海外大学進学情報

【’22/4/8更新】コロナ禍の留学最新情報ー4月からの授業はどうなる?ー <各大学の対応編>

いまだ終息までは至らない世界のコロナ禍ですが、留学をめぐる状況は改善に向かっています。コロナ禍にあっても海外留学を目指す高校生の皆さんに向けて、前回から2回にわたり現在の留学最新情報をお届けしています。

2回目は、日本からの留学先として人気のある各国の大学の動きや対応例をお伝えします。

※新型コロナウイルスの感染状況により、各国の対応に関する情報は予告なく頻繁に更新されています。日本を含めた各国の対応については、必ずご自身でも政府機関等の公式発表で最新情報を確認してください。

▼1回目の記事はこちら
【’22/4/1更新】コロナ禍の留学最新情報ー4月からの授業はどうなる?ー <世界・日本の留学概況編>

世界各国の大学の動き(傾向)

各国の大学の現在の対応について、国ごとに傾向をまとめます(2022年4月1日現在)。

国名 大学の対応(傾向)
アメリカ 対面授業を実施する学校が増加(学校によってはワクチン接種完了が参加の条件)
※一部の学校はオンライン、またはハイブリッド授業を実施
オーストラリア ほとんどの学校が対面授業を実施中(学校によって一部、オンライン授業も実施)
カナダ 基本的には対面授業を実施中(学校によってはワクチン接種完了が参加の条件)
※一部の学校はオンライン、またはハイブリッド授業を実施
ニュージーランド 対面式授業を実施中
※学校によっては海外の学生向けにオンライン授業を開講
イギリス ほとんどの学校が対面授業を実施中(学校によってはワクチン接種完了が参加の条件)

大学ごとの授業の状況例

国や地域、大学によって、新型コロナウイルスへの対応は様々で、それぞれに工夫した教育が提供されています。各大学で提供されている授業スタイルの例をご紹介します。

<アメリカ>

スタンフォード大学(Stanford University)

スタンフォード大学は、大学運営の段階的回復を実施しています。現在は3段階の回復プロセスのステージ3(最終段階)にあり、州が定めた最低要件は満たす必要があるものの、大学での活動は大部分が許可されています。

2021年秋学期は対面での授業が行われましたが、変異株の流行等の影響により2022年冬学期の最初の2週間(1/3スタート)はオンライン授業に移行。1月後半まで学生イベントや集会は制限されたものの、キャンパスはオープンしており、1月18日より対面式クラスが再開されました。春学期も、対面式授業が実施される予定です。

2022年3月2日より、地域の当局のガイダンスに従い、特定の例外を除いて個人のマスク着用は義務ではなくなりましたが、ワクチン接種の有無に関わらずマスク着用は強く推奨されています。なお、教室では春学期の初めまでマスクの着用は引き続き義務付けられていますが、発言中はマスクを外してもかまいません。大学では、春休みと春学期の開始に備え、全学生に迅速検査を提供しています。

スタンフォード大学ではすべての学生・スタッフにはCOVID-19の完全なワクチン接種が義務付けられています。ブースターショットまで完了した学生に対する週1回の検査は、春学期の最初の2週間まで継続していますが、その後は停止されます。ワクチン未接種の学生は、週に2回、Color Genomicsを使用したキャンパス内COVID-19検査を受ける必要があります。

また、2022年3月28日より、同大学の国内および海外の旅行ポリシーが変更されました。完全にワクチンの接種を完了(ブースターショットを含む)している場合、学生・スタッフは基本的に国内および海外の両方に旅行することが許可されています。ワクチン未接種の場合は、出発予定日の4週間前までに届け出を提出し、承認を受ける必要があります。
また、ワクチン接種が完了していて、海外旅行から戻った場合、到着初日と5日目に検査を受ける必要があります。初日の検査で陰性が確認されるまで対面活動は制限されます。

<オーストラリア>

メルボルン大学(The University of Melbourne)

メルボルン大学では、コミュニティの健康、安全、福祉を確保するために、個々のキャンパス、学部等を含む大学全体でCOVIDSafe計画を実施しています。
地域の当局の公衆衛生命令に従い、定められた場所以外のほとんどの屋内環境でマスクを着用する義務はなくなりましたが、マスクは常に携帯し、必要に応じて着用することが求められています。

キャンパス内での活動に参加するすべての人に、ワクチンの接種が義務付けられています(特別な免除理由が認められている場合は除く)。また、ワクチン接種証明書は常に携帯する必要があります。ワクチン接種要件を満たした学生・スタッフ・ゲストには、キャンパスの図書館や学習スペース、スポーツ施設、レストランが開放されており、利用可能です。

2022年の上半期(夏学期・セメスター1)の授業は、キャンパスに戻れない可能性のある海外の学生に対応するために、これまで同様に以下の3つの配信モードが継続されます。

1.dual-delivery: ほとんどの科目は、オンライン(オーストラリア国外の学生向け)とキャンパス内(オーストラリア国内の学生向け)を組み合わせたものになります。キャンパスでの学習に参加できる学生にはキャンパスベースのアクティビティとオンラインアクティビティが組み合わせて提供され、キャンパスでの学習に参加できない学生には完全にオンラインで提供されます。すべての学生が登録可能です。

2.On Campus: 重要な対面活動が必要な一部の科目は、キャンパス内のみの授業となります。キャンパス等の指定された場所での対面活動に参加できる学生が登録できます。

3.Online: 一部の科目は完全にオンラインで配信されます。すべての学生が登録可能です。

※2022年下半期(セメスター2)の授業モードについてはまだ決まっておらず、2022年前半に発表される予定です。2022年下半期の授業時間割(セメスター2の科目を含む)は4月中旬から公開されます。

■評価
2022年上半期のほとんどの科目(キャンパスベースの科目を除く)の評価は、オンラインのままになります。2022年下半期の科目の評価については、2022年前半に発表されます。

なお、学内の屋内スペースは再構成されており、人と人との物理的な距離を伸ばすために一部のエリアにプレキシガラスバリアが設置されています。

<カナダ>

トロント大学(University of Toronto)

トロント大学は、2021年秋学期から対面での学習を再開しましたが、変異株の流行に伴い、12月中旬からリモートモデルに移行しました(12月16日から対面式の試験も中止)。冬学期も一部のクラスを除く対面授業は2022年1月31日まで中止となりましたが、2月7日よりすべてのキャンパスと学部で対面式の授業と活動が再開されました。

キャンパスをはじめ、大学敷地内に入るすべての人に完全なワクチン接種が義務付けられており、ネット上のUCheckシステムを介してワクチン接種の証明書を提出する必要があります。また、大学のすべての屋内スペースでは、マスクを着用する必要があり、医療用(または医療用グレード)マスクの着用が推奨されています。ワクチンおよびマスクに関する規定は、4月30日の冬学期の終わりまで継続されます。

5月1日から始まる夏学期は、引き続き対面授業が提供される予定です。

なお、当局の公衆衛生ガイダンスに則り、次の措置が一時停止されます。
・大学の施設に入る前に、UCheckを介して健康診断を完了すること
・大学敷地内での対面活動のためのワクチン接種の義務
・例外を除き、大学の屋内スペースでのマスク着用

義務ではなくなりますが、引き続きワクチンの接種とマスク着用は推奨されます。また、公衆衛生状態により、急に変更される可能性があります。

<ニュージーランド>

オークランド大学(University of Auckland)

オークランド大学は、ニュージーランド政府のCOVID-19保護フレームワークの下でのガイドラインに準拠して運営されています。 2022年1月4日より、すべての学生とゲストがキャンパス内に入ったり対面活動を行う場合は、ワクチン接種証明(My Vaccine Pass)が必須、かつCovidトレーサーアプリの使用が必須となっていましたが、3月23~25日のフレームワーク変更(制限緩和)の政府決定を受けて大学のワクチン・検査ポリシーは見直されます。
※キャンパス内でのCovidトレーサーアプリの使用は義務ではなくなりました。

2月28日から始まったセメスター1の授業は、学期の中間休暇(4月15日)までは一時的にオンラインで行われています。授業はオンラインモードですが、キャンパスはオープンのままなので、学生はキャンパス内の図書館、学習スペース、コンピューターラボ、売店などは利用可能です。
休暇明けの5月2日からは、すべての授業および学習活動が予定通りに対面およびキャンパス内で実施されます。学生はキャンパス内に出席することが奨励されます。

屋内での授業および学習活動に参加する場合(免除が適用されない限り)や共有スペースでは、マスクを着用することが求められています。

海外またはリモートで学習することが承認されている学生は、デュアルデリバリーコースのリモートストリームに登録することができ、完全なリモートバージョンのコースを受講することができます。

■試験と評価
2022年の試験は、限られた例外を除き、すべてオンライン(リモート)、オープンブック、非アクティブがデフォルトとなります。セメスター1 /QuarterTwoの残りの期間に予定されている試験はすべてオンラインのまま行われます。

<イギリス>

ケンブリッジ大学(University of Cambridge)

ケンブリッジ大学では、2021-2022年度の指導・学習は、可能な限り多くの対面指導を提供するよう計画されています。特に同大学の大きな特徴でもある小グループ教育(実習、セミナー)については、通常通り提供する予定です。
講義についても、可能な限り、直接講義が行われる予定です。前期は大規模なクラス向けの講義室の安全を確認するため、オンライン講義が行われる場合があります。
また、講義は対面で行われるかオンラインで行われるかに関わらず、記録され、大学の仮想学習環境(MoodleまたはPanopto)で利用できるようになります。学生は、自分の個人的な研究および非営利的な研究のためにのみ録音を使用することが許可されています(大学の録音に関する方針を遵守すること)。

政府による制限解除の政策に伴い、ワクチンやマスクに関する義務はなくなりましたが、大学は引き続きのワクチン接種と共有スペースでのマスク着用を推奨しています。

フルタイムの学生は基本的にケンブリッジに居住し、キャンパスでの学習に参加するよう求められます。例外として、健康上の理由またはCovid-19による移動制限のためにケンブリッジに移動できない学生に関しては、リモートで学習する一時的な許可を申請することができます。リモートでの学習の許可は最大1学期の限られた期間付与されますが、詳細は大学・学部によって決定されます。
なお、Tier4または学生ビザを所持している学生がリモートでの学習を承認された場合は、ビザへの影響はありません。イギリス内務省の一時的な措置により、学生が海外からの留学を継続する場合、大学はビザのスポンサーシップを提供し続けることができます。


世界がコロナ禍に襲われた当初は、未知のウイルスへの対応にかなり苦慮していた各国の大学。キャンパスの閉鎖などを余儀なくされ、オンラインでのリモート授業を提供する大学がほとんどでした。学生寮もクローズするなど留学生への影響は大きく、いったん自国に帰国した学生もたくさんいました。

現在は、新型コロナウイルスについて様々なことが解明されつつあるとともに、ワクチンの普及なども後押しとなって、多くの国で大学の対面授業が再開しはじめています。オンラインによる授業や学生サポートの方法についても研究が進み、対面とオンラインを効果的に組み合わせた教育も生み出されています。

自分の未来のため、もし海外で学ぶことに憧れがあるなら、コロナ禍だからといってあきらめるのはもったいない。自分の人生に対して後悔しないよう、「海外で学ぶ」という選択肢を残しつつ、今だからこそできる最良の選択をしましょう。「どうしたらいいかわからない」「今できるベストな選択を教えてほしい」…そんなときはぜひ、わたしたちを頼ってください!

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※この記事でご紹介している内容は2022年4月8日現在の情報に基づいています。

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