「得意な英語」を活かして国内グローバル大の総合型選抜(AO入試)を受験するには?
かつては帰国子女・国際生向けの入試にほぼ限られていた「英語ベースでの大学受験」。それが今、国内グローバル大を中心に、国内生向けにも一般的に行われるようになってきています。今回は、英語が得意で、英語力で進路を切り拓いてみたい方はぜひ知っておきたい、「英語力を利用した入試の最新事情」をお伝えします。
英語を重視した「総合型選抜」の拡がり
2020年度からスタートした大学入学共通テストで「大学入試改革」の目玉として予定されていた、英語の民間資格・検定試験、記述式問題の活用は、一度の延期を経て、2021年夏に正式に導入断念が発表されました。ところが、実は今、個別入試で英語の民間試験を活用する大学は増加傾向にあります。グローバル化や世界標準教育のニーズを反映した私立の国際系大学を中心に、民間の英語検定試験を入試に何らかの方法で活用している大学は、一般選抜、学校推薦型選抜、総合型選抜を合計すると、すでに半数を超えていると言われています。
とくに総合型選抜(旧AO入試)で見ると、英語を非常に重視し、入試自体が英語ベースともいえるような入試方法を採用している大学・学部も増加しています。難関と呼ばれるような大学・学部では合格基準もかなり高くなっていると推測されるものの、英語が得意であれば英語ベースの入試を導入しているワンランク上のチャレンジ校も狙えるかもしれません。
総合型選抜での「英語」の活用方法
総合型選抜の選考方法は、大学が求めている学生とのマッチングを重視し、生徒の能力・適性や学習に対する意欲などに重点をおいて総合的に評価する入試方式です。書類審査や面接、小論文に加え、知識や思考力・表現力等、多面的に評価する選抜方法が増えています。
<活用される「英語」の例>
- ●外部英語検定試験を利用(TOEFL®テストやTOEIC®、IELITS、英検などのスコアや級を提出。出願資格として設定されている場合や、加点や得点換算、試験免除などで合否判定基準に活用されている場合がある。外部試験のみで受験できる大学・学部もあり)
- ●英語の学校独自問題を利用
- ●英語の自由英作文(エッセイ)
- ●英語の面接または口頭試問
- ●国際バカロレアなどの資格
上記の中から、志望理由書、面接や小論文を組み合わせるパターンが一般的です。
英語をベースとした入試を実施している大学例
≪関東≫
国際教養大学 国際教養学部 国際教養学科
すべて英語の少人数授業を展開。キャンパス内の学生の4人に1人が留学生、外国人教員の割合が約59%(2022年4月1日時点)という多文化共生キャンパスが特徴。学生は1年間の海外留学が義務となっており、留学先で取得し専門課程の単位は卒業単位として認定。
<入試方式> 総合選抜型入試I
- ●募集人員:10名
- ●出願時期:9月上旬~
- ●試験科目:書類審査、英語小論文、面接(日本語・英語)
- ●評定要件:なし
- ●英語に関する要件・資格(主なもの):
- TOEFL iBT®テスト61点/TOEIC® L&R+S&W 1100点/英検準1級/IELTS 6.0/GTEC CBT 1000点/TEAP 300点/TEAP CBT 700点/ケンブリッジ英検 170点
※または「IB(国際バカロレア)カリキュラムを修了し、最終試験6科目に合格」など
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慶応義塾大学 総合政策学部・環境情報学部
既存の学問の枠にとらわれず、学年による区別もないカリキュラム。多様な研究分野の中から、自分の学習目標に合った時間割を自由に組むことが可能。多様な外国語教育プログラムも提供し、グローバル(地球規模)な人材育成と研究活動の実施を重視。必要な単位を英語のみでも修得可能なGIGAプログラム (Global Information and Governance Academic Program)も開設されている。
<入試方式> AO入試
- ●募集人員:総合政策学部・環境情報学部ともに各150名 ※それぞれ複数回実施するAO入試(4月入学/9月入学)の合計数
- ●出願時期:9月上旬~
- ●試験科目:書類(資料を含む)選考、面接試験(日本語または英語)
- *出願時に、出願書類で使用する言語(「日本語」,「英語」の2択)と面接で希望する言語(「日本語」,「英語」,「どちらでも可」の3択)を選択
- ●評定要件:なし
- ●英語に関する要件・資格(主なもの):
- 第一言語が英語でないが、出願書類で使用する言語を「英語」で選択した者は英語能力試験結果/英語学習歴関係書類の提出が必要
TOEFL®テスト (TOEFL®-ITPは不可)/IELTS/ TOEIC® (TOEIC® -IPは不可)/ United Nations Association’s Test of English (UNATE)/英検
※出願条件となる点数はなし
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(2022 夏秋 AO)
早稲田大学 国際教養学部(SILS) 国際教養学科
角的な視点を養い、論理的な思考力と分析力、実行力を身につけるためのリベラルアーツ教育を実践。学部の共通言語は英語で、ほぼ全ての講義は英語で行われる。入学者の3割は外国人留学生で、日本語を母語とする学生は1年間の海外留学が必修とされている。
<入試方式> AO入学試験(4月入学)国内選考
- ●募集人員:100名
- ●出願時期:9月上旬~
- ●試験科目:書類審査、筆記審査(Critical Writing)
- ●評定要件:なし
- ●英語に関する要件・資格(主なもの): ※スコアを提出(基準なし)
- 英検(従来型、CBT、S-CBT、S-Interview)/TOEFL iBT®テスト *MyBestスコアは認められない/IELTS(Academicのみ)
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国際基督教大学 教養学部 アーツ・サイエンス学科
キリスト教の精神に基づき、国際社会人を育成するという理念の実現のために国際主義を掲げる。国際性の豊かなキャンパスで、文理の区別なく幅広く学ぶリベラルアーツを少人数・対話型授業で提供。公用語は日本語と英語で、日英両語の高い言語運用能力を育む「日英バイリンガル教育」を徹底している。
<入試方式> 総合型選抜 英語外部試験利用・理数探究型・IB認定校対象
- ●募集人員:3方式あわせて約65名
- ●出願時期:9月上旬~
- ●試験科目:書類選考、オンラインによる個人面接(プレゼンテーションを含む)
- ●評定要件:<英語外部試験利用>4.1以上、<理数探求型>全体4.0以上かつ数学または理科の評定平均が4.2以上
- ●英語に関する要件・資格(主なもの): ※スコアを提出(基準なし)
- <英語外部試験利用・IB認定校対象の場合>
IELTS (Academic Module)/TOEFL iBT®テスト/英検(4技能・CSEスコアを含む/合格したものに限る)/Cambridge English Qualifications(合格したものに限る)/GTEC(4技能版)
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上智大学 総合グローバル学部 総合グローバル学科
国際関係論と地域研究の2つの専門領域を有機的に組み合わせ、学生一人ひとりが自分なりのグローバル・スタディーズを実現できるカリキュラムを用意。少人数の演習や自主研究を重視し、理論と実践に触れる開かれた学びを提供している。また、英語による学位取得プログラム(Sophia Program for Sustainable Futures[SPSF])を設置している。
<入試方式> 推薦入学試験(公募制)
- ●募集人員:60名
- ●出願時期:11月上旬~
- ●試験科目:「高等学校調査書」「自己推薦書」「レポート等特定課題」「特筆すべき能力・実績を証明する書類」による書類審査、小論文、面接
- ●評定要件:全体の評定平均値 4.0 以上
- ●英語に関する要件・資格(主なもの):
- 英検 2級A、TOEFL iBT®テスト 55、TOEIC® L&R+S&W:L&R650&S&W250、国連英検B級、IELTS 4.5、 TEAP 270(各65) 、TEAP CBT 445、 GTEC 1060、ケンブリッジ英検:147
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青山学院大学 文学部 英文学科
6つの専門分野の学際的研究を通じて、多面的で総合的な英語へのアプローチを身につけ、世界で活躍できる人材の育成を目指す。独自に開発したIntegrated English(IE・英語4技能集中教育)Programをはじめ使用言語を英語とする授業を数多く開講し、6つの専門コースと一体化したカリキュラム編成となっている。
<入試方式> 自己推薦
- ●募集人員:約30名
- ●出願時期:9月中旬~
- ●試験科目:書類審査、小論文(英語および日本語)※、面接(英語および日本語)
- ※ 英文を読み、英語と日本語の両方で文章を書く
- ●評定要件:なし
- ●英語に関する要件・資格(主なもの):
- 英検 準1級以上、TOEIC® Listening & Reading 730点以上、Speaking 130点以上、Writing 140点以上/TOEFL iBT®テスト 68点以上/TEAP(4技能)300点以上/IELTS(Academic Module)オーバーオール・バンド・スコア5.5以上
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立教大学 異文化コミュニケーション学部 異文化コミュニケーション学科
日本語での論理的思考力と自己表現力を磨くとともに、英語の運用力を徹底的に強化し、異なる文化間で必要となるコミュニケーションの基礎力を高めるカリキュラム。さらに英語に加え、+1の言語を選択して学ぶ。また、2年次の秋学期には原則全員が「海外留学研修」を履修する。
<入試方式> 自由選抜入試(方式A)
- ●募集人員:10名程度
- ●出願時期:9月中旬~
- ●試験科目:書類選考、小論文、面接
- ●評定要件:なし
- ●英語に関する要件・資格(主なもの):
- 実用英語技能検定[英検]2,300点以上、IELTS(Academic Module)オーバーオール・バンド・スコア5.5以上/TEAP 309点以上/TEAP CBT 600点以上/TOEFL iBT®テスト 72点以上
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明治大学 国際日本学部 国際日本学科
日本の文化と社会構造に対する深い理解と、実践的な英語教育・日本語教育による優れた発信能力、かつ自国文化・他国文化の両者に対する広範で柔軟な理解力を兼ね備えた人材の育成を目指す。7つの研究領域で構成された国際日本学専門科目に加え、英語の総合的なコミュニケーション能力を磨く少人数クラスでの実践的な英語教育を行う。
<入試方式> 自己推薦特別入学試験
- ●募集人員:6名
- ●出願時期:9月下旬~
- ●試験科目:書類選考、小論文、口頭試問
- ●評定要件:4.0 以上
- ●英語に関する要件・資格(主なもの):
- 英検 準1級以上、TEAP 309以上、TOEFL iBT®テスト 72以上、IELTS 5.5以上、TOEIC®L&R & TOEIC® S&W: L&Rで785以上かつS&Wで310 以上、GTEC(CBTのみ) 1190以上、ケンブリッジ英検 B2 First(FCE)以上
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法政大学 グローバル教養学部(GIS) グローバル教養学科
グローバルな視野やマインド、スキルを身に付けるために、学部独自のリベラルアーツ教育を実施。学部の共通語は英語で、講義、ディスカッション、プレゼンテーション、レポートや論文の執筆まで、原則すべて英語で行われる。授業で英語を使いながら多様な知識を吸収し、さらに英語そのものに内在する発想や論理的批判的な思考方法を身につけるイマージョン教育を実践している。
<入試方式> 自己推薦入学試験(12月入試)
- ●募集人員:28名
- ●出願時期:10月中旬~
- ●試験科目:書類審査、S基準…面接試験(英語)/A基準…小論文(英語)、面接試験(英語)
- ●評定要件:なし
- ●英語に関する要件・資格(主なもの):
- <S基準>
TOEFL iBT®テスト(Home Edition および Paper Edition を含む)90点以上かつ Writing スコアが 23点以上、IELTS(Academic Module)band 6.5 以上かつ Writing band が6.0 以上、Language A: Literature または Language A: Language and Literature に英語を選択し、IB Diplomaを取得
※TOEFL iBT®テストのTest Dateスコアのみ(MyBestスコアは不可) - <A基準> TOEFL iBT®テスト および Paper Edition を含む)80点以上、IELTS(Academic Module)band 6.0 以上、実用英語技能検定(英検) 1級に合格
※TOEFL iBT®テストのTest Dateスコアのみ(MyBestスコアは不可)
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≪関西≫
立命館大学 グローバル教養学部(GLA) グローバル教養学科
立命館大学の学士(グローバル教養学)とオーストラリア国立大学(ANU)の学士(アジア太平洋学)の2つの学位取得を目指す「デュアル・ディグリー・プログラム」。大阪いばらきキャンパスで3年間、すべての授業を英語で学び、オーストラリア・キャンベラのANUのアクトンキャンパスで1年間学ぶ。
<入試方式> 4月入学総合評価方式(10月選考/12月選考)
- ●募集人員:10月選考 7名/12月選考 5名
- ●出願時期:10月選考 9月上旬~/12月選考 11月上旬~
- ●試験科目:書類選考、小論文、口頭試問
- ●評定要件:なし
- ●英語に関する要件・資格(主なもの):
- TOEFL iBT®テスト 68 点以上(Writing セクション 18 点以上)、IELTS(Academic Module)(CDI も可) Overall Band Score 6.0 以上(各コンポーネント 5.5 以上)、 Cambridge C1 Advanced(CAE) Overall Score 169 点以上(各サブスキル 162 点以上)、PTE アカデミック Overall Score 57 以上(各コミュニケーションスキル 50 以上)
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関西学院大学 国際学部 国際学科
グローバル社会で活躍できる人材を育成するため、学際的なカリキュラム編成によって、「問題解決能力」「多文化共生能力」「倫理的価値観」「言語コミュニケーション能力」の4つを養う。ツールとして2言語の修得をめざし、英語で行う授業や留学生と交流できるイベントを多数提供。また、原則として全員が約1カ月の短期留学、約4~6カ月の中期留学、約6カ月~1年の長期留学などに参加する。
<入試方式> 探究評価型入学試験
- ●募集人員:10名
- ●出願時期:9月上旬~
- ●試験科目:書類審査、面接審査(プレゼンテーションおよびグループディスカッション含む)
- ●評定要件:なし
- ●英語に関する要件・資格(主なもの):
- ~CEFR B1レベル以上を有する者~
ケンブリッジ 英語検定Preliminary以上またはCambridge English スケールスコア 140 点以上、英検 2級以上またはCSEスコア1950 点以上、GTEC 960点以上、IELTS 4.0以上、TEAP 225点以上、TEAP CBT 420点以上、TOEFL iBT®テスト 42点以上、TOEIC® L&R / TOEIC® S&W 1150点以上
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同志社大学 グローバル・コミュニケーション学部 グローバル・コミュニケーション学科(英語コース)
ボーダーレス化が進む社会において要求される能力を養成するために、グローバルな水準、専門的には 5C’s(Communication、Cultures、Connections、Comparisons、Communities)の外国語教育理念に基づいたカリキュラムを構築。2年次に1年間のStudy Abroad(留学)が必修で、3・4年次では身につけた力をさらに伸ばす実践的語学科目を履修する。
<入試方式> 推薦選抜入学試験
- ●募集人員:13名
- ●出願時期:11月上旬~
- ●試験科目:書類審査、筆記試験(日本語による小論文)、日本語と英語による口頭試問
- ●評定要件:なし
- ●英語に関する要件・資格(主なもの):
- TOEIC® L&Rテスト(TOEIC®テスト) 650点以上、TOEFL iBT®テスト(TOEFL iBT® Home Editionも含む) 68点以上、実用英語技能検定(英検) 準1級以上(従来型英検、英検S-CBT)
※TOEFL iBT® テストは「Test Dateスコア」のみ可。「MyBestスコア」は認めない
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立命館アジア太平洋大学 アジア太平洋学部・国際経営学部・サステイナビリティ観光学部
世界的にもユニークな多文化・多言語環境のマルチカルチュラルキャンパスを築いていることが大きな特徴。キャンパス内の学生の約2人に1人が海外からの国際学生、教員の約2人に1人が外国籍となっている。公用語は日本語と英語で、学部の講義の約9割が日本語と英語の二言語で開講されている。
<入試方式> 活動実績アピール入試(日本語基準/英語基準)
- ●募集人員:各学部50名
- ●出願時期:9月上旬~(第1回) から12月上旬~(第4回)の計4回
- ●試験科目:書類審査、個人面接(オンライン)
- ※出願時に入学基準言語として「日本語基準」か「英語基準」のいずれかを選択
- ●評定要件:なし
- ●英語に関する要件・資格(主なもの):
- <カテゴリーA (英語能力・留学経験 アピール)を選択した場合>
TOEFL iBT®テスト 42、IELTS(Academic Module) 4.0、英検2級、TEAP 225、TEAP CBT 420、GTEC 960、ケンブリッジ英検140、PTEA cademic 38 - <英語基準出願者の場合>
TOEFL iBT®テスト 75、IELTS(Academic Module) 6.0、英検 準1級、TEAP 318、TEAP CBT 630、GTEC 1215、ケンブリッジ英検169、PTE Academic 50
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※内容には変更等の可能性もありますので、最新の情報は必ず大学発表の「入学者選抜要項」「学生募集要項」等をホームページなどで確認してください。
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※この記事でご紹介している内容は2023年4月1日現在の情報に基づいています。