アメリカの大学入試に有利! APプログラムとは?
海外大進学に役立つカリキュラムやプログラムというと、何が思い浮かぶでしょうか?海外の大学への進学を検討されている方であれば、IBDP(国際バカロレア・ディプロマプログラム)がすぐに出てくるという方も多いかもしれません。それと比べると、認知度は圧倒的に低いものの、アメリカの大学を目指す方の間で注目を集めつつあるのがAPプログラムです。
今回は、「アメリカの名門大学入試に欠かせない」とまで言われるAPプログラムについて取り上げます。実は日本でも取得できるAPプログラムのメリットなどをご紹介します。
APとはどんなプログラム?
APとはAdvanced Placementの略。高校在学中に大学レベルのカリキュラムや試験を提供するプログラムで、SATを実施していることでも知られるアメリカの非営利団体「カレッジボード」によって開発・運営されています。
学習への意欲が高い高校生を対象とし、大学の課程を先取りして学びたいというニーズに応えるために作られた高度な教育プログラムとして世界的に認知されており、AP科目といえば通常、上級レベルの科目の意となります。主にアメリカ・カナダの高校で実施されていますが、ヨーロッパやアジアの一部の高校でも採用されています。
APプログラムの科目
APプログラムは、芸術、英語、歴史・社会科学、科学、数学・コンピュータサイエンス、世界の言語・文化という幅広い分野において、全部で38の科目が提供されています。ただし、高校によって開講されているAP科目の数や種類は異なります。なお、AP科目を履修する前段階としてその科目の初級レベルの授業で優秀な成績を修めることが必要など、それぞれの高校で規定が設定されていることが多いです。
<芸術(Arts)>
- AP 2-D Art and Design
- AP 3-D Art and Design
- AP Drawing
- AP Art History
- AP Music Theory
<英語(English)>
- AP English Language and Composition
- AP English Literature and Composition
<歴史・社会科学(History and Social Sciences)>
- AP Comparative Government and Politics
- AP European History
- AP Human Geography
- AP Macroeconomics
- AP Microeconomics
- AP Psychology
- AP United States Government and Politics
- AP United States History
- AP World History: Modern
<数学・コンピュータサイエンス(Math and Computer Science)>
- AP Calculus AB
- AP Calculus BC
- AP Computer Science A
- AP Computer Science Principles
- AP Precalculus
- AP Statistics
<科学(Sciences)>
- AP Biology
- AP Chemistry
- AP Environmental Science
- AP Physics 1: Algebra-Based
- AP Physics 2: Algebra-Based
- AP Physics C: Electricity and Magnetism
- AP Physics C: Mechanics
- AP Psychology
<AP世界の言語・文化(AP World Languages and Cultures)>
- AP Chinese Language and Culture
- AP French Language and Culture
- AP German Language and Culture
- AP Italian Language and Culture
- AP Japanese Language and Culture
- AP Latin
- AP Spanish Language and Culture
- AP Spanish Literature and Culture
プログラムでは、難易度の高いAPクラスを1年間履修し、通常毎年5月に実施されるAP試験を受験します。試験は5~1の5段階(5が最高スコア)で評価されます。
アメリカの大学への出願に際しては、APスコアの提出義務はありませんが、ほとんどの大学の願書にAPスコアを任意で記入することができます。スコアが高ければ高評価となりますし、そもそもAP科目は難易度が高いため履修していること自体がプラスの評価となり、入学審査で有利に働きます。
また、APの試験で良い成績を収めた場合は進学先の大学で単位として認定されることもあります。一般的に、アメリカの多くの大学では、AP 試験で 3 以上の場合に単位として認められます(学力評価を重視する大学では4以上を要求する場合が多いようです。中には5のみを単位として認める大学もあります)。大学卒業に必要な単位要件を早く満たすことにつながり、在籍中に興味のある他の授業を取る余裕も生まれます。
入試で有利になるうえ、入学後の時間とお金を節約できるという点で、APプログラムには大きなメリットがあると言えるでしょう。
※APプログラムの3つの科目で3以上のスコアを収めると、アメリカから3年制のヨーロッパの大学への入学資格が得られます。
APプログラムを履修するには?
APプログラムは、アメリカの高校であればカリキュラムに組み込まれており、授業科目の1つとして提供されているのが一般的です。多くの場合、通常コースに加えてAPコースが複数教科で設置されていて、アメリカの高校生はどの科目を履修するか選択できるようになっています。
しかしながら日本の場合、APプログラムを提供している高校はまだごく少数で、アメリカ式のカリキュラムを採用しているインターナショナル・スクールやアメリカン・スクールにほぼ限られているのが現状です。ただ実は、AP試験の受験には、APコースを受講することが推奨されてはいるものの、受講が必須ではありません。通っている高校でAPプログラムが提供されていなくても、自分で学習・対策をし、AP試験だけを受けることは可能です。
<個人でAP試験を受験する場合>
日本でAP 試験を実施している学校に、個人で受験できるよう依頼をする必要があります。おおまかな流れは下記の通りです。
① 下記のサイトでAP試験を実施している学校を検索する
【学校検索】:AP Course Ledger
② それぞれの学校でどの科目の試験が実施されているかを確認する
③ 受験したい科目の試験がある学校の電話番号をインターネット等で調べる
④ 学校のAP コーディネーターに電話して、他の学校の生徒の受験を許可しているかどうかを確認してもらう
⑤ 受験可能であれば、席を確保してもらえるよう依頼する
※各学校には、外部の生徒からのリクエストを受け入れるための独自の期限やポリシーがあることが多いため、学校への問い合わせはなるべく早く行うことが望ましいです。基本的に、College Boardの受験受付よりも早く締め切られることがほとんどなので注意してください。
AP科目を履修し、良い成績を収めることで、アメリカの大学への合格の可能性がUP!入学後に単位移行を認めてもらえれば、やりたい学びに思いきり集中することもできます。なにより、英語で大学レベルの専門科目を学ぶことで知識・英語力に自信がつき、アメリカの大学進学への実践的な準備にもなります。興味がある方は、得意な科目にぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか?
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※この記事でご紹介している内容は2024年3月14日現在の情報に基づいています。