海外大学進学情報

コロナ後の新時代に求められる力が身に付く!海外大のユニークな専攻と学び10

前回の記事では、withコロナ時代に海外大を選ぶ際、必要となってくる「新しい観点」を取り上げました。その1つとして挙げたのが、「学びたいこと」をより深く見つめ直すこと。コロナ禍により大きく変化した新しい社会の中で、“自分は何を学びたいか・学ぶべきか”を再度考え直してみようとお伝えしました。コロナ後の新時代において世界から求められる人材になるためには、急速に変化した社会の仕組みに対応したオリジナルのキャリアパス(”目標とするキャリア”にたどりつくのに必要なスキルや経験を培っていくルート)を、自ら選択していく必要が出てくると予測されるからです。

海外大には、非常にニッチで細分化された、専門的な専攻やプログラムがたくさんあります。そのため、社会や自分を見つめ直して導き出された、自分が本当に「学びたいこと」にストレートに繋がる道が見つかる可能性を秘めています。

今回は海外大で提供されている膨大な専攻、学位プログラムの中から、コロナ後に脚光を浴びそうな今注目の学びの分野を編集部が10個チョイスしました。興味のある分野があれば、どの国のどの大学で学べるか、ぜひ検索してみてください。

コロナ後の新時代におすすめの海外大のユニークな専攻と学び10

① サイバーセキュリティと倫理的ハッキング(Cybersecurity and ethical hacking)

オンラインによる仕事や学習が急速に普及したことで、多くの新しいデジタルテクノロジーも目覚ましい発展を遂げました。それに伴い、サイバー攻撃やハードウェア・ソフトウェアの両方におけるセキュリティリスクが増加し、現代ではサイバーセキュリティ分野の専門家に対する需要が増え続けています。

倫理的ハッキング(もしくは法的ハッキング〔legal hacking〕等とも呼ばれる)は、合法的かつ専門的なセキュリティ対策として注目を集めている技術です。倫理的ハッカーは、さまざまな組織のネットワークや構造を分析して処理し、セキュリティの脆弱性や不具合を見つけ、修正していく作業を行います。

② バイオインフォマティクス(Bioinformatics)

バイオサイエンスの中でも最も注目されている分野の1つで、生物学とコンピューターサイエンスを組み合わせた学際的な分野です。生物が持っている膨大な情報をコンピュータ技術で解析することで、医学、薬学など様々な分野で革新を生み出してきました。人間の遺伝子の変異や発現を分析したり、データを駆使してタンパク質配列を分析したりするなど、多様な研究領域が含まれています。

新型コロナウイルスによるパンデミックに襲われた世界で、急激に関心を集めた分野でもありますが、生物学、情報学(プログラミング等)の両方の知識が必要になるため、世界的に見てもまだまだ専門家は不足しており、今後も高い需要が見込まれると言われています。

③ エコテクノロジー(Ecotechnology)

生態系(ecology)と科学技術(technology)を組み合わせて生まれた「エコテクノロジー」は、自然的・社会的・工学的な観点の科学知識を統合し、エコシステムの持続可能な開発を補完する施設と技術の開発に焦点を当てた学問です。環境技術の市場は、世界で最も急速に成長している分野の1つと言われています。

従来の科学技術の発展に伴う地球温暖化、廃棄物、資源、大気、水質、土壌などの数多くの問題点について、環境への負担を軽減し循環・再生を目指すこれからの社会にふさわしい新たな技術のあり方や、社会の意識変化の必要性などについて学びます。環境、社会、そして地球の自然資源との関係について、幅広い視点を身につけることができます。

④ 都市の設計と計画(Urban design and planning)

機能的かつ持続可能で、魅力的な都市環境を作り出すことに焦点を当てた高度な専門分野です。人間の居住と都市開発の問題に対処するために、建物、公共スペース、輸送システムなどの配置と設計を扱います。気候変動、持続可能な資源、都市化の影響など、現代社会の課題に取り組む学問として、近年、人気が高まっている分野です。

都市デザインは、近代的な都市や町の形成に関わる多くの分野を組み合わせた研究と実践で、一般的な要素として景観設計、開発経済学、高速道路工学などが含まれます。
都市計画では一般的に、都市設計、経済学、歴史、環境、政治に関する分野などを学際的に学びます。

⑤ ダンスセラピー(Dance Therapy)

ダンス(身体的な動き)を通して、人々の感情的な状態を修正し、ストレスや不安を軽減するのを助けることを学ぶ学問分野。Dance Movement Therapyとも呼ばれます。言葉だけでなく動きを使った創造的な心理療法であり、世界的に有名な芸術大学・学部等で提供されているダンスセラピーはうつ病、摂食障害、ADHDなど心理的・精神的な問題の治療に役立つことでも知られています。

コースによって様々なアプローチがありますが、一般的には解剖学や運動学、運動分析、心理学、地域社会や臨床現場でのダンスを用いた実習、個人とグループの治療関係についてなど、ダンス運動療法を実践と理論の両面から学んでいきます。

⑥ データ分析(Data Analytics)

現代では、コンピュータ技術の進歩により、あらゆる分野で膨大な量のデータの取得、保存、整理、分析の必要性が爆発的に増加しています。そのため、大量のデータの処理・分析し、それに基づく価値のある情報をアウトプットできる高度なスキルを備えた専門家の需要は、金融・医学・環境・エネルギーなど様々な業界で非常に高まっています。

ビッグデータと呼ばれる多様な種類・形式の巨大なデータ群の分析には、学際的な知識とスキルが必要とされます。大学での学びでは一般的には数学やコンピューターサイエンス、データの視覚化などの科目に焦点が当てられていますが、プログラミング、データベースの設計とアプリケーション、、推論統計、探索的データ分析、データラングリング、データストーリーテリング、情報システムのほか、問題解決手法、プロジェクト管理、コミュニケーション、倫理、疫学の基礎などまで多くの分野が含まれます。

⑦ ヘルスケア情報学(Healthcare Informatics)

ヘルスケア情報学は、デジタル形式の医療情報の収集、保存、分析に関連する問題に焦点を当て、ヘルスケアに関するデータと分析を用いて、より良いシステムやヘルスケア方針の決定を行う方法について学ぶ学問分野です。近年、市場規模が拡大しているヘルスケア業界は、コスト、セキュリティの問題、患者の安全、急増する大量のデータの管理など、多くの重大な課題に直面しているとされています。これらの課題により、医療システムの安全性や品質、有効性、および効率を改善できる専門家に対する需要が急増しています。

ヘルスケア情報学のプログラムには、電子健康記録、高度な健康情報学、ヘルスケアITの品質向上、倫理的および法的問題、プライバシーとセキュリティ、健康システムプロジェクト管理など、医療データと情報に関する様々な要素を管理する知識やスキルが含まれます。医療知識を工学、情報学、通信システムと組み合わせて、医療と健康改革の質と効率を改善するのに役立つ手順を学んでいきます。

⑧ AI(人工知能)、機械学習、ディープラーニング(Artificial Intelligence, Machine Learning, Deep Learning)

コンピュータサイエンスの分野の1つであり、近年急速に普及しているAI(人工知能)。「コンピュータシステムに、人間と同様の知能を実現させようとする取り組みや技術」と解されるAIの技術領域の1つとして機械学習があり、機械学習の1手法としてディープラーニングがあります。

従来のコンピュータが入力された数値に対して決められた計算を行い、決まった出力を行うものであるのに対し、AI(人工知能)は計算の過程で様々なコンテクストによる分類や推論などの処理を行い、結果としてこれまでのコンピュータでは難しかった大規模なデータ処理や、多くのパターンの検出などを実現できるようになっています。
機械学習はAIに学習能力を与えるための手法で、膨大なデータをもとにコンピュータがルールやパターンを学習する技術を指します。ビジネス分析、健康情報学、財務予測、自動運転車など、数多くのアプリケーションがあります。
ディープラーニングは機械学習をさらに発展させたものであり、コンピュータ自身がデータの特徴を自ら探し、学習を行っていく手法のことになります。

世界各国でコロナ対策を策定するうえでも非常に注目された技術ですが、それだけでなく、多くのグローバル企業で機械学習に関する専門家の需要は高まり続けています。World Economic Forumが発行した「Future of Jobs Report」によると、機械学習は2025年までに世界で最も需要の高いスキルの1つになると予想されています。

⑨ デジタルマーケティング(Digital marketing)

デジタルマーケティングとは、電子機器を使用してインターネット上で自らの製品、サービス、ブランドなどを宣伝し、消費者の行動を左右する、近年盛んになっている手法・ツールのこと。最も人気のあるデジタルチャネルには、ソーシャルメディア、検索エンジン、電子メール、Webサイト、およびビデオプラットフォームなどがあり、マーケターは様々なオンラインテクノロジー等を用いて、ブランドや製品を拡大するために、各メディアで最も効果的な種類のコンテンツを作成します。

デジタルマーケティングの専門家になるには、創造的で分析的なスキル、優れたコミュニケーション能力、批判的思考、およびオンラインマーケティングツールと戦略に関する高度な知識が必要とされます。

⑩ 薬理学(Pharmacology)

薬理学は、様々な薬が人間に及ぼす生理学的影響の研究に関係する医学の1分野です。医薬品の化学組成の分析や、医薬品が製造用にどのように設計されているか、などの領域に加え、体内のさまざまな臓器系とそれらの相互関係、およびそれらに作用する化学物質の研究なども含んでいます。

薬理学の学位プログラムでは、微生物学、免疫学、薬の効果、および新薬の発見からマーケティングに至るまでのプロセスなどを学びます。また、コアクラスとして生物学、遺伝学、解剖学などの幅広い科学に関するクラスも含まれるのが一般的です。 新型コロナという未知のウイルスの出現で脚光を浴びましたが、もともと医学、生物学、または免疫学の分野で臨床研究に参加したり、製薬業界で重要なポストに就いたりなど多様なキャリアがあり、今後の発展にも期待ができます。


海外には、日本の大学では見当たらないような専攻・コースがたくさん用意されています。新時代を生き抜くため、自分の個性や能力を活かせるユニークな専攻を、“世界中から” 探す、という進路選びがあっても良いのではないでしょうか。

ベネッセでは、グローバルな進路を実現する多様な学習プログラムをご用意しています。丁寧な個別カウンセリングをもとに、あなたの希望に合わせた、「あなただけの海外留学・進学」をプロの知識と経験でしっかりサポートします。

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※この記事でご紹介している内容は2022年3月11日現在の情報に基づいています。

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