含まれるようになり、バーチャル製品による質の高いユーザー体験提供のためのソリューションデザインも行われています。
◆勤務先・働く場所:
既存・新興を問わず、多くの企業で需要があり、物理的製品やデジタル製品の開発に携わることができます。プロジェクトマネジメント、リサーチ、エンジニアリング、製品開発などの分野を専門とする部門横断的なチームと協力しながら、多様な環境で仕事をすることが多くなっています。
◆推奨されるスキル:
- ・物事を概念的、抽象的に考える力
- ・優れた問題解決能力
- ・優れた審美眼やテクニカル・デザイン・スキル
- ・細部への強いこだわり
- ・業界と市場動向に関する知識
- ・人前で話すスキル
◆必要な学歴:
多くの場合、工業デザイン、工学、建築、またはそれらに関連するSTEM分野の学士号が求められます。
●広報マネージャー
広報のプロフェッショナルとして、コミュニケーションの面からブランドを支える仕事です。ソーシャルメディアプラットフォームで顧客と関わり、製品やサービスのストーリーを作り、インフルエンサーと協力し、メディアへのブランド情報の公開をコントロールするなど、企業のスポークスパーソンとしての役割を果たします。
基本的には、広報の仕事には2つのタイプがあります。危機的な状況下でブランドを守る仕事と、無料のパブリシティによりブランドを宣伝する仕事で、これらの役割は企業や仕事内容によっては重複することもあります。
前者の主な業務は、オンライン上のネガティブなレビューや評価の分析と対応、製品やサービスの問題による社会的評価の低下の緩和、クライシス・コミュニケーション・プランの策定、脅威の評価などを通じて、ブランドの評判を管理することです。後者の主な業務は、プレスリリースの草稿作成、記者会見への出席、編集者とのミーティング、発表されたニュースや記事から発生したウェブサイトのトラフィックの分析、ソーシャルメディアのリスニングツールの監視などです。
◆勤務先・働く場所:
広報会社、広告代理店、マーケティング会社、政府機関、病院、非営利団体、大学、その他の中規模~大規模な企業が職場となることが多いです。
◆推奨されるスキル:
- ・創造的で説得力がある思考
- ・様々なことに細部にまで気を配ることができること
- ・卓越した口頭および書面によるコミュニケーション能力
- ・プレッシャーに強い
- ・優れた時間管理能力と組織力
- ・ソーシャルメディア経験
- ・自ら行動する力
- ・チームで働く力
- ・結果を重視する姿勢
- ・マルチタスク能力
- ・メディアに関する深い知識
◆必要な学歴:
広報マネージャーになるには、一般的に広報、コミュニケーション、ジャーナリズム、英語、マーケティング、または関連分野の学士号が必要です。
●ソーシャルメディアマネージャー
ソーシャルメディアマネージャーは、Facebook、LinkedIn、Twitter、Instagram、Redditなどのプラットフォーム上のソーシャルメディアアカウントの管理を担当し、ブランドの認知度を高め、ブランド・ロイヤルティを確立することを目指す仕事です。典型的な業務としては、ブランド・コンテンツの投稿や宣伝、顧客とのエンゲージメント、オンライン・コンテストの開催、インフルエンサーとの提携、アンケートの実施、ユーザー・エンゲージメントの結果追跡、ソーシャルメディア・リスニング・ツールを使ったブランド言及の調査などがあります。
ビジネスのマーケティングチャネルとしてのソーシャルメディアは、何十年も前からある他のチャネルと比べると比較的新しい存在ですが、ソーシャルメディアをマーケティング戦略全体の中核に据える企業が増えるにつれ、経験豊富なソーシャルメディアの専門家に対する需要は急増し続けています。
◆勤務先・働く場所:
ソーシャルメディアの代理店、広告・マーケティング代理店、広報会社、その他の一般企業などが職場となります。また、ソーシャルメディアの専門家として、コンサルタントとして働いている人も多くいます。
◆推奨されるスキル:
-
- ・創造的で革新的な考え方
- ・人気のあるソーシャルメディアプラットフォームとその使用方法に関する深い知識
- ・顧客志向とオーディエンス主導
- ・ブランディングへの情熱
- ・優れた文書および口頭でのコミュニケーションスキル
- ・チームで働く力
- ・細部にまで目が行き届くこと
- ・オンラインリサーチャーとしての豊富な経験
◆必要な学歴:
ソーシャルメディアマネージャーには通常、コミュニケーション、ジャーナリズム、マーケティング、インターネット/デジタル・マーケティング、メディア・コミュニケーション、広報の学士号が必要とされます。
海外の大学ではクリエイティブ職に就くために有利な学位が豊富に提供されています。たとえば日本の場合、芸術系の大学・学部など限られた環境でしか取れないことが多いデザイン系の学士号なども、多くの大学に対象コースが設置されているので、専攻すれば学位を取得することができます。デザインやゲームなどに関する仕事をしてみたいと思っている方は、関連する学位取得が可能な学びができる海外大をリサーチしてみてはいかがでしょうか?
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※この記事でご紹介している内容は2024年5月7日現在の情報に基づいています。