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【保護者向け】「英語が苦手」から海外TOP大への道も! 〜4大直接入学、だけじゃない!逆転留学ルート紹介

お子さまの進路を考えるうえで、選択肢を少しでも広げていただけるよう、今回は海外大学に進学するための具体的なルートについて取り上げます。

日本で大学進学というと、希望する大学・学部を直接受験して、合格を勝ち取り、1年生として入学!…というのが一般的。というよりも、日本ではほとんどその道しか思いつかないことも多いわけですが、海外大の場合はまったく違います。
海外での学び方は、もっと柔軟で、もっと多様。お子さまがやりたいことを、自由に叶えられる制度・ルートが、たくさん用意されているんです。

これからの時代、社会はますますグローバルに。英語が堪能だったり、国際経験が豊かだったりする人材のほうが有利って聞くけれど、「うちの子あんまり英語が得意じゃないし、海外大なんてムリだと思います…」とあきらめていたご家庭に、ぜひ知っていただきたい情報をお届けします!

【保護者向け】4大直接入学、だけじゃない!逆転留学ルート紹介

英語圏であっても、国によって異なる教育システム
大学の学部課程は「4年制」もしくは「3年制」!

そもそも英語圏の教育制度の特徴は、「アメリカ・カナダ型」と「イギリス・オーストラリア型」のざっくり2つに分けられます。留学を考えたとき、まずは「どちらの型がいいかな?」と考え始めることになります。

 

■アメリカ・カナダ型

大学は大きく分けると4年制2年制
単位制が基本で、卒業に必要な単位を取り終えると学位を取得することができます。

学士号を取得できる課程があるのは4年制大学です。日本と同じで、12年間の初等・中等教育(高校まで)を修了すると入学することができます。日本と大きく違うのは、おもに

  • ●「文系・理系」という考え方がないこと
  • ●一部の専門分野(看護学等の保健分野、美術や音楽等の芸術分野、工学 など)を除くと、入学時に専攻科目(学部)を決めなくてもよいということ

の2点です。

4年間のカリキュラムは、一般的に1~2年次に様々な分野から興味のあることを選んで学び、2年次後半から3年次前半までに自分の専攻(major)や副専攻(minor)を決め、3~4年次にその専門科目(単位)を履修するといった流れが多くなっています。
2年制大学は、主に公立のコミュニティ・カレッジと呼ばれる学校で、準学士号や専門学位などを取得することができます。

日本の高校の卒業資格があれば、4年制・2年制どちらの大学にも直接出願することが可能です。

<主な国>
アメリカ、カナダ など

■イギリス・オーストラリア型

大学(学士課程)は3年制(*)。
日本の大学でいう「一般教養」にあたる内容は大学進学前の課程(高校など)で学んでいるため、1年次から専門課程が始まるのが特徴です。入学後はすぐに専攻に分かれ、3年間ずっと専門分野の知識や実践的なスキルの習得を中心に高度な課程で学ぶことになるので、入学前に専攻を決めておく必要があります。

日本とは教育システムが違うため、日本の高校を卒業しただけでは大学入学資格として認められないことがほとんどで、いきなり大学に入学することは基本的にできません

*専攻によっては4~5年かかることもあります。

<主な国>
イギリス、オーストラリア、ニュージーランド など

学生の学ぶ目的に合わせた海外大学の柔軟な進学ルートの例

海外の教育制度の特徴がだいたいおわかりいただけたところで、いよいよ留学生が選べるおもな進学ルートをご紹介します。

■アメリカ・カナダ型のおもな進学ルート

ルート① 大学に直接出願

4年制大学の入試は原則としてペーパー試験がなく、主に書類審査で合否が決定します。出願書類は基本的に個人で用意し、入学を希望する大学に直接提出することで出願します。
提出が必要となる書類は、入学願書(WEB上で入力し、オンライン提出が一般的)、高校の成績、英語エッセイ、課外活動・受賞歴、推薦状、進学用の標準テスト(SAT®やACT:アメリカの場合)のスコア等に加え、海外からの留学生の場合は英語能力試験(TOEFL iBT®テストやIELTSなど)のスコア等などです。

大学側は提出された書類をじっくり検討し、総合的に判断したうえで、各大学が定めた基準に達していれば入学を許可します。大学によって合格基準は異なりますが、英語に関して言えば、留学生でも現地の学生と同程度の高い英語力が求められると言われています。日本で高校生のうちに、ある程度の英語力を身につけておく必要があるルートです。

ルート②コミュニティ・カレッジを経由して大学に入学

2年制のコミュニティ・カレッジは、入学基準が4年制大学より低め。また上がり続ける4年制大学の学費よりもかなりリーズナブルであることから、日本からの留学生には比較的メリットの多いルートと言えます。

コミュニティ・カレッジには、資格取得のための教育や職業訓練等を行うコースのほかに、4年制大学への編入を前提とした「進学準備系コース」を提供している学校もあります。進学準備系コースを修了すると、成績に応じて4年制大学への編入が可能となります。

取得した単位を大学に移行できることが多いため、大学編入後は2~3年で学士号取得が可能です。そして、高い英語力と学業成績(GPA)を修めて卒業すれば、現地の4年制有名大学への編入を狙うこともできます。

ルート③ 条件付き入学(語学学校を経由して大学に入学)

アメリカの4年制大学や2年制大学への入学を希望しているけれど、英語力だけが入学基準に満たない!という場合は、「条件付き入学」という制度があります。英語以外の学業成績やほかの条件がクリアできれば合格内定(仮入学)が認められ、大学付属または大学が認めた語学学校で集中的に英語を学んでから入学できます。

語学学校で一定のランクまで到達したり、TOEFL®テストなどの英語テストで入学基準点を超えるスコアを獲得したりして、英語力が求められる基準に達したら正式に大学への入学が認められるという流れになります。
ただし、トップ大学などには条件付き入学の制度がない大学もあるので、事前によく調べることが大切です。

※カナダの4年制大学には、条件付き入学の制度はほとんどありません。大学が求める英語力に達していない場合は、語学学校の英語コースなどで英語を学んでから入学を目指します。

ルート④ パスウェイプログラムを利用して大学に入学

一部の4年制大学には、留学生向けに学部パスウェイプログラムが用意されています。これは大学1年次に相当するプログラムで、希望する学部によってプログラムの専攻分野を選ぶことができます。英語力や高校の成績などの入学条件は、学部に直接入学する際の基準より少し低めに設定されているのが特徴です。

プログラムは1年間で、アカデミック英語や大学で学ぶために必要なスタディスキル(ディスカッション、プレゼンテーション、エッセイライティングなど)、専攻分野の基礎知識等を学びます。プログラム修了後は4年制大学の2年次に正規の学生として編入することができます。プログラム期間中に取得した単位はすべて大学卒業に必要な単位として認められるので、直接入学と同じ4年間で卒業可能です。
また、パスウェイプログラムの在籍中でも、正規の学部生と同じようにクラブ活動やサークルに参加でき、大学施設も利用することができるのが嬉しいポイントです。

ルート⑤ 大学・学部間の編入

◎海外の大学・学部間の編入

とくにアメリカの場合、ほぼすべての大学の学部課程に編入学の制度があります。これは、他大学や他学部で取得した単位を卒業単位として認定してもらえる「単位互換制度」が広く浸透しているから。

幅広い分野の授業を受けているうちに学びたいことが変わってしまった!という場合、学部や専攻の変更は驚くほど簡単にできます。さらに、「学びたくなった分野が在学中の大学になかった…」などという場合でも、4年制大学から4年制大学への編入もわりと一般的に行われています。

このルートでは、こうした学びたいことの変化による軌道修正ができるだけではありません。高校卒業後に直接出願・合格することが難しかった憧れの名門大学への道も、開けてくる可能性がある点もポイントです。

編入の合否審査でもっとも重視されると言われているのは、それまでの学業成績。1年次から将来を見据えて履修科目を選択し、しっかりと良い成績で単位を取得していけば、編入合格の可能性は高まります。より高いレベルの学びや研究ができる専門設備・教授陣が揃っている有名大学に入りたい、とか、自分がなりたい職業に就く卒業生を多数輩出している名門大学にステップアップしたい!という夢だって、この柔軟な編入制度のおかげで、国内大よりも叶うチャンスが多いのです。

しかもこの編入制度の最大のメリットは、科目などの条件をクリアすれば、通常の4年程度で卒業が可能ということ。もちろん、すでに取得した単位を生かしつつ、それまでとはまったく異なる分野を学び始めることもできるので、高校時点でやりたいことがはっきり決まっていない学生にとっても便利な制度です。

◎日本の大学からの編入

アメリカの大学の単位認定システムは、基本的に世界中の大学に対して適用されます。もちろん日本の大学で取得した単位も認められるため、日本の大学で1~2年学んだ後、アメリカの大学に編入することが可能です。うまく単位移行ができれば留学期間を短くすることもできる、お得なルートとも言えます。

ただ、日本の大学の単位がどれぐらい認められるかは受入れ大学によって差があるうえ、実際の単位の認定・移行は入学後(または合格後)に大学の担当者と直接話し合って決めることがほとんど。つまり、出願前に移行できる単位数を知ることはできません。編入したい大学の科目・単位取得のルールや専攻の選び方などをあらかじめ調べて、大学1年生のころから計画的に単位を取っていくことがポイントです。

■イギリス・オーストラリア型のおもな進学ルート

ルート① ファウンデーションコースを経由して大学に入学

3年制のイギリス・オーストラリア型の国へ日本から大学入学を目指す場合、最も一般的なルートがファウンデーションコースを経由するパターンです。ファウンデーションコースとは、大学の入学条件である学力・英語力等が不足している留学生を対象に、ほとんどの大学で開講されている「進学準備コース」です。

ファウンデーションコースに入学した学生は、大学の学部授業を受けるために必要となるアカデミック英語やエッセイの書き方やプレゼンテーションなどのスタディ・スキル、また希望する専攻の基礎的な専門知識を学ぶ前段階となる「一般教養科目」をおよそ1年間学びます。各大学が決めた一定の成績以上でコースを修了すると、希望する大学の学部の1年次に入学可能となるので、日本と同じ合計4年間で大学を卒業することが可能です。

注)ただし、このファウンデーションコースに入学するのにもはかなり高い英語力が要求されるので、注意が必要です。

ルート② TAFE(テイフ)を経由して大学に編入 ※オーストラリアのみ

オーストラリアにはTAFE(Technical and Further Education)という国立・州立のキャリアカレッジ(職業訓練専門学校)が100校以上あります。料理、観光、ITなど、ありとあらゆる分野の実践的なスキルが学べる学校として多種多様なコースが提供されています。

お子さまにやりたいことが見つかっていれば、好きなことで手に職をつけつつ大学編入を目指せます。TAFEで1年間程度学び、一定の成績を収めて「ディプロマ:Diploma」以上の資格を取得すると、大学の希望学部の2年次に編入(場合によっては1年次から入学)することができます。最短で、合計3年間程度の留学期間で大学まで卒業することが可能です。

TAFEはファウンデーションコースよりも英語力などの入学基準が低めに設定されているので日本からの留学生にも人気のルートです。

ルート③ 語学学校を経由する

「語学は海外に行ってからやる気になるタイプ」というお子さんも多いはず。海外の語学学校は大学やTAFEとの連携が強く、「次」を見据えて語学を強化することができます。受講期間はそれぞれの英語力によって決まります。定められた英語レベルや成績要件をクリアすると、ファウンデーションコース・TAFEへの入学が許可されます。

ルート④ 日本の大学からの編入

イギリス・オーストラリア型の大学で入学後の編入はあまり一般的ではありませんが、逆に日本国内大からの編入は意外と多いです。日本の大学や短大に1年以上在籍していると、一般教養課程を修了していると認められます。英語力が各大学で指定されている基準値(TOEFL®テストやIELTSのスコア)をクリアしている場合は、ファウンデーションコース等を経由することなく、そのまま大学に編入出願することができます。

ルート⑤ 条件付き入学

イギリス・オーストラリア型にも、出願時に英語力や学力が基準に満たない学生に対して、一定の条件をクリアすることを前提に入学を認める「条件付き入学制度」があります。

たとえば、大学への出願資格はある(日本の大学で1年間学んだ、など)けれど、決められた英語力の基準に到達していないというような場合、足りない英語力を除いた部分で入学審査が行われ、「条件付き」で合格の内定をもらいます。いったん、大学指定の英語コースに通って英語力を向上させ、指定された英語テストのスコアを取得できた段階で、正規の学部生として入学が許可される、というルートになります。

まとめ

海外の大学の柔軟な入学制度の例をご紹介しましたが、いかがでしたか?
まだまだ一発勝負の受験を突破するしか道がないことが多い日本の大学と比べると、海外大学にはそれぞれの事情に合わせて選べる、非常に多様な入学ルートが用意されています。

個々の学生が目指す学びのカタチをなるべく実現できるように整えられた制度は、なかなか魅力的ですよね。

もし留学について少しでも気になっていた場合は、一度、お子さまと「あなたにはどんなルートが合ってるかな?」から話しあってみると、進路の選択肢何倍にも広げられる、良いきっかけになるかもしれません。

ベネッセでは、グローバルな進路を実現する多様な学習プログラムをご用意しています。丁寧な個別カウンセリングをもとに、お子さまの希望に合わせた、「お子さまだけの海外留学・進学」をプロの知識と経験でしっかりサポートします。

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※この記事でご紹介している内容は2023年6月29日現在の情報に基づいています。

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