海外大学進学情報

海外大研究シリーズオーストラリア編⑤ アデレード大学

新型コロナウイルスの脅威が続き、いまだ予断を許さない日々が続いています。まだしばらくは、気軽に海外の大学を直接訪問し、自分の目で見てくることは難しい状況が継続することが予想されます。このシリーズでは海外大進学に興味がある方に向けて、世界の人気大学を中心に「そこが知りたい!」と思うポイントをまとめた情報をお届けしています。

オーストラリア編の5回目となる今回は、アデレード大学を取り上げます。 歯科、看護・獣医などのほか、宇宙工学、ワイン醸造学など特色のある学科も多いのが特徴。比較的日本人が少なく、英語生活にどっぷりとはまれるアデレード大学の魅力をご紹介します。

海外大研究シリーズオーストラリア編5 アデレード大学

アデレード大学(University of Adelaide)の基本データ

設立年 1874年
所在地 南オーストラリア州アデレード
学部数 5学部
学生数 (フルタイム)学部生 約16,000名 学生総数 約22000名 ※うち留学生が約7,000名(2019年度)
大学ランキング(*1) THE:118位
QS:108位
主な分野別ランキング(*2) computer science:98位
Engineering & technology:100位
授業料と財政援助 ●授業料:【学部の場合】授業料はコースによって異なる
<2021年の授業料の例>(年間)
・国際関係        A$35,000 
・開発学        A$35,000 
・醸造学        A$43,500
・経済学        A$40,500 
・コンピューターサイエンス        A$43,000 
※醸造学は4年間、それ以外は3年間のプログラム
●奨学金:留学生向けに様々な種類の奨学金が用意されている
例)Global Citizens Scholarship/Global Academic Excellence Scholarship
【ファウンデーションコース経由で入学した場合】
University of Adelaide College High Achiever Progression Scholarship/University of Adelaide College International Scholarship/Eynesbury College International Scholarship など
合格率 非公表
留学生率 29 %
立地環境 キャンパスは南オーストラリア州に3つ、ビクトリア州メルボルンに1つの計4つ。メインキャンパスは人口約120万人の都市・アデレードの中心部にある ノーステラス(North Terrace)キャンパス。歴史ある建物と綺麗に整備された芝生の中に近代的な施設(Student Hubなど)が景観を崩さないように配置されており、とても美しくアカデミックな雰囲気。周辺は州立図書館や博物館、アートギャラリーに囲まれている。交通の便も良いので生活にも非常に便利
著名な卒業生 ローレンス・ブラッグ氏 (ノーベル物理学賞)、リカルド・トッサーニ氏(建築家)、エドワード・トーマス・ボス氏(発明家)など
公式URL https://www.adelaide.edu.au/

*1 THE:Times Higher Educationが発表している「World University Rankings 2021」
  QS:Quacquarelli Symonds発表している「QS World University Rankings® 2021」
*2 Times Higher Education「World University Rankings 2021 by subject」より

アデレード大学の特徴

校風

オーストラリアの大学としては 3番目に古い歴史を持ち、5人のノーベル賞受賞者、オーストラリア初の女性首相・最高裁判所裁判官を輩出している名門大学。「Group of 8」 と呼ばれる国内トップ8大学のうちの1校で、グループの中では最も学生数が少ない分、学生一人一人にきめ細かいサポートが充実していると言われています。留学生の受け入れにも長い伝統があります。
モットーは「Sub Cruce Lumen」〈”The light (of learning) under the (Southern) Cross”〉。包括的かつ持続可能な世界のシステム全体から研究、設計、行動を行う国際的なリーダーとなること」というビジョンのもと、将来的に必要なスキルと知識を学生に学ばせるということに力を入れています。卒業生の就職にも注力しており、希望する業種に進むことができるようオーストラリア政府や各業界と強いパートナーシップを築いています。

人気のある専攻

芸術/工学・コンピュータ・数理科学/保険・医療科学/専門職/理学の5つの学部があります。ビジネス、商学、コンピューターサイエンス、国際関係、開発学などの分野が留学生に人気です。医学、歯学、獣医学、宇宙工学を含む工学・サイエンス分野には定評があり、オーストラリアの大学の中でも非常に評価の高いコースを開講しています。鉱山学など地域性を活かしたユニークな専攻も提供されています。
また、アデレードは国内有数のワイン・農産物の生産地としても有名で、アデレード市北東部には同大学のワイン関連のアカデミックプログラムの実用的な教育センターであるNational Wine Centre of Australiaがあります。醸造学、ワインビジネスなど、オーストラリアの中でもユニーク且つ珍しい分野が学べるほか、施設内はワインの試飲やレストランでの食事など観光客や市民にも開放されています。

授業の特徴

活気に満ちたクラスや集中的な研究を中心とした環境の中で勉強することができます。優れた研究と教育方法は高く評価されており、特にサイエンスや研究分野では、経済や産業分野、新しい知識を必要とする政府や企業団体など、世界各地の各種産業界とつながりが深いのが特徴。農業分野では日本の食品関連企業とのコラボレーションでの研究も盛んに行われています。

施設・設備の特徴

ノーステラスキャンパス(メインキャンパス)には高度なプロテオミクス施設、高性能スーパーコンピューター、顕微鏡および微量分析のための地域施設、バーチャルリアリティセンターなど、多くの最先端の研究施設が集まっています。2019年には、2億4600万ドルという大学史上最高額の資本を投入し Adelaide Health & Medical Sciences Building が新設されました。
ウェイトキャンパスには、農業、食品、ワイン、栄養学、天然資源科学の分野で南半球最大の研究施設があります。また、ローズワーシーキャンパスは、乾燥地農業、天然資源管理、畜産における国際的に認められた研究センターとなっています。

学生生活の特徴

メインキャンパスの周辺には、いくつかの学生寮があり、様々なタイプの部屋が用意されています。またアデレード大学には、スキーやブッシュウォーキング、ボート、その他多くのウォータースポーツ、フィールドスポーツなど40近くのスポーツクラブのほか、文化的・宗教的・政治的など様々なクラブが130以上あり、活発に活動しています。
メインキャンパスには2つの留学生センターがあります。さらに、学内にはLanguage&Cultural Engagement(LCE)という無料の言語・文化のネットワーキングプログラムや、留学生の英会話力向上を支援するボランティアプログラムなどもあります。

コロナ禍での授業

現在(2021年8月9日)、ノーステラス(メインキャンパス)を含む3つのキャンパスがオープンしており、すべての学生・スタッフが通常通りキャンパスにアクセスすることができます。8月2日(月)より、すべてのキャンパスで対面式の教育と学習が再開しました。ただし、教育・学習スペース、実験室、その他の共有スペースではマスクを着用する必要があります。
なお、海外旅行に関する不確実性とリスクが続いていることを考慮して、2022年4月1日まで交換留学は一時停止されています。

合格基準

■学部課程への直接入学の要件(留学生の場合)

英語要件(標準):IELTS Overall 6.5以上(各セクション6.0以上)またはTOEFL iBT®テスト Overall 79以上(Writing:21以上、Speaking:18以上、Reading and Listening:13以上) など
学部入学要件(入学資格):オーストラリアのyear12プログラムを決められた成績以上で終了すること、もしくは同等の教育機関(試験)を修了していること。または国際バカロレア資格(IB:International Baccalaureate)のIB Diplomaを取得しており基準スコアをクリアしていること
※日本の普通科の高校卒業資格は学部入学要件を満たしません。

■ファウンデーションコース/Diplomaコースを経由する場合

アデレード大学はパスウェイが充実していることで知られており、アデレード大学カレッジ(The University of Adelaide College/大学推奨の付属カレッジ)やアインズバリーカレッジ(EYNESBURY COLLEGE)でファウンデーションコースやDiplomaコースが開講されているほか、パスウェイコースとしてEynesbury Institute Business and Technology、TAFE SAなどのDiploma (準学士)から2年次への編入制度などで、幅広く学生を受け入れています。

◆アデレード大学カレッジ(The University of Adelaide College)の例◆

ファウンデーションコースとDegree Transfer Programがあります。Degree Transfer Programを修了すると、アデレード大学の2年次に編入できます。

◇ファウンデーションコース

ファウンデーションコースには2種類のプログラム(StandardとAccelerated)が用意されています。

  期間 英語要件 入学条件(高校の成績)
Standard 40週間 IELTS 5.5 (各科目 5.0以上)またはTOEFL iBT®テスト 50 (Speaking & Writing15以上) 高2修了以上で、主要科目の評定平均が3.0以上であること(5段階)
Accelerated 34週間

◇Degree Transfer Program

希望する学士号と 英語力により3つ(Extended、Standard、Accelerated)のコースがあります。

  期間 英語要件 入学条件(高校の成績)
Degree Transfer Extended(DTE) 15か月間 IELTS 5.0(各科目5.0以上)
TOEFL iBT®テスト 50(Speaking & Writing 15以上)
高3修了以上で、主要科目の評定平均が2.5以上であること(5段階)
Degree Transfer Standard(DTS) 12か月間 IELTS 5.5(各科目5.0以上、Speaking&Writing 5.5以上)
TOEFL iBT®テスト 50(Speaking & Writing 16以上)
高3修了以上で、主要科目の評定平均が3.0以上であること(5段階)
Degree Transfer Accelerated(DTX) 9か月間 IELTS 5.5(Speaking&Writing 5.5以上、各科目5.0以上)
TOEFL iBT®テスト 50(Speaking & Writing 16以上)
高3修了以上で、主要科目の評定平均が3.0以上であること(5段階)

※最終的にアデレード大学で編入したいコースによって、高校で履修しておかなければならない科目が指定されているコースもあります。

※英語力条件を満たせていない場合は、「Conditional Offer:コンディショナルオファー」と呼ばれる、条件付き入学許可書が発行されます。


アデレード大学のメインキャンパスがある南オーストラリア州のアデレードは、人口120万人の小都市。都会過ぎず、フレンドリーで落ち着いた雰囲気が漂っており、オーストラリア国内ではもちろん世界でも最も住みやすい都市ランキングで上位の評価を受けている暮らしやすい街です。治安が良く、生活費も他の主要都市に比べリーズナブルに抑える事ができるため、近年、留学先として人気が高まっている都市の1つでもあります。オーストラリアの名門大学群であるGroup of 8の1校として研究・教育には定評がありつつ、豊富なパスウェイが用意されているため、比較的入りやすいと言われているのも特筆すべきポイント。進路の選択肢の1つとして検討するのに十分に値する、魅力的な大学と言えるでしょう。

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※この記事でご紹介している内容は2021年8月20日現在の情報に基づいています。

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