【2021版】入試のアプリケーションにも使える!今人気の課外活動「模擬国連」とは?
2021年、現在のコロナ禍の中で、海外大入試でPRできる「課外活動」に関する情報をお届けしているシリーズの3回目。今回は、より具体的な活動例として「模擬国連」を取り上げます。「模擬国連」は、世界中の高校・大学において授業で採用されたり、学生の課外活動として行われたりしており、毎年数え切れないほどの国際大会も開催されています。海外大や国内グローバル大の願書に書きやすい課外活動として、もはや常連ともいえる「模擬国連」についてくわしく知っておきましょう。
「模擬国連」とは ~模擬国連ってなに?~
模擬国連(もぎこくれん、英語: Model United Nations; MUN)とは、中・高・大学などの学生が世界各国の大使になりきり、運営も含めて実際の国連の会議をシミュレーションする教育・サークル活動のこと。大会では、各大使(学生)が世界の課題について意見を戦わせます。
模擬国連の活動は、1923年のハーバード大学における模擬国際連盟(Model League of Nations)の開催を起源とします。現在では世界中の高校・大学等に広がり、各地・各国での大会のほか毎年多くの国際大会も開催されています。 日本では、国内における模擬国連活動の大部分を「日本模擬国連(Japan Model United Nations, JMUN)」という組織が統括しています。大学生を対象とした活動が多いですが、高校生など大学生以外が参加できる大会も実施されています。
高校生を対象とした代表的な大会としては、「グローバル・クラスルーム(Global Classrooms)日本委員会」が主催する「全日本高校模擬国連大会」などが挙げられます。この大会は基本的に毎年11月に開催されており、上位に選ばれると国際大会(ニューヨーク)への参加資格を得られます。
【参考ページ】:全日本高校模擬国連大会
模擬国連の実施内容 ~何をどんな形式で行う?~
模擬国連では、参加者が各国を代表する大使(Delegate)に扮し、議論のテーマとなる議題(Agenda Item)について実際の国選と同じように議論・交渉を行い、各国の主張をまとめ全世界に発表するための決議案(DR)を協力して作成して採択することを目指します。
参加者は1人から2人(3人以上のグループの場合もある)が一国の大使を任されます。大使となった参加者は、会議準備として、設定されている特定の議題について担当国の政策や歴史、外交関係などに照らし合わせて自国の政策を作り上げます。その後に行われる会議では、それぞれの国益を背負った各国大使という立場から、自国の政策を軸に、議論や交渉、スピーチ等を行います。
進行していく会議の中で大使たちは1つまたは複数のグループを形成し、各グループにつき1つの決議案を作成します。各国大使は、決議案の内容が自国の利益や国際社会の利益に最大限つながるものとするために、交渉を行うわけです。
会議の最後に、決議案は大使全員による投票にかけられ、採択または不採択となります。
模擬国連の議題例
会議ごとに設定される議題の内容は、人権や軍縮、経済、環境、紛争など非常に多岐にわたる国際問題が取り上げられます。
<全日本高校模擬国連大会での議題>
- ●2020年(第14回) 「宇宙利用」
- ●2019年(第13回) 「死刑モラトリアム」
- ●2018年(第12回) 「武器移転」
- ●2017年(第11回) 「人権とジェンダー平等」
- ●2016年(第10回) 「国際安全保障の文脈における情報及び電気通信分野の進歩」
模擬国連への参加の流れ ~いつ、どんなふうに行われる?~
「全日本高校模擬国連大会」(主催:グローバルクラスルーム日本委員会)の、例年の開催概要をまとめます。
※情報は変更となる可能性があります。最新の情報は必ず公式サイト等でご確認ください。
≪主な参加資格≫
- ・英語を母語としない高校1年生又は2年生相当の方
- ・翌年5月中旬に米国ニューヨーク州ニューヨーク市で開催される高校模擬国連国際大会に参加できる方
- など
≪例年の流れ≫
※あくまで目安としての予定のスケジュールです。各年度の正確な情報については、必ず公式サイト等でご確認ください。
6月1日 | 全日本高校模擬国連大会 課題発表 |
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7月1日 | 募集要項・書類選考課題発表 |
9月1日(~1週間程度) | 応募(書類選考課題提出)期間 |
10月1日 | 全日本高校模擬国連大会 出場者(書類選考結果)発表 |
10月上旬 | 関連資料公開(議題概説書等) |
11月中旬 ※土曜・日曜の2日間にわたって実施 |
全日本高校模擬国連大会 開催 (書類選考を通過した約160名が参加) |
4月中旬 | 高校模擬国連国際大会への日本代表団 Information Session (派遣生による政策発表会) |
5月中旬(1週間程度) | 高校模擬国連国際大会(GCIMUN;Global Classroom International High School Model United Nations Conference)〔ニューヨークで開催・世界約27ヶ国よりのべ1800名の高校生が参加)への日本代表団派遣(*) |
6月中旬 | 日本代表団 報告会 |
* 全日本高校模擬国連国際大会で選出された6校12名(2019~2021年は8校16名)の高校生を日本代表団として派遣。日本代表団メンバーは全員が同じ国を担当するが、チームによって異なる国際組織の会議に参加
≪各賞≫
- ◯最優秀大使賞:各議場1チーム
- ◯優秀大使賞:各議場2チーム
- ◯地域特別賞:各議場0~1チーム
- ◯ポジション・アンド・ポリシーペーパー賞:各議場1チーム
※最優秀大使賞・優秀大使賞・地域特別賞は、政策立案と会議行動を総合的に評価し授与。ポジション・アンド・ポリシーペーパー賞は、政策の内容を評価して授与
※地域特別賞は、第12回〜第14回大会のみの設置
最優秀大使賞・優秀大使賞・地域特別賞を受賞したチームが、翌年5月に米国・ニューヨークで開催される高校模擬国連国際大会に日本代表団として派遣されます(航空費・宿泊費全額支給)。
【参考ページ】:参加を目指す方へ|グローバル・クラスルーム日本委員会
2021版・模擬国連の申し込み方法 ~どうやって申し込む?
「全日本高校模擬国連大会」への参加方法(2021年5月17日現在)は以下の通りです。
≪参加方法≫
・同じ学校に所属する生徒2名及び引率教職員1名の3名1組で申込む
・申込みできるのは1校につき2組まで(1校より2組申込む際の引率教員は同一で可)
◆参加費:1人5,000円(1チーム10,000円)※書類選考通過者のみ
*情報は変更となる可能性があります。必ず応募する年度の募集要項で最新の情報を確認してください。
【参考ページ】:応募資格|グローバル・クラスルーム日本委員会
「模擬国連」の活動のイメージはつかめたでしょうか?
100年近い歴史があり、日本でも30年以上前から行われている活動ですが、海外大・国内グローバル大の願書に書きやすく、評価にも繋がりやすいのでは…という期待から近年、注目度が高まりつつあります。
ただ、ここで注意しておいてほしいことが1つ。もちろん、興味があれば気軽に参加できる課外活動ではあるのですが、「アプリケーション(願書)に書くため」だけを目的に、模擬国連の活動に参加するのはおすすめできません。これは模擬国連だけでなく、すべての課外活動に言えることです。
模擬国連の活動を通して得られる、「立場の違う相手の課題を知り、解決に向けて話し合う」という経験は非常に貴重なもの。すべて英語で行われるため、語学力はもちろん、次世代のリーダーに必要なコミュニケーション力、問題解決力などが養えます。一生懸命取り組めば、海外であろうと国内であろうと、この先の大学生活に必ず生かしていくことができますし、大学側はそうした活動であなたが何を得て、どれだけ成長したかを見たいと思っています。ただ「参加した」という事実だけではなく、確かな何かを得られるよう、しっかりと活動に向き合っていくことが大切です。
そうした前提を踏まえたうえで、楽しそう!力を試してみたい!と思う方は、ぜひ参加を考えてみてはいかがでしょうか?
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※この記事でご紹介している内容は2021年5月21日現在の情報に基づいています。