海外大研究シリーズ イギリス編⑤ エジンバラ大学<コロナ禍の最新情報もチェック>
新型コロナウイルスによるパンデミックは、終息への兆しが見えつつあるものの、いまだ世界各地で予断を許さない状態が継続しています。気軽に海外の大学を直接訪問し、自分の目でじっくり見てくるということは、まだまだ難しい状況です。この海外大学研究シリーズでは、海外大進学に興味がある方に向けて、世界の人気大学を中心に「そこが知りたい!」と思うポイントと、コロナ禍の最新トピックスをまとめた情報をお届けしています。
イギリス編の5回目として取り上げるのはエジンバラ大学。スコットランドの首都で世界遺産都市でもあるエジンバラの旧市街に位置し、スコットランドの教育と研究の中心的な役割を果たしてきた名門大学です。英語圏で六番目に長い歴史を有する大学として、「Ancient University」と呼ばれる大学グループにも加盟しています。イギリスの研究型上位大学連合であるラッセルグループやヨーロッパ研究大学連盟 (LERU) にも名を連ねる、スコットランドでトップの研究大学であるエジンバラ大学の魅力とコロナ禍の最新情報をご紹介します。
エジンバラ大学(University of Edinburgh:UoE)の基本データ
設立年 | 1583年 |
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所在地 | スコットランド・エジンバラ |
学部数 | 3学部 |
学生数 | 学部生 約27,000人 大学院生 約19,000人 ※うち約22,000人が留学生 (2020/2021年) |
大学ランキング (*1) | THE:30位 QS:16位 |
主な分野別ランキング(*2) | Arts & humanities:10位 Law:11位 Psychology:18位 Computer science:25位 Clinical & health:28位 Education:29位 |
授業料と財政援助 |
●授業料…イギリス国内の学生と留学生では設定が異なる。また学部・専攻によっても金額は異なる ●奨学金…学部生向けに様々な奨学金が用意されており、日本人が利用できるものもある |
合格率 | 51%(2020年) |
留学生率 | 約48% (2020/2021年) |
立地環境 | スコットランドの首都・エジンバラに5つのキャンパスを持つ。ユネスコの世界遺産に登録されている旧市街(オールド・シティ)の歴史的建造物の多くが大学の敷地内にある。市内に点在するキャンパスはそれぞれ便利な立地で、周辺にはレストランやカフェなど店も多い |
著名な卒業生 | デイビッド・ヒューム氏(哲学者)、ジェームズ・クラーク・マクスウェル氏(物理学者)、コナン・ドイル氏(作家)、ウォルター・スコット氏(作家)、ジェームス・マシュー・バリー氏(劇作家) |
公式URL | https://www.ed.ac.uk/ |
*1) THE:Times Higher Educationが発表している「World University Rankings 2022」
QS:Quacquarelli Symonds発表している「QS World University Rankings® 2022」
*2) Times Higher Education「World University Rankings 2022 by subject」より
エジンバラ大学の特徴
校風
モットーはラテン語で「Universitas Academica Edinensis」(英語では「Neither rashly nor timidly」)。ビジョンとして“To recruit and develop the world’s most promising students and most outstanding staff and be a truly global university benefiting society as a whole”(世界で最も有望な生徒と卓越したスタッフに育て、社会全体に利益を与える真の国際的大学であること)を掲げ、さらに“creation, dissemination and curation of knowledge”(知識の創造、普及、キュレーション)をミッションとして、高水準の研究・教育が行われています。
国内外の数々の大学グループに加盟しており、英語圏では6番目、スコットランドでは4番目に古い歴史を持つ伝統校ながら国際的な交流にも積極的です。イギリス国外出身の学生の割合も高く、キャンパスはグローバルな環境にあります。また、同大学の国際戦略の一環として、学生にはコースの一環として留学または海外で働くことも奨励されています。
人気のある専攻
学部課程は、理工学、医学・獣医学、芸術・人文・社会科学の3つの学部から成り立っています。とくに自然科学の分野では、スコットランド最大規模の学部を有しています。
学部内には多くの学科が設置されており、学部課程で300以上のコースが提供されています。教育水準がイギリス最高レベルと言われている言語学や、100年以上の歴史があるMBA(経営学修士)、国際・ヨーロッパ政治、環境と開発などが人気です。獣医学や看護学でも世界的に高い評価を受けています。
授業の特徴
通常、イギリスの大学は3年制ですが、エジンバラ大学をはじめとするスコットランド地域の大学は4年制となり、カリキュラムが異なります。イングランドなど一般的なイギリスの大学が入学直後から専門分野の科目の履修が始まるのに対し、スコットランドではアメリカ、カナダの大学と似たシステムで、大学2年目から本格的に専攻を絞っていくことになります。
エジンバラ大学では、1、2年次は100人以上の学生が一斉に受ける講義に加えて、学生10人程度+チューターの教員1人によるチュートリアルが行われます。3年次以上になると専門的な内容になり、20人程度のクラスが多くなります。
施設・設備の特徴
美しい世界遺産都市・エジンバラの中心部に5つのキャンパスを持ち、ユネスコ世界遺産に登録された歴史的建造物を多数、有しています。
エジンバラ大学にはヨーロッパで3番目に大きい学術図書館を含む、10の図書館があります。この学術図書館には、400万冊以上の印刷物、140万冊の電子書籍、電子ジャーナル:18.5万冊の電子ジャーナル、700のライセンスデータベースがあります。
また、イギリス最大規模のキャンパスコンピューティングネットワークを保有しており、学部や専門のコンピューターラボなどに3,000台を超えるコンピューターがあります。30あるコンピューターラボには24時間アクセスすることができるうえ、キャンパス外からも大学のサービス等にリモートアクセスが可能。大学のウェブアカウントを使用すれば、ネット上で図書館の文献を探し、閲覧することができます。
学生生活の特徴
学部生と大学院生のために異なる寮が用意されているほか、家族向けの個別アパートなど、40か所以上の場所で約6,500人分の宿泊施設が提供されています。寮には5人用のフラットやシングルルームなどの部屋があり、ダイニングルームがあるケータリングホールか自分で料理を調理できるキッチンを備えた自炊式ホールのどちらかを選択できます。寮には上級生で構成されたレジデンスライフチームが一緒に住んでおり、社会的支援や新入生たちの交流の機会の提供など、寮に住む学生たちのサポートをしています。
コロナ禍での授業
2021年9月から始まる秋学期(セメスター1)では、学生50人以下のクラスの指導は、通常、対面で行われてます。学生が50人を超えるクラスは、基本的にデジタルで配信されています。キャンパスでの対面授業とオンライン授業のバランスは、学位プログラムおよび各プログラムによって異なります。
すべての学生サポートサービスはオープンしており、オンラインとキャンパス内でのサービスを組み合わせて提供しています。
原則として、キャンパス内では、すべての屋内スペース(オフィス、ラボ、教育スペース、またはその他の屋内エリア)ですべての人がマスクを着用することが求められます。
イギリス国外からの留学生で、イギリスへの渡航を法的に禁止されている場合は、例外としてキャンパス外(遠隔地)で1学期間、勉強するための特別許可を申請することが可能とされていました。
1月からの春学期(セメスター2)では、キャンパスでの対面での教育活動がより多く提供できるように計画されています。
合格基準
<学部課程に入学する場合>
■入学要件
≪理工学部以外の学部への入学≫
・日本の高校卒業資格では出願できない
・国際バカロレア(IB)、Aレベル、または米国の資格(SATおよびAP)で規定以上の成績を取得している場合は出願可能
≪理工学部への入学≫
・独自の入学試験に合格し、かつ高校の成績が平均4以上(5段階中)の場合は出願可能
※専攻するコースによって、さらに具体的な入学要件が設定されている場合があるので注意。学部によっては、面接が行われる場合もある
■英語要件
出願にあたっては、すべての学部で定められた英語力の基準をクリアしている必要があります。
・IELTS 6.5(各項目5.5以上)-7.0 (各項目6.0以上)
もしくは
・TOEFL iBT®テスト(スペシャルホームエディションを含む) 92-100点
※学部によって異なる
<ファウンデーションコースを経由する場合>
エジンバラ大学には芸術、人文科学、社会科学のファウンデーションプログラム(International Foundation Programme)が用意されています。
■入学要件
・高等学校卒業時の成績が総合4以上
■英語要件
・IELTS for UKVI 全体5.5以上(各コンポーネント5.5以上)
※通常のIELTSは受け入れられません
もしくは
・PTE Academic UKVI SELT 全体54以上(各コンポーネント54以上)
ヨーロッパにおいて、最も緑が多く、最も建築物の美しい都市の1つに数えられるエジンバラ。街の歴史的景観の美しさと、18世紀から続く質の高い科学分野の研究により「北のアテネ」とも呼ばれています。国内ではロンドンに次ぐ金融センターでもあり、産業・研究でも発展を遂げたエジンバラは、スコットランドの古都でありながら、大都市のエキサイティングなダイナミズムも併せ持ち魅力的な街です。古い歴史や文化と多様な価値観の中で学びたい方は、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか?
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※この記事でご紹介している内容は2021年11月26日現在の情報に基づいています。