アメリカに留学する前に知っておきたい!留学生がインターンシップ・フェローシップに参加するメリットは?
アメリカ社会では即戦力の人材を求める傾向にあり、企業等の採用時には大学などでのインターンシップの経験、課外活動などがかなり要視されます。アメリカの大学卒業後に、「現地就職もしてみたい」と考えている方には、ぜひ知っておいてほしい情報を2週にわたってお届けします。まず今回は、インターンシップ・フェローシップに参加するメリットについてご紹介します。
インターンシップとフェローシップの違い
インターンシップとは
インターンシップは、企業・団体・研究機関などが在学中または卒業後の学生を一定期間(数週間~数か月)メンバーとして受け入れ、実際に働いてみる制度のこと。業種・職種に関わらず海外ではごく一般的に行われており、夏休みや学期間の長期休暇を利用したフルタイムのものから、授業を取りながらのパートタイムのもの(都会の企業で多い)まで形態は様々です。
フェローシップとは
主に研究活動に参加する優秀な学生や若手研究者向けに、大学や財団、企業などが研究費や生活費を補う資金(奨学金)を提供する制度。最も一般的なのは博士号取得後の研究者(ポストドクター=ポスドクと呼ばれる)に対するものですが、大学院生を対象にしたものもあります(ごくまれに、学士課程の学生を対象としたものも存在します)。
留学生がインターンシップ・フェローシップを経験できる条件
アメリカの大学への進学など長期留学の場合、基本的に「F-1ビザ(学生ビザ)」が必要になります。しかし原則として、アメリカ国内では移民法によりF-1ビザ(学生ビザ)の留学生は労働ができないことになっています(アルバイトについては、毎週 20 時間以下かつキャンパス内で働く場合のみ可能)。
<F-1ビザ>
大学・大学院、高校、語学学校への留学生を対象とした学生ビザ。
■留学期間・条件:滞在期間が91日以上、または週18時間以上または1学期12単位以上の履修をする場合
原則に則ると留学生は給料をもらって働くことは、インターンシップ等であっても認められないことになってしまいますが、アメリカではF-1ビザで大学等に在籍している留学生に対し、留学2年目以降はアメリカの企業等で最長12カ月間の就労許可を認める制度があります。この制度には大きく分けてCPTとOPTと呼ばれるものがあり、いずれかを利用することにより留学生でもインターンシップやフェローシップへの参加が可能になります。
≪CPT≫
Curricular Practical Trainingの略。F-1ビザ(学生ビザ)で留学している学生が、大学で学んでいる専攻プログラムの一環として、学外の企業での就業経験を許されるプログラムです。専攻したコースのカリキュラムの一部という扱いとなり、移民局の許可を必要とせず在籍する学校のサインだけで実施が可能です。職種は、専攻する学問分野に関連するものに限られます。
フルタイムの学生として1年間以上学校に通い続けた後、学校の許可を得ることで、学期中は週20時間まで、学期休みの間はその後の学期の授業に参加することを前提として、フルタイムで就労できます。
※CPTには期間の制限等はありませんが、在学中に通算12か月以上CPTに参加した学生はOPTの申請ができなくなります。
≪OPT≫
Optional Practical Trainingの略。F-1ビザ(学生ビザ)でアメリカの大学等に就学している留学生に対し、自分が専攻した分野と関連のある職種にかぎり、アメリカに拠点を置く企業で実地研修を目的とした就労を許可する制度。移民局に申請し、許可を得て行うもので、大学で学んだ専攻分野と関連のある業種であれば、在学中あるいは大学卒業後に、有給または無給での実地訓練を通算12か月間受けることが可能です。雇用主は自分で見つけることが必要です。
※OPTに申請し、許可が降りてから雇用主を探します。
※指定された特定分野を専攻し、かつ条件を満たした場合、OPTの期間を24か月延長できる制度もあります(STEM OPT Extension)。
|
CPT |
OPT |
---|---|---|
プログラムを活用できる時期 |
在学中 |
在学中または卒業後 |
選択できる業種・職種 |
専攻する学問分野に関連するものに限る |
大学で学んだ専攻分野と関連のある業種 |
就労の許可 |
在籍する学校の許可のみで実施可能 |
移民局の許可が必要 |
【OPTの種類】
OPTには下記の2種類があります。いずれも、有給・無給どちらでもかまいません。留学生の場合は、大学等の課程を修了した後にPost- Completion OPTを行うことがほとんどのようです。
◆Pre-Completion OPT
在学中(プログラム受講中)に実施するOPT 大学等の在学中に就労を始めることができるOPTで、フルタイムで1年間以上在籍(実質、最低9か月以上のコースを修了)していることが必要となります。学期中の就労の場合はパートタイム(1週間に20時間まで)働くことができ、学期休み中はフルタイムで働くことができます。就労開始90日前から就労許可証を申請することが可能で、期間は12か月間です。
◆Post- Completion OPT
卒業後(プログラム修了後)に実施するOPT 大学等の課程修了後に就労を始めることができるOPTです。期間は基本的には12か月間で、この制度を利用すると卒業後に最長1年間はアメリカに滞在することができます。卒業前に移民局に就労許可証の申請が必要で、実際の就労は許可証が届くまで不可となります。また、卒業後の実地訓練は、卒業後14ヶ月以内に終了する必要があります。
インターンシップ・フェローシップに参加するメリット
1)就職できる可能性が高くなる
大学で学んだ専攻分野に関連した業界や企業で実務経験を積み、知識やスキルをアップしていくと、能力が認められて希望する仕事に採用してもらえる可能性が高くなります。
2)興味がある業界について深く知ることができる
興味・関心がある分野で実際に働いてみることで、業界や職業の実態をより正確に理解することができます。あらかじめその企業や業界で働いてから判断できるのは、企業にとっても学生にとってもプラスであり、より自分に合った満足度の高い就職ができます。
3)ネットワークの構築ができる
実務の第一線で経験豊富な人々と一緒に仕事をするという経験により、世界中の業界関係者と強力なプロフェッショナル・ネットワークを築くことができます。フルタイムの仕事や新たなキャリアにつながる可能性があります。
4)プロフェッショナルとしても個人としても成長できる
自分の専攻した分野に関連した組織で働くことで、専攻科目への理解を深め、より実践的で専門的な経験を積むことができます。同時に、新しい環境の中で多様な人々と出会い、協力し、責任を持って仕事を遂行する経験は、コミュニケーションスキルや時間管理能力、適応力などを高めてくれます。
アメリカの企業には日本のような入社試験・一斉採用はなく、就職活動の時期もとくに決まっていません。即戦力が求められるため、インターンシップなどで仕事をした経験から自らの能力やスキルをアピールしていく必要があります。実際、インターンシップの経験がない学生より、経験がある学生のほうが雇用される可能性は20%も高まると言われているほど、アメリカでの就職にはインターンシップなどでの「実務経験」がカギとなります。
逆に言えば、学生時代からインターンシップなどで経験を積むことによって、アメリカでの就職をぐっと引き寄せることも可能。将来的にアメリカで働きたい方にとっては、チャンスが広がります。自分から積極的に情報を集め、チャレンジしてみてはいかがでしょうか?
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※この記事でご紹介している内容は2024年3月24日現在の情報に基づいています。