世界大学ランキング(THE)24年版発表!日本の大学の位置付けは?
2024年9月、イギリスの高等教育誌「Times Higher Education(THE:タイムズ・ハイヤー・エデュケーション)」が毎年恒例の世界大学ランキングを発表しました。今回は、20回目となる2024年版のランキングにおける日本の大学のランクイン状況や動向をお伝えします。
世界の高等教育において、現在の日本の大学のポジションは?「世界レベル」での日本の大学の評価をつかみ、その傾向を知ったうえで、あらためて「国内か、海外か」という進路の検討をしてみるのもよいのではないでしょうか?
THE世界大学ランキング2024にランクインした日本の大学(800位まで)
2024年度の「THE世界大学ランキング」は、「教育」「研究環境」「研究の質」「産業界」「国際性」の5分野・17指標で各大学のスコアを算出し、ランク付けしています。ここでは、2024年版の全体スコアのランキングで800位までにランクインした日本の大学を一覧でご紹介します。
2024年 順位 |
2023年 順位 |
順位の変動 |
大学名 |
設置区分 |
総合スコア |
THE 日本大学ランキング2023の順位 |
---|---|---|---|---|---|---|
29 |
39 |
↑ |
東京大学 |
国立 |
83.1 |
2 |
=55 |
68 |
↑ |
京都大学 |
国立 |
75.0 |
5 |
=130 |
201-250 |
↑ |
東北大学 |
国立 |
63.8 |
1 |
=175 |
251-300 |
↑ |
大阪大学 |
国立 |
60.4 |
3 |
=191 |
301-350 |
↑ |
東京工業大学 |
国立 |
59.2 |
4 |
201-250 |
301-350 |
↑ |
名古屋大学 |
国立 |
55.9–58.6 |
8 |
301-350 |
501-600 |
↑ |
九州大学 |
国立 |
51.1–53.0 |
6 |
351-400 |
501-600 |
↑ |
北海道大学 |
国立 |
49.1–51.0 |
7 |
351-400 |
501-600 |
↑ |
筑波大学 |
国立 |
49.1–51.0 |
9 |
401-500 |
501-600 |
↑ |
東京医科歯科大学 |
国立 |
45.4–49.0 |
17 |
601-800 |
801-1000 |
↑ |
会津大学 |
公立 |
37.0–41.8 |
24 |
↑ |
広島大学 |
国立 |
11 |
|||
↑ |
順天堂大学 |
私立 |
=81 |
|||
↑ |
慶應義塾大学 |
私立 |
12 |
|||
↑ |
神戸大学 |
国立 |
13 |
※ 順位の数字に「=」がついている場合:同順位の大学あり
※ 順位の変動が「=」の場合:前回順位から変動なし
2024年版 日本の大学の動向
日本でトップとなったのは東京大学、前回から10ランクアップと際立った動きを見せ29位を獲得しました。続く2位の京都大学は8ランクアップの55位タイ、3位の東北大学も大きく順位を上げ130位タイとなりました。
4位以降の大学も、軒並み順位が大幅アップし、800位までに入った日本の大学のすべてが前回順位を上回るという結果に。トップ50に1校、トップ100に2校、トップ200に5校がランクインしています。
全体では、日本からのランクイン数は119校と前回から2校増加しています。国・地域別では、前回に引き続きアメリカ(169校)に次いで2位でした。
今回の結果に大きく影響を及ぼしたと考えられるのが、ランキング指標の改訂。前回までは「教育」「研究」「被引用論文」「国際性」「産業界からの収入」という5分野・13指標だったものが、今回は「教育」「研究環境」「研究の質」「産業界」「国際性」の5分野・17指標(本来は18指標ですが、1つは今回の指標には含まれていません)に変更されています。今回新たに加わった5つの指標の中でも、「産業界」分野で新しく追加された指標である「特許に引用された論文数」や、「研究の質」分野で新設された各指標で高いスコアを獲得している大学が多く、こうした指標の変更が日本の大学に有利に働いたことがわかります。また、「教育」分野の「学生に対する教員比率」のスコアが平均を上回ったことなども、多くの日本の大学の順位を押し上げる結果となりました。
THEは今回のランキングにおける日本の大学について、次のようにコメントしています。
「アジア、とりわけ中国、香港、シンガポール、韓国といった東アジアにおける競争の激しさを考えると、日本の大学が大きく順位を上げたことは称賛に値する。しかし、これはランキング指標の改定が有利に働いた結果でもあり、日本は依然として国際競争力における難題に直面している。ランキング上位を維持するためには、学生数の減少や、他の強豪国に比べて劣る国際性の課題に的確に対応する必要がある」
「指標項目」ごとのスコアに注目してみよう
「THE世界大学ランキング」のWEBサイトでは、Overall(総合)のランキングだけでなく、各ランクイン大学の指標分野ごとのスコアも見ることができます。
【参考ページ】:World University Rankings 2024
「教育」「研究環境」「研究の質」「産業界」「国際性」の5分野について、それぞれの分野のスコアが高い順に大学を並べて見ることも可能です。複数の大学の指標分野ごとのスコアを見比べたり、全体順位と分野ごとのランキングを比較してみたりすると、それぞれの大学の強みや特徴などがつかめます。
このように、世界・日本の大学のランクイン状況や順位変動だけでなく、指標分野ごとのスコアにも注目して「THE世界大学ランキング」を見ていくと、世界の中で日本の大学がどのような位置付けなのかがチェックできるはずです。国内大学か海外の大学か、進路を決めかねている方は、このようなデータや視点も参考にして大学選びをしていきましょう。
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※この記事でご紹介している内容は2023年10月25日現在の情報に基づいています。