海外大研究シリーズオーストラリア編② オーストラリア国立大学
ようやく明るい兆しが見えつつあるとはいえ、いまだ世界中で新型コロナウイルス感染拡大のリスクが消えたとは言い難い昨今。気軽に海外の大学を直接訪問し、自分の目でじっくり見てくるということがなかなか難しい状況が続いています。この海外大学研究シリーズでは、海外大進学に興味がある方に向けて、世界の人気大学を中心に「そこが知りたい!」と思うポイントをまとめた情報をお届けしています。
今回はオーストラリア編の2回目。オーストラリアの名門大学群「Group of Eight」のメンバーである「オーストラリア国立大学(ANU)」を取り上げます。ケンブリッジ大学やイェール大学を含むトップレベルの大学10校で組織された「IARU」の1校でもあるANUの魅力をご紹介します。
▼「Group of Eight」については、こちらの記事もチェック!
【参考記事】: オーストラリアの大学選び~ベストな志望大をみつけるチェック方法~
オーストラリア国立大学(The Australian National University)の基本データ
設立年 | 1946年 |
---|---|
所在地 | 首都特別地域 キャンベラ |
学部数 | 7つのカレッジ |
学生数 |
学部生約11,000名 大学院生約12,000名(2019年) |
大学ランキング(*1) |
THE:59位 QS:27位 |
主な分野別ランキング(*2) |
Arts and humanities 35位 Social sciences 36位 Physical sciences 46位 Life sciences 56位 Business & economics 69位 |
授業料(*3)と財政援助 |
●授業料:【学部の場合】平均的な学費(1年間)<2019年> ●財政援助:オーストラリア国内学生向けには、オーストラリア政府によってThe Higher Education Loan Program (HELP)というローンスキームで、高等教育の授業料の支援が提供されている。留学生は、各国・企業などの支援制度を活用する。
●奨学金:様々な学生を対象とした多数の奨学金が紹介されている |
合格率 | 未公表(35%程度と言われる) |
留学生率 | 47% |
立地環境 | メインキャンパスは、オーストラリアの首都キャンベラの中心部から徒歩わずか10分の特別区域に約145ヘクタールの広大な土地を有し、200を超える建物を保有している。郊外の緑豊かな落ち着いた雰囲気ながら、周囲には連邦議会議事堂、立法・行政・司法機関、外国大使館などが建ち並び、国立美術館や国立図書館などの文化施設も充実している。他に4つのキャンパスを持ち、主に観測所、リサーチセンターとなっている |
著名な卒業生 | ケビン・ラッド氏(元豪 首相)、ジョン・コーツ氏(数学者)、アンドリュー・トリジェル氏(コンピュータープログラマー) など |
公式URL | https://www.anu.edu.au/ |
*1 THE:Times Higher Educationが発表している「World University Rankings 2021」
QS:Quacquarelli Symonds発表している「QS World University Rankings® 2022」
*2 Times Higher Education「World University Rankings 2021 by subject」より
*3 2021年のTuition and Fees(授業料とその他諸費用)の平均的な金額
オーストラリア国立大学(ANU)の特徴
校風
「未来にポジティブな影響を与えること」「熱意や創造性を持ち、重大でまだ想定がついていない課題を解決する事ができること」「知識を蓄え、その知識を人々の生活、国、世界を改善するために使うこと」をビジョンとして掲げ、学生たちにユニークで卓越した研究、教育環境を提供している。優秀なだけでなく、情熱とクリエイティビティに溢れ、未解決の重要な課題を解決する能力がある人材が求められています。
学生は明るく、野心的で、フレンドリーな校風と言われています。
人気のある専攻
オーストラリアの首都キャンベラという立地もあり、政治、社会政策および行政、開発研究や国際関係学、さらには経営学、法学、医学も人気があります。また、環境学の分野においては、オーストラリアだけではなく世界的にも珍しい経済学者、水質学者、歴史学者、生態学者、森林学者、地理学者、そして気象学者が共通の「環境問題」に対してアプローチする研究体制を整えています。
授業の特徴
学部課程は、人文・社会科学、商学/経済学、アジア太平洋学、工学/情報工学、法学、医学/生物学/環境学、数学の7つのカレッジ(学部)から構成されています。また、リサーチ重視の大学として、大学院課程は生物科学、地球科学、物理化学/工学、天文学、化学、アジア太平洋学などの9つのリサーチスクール(The Institute of Advanced Studies)を擁しています。学位を柔軟に組み合わせることができるため、ダブルディグリー(2つの学位)で2つの学士号や修士号を取得できたり、学士号と修士号も垂直的に取得できる仕組みがあります。
施設・設備の特徴
キャンパス内には図書館、コンピューター施設、アートギャラリー(美術館)、学生寮、スポーツ施設、カフェ、レストラン、銀行、旅行会社、本屋等があり、充実した施設が揃っています。図書館は主要なものが3つ、小さなものが5つあり約200万冊の蔵書があります。メインキャンパスに隣接するCivic(キャンベラの中心地)にはバスターミナル、空港リムジン、ホテル、ショッピングモールや様々な飲食店があり、便利で活気にあふれています。
学生生活の特徴
ANUには学部生のために12の住居が用意されていて、学生人口の20%以上を占める約6,000人の学生がキャンパス内に住んでいます。キャンパスに住む留学生のコミュニティでは緊密な絆が築かれていて、卒業後には、キャリアの成長のためのサポートと機会を提供するグローバルな同窓会ネットワークの一員となることができます。
コロナ禍での授業
<学部>
2021年のセメスター2(*4)は、学生がキャンパス内での学習とリモートでの学習の両方に参加する混合モードの教育が継続されます。キャンパス内にはリモート配信のクラスに参加できるようWi-Fiが整備されたスペースが用意されています。また2021年の学期末の試験はすべてリモートで行われる予定です。
*4)ANUは前期(セメスター1)・後期(セメスター2)の2期制で運営されています。セメスター1は2月下旬から6月上旬、セメスター2は7月中旬~下旬にスタートし、 9月に学期中休み(2週間程度)をはさんで10月下旬に終了します。セメスター2の試験期間は11月上旬~中旬(2週間程度)です。
<ファウンデーションコース>
コロナ禍の期間中、すべてのファウンデーションコースの学習はリモートで提供されています。
合格基準
オーストラリア以外の海外の高校卒業資格をもとに、直接学部への入学が可能かどうかを査定されます。
<学部への直接入学に必要な英語力>(全学部共通)
●英語力の基準:TOEFL iBT®テスト 80(W&R:20、S&L:18以上)、IELTS 6.5(各セクション6.0以上)
●学力の基準:GPAの指定なし/規定テストのスコア SAT 1090以上、ACT 21以上など
※専攻によっては上記以上の英語力が求められる場合もあります。
<ファウンデーションコース(ANU College FoundationStudies)>
コース(期間)によって入学要件が異なります(主なコースとして37週 / 50週 / 58週の3つがあります)。
●英語力の基準:
◇50週(4学期)のStandardプログラム/37週(3学期)のRapidプラグラム:IELTS 6.0(各バンドで最低5.5)/TOEFL iBT®テスト 68(Writingで18以上)
◇58週(4学期+5週準備期間)のExtendedプログラム:IELTS 5.5(各バンドで最低5.0)/TOEFL iBT®テスト 52(Writingで16以上)
※COVID-19の影響下ではIELTSインジケーター、TOEFL iBT®スペシャルホームエディション、Duolingo英語テストも受け入れられます。
オーストラリアでは最上位にランクする大学の1校に数えられ、各分野で一流の研究者や各界の著名人を数多く輩出する、研究重視型大学であるオーストラリア国立大学。充実した設備が揃うキャンパスは、首都キャンベラの中心部という便利な立地ながら、緑豊かで落ち着いた雰囲気を漂わせる名門校です。将来的に、最先端の研究に取り組んでみたいなど、腰を据えて勉強するには最適な環境といえるでしょう。日本の高校から直接進学するには入学要件がかなり厳しいですが、付属のファウンデーションコースを経由するルートであれば可能性は非常に広がります。もちろんそれでも求められる英語力のハードルは決して低いとは言えませんが、クリアを目指して、チャレンジしてみる価値はあるはずです。
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※この記事でご紹介している内容は2021年7月9日現在の情報に基づいています。