海外大・国内グローバル大入試で採用されている外部英語検定試験「IELTS」とはどんなテスト?
海外の大学に出願する場合、多くの大学で提出が求められる英語テストのスコア。特にイギリスではIELTSが広く用いられています。もちろんイギリスだけでなく、世界中の大学で英語能力の証明として認められており、国内大の入試においても英語の試験の代わりにIELTSのスコアを採用する大学・学部も多くあります。では、IELTSとはどんなテストなのか、あらためてその特徴や日本における受検方法などをご紹介します。
IELTSとはどんな試験?
IELTS(アイエルツ:International English language testing system)は、英語の熟練度を測るために、IDP:IELTS Australia、Cambridge Assessment English、British Councilの3団体が共同開発した英語運用能力評価試験です。4つの英語スキル(リスニング、リーディング、ライティング、スピーキング)を総合的に評価し、英語環境において学業や仕事、生活をしていくのに必要な英語力がどの程度あるかを測定します。
毎年、世界中の1,600以上の会場で350万人以上が受検しており、教育や移住のための英語能力判定試験としてグローバルに認知されています。アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、イギリスなど世界140ヵ国以上、11,000以上の機関が英語能力の証明として採用。アメリカだけでも政府や教育機関、企業など3,000を超える機関で認定されていて、1,000人以上の留学生が学ぶアメリカの4年制大学のおよそ99%がIELTSを受け入れています。
日本では、IELTSは2つの主催団体「公益財団法人日本英語検定協会〈ブリティッシュ・カウンシルとの共同運営〉」と「IDP Education」によってテストが実施されています。
【参考ページ】:IELTS公式サイト | 英検協会
【参考ページ】:https://ieltsjp.com/japan
IELTSの種類(タイプ)
IELTSには大きく分けてIELTS Academic(アイエルツ アカデミック)とIELTS General Training(アイエルツ ジェネラル・トレーニング)の2種類のモジュール(タイプ)があります。(*1)
●IELTS Academic(アイエルツ アカデミック)
英語で授業を行う高等教育機関に入学できるレベルに達しているかどうかを評価する試験。大学・大学院への進学や、英語圏での看護師や医師登録申請など専門機関での就業を目指す場合はこのモジュールの受験が必要です。
●IELTS General Training(アイエルツ ジェネラル・トレーニング)
英語力の証明として、世界中どこでも利用できる試験。中等教育への進学など学士以下の留学、英語圏での学業以外の研修や就労、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドへの移住申請をする場合はこのモジュールを受験することが一般的です。
アカデミックモジュールとジェネラル・トレーニングモジュールでは、リスニング及びスピーキングのテストの内容は同じ、ライティングとリーディングのテスト内容は異なります。
※国や機関、団体などによって、どのテストを受けるべきかが異なりますので、どのモジュールを受検すべきか事前に受け入れ先に必ず確認してください。海外大入試にスコアを活用する場合は、アカデミックモジュールを使うのが一般的です。
*1)そのほかに、イギリスのビザ申請用のIELTS for UKVI / IELTS Life Skillsもあります。イギリスでの就学や就業を希望する方は、イギリスのビザ申請のために IELTS for UKVI(Academic/General Training)やIELTS Life Skills などイギリス内務省が認めた Secure English Language Tests(SELT)での英語能力の証明を求められることがあります。
▼詳細は下記ページでご確認ください。
【参考ページ】:英国ビザ申請用IELTS (IELTS for UKVI)|ブリティッシュ・カウンシル
【参考ページ】:IELTS for UKVI / IELTS Life Skills|日本英語検定協会
IELTSの試験形式
IELTSにはペーパー版とコンピューター版の2つの試験形式(*2)があり、自分にあった形式を選択することができます。内容、難易度、試験時間、採点方法等は同じで、どちらもスピーキングテストは試験官との対面式です。ライティング、リーディング、リスニングのテストは必ず1日の中で行われ、スピーキングテストは世界的な規定により同日もしくは他のテストの前後6日以内に行われることになっています。いずれも会場での受検となり、合計所要時間は約2時間45分です。
◆IELTSペーパー版
ライティング、リーディング、リスニングテストは紙と鉛筆で行われ、スピーキングテストは試験官と1対1の対面式で行われます。
▶試験結果の公開:試験日から13日後
▶特徴:問題用紙に直接、線やメモを自由に書き込めるため、紙と鉛筆での受験に慣れている場合はおすすめです。
◆IELTSコンピューター版
リスニング、リーディング、ライティングのテストはコンピューターを使って行われ、スピーキングテストは、試験官との1対1の対面形式で行われます。
▶試験結果の公開:試験日から3~5営業日後
▶特徴:ライティング、リーディングテストの解答はタイピングします。リスニングテストは自分専用のヘッドフォンがあるので集中できます。
※いずれのタイプもIELTS公式の成績証明書(Test Report Form)は郵送となります。
*2)アカデミックモジュールに限り、IELTSオンライン版(IELTS Online)も実施されています。
◇IELTSオンライン版(IELTS Online)
IELTS Academicのテストが、オンラインで受験できるようになった形式。安定したインターネット接続環境があれば、自宅などで受験することが可能です。試験内容等は、IELTS Academicのペーパー版やコンピューター版と同じで、スピーキングテストは、IELTS試験官とのビデオ通話によりオンラインで実施されます。
・現在18歳以上の方が受験できます。
・受験前にInspera Exam Portal(IEP)のダウンロードとインストールが必要です。
▶試験結果の公開:試験日から3~6日以内にオンラインで結果を確認可能(紙の成績証明書は発行されません)
※提出先の機関がIELTS Onlineの成績を認めているか、事前に必ず確認してください。
【参考ページ】:IELTSオンライン版(IELTS Online)|IDP
IELTSの採点方法
IELTSのテスト結果は4つのスキル(リスニング、リーディング、ライティング、スピーキング)ごとに、1.0(最低)から9.0(最高)までのバンドスコアと呼ばれる段階評価で示されます。スコアは0.5刻みとなります。合格・不合格はありません。各スキルの個別のバンドスコアと、総合評価としてのオーバーオール・バンドスコアが与えられます。
【参考ページ】:バンドスコアの解釈について|英検協会
【参考ページ】:バンドスコア・採点方法|IDP
【参考ページ】:Understand and explain the IELTS scores|Take IELTS
IELTSの申込み・受検料等について
主催団体ごとに、試験日程や会場などは異なります。詳細は、それぞれ下記のページからご確認ください。
試験日程・会場
<日本英語検定協会主催〈ブリティッシュ・カウンシルとの共同運営〉>
▶ IELTSペーパー版:IELTS 試験日程|日本英語検定協会
▶ IELTSコンピューター版:IELTS on Computer (IoC)|日本英語検定協会
<IDP Education主催>
▶ IELTSペーパー版:試験日を探す|IDP Education
▶ IELTSコンピューター版:IELTSコンピューター版|IDP Education
※受験回数に制限はありませんので、準備が整い次第、すぐに再受験をすることが可能です。
申込み締切日
<日本英語検定協会主催〈ブリティッシュ・カウンシルとの共同運営〉>
- ▶IELTSペーパー版:筆記テスト5日前12:00(正午)
- ※筆記テスト5日前が土日・祝日にあたる場合は、前営業日が申込み締切となります。
- ※木曜日セッションの場合は6日前の金曜日12:00(正午)が申込み締切となります。
- ※コンビニ・ゆうちょATM支払いを希望する場合は、申込み締切の5日前までの申し込みが必要です。
▶IELTSコンピューター版:試験日の3日前の9:00まで
<IDP Education主催>
空席がある場合、試験日の3日前まで申し込みが可能
※ただし、テストセンターによって異なる可能性があるので、必ず自分の受験するテストセンターのホームページなどで確認してください。
受検料(1人1回あたり)
<日本英語検定協会主催〈ブリティッシュ・カウンシルとの共同運営〉>
▶IELTSペーパー版:25,380円(税込)
▶IELTSコンピューター版:25,380円(税込)
<IDP Education主催>
▶IELTSペーパー版
・IDP直営のIELTSテストセンター:27,500円(税込)
・JSAF-IELTS公式テストセンター:25,380円(税込)
▶IELTSコンピューター版
・全てのテストセンター:27,500円(税込)
ベネッセの海外進学プログラムなら、
自信を持って進める自分だけの進路ルートや、奨学金を「狙える」ところまでを
徹底的にサポートできます。
いっしょに海外大で学ぶという夢をかなえてみませんか?
▼
※この記事でご紹介している内容は2023年4月11日現在の情報に基づいています。