海外大研究シリーズ カナダ編④ マギル大学<コロナ禍対応の最新情報もチェック!>
全世界的なコロナ禍の中、気軽に海外の大学を直接訪問し、自分の目でじっくり見てくるということはなかなか難しい状況が続いています。この海外大学研究シリーズでは、海外大進学に興味がある方に向けて、世界の人気大学を中心に「そこが知りたい!」と思うポイントをまとめた情報をお届けしています。
カナダ編4回目はマギル大学を取り上げます。カナダ最古の公立大学として知られるマギル大学は、様々な分野で数多くのノーベル賞受賞者を輩出していますが、中でも医学部は特に有名です。世界ランキングでも常に上位に位置し、カナダ国内だけでなく世界においても非常に高い評価を受けているマギル大学の魅力と、コロナ禍の最新情報をご紹介します。
マギル大学 (McGill University)の基本データ
設立年 | 1821年 |
---|---|
所在地 | ケベック州モントリオール |
学部数 | 11学部 |
学生数 | 学部生約27,000名 大学院生約10,000名 ※うち、留学生が約7000名 |
大学ランキング(*1) | THE:44位 QS:27位 |
主な分野別ランキング(*2) | Law 16位 Clinical, pre-clinical & health 24位 Arts and humanities 36位 Life sciences 39位 Education 43位 Social sciences 49位 |
授業料と財政援助 |
●授業料: ●奨学金:メリットベース、ニーズベースの両方の奨学金が用意されている <ニーズベースの奨学金の例> |
合格率 | (2020年秋入学・学部生全体)約48.9% |
留学生率 | 32.2% |
立地環境 | モントリオールのダウンタウンにメインキャンパスを構える。さらに、モントリオールから約30km離れた場所にマクドナルドキャンパスという第二のキャンパスがある。メインキャンパスはモントリオールの高層ビル街のすぐ北側にあり、モントリオールの象徴であるモンロワイヤルとダウンタウンの間に位置する。すぐ近くに地下鉄のマギル駅があり、アクセスが良い。周辺にはショッピングセンターやレストラン街があり賑わっている。 |
著名な卒業生 | ジョン・アボット氏(第3代カナダ首相)、ジョン・オキーフ氏(ノーベル医学賞)、ウィン・バトラー氏(ミュージシャン)、アーサー・エリクソン氏(建築家)、バート・バカラック氏(作曲家)など |
公式URL | https://www.mcgill.ca/ |
*1 THE:Times Higher Educationが発表している「World University Rankings 2022」
QS:Quacquarelli Symonds発表している「QS World University Rankings® 2022」
*2 Times Higher Education「World University Rankings 2021 by subject」より
マギル大学の特徴
校風
スコットランド出身のジェームス・マギル氏の遺産をもとに、1821年にイギリス国王ジョージ4世の勅許を受けて創立されたマギル・カレッジを起源とする、カナダ最古の公立大学。1885年に正式に現在のマギル大学となりました。古い歴史を持つ大学だけに、カナダで初めて法学部や医学部ができた大学でもあります。とくに1829年にカナダ最初に設立された医学部は、カナダの医学分野をけん引する権威ある存在となっています。
モットーは 「Grandescunt Aucta Labore(英語:By work, all things increase and grow.)」。最高の教育を提供し、最高の国際水準で優れた研究や学術活動を行い、社会に貢献することによって、学識を促進し、知識を開発、頒布することをミッションとして掲げ、様々な分野で素晴らしい業績をあげ、10名以上のノーベル賞受賞者など多くのリーダーを輩出。「北のハーバード」とも呼ばれる、カナダを代表する大学の1つです。なお、カナダの大学ながら、アメリカ大学協会にも属しています。
人気のある専攻
21 の学部・スクールで、ほとんどの学術分野をカバーする300 以上の専攻を提供しています。各分野とも、研究活動のレベルの高さで国際的に高い評価を受けています。とくに医学は世界トップレベルの研究機関の 1 つとして数えられているほか、法学の分野でも有名。また、政治学、英文学、 国際開発学、 物理学、 経済学、 地学、 エンジニアリング、 コンピューターサイエンスなどにも定評があります。
授業の特徴
フランス語圏であるモントリオール市内にキャンパスがありますが、大学の授業は全て英語で行われ、キャンパス内の公用語も英語です。クラスの規模は授業によって異なり、5人ほどのディスカッションベースの授業から、数百人のレクチャーまで。新入生対象のFirst Year Seminarは少人数クラスとなっています。週1回のカンファレンスやチュートリアルは10-30人の小規模で行われます。
施設・設備の特徴
メインキャンパスの主要な建物は統一感を出すため、すべてグレーの石灰岩で建てられており、緑に囲まれて美しい景観を誇っています。
マギル大学図書館は13の分館と専門図書館で構成されており、オスラー医学歴史図書館(Osler Library of the History of Medicine)はカナダで最も大きな医学史の図書館です。また、農学部、栄養学部、環境学部などがあるマクドナルドキャンパスには、植物園や天文観測所があります。
学生生活の特徴
学生寮はありますが、全寮制ではなく、寮に住むことができるのは1年生(初年度)だけです。通常は3000人を超える学部生(主に1年生、Floor Fellowと呼ばれる寮内での生活を手助けしてくれる上級生も少数いる)が寮で生活しています。2年生以上になると、キャンパス外のアパートなどを借りて生活する学生が多いようです。
キャンパス内には学部・大学院ごとに学生自治会が置かれ、学部ごとにも学生組織が存在しています。また、230以上の大学が公認している学生のクラブ・団体が活動しています。規模はそれほど大きくはないものの、社交クラブのフラタニティ・ソロリティもあります。
コロナ禍での授業
2021年秋学期からは、一部の大規模なクラスを除き、ほとんどのクラスで対面授業が再開され、オンライン授業と併用されます。授業全体の約85%が対面で行われる予定です。試験(評価)は対面またはオンラインで行われます。
教室や教育ラボ内では、特定の例外を除いて学生間の距離をとる必要はありませんが、学生同士が2m以上離れて座っている場合でもマスクの着用は必須です。その他の屋内での共有スペースでは、マスク着用のうえ、お互いに1mの距離を維持することが求められます。飲食、フィットネスセンター、木管楽器・金管楽器の演奏や歌を歌う場合などは2mの距離が必要です。
図書館は大学関係者のみ使用可能で、一般公開はされていません。各種イベントは政府の指導に従い、一部が許可されています。また、ほとんどの学生寮は8月にオープンし、希望する1年生に提供されています。
合格基準
<学部への入学>
◆英語の要件
・IELTS 6.5(全てのバンドで6.0を下回るスコアがないこと)
・TOEFL iBT®テスト 90(21を下回る項目がないこと)※Education・Managementでは100、Musicは79‐80
◆出願資格
・高校卒業
◆成績要件
・最低要件が平均B+以上(4段階のGPAで3.3、パーセンテージ表記で82~84%程度)※さらにプログラムによって個別の要件が設定されている。
※マギル大学には条件付き入学制度やファウンデーションコースはないため、正規入学のみとなります。
世界でもトップクラスの名門大学として名高いマギル大学。そのぶん入学基準も非常に高く設定されており、カナダでは難関大学とされています。そのうえ、他大学ではよく見られる「条件付き合格」(英語力だけが合格基準に満たない場合、指定の英語コースを受講するなどして英語スコア基準をクリアすれば入学が認められる制度)がマギル大学にはなく、ファウンデーションコースから入学することもできないため、合格のハードルはかなり高くなっていると言ってもよいでしょう。それでもここで学ぶ価値は十二分にある大学であることは疑いようがないので、しっかり準備をしてチャレンジしたいものです。
【参考記事】:海外大研究シリーズ カナダ編① トロント大学
【参考記事】:海外大研究シリーズ カナダ編② ブリティッシュコロンビア大学
【参考記事】:海外大研究シリーズ カナダ編③ アルバータ大学
【参考記事】:高い教育水準と多様性が魅力!カナダ留学10のメリット
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※この記事でご紹介している内容は2021年9月17日現在の情報に基づいています。