海外大学進学情報

海外大研究シリーズ カナダ編⑤ マックマスター大学<コロナ禍の最新情報もチェック>

世界的なコロナ禍が続く現在、気軽に海外の大学を直接訪問し、自分の目でじっくり見てくるということはなかなか難しい状況も継続しています。この海外大学研究シリーズでは、海外大進学に興味がある方に向けて、世界の人気大学を中心に「そこが知りたい!」と思うポイントをまとめた情報をお届けしています。

カナダ編の5回目は、伝統的に医学と工学の分野で強みを持つ大学として知られる、カナダ屈指の名門校であるマックマスター大学を取り上げます。オンタリオ湖岸の緑豊かな美しいキャンパスでも知られるマックマスター大学の魅力と、コロナ禍の最新情報をお伝えします。

海外大研究シリーズ_カナダ編5_マックマスター大学

マックマスター大学(McMaster University:Mac)の基本データ

設立年 1887年
所在地 オンタリオ州ハミルトン
学部数 6学部
学生数 学部生約28,000名
大学院生約4900名
大学ランキング(*1) THE:80位
QS:140位
主な分野別ランキング(*2) Clinical, pre-clinical & health 11位
Life sciences 79位
授業料と財政援助

●授業料(諸費用含む):【留学生の場合】学部やプログラムによって異なる
<2021年秋入学の留学生の授業料の例(2021-2022・年間)>
・文学士(BA):26,500.20カナダドル
・理学士(BSc):49,171.80カナダドル
・工学士(BEng):49,171.80カナダドル
・建築学の理学士(BSc(Arch)):23,464.20カナダドル
・商学士(BCom):56,544.00カナダドル
※授業料以外に諸経費が必要

●奨学金:主に奨学金とバーサリーがある
・奨学金(アワードとも呼ばれる)は、学業および課外活動の成果に基づいて授与される資金。成績に基づいて自動的に授与されるものもあれば、申請が必要なものもある
・バーサリーは、財政的必要性のみに基づいて提供される資金
※どちらも返済不要

<奨学金の例>
★MELD奨学金
MELDプログラム(条件付き合格の場合に入学が認められる英語を中心とした集中プログラム)を受講した場合、学業成績に基づいてトップ卒業生には40,000ドルの奨学金が授与される(学部1年生の授業料に自動的に適用)

合格率 (2018年・フルタイムの初年度出願)約52.6%
留学生率 約20%
立地環境 メインキャンパスはトロントから西へ 1 時間、オンタリオ湖の南西岸に位置する人口約50万のハミルトン市にある。郊外の森に囲まれた300エーカーの広大な敷地を持ち、豊かな自然の中に美しく歴史ある建物が立ち並ぶ。教室や寮、図書館、芸術博物館などのほかに、コンサートや演劇などを行うことのできる屋外の緑で囲まれた空間があり、芸術に親しむことができる
著名な卒業生 ジェームズ・オルビンスキー氏(ノーベル平和賞)、ティホミル・オレシュコビッチ氏(元クロアチア首相)、サラ・カサノバ氏(日本マクドナルドホールディングス会長)
公式URL https://www.mcmaster.ca/

*1 THE:Times Higher Educationが発表している「World University Rankings 2022」
  QS:Quacquarelli Symonds発表している「QS World University Rankings® 2022」
*2 Times Higher Education「World University Rankings 2021 by subject」より

マックマスター大学の特徴

校風

マックマスター大学の名前は、カナダの著名な上院議員であり銀行家であり、大学設立のために多額の寄付をしたカナダの上院議員・銀行家であるウィリアムマクマスター氏にちなんで名付けられました。モットーはギリシャ語で”Ta panta en Christoi synesteken”(英語では”In Christ all things consist”、「キリストにはすべてのものが成り立つ」という意味)で、「創造性、革新性のための国際的な卓越性を達成する」というビジョンのもとで運営されており、古くから地域産業において大きな影響力をもつ名門大学です。

同大学は、教育制度への革新的な取り組み、先進的な研究への貢献、さらには教育と研究を結びつけて革新とコラボレーションの豊かな環境を作り出すことで知られています。カナダの大学ランキングでは毎年、最も想像力と革新精神のある大学として選ばれていて、国内でもトップクラスの学校としての評判と人気を得ています。

2018年には、経験的な学習機会の提供やグローバルな活動への取り組みなどが評価され、教育と学習の卓越性を追求する教育機関のアプローチを表彰するGlobal Teaching Excellence Award(GTEA)【イギリスのHigher Education AcademyがTimes Higher Educationと提携して運営】を受賞しました。

人気のある専攻

世界的に有名な医学部をはじめ、ビジネス・工学・人文科学・科学・社会科学の6学部で幅広いコースが提供されています。伝統的に医学と工学に強く、特に健康科学の分野では社会で最も緊急とされるニーズのいくつかを対象とする研究に重点を置いています。医学部が開学当初から提供しているプログラムは非常に有名で、同大学の医学教育は世界的にも高く評価されています。

授業の特徴

1969年に医学部で開発された革新的な教育モデルである「McMasterメソッド」(関連する実世界の経験に早期に触れる、小グループの問題ベースの学習)が大きな特徴。この問題ベースの、学生中心の学習アプローチは、現在では大学全体のプログラムはもちろん、世界中の500を超える大学・医学部で採用されるようになっています。

施設・設備の特徴

自然あふれるキャンパスは非常に美しいことで知られており、300エーカーの敷地の中に70を超える研究施設、図書館(約160万冊の蔵書、1400近くの定期刊行物を所蔵)、博物館、広いフィットネスセンターなどのほか、大学資料館や有名アーティストの作品を有する芸術館があることでも有名です。ジムやプール、全天候型のトラックなどスポーツに関する設備も充実しており、30種類以上の異なるスポーツプログラムが提供されています。

1959年に開設されたマクマスター原子炉は、カナダで最大、北米でも2番目に大きい大学の研究用原子炉で、原子力科学および工学研究に使用されています。
また、カナダ国内の英語を使用する大学としては唯一、株式のトレーディングルーム(トロント証券取引所などの後援による)があります。

学生生活の特徴

キャンパス内には12の学生寮があります。伝統的な部屋・食事のスタイルからや家具付きのアパートスタイルなど、様々なタイプの部屋が用意されており、好きなタイプを選ぶことができます。
学内には300以上の学生組織とクラブがあり、学問、文化、宗教、社会問題、レクリエーションなどの幅広い関心をカバーしています。レクリエーションやスポーツ活動も盛んに行われています。

コロナ禍での授業

今秋より、公衆衛生上の制限が許す限り、キャンパス内での対面授業の数を大幅に増やす予定となっています。特に、マックマスター大学の特徴である問題ベースの学習が実現できるようすべての学部での小グループ学習の機会を拡大するとともに、直接での学生生活や各種の活動、キャンパスリソースも提供されます。学生寮などの住居施設は2021-2022年度にオープンしますが、出入りできるのは居住している学生に限られ、ゲストは立ち入ることができません。

なお、オンタリオ州の規定に従い、キャンパスへの立ち入りはワクチン接種を完了していることが条件となります。9月7日以降、マックマスター大学のすべての学生、教職員・スタッフはワクチン接種証明をMacCheckというデジタルツールにアップロードする必要があります(キャンパスに来ない人も含む)。予防接種の証明をアップロードし、さらにMacCheckで毎日のCOVID-19健康診断に合格すると、キャンパスに入ることが許可されます。

合格基準

<学部に直接入学する場合>

◆出願資格: 高校卒業

◆英語力の基準:
・IELTS 全体で6.5、4つのコンポーネント(リーディング、ライティング、スピーキング、リスニング)のそれぞれで最低6.0
・TOEFL iBT®テスト全体で86、4つのコンポーネント(リーディング、ライティング、スピーキング、リスニング)のそれぞれで最低スコア20

※TOEFL iBT® Special Home Editionは受け付けていない

<英語コースを経由する場合>

成績が優秀で、仮合格を認められたものの、英語力が不足している人向けには、「The McMaster English Language Development (MELD)」という集中プログラムが用意されています。MELDはマクマスター大学の学部課程への入学を目指す留学生のために設計されたアカデミックブリッジングプログラムで、学部課程からの入学の条件付きオファーを受け取った場合、MELDプログラムの受講が認められます。修了すると学部課程の1年次に入学できます。

◆対象学部: 全学部

◆期間: 12か月

◆入学要件(英語): IELTS 5.0 / TOEFL iBT®テスト 70 など


世界的に高く評価されている研究集約型大学であり、カナダ屈指の名門校として名高いマックマスター大学。緑豊かな美しいキャンパス内には、各分野での最先端の研究を支える施設や設備も充実しています。とくに医学や工学の分野に関心がある方には魅力的な環境と言えるでしょう。
その分、入学時に求められるレベルは高くなっていますが、MELDと呼ばれるファウンデーションのプログラムも用意されています。まずは日本の高校で日々の学習にしっかり取り組むことが、合格に繋がります。

【参考記事】:海外大研究シリーズ カナダ編① トロント大学

【参考記事】海外大研究シリーズ カナダ編② ブリティッシュコロンビア大学

【参考記事】海外大研究シリーズ カナダ編③ アルバータ大学

【参考記事】海外大研究シリーズ カナダ編④ マギル大学

【参考記事】高い教育水準と多様性が魅力!カナダ留学10のメリット

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※この記事でご紹介している内容は2021年9月24日現在の情報に基づいています。

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