海外大学進学情報

学びたいことから大学選び!シリーズ① 世界の「ロボット研究」が盛んな大学10選

近年、AIやロボットに関する技術開発の進歩は著しく、世界の大学でも盛んに研究が行われています。将来、ロボットに関わる研究や仕事を夢見ている人は絶対に知っておきたい、先進的な研究を展開する名門のロボティクス・エンジニアリング・カレッジが世界中にあります。今後、安定した成長が見込める分野のため、卒業後も多くの雇用機会が得られることが期待できると言われています。「好き」を将来につなげてもらうため、ワールドワイドに「第一線」でロボティクスを研究する大学をご紹介します。

世界の「ロボット研究」が盛んな大学10選

カーネギーメロン大学(Carnegie Mellon University)/アメリカ

ペンシルベニア州ピッツバーグにある私立の総合大学。テクノロジー系に強いリサーチ型大学で、工学やコンピュータ分野に関しては世界トップレベルの超名門大学として知られています。とくにロボット工学では全米No.1であり、ロボティクスの代名詞的な存在とも言われています。世界有数とされる1979 年開設のCMUロボティクス研究所では、NASAや政府機関のリサーチを請け負うなど産学連携による大規模な研究開発が進んでいます。

同大学には世界初のロボット工学博士課程があるほか、ロボットシステム開発やロボット工学の修士課程など、数多くの学位プログラムが用意され、革新的な研究プロジェクトがいくつもあります。プログラムでは多くのロボティクス研究テーマが組み合わされており、将来的にロボット技術やシステムの研究開発リーダーとなる学生を育成することを目的としています。独自のカリキュラムにより、学生はハプティクス(触覚)、人間とロボットの相互作用、機械学習などのロボット開発および統合プロジェクトにチームとして取り組むことができます。
学部生のためのロボット工学の副専攻も用意されており、5年目で修士号を取得できるプログラムもあります。

【公式ホームページ】The Robotics Institute|Carnegie Mellon University

マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology)/アメリカ

マサチューセッツ州ケンブリッジに位置し、世界有数のテクノロジー系大学として名高いマサチューセッツ工科大学(MIT)。世界で最も優れたロボット工学の学校としても有名です。DARPA(アメリカ国防高等研究計画局)やNASAとのプロジェクトなど、ロボット工学で驚くべき進歩を遂げてきた歴史を持っています。数多くのロボット工学の組織や研究所があり、Robot Locomotion GroupやBiomimetic Robotics Labでは、世界でも注目されている4脚歩行ロボットなど、柔軟性が高く効率的なロボットの開発が行われています。

MITには特定のロボット工学の学位はありませんが、工学部の学生はいくつかの学位プログラムを専攻しつつ、ロボット工学の研究に専念するいくつかの選択肢が用意されています。たとえば機械工学の「コース2」を専攻として選択すると、電気機械ロボットシステムの設計コースと、設計と製造Iコース (ロボット コンテストへの参加も可能) という、ロボット工学の研究に触れることができる 2 つのコースがあります。

【公式ホームページ】Computer Science & Artificial Intelligence Laboratory(CSAIL)|Massachusetts Institute of Technology

ミュンヘン工科大学(Technical University of Munich)/ドイツ

ヨーロッパ有数の研究大学の 1 つに数えられるミュンヘン工科大学(TUM)は、工学、医学、その他の応用科学を専門とする公立の工科大学です。ドイツ国内に4つのキャンパス、シンガポールに1つのキャンパスがあり、質の高い厳格なカリキュラムと優れたインターンシップやキャリアの機会が用意されています。

TUMにはロボティクスの学士号はありませんが、修士課程として2年間の「ロボティクス・認知・知能」コースを提供しています。TUM School of Computation, Information and Technology と TUM School of Engineering and Design の共同プログラムで、機械工学や電気工学などのさまざまな工学分野とコンピューターサイエンスを組み合わせています。学生は複雑な技術システムを開発するために、科学と工学をより深く探求します。入学希望者には、電気工学、機械工学、物理学の学士号が必要です。授業はドイツ語と英語で行われます。

【公式ホームページ】TUM School of Computation, Information and Technology

スイス連邦工科大学チューリッヒ校 (Swiss Federal Institute of Technology 〔ETH Zürich〕)/スイス

科学、技術、工学分野においてスイスで最も優れた大学と称されるETHチューリッヒは、ヨーロッパにおけるロボット工学のトップ大学の1校としての地位も確立しています。

同大学では、機械工学の厳格な学士号と、英語による2年間のロボット工学(ロボティクス、システム、制御)の修士課程を開講しています。学生は、ロボットの設計、最適化と制御、人工知能、バーチャルリアリティ、システム工学などのトピックを学びます。ロボット工学を生物医学工学やバイオテクノロジーに応用することに興味がある学生には、特に適していると言えるカリキュラムとなっています。

【公式ホームページ】Master of Science in Robotics, Systems and Control|ETH Zürich

カリフォルニア大学バークレー校(University of California, Berkeley:UCB)/アメリカ

北カリフォルニアのシリコンバレーの中心地からわずか1時間ほどの場所に位置するUCBには、ロボット研究に関連した学部や組織がいくつもあり、ロボット工学では特に人間工学に重点が置かれています。

ロボット工学・知能機械研究所(Robotics and Intelligent Machines Lab)には、いくつかの研究グループがあります。バイオミメティック・ミリシステムズ研究室(Biomimetic Millisystems Lab)ではロボットの運動能力を向上させるため、動物の動きを再現することを専門としています。また、オートメーション科学・工学研究所(Laboratory for Automation Science and Engineering)では、ロボット支援手術や自動製造などのソリューションを設計し、より一般的なロボット工学に取り組んでいます。人とロボットグループ(People and Robots group)は、社会とロボットの相互作用を重視し、バイオインスパイアード・ロボティクス、ディープラーニング、クラウドロボティクスなどの分野に焦点を当てています。ロボット学習グループ(Robot Learning group)は、機械学習、知覚、制御のための新しい方法を研究しています。さらに、コンピュータビジョングループ(Computer Vision Group)では、ロボットが「見る」ことを理解するための方法を学ぶことができます。
そのほかのグループ・研究分野には、AeRobot (BEAR) project、Medical Robotsなどがあります。

【公式ホームページ】UC Berkeley Robotics and Intelligent Machines Lab

スタンフォード大学(Stanford University)/アメリカ

世界有数の名門大学として知られるスタンフォード大学では、ロボット工学に興味のある学生は工学部の大学院プログラムを選択し、機械工学またはコンピューターサイエンス(人工知能の研究領域)でロボット工学を専門に学ぶことができます。ロボット工学のマイナー(副専攻)やコンピュータセンシング、ロボティクスの研究室を通した修士号などが、プログラムとして用意されています。

研究施設には、ロボティクス研究所(Stanford Robotics Lab)と人工知能研究所(Stanford Artificial Intelligence Lab)があります。人工知能研究所は、1962年の設立以来、50年以上にわたってロボット工学の教育を促進してきた歴史があり、人工知能研究グループのメンバーは、コンピュータビジョン、知識システム、決定理論、生体情報などの分野に大きく貢献しています。スタンフォード大学が開発したロボットには、サンフォードアーム、スティッキーボット、オーシャンワン、フラッピングロボット、バインボット、ジャックラボットなどがあります。

【公式ホームページ】Stanford Artificial Intelligence Laboratory (SAIL)

ジョージア工科大学(Georgia Institute of Technology)/アメリカ

ジョージア州アトランタの公立大学であるジョージア工科大学は、Georgia Techの略称で知られ、6つのカレッジを持つ大規模大学ですが、重点は科学技術に置いており工学、コンピュータなどの分野で有名です。

同大学には、著名なロボット工学者であるヘンリック・クリステンセン教授が率いるロボット工学・知能機械研究所があります。この研究所では、共同事業を通じては学際的な専門家が集まっており、最大限のコラボレーションと創造性で問題の解決に取り組んでいます。基礎研究には、基礎研究には、力学、制御、知覚、人工知能と認知、相互作用、およびシステムの専門知識などを含みます。

また、同大学では多くの学問分野に対応したロボット工学の修士号、博士号を取得できるほか、社会的地位の低い少数民族のための学部サマープログラムも提供しています。さらに、医療用ロボティクスに関わるトレーニーシップ・プログラムも実施しています。

【公式ホームページ】Institute for Robotics and Intelligent Machines|Georgia Tech

ハートフォードシャー大学(University of Hertfordshire)/イギリス

イギリス・イングランド東部のハートフォードシャー州ハットフィールドに3つのキャンパスを有する国立大学。1952年に設立されたハットフィールドテクニカルカレッジを前身とし、ハットフィールドポリテクニックを経て、1992年に大学に昇格しました。コンピュータセンターなどの最新設備や環境が充実した、イギリス最大のエンジニアリングスクールです。

ロボティクスの学位は、ロボティクスと人工知能の学士号と修士号が提供されています。学部生向けの工学士プログラムのカリキュラムは、ハードウェアの初期設計からAIソフトウェアの実装まで、完全な指導と実践的な教育を行うことを目的としています。Year2とYear3の間に、留学オプションやワークプレイスメントを選択することもできます。

修士号は、学士号と比較して就職後に価値のある技術的スキルを身につけることに重点を置いています。カリキュラムは実践的なプロジェクトベースのモジュールが特徴で、進級するにつれて難易度が上がっていきます。留学オプションやワークプレイスメントは必須ではありませんが、教育の幅を広げたい人のために用意されています。

【公式ホームページ】BEng (Hons) Robotics and Artificial Intelligence|University of Hertfordshire

ペンシルベニア大学(University of Pennsylvania)/アメリカ

1740年に設立されたペンシルベニア大学(通称「ペン」)は、アメリカで4番目に古い大学であり、大学院と学部の両方を提供した最初の大学としても知られています。

工学部と応用科学部の中にGRASP(General Robotics, Automation, Sensing and Perception:ロボット工学、自動化、検出および知覚)研究室があります。1979年にそのスタートを切ったこのグループは、ロボット工学の考え方をいち早く取り入れたことでも有名です。また、同大学はロボット工学の学際的研究というコンセプトの先駆者であり、その強固な基盤は、現在では電気・システム工学、コンピュータ・情報科学、機械工学・応用力学、医学部の教員を含む、より強固なものになっています。

ロボティクスの学位としては、他に類を見ないロボット工学(ROBO)の修士号と、ロボット工学に焦点を当てた哲学博士号を提供しています。電気・システム工学、機械工学・応用力学、コンピュータ・情報科学の大学3学科が共同でプログラムを運営しています。

【公式ホームページ】GRASP Laboratory|PENN Engineering

ミシガン大学アナーバー校(University of Michigan, Ann Arbor)/アメリカ

1817年に設立された公立大学であるミシガン大学のロボティクス研究所は、ロボティクスを研究するすべての分野を結集し、コラボレーションを促進してロボティクス研究を加速させることを目的としています。研究はキャンパスや協力大学、世界中の研究拠点、さらには宇宙で行われていますが、次世代のロボット研究者を育成するミシガンロボティクスの拠点は、7500万ドルをかけた最新鋭の施設にまとめられています。自律走行車を飛ばすための屋内飛行ラボ、ロボットをテストするための屋外運動場などがあり、さらにはフォード・モーター・カンパニーとの提携により、同社の従業員と学生・教員が建物を共有しています。

同大学では学生に修士課程と博士課程の両方を提供しており、様々な分野の専門知識を統合してロボティクス技術の開発に注力しています。ミシガンロボティクスが重視する3つの主要分野は、「環境の感知」「意思決定のための推論」「運動やその他のアウトプットを生み出すための行動」です。 具体的な重点分野としては、脚式運動、人間とロボットの相互作用、自律走行車、マニピュレーション、協調型ロボット、製造、移動・知覚・リハビリテーションロボットなどがあります。

【公式ホームページ】Michigan Robotics|University of Michigan


今回は「ロボット研究」が盛んな大学をお届けしました。「学びたいことから大学選び!シリーズ」として、今後、様々な分野を取り上げていきます。お楽しみに!


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※この記事でご紹介している内容は2023年5月7日現在の情報に基づいています。

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