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世界大学ランキング(THE)22年版発表!日本の大学の位置付けは?

2021年9月、イギリスの高等教育誌「Times Higher Education(THE:タイムズ・ハイヤー・エデュケーション)」が毎年恒例の世界大学ランキングを発表しました。今回は、この18回目となる2022年版のランキングにおける日本の大学のランクイン状況や動向をお伝えします。
世界の高等教育の中での日本の大学への評価数値を知ることで、「世界レベル」での日本の大学の位置づけ・傾向をつかみ、それをもとに「国内か、海外か」という志望大選びを進めてみてもよいのではないでしょうか?

THE世界大学ランキング22年版_日本の大学の位置付けは?

THE世界大学ランキング2022にランクインした日本の大学(800位までにランクイン)

「THE世界大学ランキング」では、「教育」「研究」「被引用論文」「国際性」「産業界からの収入」の5分野・13指標で各大学のスコアを算出し、ランク付けしています。ここでは、2022年版の全体スコアのランキングで800位までにランクインした日本の大学を一覧でご紹介します。

2022年順位 2021年順位 順位の変動 大学名 設置区分 日本版ランキング2021の順位
35 =36 東京大学 国立 3
61 =54 京都大学 国立 4
201-250 251-300 東北大学 国立 1
301-350 351-400 大阪大学 国立 5
301-350 = 東京工業大学 国立 2
351-400 351-400 = 名古屋大学 国立 7
401-500 351-400 産業医科大学 私立 121-130
601-800 横浜市立大学 公立 =39
501-600 501-600 = 北海道大学 国立 6
401-500 九州大学 国立 8
401-500 東京医科歯科大学 国立 17
401-500 筑波大学 国立 9
601-800 601-800 = 会津大学 公立 24
601-800 = 関西医科大学 私立 151-200
601-800 = 慶應義塾大学 私立 12
601-800 = 神戸大学 国立 15
601-800 = 日本医科大学 私立 111-120
801-1000 東京都立大学 公立 42

※ 順位の数字に「=」がついている場合:同順位の大学あり
※ 順位の変動が「=」の場合:前回順位から変動なし

2022年版 日本の大学の動向

日本のトップは引き続き東京大学
トップ3は同じ顔触れに

2022年版ランキングで、日本の大学のトップは東京大学の35位タイ。2016年に現在の指標が導入されてから、日本の大学としての最高位を獲得しました。日本の2位は京都大学で61位、次いで3位:東北大学(201~250位)となりました。 東大は前回より1ランクアップしたのに対し、京大は7ランクダウンという結果に。2017年から一度も順位を落とさずに着実にランクアップを重ね、前回は11ランクものアップを達成した京大ですが、今回は「産業界からの収入」分野での6.2ポイントダウンが響き、全体スコアも若干のダウンとなりました。3位の東北大は1バンド順位を上げ、結果として国内トップ3は前回と同じ顔触れとなりました。

トップ3を追うのが大阪大学・東京工業大学。東工大は現状維持、1バンド順位を上げた大阪大がともに301~350位となり、国内4位タイを獲得しました。

私立・公立の国内トップは「被引用論文」分野で高スコア

私立大の最上位となったのは前年と同じ産業医科大学。前年の351-400位から401–500位と1バンド下げたものの、国内での順位は7位タイとなりました。同順位で並んだのは公立の横浜市立大学で、この2大学はどちらも被引用論文スコアが際立って高いのが特徴といえます(産業医科大学:97.8ポイント、横浜市立大学:93.0ポイント)。とくに横浜市立大学は被引用論文数の急増により、同スコアが前回の68.7から24.3ポイントもアップし、全体順位も前回601-800位から401–500位へと大幅に上昇。初のトップ500入りを果たすと同時に、公立のトップに立ちました。

国内では国立大優位の傾向が続くも
世界トップに食い込める大学が少ない

日本の大学のランクイン数は、前回より2校増加の118校(国立57校、公立12校、私立49校)で、アメリカの183校に次いで世界2位をキープしました。ただし、上位100位に入ったのは前回と変わらず東京大学、京都大学の2校にとどまり、世界の中では11位タイという結果に。ランキング上位層への進出は難しい状況が続いています。

日本から400位以内に入ったのは東大、京大、東北大、大阪大、東京工業大、名古屋大の6校で、すべて国立大となっています。国内での国立大優位の傾向は続いているものの、初ランクインの2校は私立大と健闘も見せています。

ランクイン数からみると、国として全体的な教育の高さは誇れるものの、世界トップに食い込める大学の層を厚くしていくことが、引き続き日本の高等教育における課題と言えるでしょう。

全体としては「国際性」分野のスコアがアップ傾向
THEはSGU事業の効果と指摘

ランキングデータをTHEが分析したところ、現在の指標が導入された2016年以降、7回のランキングで、日本の大学は「国際性」分野のスコアが大きく上昇しているといいます。「国際性」は「外国籍留学生の割合」「外国籍教員の割合」「国際共同研究」といった指標で構成されています。これについてTHEは「文部科学省の『スーパーグローバル大学(SGU)創生支援事業』の効果ではないか」と推測。同事業で採択され、支援を受けている各大学の「国際性」スコアの伸びが、タイプA(トップ型:13大学)が12ポイント以上、タイプB(グローバル化牽引型:24大学)が14ポイント以上だったことを根拠として挙げています。採択校以外のスコアが平均5ポイント上昇しているのも、事業の波及効果との見方を示しています。

THEは「日本が依然、世界有数の研究型大学を有していることは明らかで、スーパーグローバル大学創生支援事業の成果が示すように、明確な戦略の下で投資を行えば、今後何年にもわたりトップレベルの地位を確保できるはずである」とコメントしています。

「指標項目」ごとのスコアに注目してみよう

「THE世界大学ランキング」のWEBサイトでは、Overall(全体)のランキングだけでなく、各ランクイン大学の指標分野ごとのスコアも見ることができます。「Teaching(教育)」「International outlook(国際性)」「Industry income(産業界からの収入)」「Research(研究)」「Citations(被引用論文)」の5分野について、それぞれの分野のスコアが高い順に大学を並べて見ることもできます。さらに、2011年まで遡って過去のデータを見ることもできるので、特定の大学のスコアがどのように変遷しているかも調べることが可能です。

いろいろな大学の指標分野ごとのスコアを見比べたり、全体順位と分野ごとのランキングを比較してみたりすると、それぞれの大学の強みや特徴などがつかめるので、非常に興味深いデータといえます。たとえば今回も「被引用論文」分野のスコアが高かった産業医科大学は、被引用論文(Citations)の分野では世界45位、全体ランキングで12位のインペリアルカレッジロンドンや11位のコロンビア大学よりスコアが上であることがわかります。

世界の大学、日本の大学のランクイン状況や順位変動だけでなく、指標分野ごとのスコアにも注目して「THE世界大学ランキング」を見ていくと、世界の中で日本の大学がどのような位置付けなのかがチェックできます。国内大学か海外の大学か、進路を決めかねている方は、このようなデータ・視点も参考にして大学選びをしてみてはいかがでしょうか?

【参考ページ】:World University Rankings 2022|Times Higher Education

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※この記事でご紹介している内容は2021年10月8日現在の情報に基づいています。

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