【保護者向け】海外大・国内大入試にも影響!「課外活動」をスムーズに両立させる親の関わり方
海外大受験には高校の成績や英語力がもちろん大切ですが、ほかにもいくつか重視される要素があります。その1つが「課外活動の実績」です。実はこの課外活動、国内大でも総合型選抜と呼ばれる入試形式では評価の対象になることも増えてきています。海外大はまだ考えていない...というお子さまの場合も、少し意識して課外活動に取り組んでおくだけで、海外大でも国内大でも、受験の際に生きてくることがあります。
では、どんな課外活動が評価されるのか?普段の高校の学習や受験勉強と、どのように両立させていけばよいのか?親としてできるサポートも含めて、実際にお子さまを留学させている先輩保護者の皆さんにアドバイスをうかがってきました。
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課外活動とは?海外大、国内大それぞれどんなメリットが?
「課外活動」とは、基本的に「学校の勉強を除くすべての活動」のことを指します。学校内で所属している生徒会や委員会での活動、部活はもちろん、個別に取り組んだ研究や調べ学習なども課外活動に含まれます。また、学校外の各種の大会・コンテストや交流活動なども対象となります。ボランティアやインターンシップ(就業体験プログラム)も認められる、と聞くと、想像しているよりはるかに幅広いと感じられるのではないでしょうか?
海外大学に出願する際の書類(アメリカであれば共通願書〔コモンアプリケーション〕)には、ほぼ必ずと言っていいほど「課外活動」を記入する欄があります。海外大入試には一発勝負の筆記テストはないので、出願書類に記された英語や学力テストのスコア、高校の成績に加え、エッセイや課外活動の実績などを総合的に判断し、合否が決まるのが一般的です。
最近では国内大入試でも総合型選抜などの方式を中心に、志望理由書などを通して課外活動に意欲的に取り組んだ経験をアピールすることで、評価に繋がるケースが増えてきています。
体験談1
Saki N.先輩(アメリカ・デポー大学〔DePauw University〕)のおうちの方
課外活動は、損得や合理性ばかり考えない
子どものやりたいことや興味に、親も関心を持つことが大事
娘が行っていた課外活動は、大きく分けると6個ありますが、その中で特に力を入れたのは生徒会活動、「食」の研究活動、ピアノです。
生徒会活動(中学2年生〜高校2年生)は、高校2年生で行事委員長を任されるなど、コミュニケーション能力を大いに養ったと思います。「食」の研究は、インドネシアで開催された「AEON1%PUROGURAM」に参加したことがきっかけでした。それから学校の研究課題のテーマに「食」を選ぶようになり、海外大に出したエッセイも「食」に関することを書きました。
ピアノは3歳から続けてきました。海外大へは自己アピールの要素としてピアノ演奏の動画も送り、現在は大学でピアノも勉強しています。
課外活動については、「これをやっておけば得かな」とか「これは将来役に立つかな」など、経済的なことも含めて合理的に考えがちですが、子どもは好きなことに関わり、親は子どもを信じて応援してあげるのが良いと思います。子どものやりたいことや興味に、親も関心を持っていれば、楽しくアドバイスができると思います。
体験談2
Natsume T.先輩(オーストラリア・メルボルン大学〔The University of Melbourne〕)のおうちの方
「合格のため」に課外活動を選んでも長続きしない
手を広げすぎると中途半端になるので注意
高校で課題研究のカリキュラムがあり、その機会を利用して学会のポスターセッションに参加したり、マレーシアへの研修旅行等に参加していました。それ以外にも学校や家庭で、子どもにいろいろな情報を提供しましたが、結局、参加はしませんでした。
課外活動は、大学への「合格のため」という理由で選んでも長続きしなかったり、ただ参加しているだけになってしまって意味の無い活動になってしまうと感じます。自分の興味に沿ったことで、できれば将来やりたいことや大学での専攻に繋がることを主眼に選ぶのが良いと思います。意外と高校生は忙しく、いろいろと手を出すと中途半端になるので、その点は気を付けてあげたほうがいいです。
体験談3
Misato O.先輩(アメリカ・カリフォルニア大学バークレー校〔University of California, Berkeley〕)のおうちの方
危険だと思われることがない限り、すべて娘の自主性に任せ
様々な活動を行うのをただ見守っていました
課外活動として挙げられるのは、学校での水泳部や模擬国連の活動、SDGsに関する活動(自ら立ち上げました)、高校生平和大使などだと思います。他にも、インターネットを通して塾に通えないお子さんの勉強を見るという活動に参加して勉強を教えたり、卒業したインターナショナルスクールで夏期にリーダーとして活動したりしていました。
これらはすべて娘の自主活動だったので、親は特に何もしていませんでした。娘のほうからアドバイスを求めてきた場合は答えましたが、私のほうからは特に何も言わず、見守るだけ。危険なことがない限りは、すべて自主性に任せました。
体験談4
Nodoka K.先輩(イギリス・エジンバラ大学〔The University of Edinburgh〕)のおうちの方
積極的に話を聞いてあげることが「学び」のアウトプットに
大切なのは子どもの「主体性」を尊重すること
課外活動は、英語力アップも兼ねて、明石塾や日中青年会議に参加しました。特に明石塾での活動は有意義だったと感じています。もともと娘が校内のポスターで見つけてきたもので、県内の高校生を対象とした国際人育成プログラムでした。評価が伴う学校の学習とは異なり、世界の様々な課題に目を向け、自ら学び、共に考え、ディスカッションを繰り返す中で見識を深める、という学習。それを1年間にわたって経験できたことで、娘の中の「学び」の意識が大きく変わっていく様子が手に取るように伝わってきました。親としては、娘が得た学びのアウトプットの機会として、彼女の話題に積極的に耳を傾けるよう意識しました。
住んでいる地域や学校によっても、課外活動に力を注げる余裕度は異なりますし、活動の内容は多種多様だと思いますが、子供の「主体性」を尊重してあげることが1番大切かなと思います。
体験談5
Kei T.先輩(カナダ・トロント大学〔University of Toronto〕)のおうちの方
現実的な認識が間違っている場合はアドバイスも
ただし基本は本人に任せ、口出しせずに見守った
学校の総合研究の時間を使って地方創生のためのプロジェクト(伊豆長岡の観光再生プロジェクト)を立ち上げ、中心メンバーとして活動していました。プロジェクトマネジメントの進め方について学んだことにより、多くの人との協同作業、チームプレーヤーであるべき時とリーダーシップを発揮するべき時の使い分けなどができるようになったと思います。
World Scholar’s Cupでは英語のディベートを体験。International Symposiumという、韓国で毎年開催されるアジアの高校生によるアカデミックシンポジウムにも、日本からの代表の1人として参加しました。
ディベートのコーチとしてサポートしたり、論文やプレゼンテーション作成の際に添削・アドバイスを行ったりしたものの、すべて本人に任せることが基本で、親としては本人から相談を受けたり頼まれたことだけを行うようにしていました。時間や費用についての現実的な認識が欠けていると思われる場合は、優先順位の付け方などを指摘したこともありましたが、間違えること・失敗することも良い経験になると思ったので、基本的には口出しせずにじっと見守ることに徹しました。
まとめ
いかがでしたか?
様々な課外活動がありましたが、どのご家庭でもお子さまの自主性や主体性を尊重しているのが印象的ですね。お子さまの興味・やりたいことに沿った活動が基本で、親は大人としての視点を持ちつつ、しっかりと見守ることが大切なようです。
また、何より大切で、忘れてはいけないのは、課外活動は大学に合格するため”だけ”にするものではない、という点。
海外大・国内大の願書でも、「課外活動」に関して最も重視されているのは、学生が何に時間を費やし、どのような努力をしてきたかということ。活動の数や量もさることながら、大切なのは活動の「質」です。見栄えの良い派手な活動や華々しい成績を残せなくても、長期間にわたってじっくり取り組んでいる活動が高評価を受けるとも言われています。
どんな課外活動も、本人の成長のための大切な経験になります。自ら興味があることに真剣に、粘り強く向き合うことで、高校生活自体が輝いたものになりますし、これからの人生を自立して生き抜くための大きな力が育まれます。お子さまがやりたい活動がみつかったら、ぜひ応援し、サポートしてあげてください!
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※この記事でご紹介している内容は2022年9月15日現在の情報に基づいています。