大学勢力図に変化あり!? 世界大学ランキング(THE)24年版発表!
イギリスの高等教育専門誌「Times Higher Education(タイムズ・ハイヤー・エデュケーション:THE)」は日本時間の9月27日、2024年の「THE世界大学ランキング」(THE World University Rankings 2024)を発表しました。今年で20回目を数えるこのTHEの大学ランキングは、世界で最も権威あるランキングの1つとして知られています。今回は2024年の最新ランキングや上位校の変動などから、世界の大学勢力図が大きく変わりつつある現状をお伝えします。
世界的に新型コロナウイルスの影響が落ち着いた今、「世界レベル」の目で海外・国内の大学を知り、どの国・どの大学で学ぶか、という広い視点を持つことに生かしていきましょう。
THE世界大学ランキング2024の全体TOP20
「THE世界大学ランキング」、THEが独自の指標で世界各国の大学のスコアを算出してランク付けし、2004年から毎年発表している大学ランキングです。今回から指標が改定され、従来の「教育」「研究」「被引用論文」「国際性」「産業界からの収入」という5分野(13指標)から、「教育」「研究環境」「研究の質」「産業界」「国際性」の5分野(17指標)に変更されています。
■「THE World University Rankings 2024」 1位~20位
順位 |
2023年の順位 |
順位の変動 |
大学名 |
国名 |
---|---|---|---|---|
1 |
1 |
= |
オックスフォード大学 |
イギリス |
2 |
=3 |
↑ |
スタンフォード大学 (Stanford University) |
アメリカ |
3 |
5 |
↑ |
マサチューセッツ工科大学 (Massachusetts Institute of Technology) |
アメリカ |
4 |
2 |
↓ |
ハーバード大学 |
アメリカ |
5 |
=3 |
↓ |
ケンブリッジ大学 |
イギリス |
6 |
7 |
↑ |
プリンストン大学 |
アメリカ |
7 |
6 |
↓ |
カリフォルニア工科大学 (California Institute of Technology) |
アメリカ |
8 |
10 |
↑ |
インペリアル・カレッジ・ロンドン (Imperial College London) |
イギリス |
9 |
8 |
↓ |
カリフォルニア大学バークレー校 (University of California, Berkeley) |
アメリカ |
10 |
9 |
↓ |
イェール大学 (Yale University) |
アメリカ |
11 |
=11 |
= |
チューリッヒ工科大学 (ETH Zurich) |
スイス |
12 |
16 |
↑ |
清華大学 (Tsinghua University) |
中国 |
13 |
13 |
= |
シカゴ大学 (The University of Chicago) |
アメリカ |
14 |
17 |
↑ |
北京大学 (Peking University) |
中国 |
15 |
15 |
= |
ジョンズ・ホプキンス大学 |
アメリカ |
16 |
14 |
↓ |
ペンシルバニア大学 (University of Pennsylvania) |
アメリカ |
17 |
=11 |
↓ |
コロンビア大学 (Columbia University) |
アメリカ |
18 |
21 |
↑ |
カリフォルニア大学ロサンゼルス校 (University of California, Los Angeles) |
アメリカ |
19 |
19 |
= |
シンガポール国立大学(National University of Singapore) |
シンガポール |
20 |
20 |
= |
コーネル大学(Cornell University) |
アメリカ |
※ 順位の数字に「=」がついている場合:同順位の大学あり
※ 順位の変動が「=」の場合:前回順位から変動なし
2024年版ランキングにおける世界の大学の動向
今回の「THE世界大学ランキング」では、108の国と地域から過去最多となる1,904校(前回は1,799校)がランキング対象となりました。
トップは8年連続でオックスフォード大学(イギリス)が獲得。次いで総合2位はスタンフォード大学、3位はマサチューセッツ工科大学で、それぞれ前回からランクアップ。3位までをイギリス・アメリカの大学が占めました。
さらに4位以降、トップ10までに入った7大学もすべてイギリスかアメリカの大学。いずれも前回から2ランク以内の順位の上下動があるのみで、顔ぶれは変わらないという結果になりました。
そうした中で、全体として顕著なのはアジア勢の躍進です。総合12位の清華大学(中国)を筆頭に、アジアからは過去最多の737校がランクイン。トップ200に絞ってみても、前回の28校から33校(過去最多)に増加しています。2024年度に初めてランクインした165校のうち89校がアジアの大学となっており、ほかのエリアに比べて「教育」と「研究の質」の成績の向上が見受けられます。
とくに目立つのは中国と日本。中国はトップ20以内に入った清華大学(12位)、北京大学(14位)がいずれも前回より順位を上げたほか、200位までに13校がランクイン(前回は11校)。日本では前回から10ランクアップして2015年以来のトップ30入りを果たした東京大学(29位)のほか、京都大学(55位タイ)、東北大学(130位タイ)と続き、トップ200内が2校から5校に増加し、アジアの躍進の原動力の一因になっています。
※日本の大学については、次回、詳しく解説します。お楽しみに!
「指標項目」ごとのスコアに注目してみよう
「THE世界大学ランキング」のWEBサイトでは、Overall(総合)のランキングだけでなく、各ランクイン大学の指標分野ごとのスコアも見ることができます。
【参考ページ】:World University Rankings 2024
今回の5つの指標分野について、それぞれの分野のスコアが高い順に大学を並べて見ることも可能。複数の大学の指標分野ごとのスコアを見比べたり、全体順位と分野ごとのランキングを比較してみたりすると、それぞれの大学の強みや特徴などがつかめます。志望大学を決めかねている方は、このようなデータや視点も参考にして大学選びをしてみてもよいでしょう。
「ランキング指標」の改訂について
今回のランキングでは、従来の5分野「教育」「研究」「被引用論文」「国際性」「産業界からの収入」を「教育」「研究環境」「研究の質」「産業界」「国際性」に変更。指標は13から17(*)に増加しました。新しい指標のうち3つは研究の質、1つは産業分野における特許を評価するものです。今回の順位の変動には、こうした指標の変更も影響しているとみられます。
THEはこのランキング指標の改訂について、「大学の中核的使命である分野の17の指標に基づき、研究集約型大学を厳格に評価する最も包括的でバランスの取れた世界大学ランキングである」と説明しています。
*) 指標は18だが、うち1つは将来的に採用予定であり、今回の指標には含まれていない
<2024年度から採用された新しい分野・指標>
*前年までと変わっている項目は網掛け
分野 |
項目 |
割合(%) |
|
---|---|---|---|
教育(Teaching) |
評判調査<教育>(Teaching reputation)
|
15.0 |
29.5 |
学生に対する教員比率(Staff-to-student ratio)
|
4.5 |
||
学士課程学生に対する博士課程学生比率(Doctorate-to-bachelor’s ratio)
|
2.0 |
||
教員に対する博士号取得者比率(Doctorates-awarded-to-academic-staff ratio) |
5.5 |
||
大学の総収入(Institutional income) |
2.5 |
||
研究環境(Research Environment) |
評判調査<研究>(Research reputation) |
18.0 |
29.0 |
研究関連収入(Research income) |
5.5 |
||
学術生産性(発表論文数)(Research productivity) |
5.5 |
||
研究の質(Research Quality) |
論文被引用回数(大学平均FWCI)(Citation impact)
|
15.0 |
30.0 |
75パーセンタイルFWCI(Research strength)
|
5.0 |
||
トップ10%論文数(Research excellence)
|
5.0 |
||
被引用の質(ネットワーク・インフルエンス)(Research influenc) |
5.0 |
||
産業界(Industry) |
産業界からの研究関連収入(Industry income) |
2.0 |
4.0 |
特許に引用された論文数(Patents) |
2.0 |
||
国際性(International Outlook) |
外国籍留学生の割合(Proportion of international students) |
2.5 |
7.5 |
外国籍教員の割合(Proportion of international staff) |
2.5 |
||
国際共同研究(International collaboration) |
2.5 |
||
派遣留学生の割合(Studying Abroad)(将来的に採用予定) |
0 |
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※この記事でご紹介している内容は2023年10月24日現在の情報に基づいています。