海外進学・留学で人気の国、必要な入国条件を知っておこう
日本から海外に行く際には、渡航先によってはビザの取得が必要になります。観光目的の場合、日本のパスポートであればアメリカ・イギリスをはじめとしたおよそ190の国々でビザが不要で入国が許可されます。留学の場合は、留学の期間やスタイル、または国によっても異なりますが、基本的に長期の留学だと学生ビザ(留学ビザ)と呼ばれるビザが必要となるのが一般的です。
今回は、日本からの留学先として人気の主要国について、留学に必要なビザの基本情報や申請の流れ、注意点などをご紹介します。いざ出発、というときになって慌てないように、イメージトレーニングしておきましょう。
ビザとは?
ビザ(Visa:査証)とは、渡航先の国から発行される入国許可証。渡航の目的に応じて、観光ビザや就労ビザ、学生ビザなどいくつかの種類があります。
渡航先で長期間(約3ヵ月~6ヵ月以上)の就学をする際に必要となる学生ビザの名称は国によって異なります。中には滞在期間や留学の目的ごとに細かく分類されている国もあります。また、短期留学などでビザの申請が不要な場合でも、事前に「電子渡航認証システム」への登録が必要な国もあります。
ビザの申請は、主に日本国内にある渡航先の国の大使館や領事館で行いますが、国によってはオンラインや郵送での申請ができるケースもあります。申請方法は国やビザの種類によってかなり異なるうえ、予告なく頻繁に更新されることがあるため、自分の渡航先の国の最新情報を定期的に確認することをおすすめします。
主要国の留学に関するビザの種類・手続き等
(2023年11月9日現在の情報)
※ビザの種類、申請方法や費用などは変更される可能性があります。必ず各国当局Webサイトなどで最新の情報をご確認ください。
<アメリカ留学に必要なビザ>
留学期間・条件 |
必要なビザ |
備考 |
手続き方法 |
手続きに必要な主な書類など |
---|---|---|---|---|
滞在期間が90日以内、かつ授業時間が週18時間未満 |
不要 ※ただし、事前にESTA(電子渡航認証システム)のオンライン申請が必要 |
※ビザ免除プログラム(VWP)で入国 |
オンライン申請 ※出発の72時間前まで申請が必要 |
■パスポート
◇申請料金:21USドル |
滞在期間が91日以上、または週18時間以上または1学期12単位以上の履修 |
F-1ビザ(学生ビザ) |
大学・大学院、高校、語学学校への留学生を対象とした学生ビザ |
事前のオンライン申請 + 大使館等での面接(*1) |
■オンライン申請書DS-160フォーム ■パスポート ■証明写真 ■入学証明書(I-20) ■I-901 SEVIS管理費領収書 ■日本に帰国することを証明できる書類 ■資金の証明書類 ■銀行の残高証明書の原本、もしくは預金通帳原本 ■面接予約確認書
◇ビザ申請料金: 160USドル |
M-1ビザ(職業訓練学校生ビザ) |
デザイン学校や美容学校など専門性の高い学校(語学学校以外)で教育・研修を受ける人を対象にした学生ビザ |
※このほかに、トレーニングや指導などを目的とした交流訪問者用のJ-1ビザなどもある
*1)2023年12月31日(日)までの特別措置として、学生ビザを初めて申請・更新する場合、条件を満たしていれば、面接を受けずに郵送でビザを申請することが可能
<カナダ留学に必要なビザ>
留学期間・条件 |
必要なビザ |
備考 |
手続き方法 |
手続きに必要な主な書類など |
---|---|---|---|---|
6ヵ月未満の就学 |
不要 ※ただし、事前にeTA(電子渡航認証システム)のオンライン登録が必要 |
プログラムや学校によっては6ヶ月以内でも就学許可証を取得する必要あり |
オンライン申請 |
■パスポート
◇申請料金:7カナダドル |
6ヵ月以上の就学 |
就学許可証(Study Permit) |
取得には学校の入学許可証が必要
※未成年の学生の場合は親の同意書や後見人の受諾書、成績証明書、出席記録なども必要 |
基本的にオンライン申請
※バイオメトリクス(指紋採取)をしたことがない場合、カナダのビザ申請センターで登録を行う必要あり |
■申請書 ■入学許可書 ■パスポートサイズの写真 ■パスポートのコピー ■預金残高証明書 ■返信用封筒
◇ビザ申請料金:125カナダドル |
※ほかに、専門学校や大学などによって用意されている「Co-opプログラム」(学習と職業経験を積むことができる特別プログラム)もあり
※ケベック州の場合、ビザとは別にCAQ(Quebec Acceptance Certificate / Certificat d’acceptation du Québec)というケベック州政府のイミグレーション(出入国)の許可が必要
<イギリス留学に必要なビザ>
留学期間・条件 |
必要なビザ |
備考 |
手続き方法 |
手続きに必要な主な書類など |
---|---|---|---|---|
6ヵ月未満 |
不要 |
– |
– |
– |
6ヵ月以上11ヵ月未満の就学 |
短期学生ビザ(Short-term Study Visa) |
コース開始の3ヶ月前から申請可能 |
オンライン申請 + ビザ申請センターで必要書類の提出(写真撮影、指紋の登録あり) |
■印刷したビザ申請書 ■パスポート ■過去のパスポート(あれば) ■財政証明書 ■入学許可書またはCASレター ■英語力の証明 ■出願時に学校に提出した成績証明書などの証明書
◇ビザ申請料金: ・Short-term Study Visa:200ポンド ・Student Visa:490ポンド |
学校に11か月以上、または大学・大学院などに6か月以上通う場合 |
学生ビザ(Student Visa) |
コース開始の6ヶ月前から申請可能 |
<オーストラリア留学に必要なビザ>
留学期間・条件 |
必要なビザ |
備考 |
手続き方法 |
手続きに必要な主な書類など |
---|---|---|---|---|
3か月以内の就学 |
不要 ※ただし、事前にETA(電子渡航認証システム)の登録が必要 |
申請後、問題がなければ電子査証(Subclass 601)が発給される |
オーストラリアETAアプリ(Australian ETA) を利用して申請 |
■パスポート
◇申請料金(アプリのシステム利用料):20オーストラリアドル |
3ヵ月以上の就学 ※政府認定校のコースをフルタイム(週20時間以上)で受講する必要あり |
学生ビザ(Student Visa:Subclass 500) |
一定の出席率(各タームの80%)をクリアすることが継続の条件 |
オンライン申請 |
■入学許可書(CoE:Confirmation of Enrolment) ■パスポートのカラーコピー ■オーストラリア政府指定の留学生保険(OSHC:Overseas Student Health Cover)の加入証明書 ■Genuine Temporary Entrant(GTE):英文の留学の理由書 ■滞在先およびWelfare Arrangementsの証明書(18歳未満の場合
◇ビザ申請料金:710オーストラリアドル |
<ニュージーランド留学に必要なビザ>
留学期間・条件 |
必要なビザ |
備考 |
手続き方法 |
手続きに必要な主な書類など |
---|---|---|---|---|
3ヵ月以内の就学 |
不要 ※ただし、事前にNZeTA(電子渡航認証システム)の登録が必要 |
|
Webサイトもしくはモバイルアプリから申請 |
■パスポート
◇申請料金 Webフォーム:58ニュージーランドドル モバイルアプリ:52ニュージーランドドル |
3ヵ月以上、かつフルタイム(週20時間以上)の就学 |
学生ビザ(Fee Paying Student Visa) |
交換留学や複数の学校に通う場合などは別のビザあり |
基本的にオンライン申請(窓口申請、郵送申請も可能) |
■パスポート ■パスポート用写真 ■残高証明 ■入学許可証 ■学費支払証明書 ■宿泊証明書 ■ニュージーランド出国の航空券またはその支払証明書 ■身体検査・レントゲン受診証明(必要な場合) ■無犯罪証明書(必要な場合)
◇申請料金(国際観光客保護観光税 (IVL)):35ニュージーランドドル |
<EU留学に必要なビザ>
通常、日本国籍の方がEU加盟国(シェンゲン協定圏内)に短期滞在する場合、ビザは必要ありませんが、滞在期間が90日を越える留学などはビザが必要な場合があります。留学先の国の制度に従って、必要なビザを大使館で申請します。シェンゲン協定に加盟する国のうち1か国から学生ビザを取得すれば、シェンゲン協定内の国には基本的に自由に旅行が可能です。
※EUでは2025年より電子渡航認証制度ETIAS(エティアス)の導入が予定されています。導入後は、ヨーロッパ渡航の際、オンラインでの事前申請が必須となります。
ビザの手続きには、場合によっては想定以上に時間がかかることもあります。せっかくの海外留学ですから、不安なく出発するためにも、遅くとも渡航1ヶ月前には手続きを完了できるよう、早めに行動しましょう。
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※この記事でご紹介している内容は2023年11月15日現在の情報に基づいています。