海外大研究シリーズ ドイツの大学ではなにが学べる？

ルートヴィヒ・マクシミリアン大学ミュンヘン〔LMUミュンヘン〕（Ludwig-Maximilians-Universität München）

ミュンヘンの中心部にあるLMU ミュンヘンは 、1472 年に創立されたドイツ国内で最も古い大学の1つです。ドイツで最初の図書館や、国内最大の権威あるメディカルセンターなども有しています。ドイツでは2番目に学生数が多い大学として知られ、全学生の約13％が海外からの留学生とされています。
創立当初は、哲学部・法学部・医学部・神学部の4学部しかありませんでしたが、今では18学部と非常に幅広い専門分野を網羅する大規模な総合大学です。

18世紀末から自然科学に力を入れ、19世紀半ばからは世界をリードする研究、発見、イノベーションを生み出してきました。これまでに40人以上のノーベル賞受賞者を輩出しており、ヨーロッパを代表する最高水準の研究総合大学の1校として高い評価を得ています。

2005年に開始されたドイツ連邦政府によるドイツの大学の「エクセレンス・イニシアチブ」に指定されているため、潤沢な研究資金を得ており、さまざまな機関と協働して研究を行っています。

ミュンヘン工科大学（Technische Universität München）

ミュンヘン工科大学は、バイエルン州で唯一の、科学技術に特化した州立大学です。1868年の創立以来、物理学、化学、医学などの分野で20近いノーベル賞が、この大学に所属する研究者に授与されています。
ミュンヘン市内および近郊に3つのキャンパスを持ち、学生数は5万人弱と工科大学としてはドイツで最大規模です。ヨーロッパでも名門とされる工科大学の一つとして、世界中から来る多くの学生に世界最高水準の研究施設と教育環境を提供しています。

創立当初は工学に重点を置いていましたが、その後、提供する学問分野は自然科学、社会科学、農業、醸造・食品技術、医学など幅広い学問分野を扱うようになりました。現在では総合大学として、工科大学特有の工学系の学部から、数学部、情報学部、スポーツ健康学部、建築学部、社会学部まで、15の学部があり、170以上の専攻が提供されています。工学と情報技術の分野には学部が3つあり、とくに多くの専門分野が存在します。

最近では「起業家的大学」という理念を掲げ、多くの企業や研究施設と連携しながらの研究が進んでいます。

ハイデルベルク大学（Ruprecht-Karls-Universität Heidelberg）

ハイデルベルク大学は、神聖ローマ帝国時代の1386 年に設立されたドイツで最も古い大学として有名です。学生数は3万人弱と中規模ですが、学生の 20％近くは海外からの留学生で、その国籍は 130 ヵ国にも及んでいます。

人文科学、社会科学、法学、自然科学・生命科学、医学と幅広い領域で教育・研究が行われている総合大学で、13学部で160以上の専攻課程が提供されています。様々な分野での革新的な研究と知的貢献において非常に高い実績を誇り、近代の科学的な精神医学、薬学、現代社会学、環境物理学などの学問分野は、同大学の研究者によって創設されたものです。卒業生や関係者に影響力のある政治家や哲学者、科学者も多く、30人近いノーベル賞受賞者も輩出しています。