「英語で」学ぶ国際・グローバル系大学の2024年度入試制度⑤ 上智大学国際教養学部(FLA)
来春からの進路について、「英語力を磨きたい」「世界で活躍するために必要な分野をしっかり学びたい」…そんな思いを抱いているのならば、海外留学だけでなく 、国内のグローバル系大学も十分に選択肢の1つとなりえます。
近年、日本では大学教育改革を背景に、次々とグローバルな人材育成を目指す国際系の学部が新設され、志願者数も増加傾向にあります。国際系、グローバル系の大学・学部は、欧米の大学に近い国際的な環境や「英語で」学ぶ授業、リベラルアーツ教育の実践、留学制度の必修化など、大学によってそれぞれの個性を強く打ち出しているのが特徴です。
国内・海外問わずグローバル視点での大学選びの一助としていただくため、「英語で学べる」ことに実績・定評がある大学・学部の最新入試情報をシリーズでお届けしています。2023年(2024年度入試)の第5弾は、上智大学国際教養学部(FLA)を取り上げます。
【参考ページ】:国際教養学部|上智大学 Sophia University
【参考ページ】:Faculty of Liberal Arts|Sophia University(英語)
(1) どんな学びができる?
FLAとはどんな学部?
FLA(Faculty of Liberal Arts)の略称で知られる上智大学国際教養学部。1949年創設の国際部をルーツとし、2006年の改組によって現在の学部名称が誕生しました。日本における国際教育のパイオニア的なプログラムとして、英語によるリベラルアーツ・カリキュラムを提供しているのが大きな特徴です。
十分な国際感覚、言語運用能力、及び柔軟な思考力を養い、グローバル化に対応し多様な文化間の架け橋として活躍できる人材を養成することを目標に、全人的な教育が行われていて、50カ国以上からなる多様なバックグラウンドを持った学生たちが集まっています。
学科として設置されているのは国際教養学科のみで、学科内は「比較文化」「国際ビジネス・経済」「社会科学」という三つの専攻分野に分かれています。英語で行われる教養教育を通じて、各専門分野の科目を隣接領域と有機的に関連させつつ学ぶことで、高度な語学力、多文化対応発信能力、及び柔軟な思考力を養うと同時に、学際的な研究を通じてグローバル社会の理解と問題解決に寄与することを目指します。
1年目は基礎教育に専念。1年次は、作文コース、パブリックスピーキングコース、クリティカルシンキングコース等の必須科目で構成されている「コア科目」を履修し、批判的思考力や文章力、スピーキングスキルを徹底的に鍛えます。少人数制を採用しているため、講師と学生、学生同士の交流も盛んです。
2年次以降、3つの分野(比較文化、国際ビジネス・経済、社会研究)から興味のある専攻を選び、その分野を隣接する学問と密接に関連づけながら学ぶことを目標としています3年次・4年次には、選択した専攻の上級コースを受講し、専攻外のコースも継続して受講します。
こうしたオールイングリッシュで多様な分野を有機的に関連させる学び方により、高度な語学力、多文化対応発信能力、及び柔軟な思考力が養われます。
FLAの主な特色(概要)
◇語学を除くすべての授業を英語で実施
FLAではすべての授業が世界共通語である英語で行われています。比較的少人数のクラス編成で、50%以上が海外出身者という多様なバックグラウンドを持つ教授陣が指導にあたります。
◇グローバル社会に必要な広い視野を養うリベラルアーツプログラム
FLAのアカデミックプログラムは、グローバル化により複雑化する今日の世界を生き抜くために必要な、柔軟かつ批判的な思考力、言語能力、文化的能力を身につけ、多様性を受容し、相互理解を促進するために率先して行動できる人材を育成することを目的としたリベラルアーツ・カリキュラムです。
≪特徴的なプログラム≫
■FLAコアプログラム
各自の専門分野を選択する前に、しっかりとした学問的基礎を身につけることを目的としたプログラムです。
・Academic English Skills
・English Composition
・Public Speaking
・Thinking Processes
が必須科目です。新入生は学期開始前にプレースメントテストを受け、各レベルに対応するコア・プログラムのコースを選択。各コースの履修により、大学レベルで必要とされる重要なリーディング力、ライティング力、批判的思考力を身につけます。また、リベラルアーツ教育の多義性と目的を把握し、幅広いテキストとトピックに触れることで3・4年次の専攻分野を慎重に検討することが可能になります。
■一般教育(GS)
専門分野を超えた幅広い選択科目を履修することにより、学問分野の学際的な理解と基本的な人間的および社会的問題についての考察を促進することを目的としています。「キリスト教人間学」「言語」「保健体育」「データサイエンス」に加え、「社会と文化」「文化の伝統」「政治と経済」の3つのカテゴリーからなる多様な科目で構成されています。また、コンピュータ、環境問題、地理、数学、統計学などの基礎知識を身につけられる多彩な選択科目も履修することができます。
◇3つの専攻分野
FLAでは、比較文化、国際ビジネス・経済、社会科学の3つの専門分野から専攻を選択します。
- ・比較文化(Comparative Culture)コース:美術史/視覚文化、文学、宗教と哲学の分野に焦点を当てた人文科学の学際的な専攻
- ・国際ビジネス・経済(International Business and Economics)コース:ビジネスと経済学の両方を1つの専攻で学ぶことができる独自のカリキュラムを提供する専攻
- ・社会科学(Social Studies)コース:リベラルアーツカリキュラムの中核をなす科目である歴史、政治学、人類学・社会学の3つで構成されている専攻
◇文章作成を支援するライティングセンター
FLAには、すべての生徒を対象に文章作成の指導を行うライティングセンターが開設されています。コア・プログラム必修科目のエッセイ、専攻科目の上級コースでの研究論文など、多方面でライティングセンターのチューターが手助けをしてくれます。ライティング指導は学期を通して開催されており、月曜日から金曜日の授業時間内に予約することができます。指導は主にトレーニングを受けたライティングチューター(グローバル・スタディーズ研究科の大学院生)が担当し、学生が自分の考えや主張を熟練したチューターと一緒に検討する機会として45分間のマンツーマンまたは少人数のグループセッションで実施されています。
(2) 2024年度の入試情報
2024年度入試制度の特徴・内容
FLAは英語学位プログラムとして学部独自の「書類選考入試」と、「推薦入学試験(公募制)」があります。入学時期は春学期(4月)・秋学期(9月)で、いずれも1年次入学、3年次編入学を受け入れています。
※出願にあたっては、必ず公式Webサイトおよび募集要項にて最新情報を確認してください。
【参考ページ】:Faculty of Liberal Arts | Admissions (※英語のみ)
◆書類選考入試
多様な人材を広く世界から受け入れるため、書類選考のみで合否を決定する入試。出身学校の国や自身の国籍は一切問われません。
■募集年次・人員
入学時期 | 募集人員 |
---|---|
2024年春学期(4月) | 【1年次生】:(第1期・2期計)63名 【3年次編入学】:若干名 |
2024年秋学期(9月) | 【1年次生】:(第1期・2期計)82名 【3年次編入学】:若干名 |
※編入学を希望する場合、春入学は第1期、秋入学は第2期のみで出願が受け付けられます。
■主な出願資格
- ① 学校教育における12年以上の課程を修了した者、および本学入学までに修了見込みの者。
- ② 3年次編入学希望者は、4年制大学の2年次修了(見込み)または短期大学士(準学士)を取得(見込み)の者。
■出願書類
- ① Application Form(Web出願サイトで作成・印刷)
- ② エッセイ(出願理由を述べた500ワード程度の英文エッセイ)
- ③ 高等学校の成績証明書(編入の場合は大学成績証明書) ※日本の教育制度に基づく高等学校の出身者は調査書を提出
- ④ 高等学校の卒業(見込)証明書(1年次のみ)
- ⑤ 以下のa.~d.のうちいずれか1つ以上(SAT®、ACTは2年以内に受験したもの)
- a. SAT®(Reading & Writing, Math)Scores
- b. ACT with Writing Scores
- c. International Baccalaureate(IB)Diploma(Predicted Gradesも可)
- d. GCE A-Level(3科目以上)
- ⑥ TOEFL®テストまたはIELTSの公式スコア(*1)
- ⑦ 推薦状2通(出身学校の教員2名より1通ずつ)
*1) 過去6年間のうち5年間以上、英語を主教材とする教育機関で学んだ者、またはケンブリッジ英語検定でC2以上の英語力を有する者は提出が免除されます。
◆推薦入学試験(公募制)
日本の教育制度に基づく高等学校卒業見込み者が対象。広く門戸を開き、入学者の多様化を図ることを目的とした、上智大学のすべての学部・学科で行われている入試制度です。高等学校在学中の学習成績、課外活動、社会活動など、1回限りの学力試験では評価しがたい資質・能力を調査書や自己推薦書、レポート等特定課題などで判断するとともに、学科ごとの個別テストや面接によって、志望動機の強さならびに学力到達度や学科への適性を判定します。推薦を受ける高校は特定せず、全国から幅広く優秀かつ個性的な人材を募ります。
■募集人員:37名
■出願資格・要件
次の1~3のすべてを満たす者、または1および<国際バカロレア(IB)枠>の要件を満たす者
- 1.2021年3月に日本の教育制度に基づく高等学校を卒業見込みの者で、上智大学を第一志望とし、出願学科への入学を確約できる者 等
- 2.全体の評定平均値4.0以上を在学全期間を通じて満たす者
- 3.指定された外国語検定試験のいずれかの基準を満たす者
- ・TOEFL iBT®テスト 83
- ・IELTS 6.5
- ・TEAP 340(各75)
- ・TEAP CBT 615
<国際バカロレア(IB)枠>
・IB Diplomaを取得見込みの者。
■出願書類
- 1)上智大学志願票
- 2)写真(Web出願サイトでアップロード)
- 3)高等学校長の推薦状
- 4)高等学校調査書
- ※<国際バカロレア(IB)枠>で出願する場合は、出願する場合は、調査書とIB Diplomaの取得見込証明書を提出
- 5)自己推薦書 ※英語で記述(A4サイズ 1枚以内)
- 6)外国語検定試験の試験結果を証明する書類(いずれか1つのみ・IB枠を除く)
■選考方法
高等学校長の推薦に基づき、「高等学校調査書」「自己推薦書」「学科ごとの個別テスト」および「面接(英語)」によって総合的に判断し、合否判定を行います。
<学科ごとの個別テスト>
・English Aptitude Test(essay writing)(60分)
※そのほか、「推薦入学(指定校制)」で4名、「カトリック高等学校対象特別入試」で若干名が募集されます。
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※この記事でご紹介している内容は2023年10月8日現在の情報に基づいています。
※内容には変更等の可能性もありますので、必ず大学発表の「入学者選抜要項」「学生募集要項」等をホームページなどで確認してください。