海外大研究シリーズオーストラリア編④ 西オーストラリア大学（UWA）

いまだ全世界を新型コロナウイルスの脅威は覆い続けている昨今。気軽に海外の大学を直接訪問し、自分の目で見てくることは難しい状況が続いています。このシリーズでは海外大進学に興味がある方に向けて、世界の人気大学を中心に「そこが知りたい！」と思うポイントをまとめた情報をお届けしています。

オーストラリア編の4回目となる今回は、西オーストラリア大学を取り上げます。研究集約型の大学として科学、農学、エンジニアリングなどの分野に定評があり、国際的な活動も積極的に行っている西オーストラリア大学の魅力を紹介します。

西オーストラリア大学（The University of Western Australia：UWA）の基本データ

＊1 THE：Times Higher Educationが発表している「World University Rankings 2021」
　　QS：Quacquarelli Symonds発表している「QS World University Rankings® 2021」
＊2 Times Higher Education「World University Rankings 2021 by subject」より

西オーストラリア大学（UWA）の特徴

校風

1911年2月に設立された、西オーストラリア州で最も古い大学。オーストラリアのトップ大学群である”Group of Eight”の中でも先導的役割を担っている公立大学の1つです。
校訓は「知恵を追え（Seek wisdom）」。「 豊富な経験を積んだ教育と世界をリードする信頼できる研究で、次世代のグローバルリーダーを創造する」というビジョンのもとで運営されています。名門大学の伝統的な教育を引き継ぎながら、自立心・独立心を養い、時代を切り拓く人材育成を目指しています。
研究集約型の大学としては地域の社会・経済との結びつきも強いのが特徴で、州の大学研究資金の80％がUWAに費やされており、オーストラリア全土で75以上の研究・トレーニングセンターを運営しています。
一方で国際化も積極的に進めており、40を超える国際機関と提携して国を超えたカリキュラムが展開されています。

人気のある専攻

総合大学として幅広い分野のコースを開講しています。国際関係学、環境学、ビジネス、農業、サイエンス、その他理工系分野には定評があります。さらに、西オーストラリアならではといえる、インド洋に特化した海洋学、パブリックヘルスなどの分野でも高い評価を受けています。
人気がある専攻分野としては、地球海洋科学、農林業学、解剖生理学、鉱物鉱山工学、土木構造工学、スポーツ関連学などが挙げられます。

授業の特徴

学部課程では、「農業、環境および生物科学」「建築、設計、計画」「ビジネスとコマース」「健康と生物医科学」「人文社会科学」「音楽と美術」「物理科学と数学」など12の分野で、非常に多様な多くの専攻が用意されており、学士号（7種類）や専門学士号（15種類）が提供されています。4年間で2つの学位を取得できる複合学士号（農学と文学の学士号、環境科学と商学の学士号など）も11コース用意されています。
各分野のそれぞれのコースでは、業界、企業、政府とのネットワークを駆使して、理論ではなく実践的な学習が展開されています。

施設・設備の特徴

開放的な中庭と広大な緑地を持つキャンパス内には、最先端の教育・研究施設、講義・パフォーマンスシアター、チュートリアルスペース、スタジオ、図書館、テーマに沿った実験室など充実した学習環境が整えられています。それに加えて、銀行、書店、カフェ、パソコンショップ、ジム、美容院、旅行会社、美術館、プールなど生活に必要な学生専用施設が数多く揃っており、小さな町のようになっています。

学生生活の特徴

学生寮（寄宿制大学：College Row呼ばれる）は5つあり、オーストラリア全土・世界55か国以上から集まった約2,500人の学生が生活しています。すべてメインキャンパスの向かいに位置しているため、大学のすべてのエリアに徒歩でアクセスできますし、公共交通機関がすぐそばにあるので、ショッピングやビーチにも簡単に行くことができます。学生寮にはジムやレクリエーションエリア、リラックスゾーン、音楽室、静かな学習スペースなども完備されており、快適に暮らせます。
UWAは学生主体のイベントやクラブ活動も盛んで、スポーツや音楽など160を超えるクラブが積極的に活動しています。学生寮でもソーシャルイベントやスポーツイベントのアクションがたくさん開催されています。

コロナ禍での授業

2021年の留学生への授業はオンラインで提供されています。Blackboardという学習管理システムを使い、世界中のどこからでも、録画された講義、ウェビナー、チュートリアル、ユニットのオンラインドロップセッションなどにアクセスすることができるようになっています。セメスター2では、数百ものユニットがオンライン学習で利用できるよう提供されています。オンラインで学習できないコースは、芸術、ビジネス、法律、教育系で５、科学系で9、健康、医療系で12のみとなっています。

今後、西オーストラリア州への旅行制限が解除された場合は、学期の途中であっても、オンラインまたはオンラインとキャンパス学習の組み合わせで授業が提供される可能性があるという柔軟な方針が示されています。

合格基準

【学部課程への直接入学・留学生の場合】

＜学業要件＞
オーストラリアの12年生の資格に相当する認定試験に合格していることが必要（準学士号相当が必要）となります。
・高校の成績（GPA）：3.02以上

※一部のコースには、さらに特定の入学要件が設定されている場合があります。
※日本の高校を卒業した場合は、基本的に入学要件として認められないことがほとんどです。

＜英語要件＞
・IELTS Overall 6.5以上（全モジュールで6.0以上）
・TOEFL iBT^®テスト overall 82以上（Writing section 22以上、Reading section 18以上、Speaking section 20以上、Listening section 20以上）　など

※医歯薬系、健康科学系、法律、薬学、教育等の専攻ではさらに高い英語能力が求められます。
※入学要件を満たしていない場合は、ファウンデーション（大学準備）コースで学ぶことが推奨されます。

【ファウンデーションコースを経由する場合】

西オーストラリア州の公立大学（UWAを含む4校）への入学が保証されるパスウェイとなる西オーストラリア大学財団プログラム（WAUFP）を提供している学校は、Canning College（キャニングカレッジ）、St George’s Anglican Grammar Schoo、The Experimental Schoolとなります。

◆キャニングカレッジの例◆

【参考ページ】：Canning College

■ファウンデーションコースの入学要件

：大学の入学要件を満たして修了した場合、西オーストラリア州の公立大学（UWAを含む）への入学が保証 されます。

■ディプロマコースの入学要件

：修了すると、商学部の2年次への入学が保証されます。

開校以来100年を超える歴史を持ち、西オーストラリア州で最も古い総合公立大学である西オーストラリア大学（UWA）。西海岸の温暖な観光地・パースの美しい街並み、美しい自然に囲まれたオーストラリア有数の広々としたキャンパスは、リラックスして学習に集中できる環境が整っています。またオーストラリアのトップ8大学(Group of 8)にも先導的な役割を担う1校として名を連ねており、様々な分野でのリサーチ力や最先端の研究でも高い評価を受けています。
キャンパスの美しさだけでなく、アカデミックな面でも世界的に評価の高いUWAで学びたい場合は、比較的入学基準が低いとされるファンデーションコースを経由して入学を目指すのが一般的。しっかり準備していけばクリア可能な入学要件ですので、志望校の1つとして検討してみてはいかがでしょうか。

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※この記事でご紹介している内容は2021年7月23日現在の情報に基づいています。