オーストラリア留学に必要な渡航準備は?① ―留学準備スケジュール編―
コロナ禍の今だからこそできる留学準備をしていくために、国別の海外大進学・留学に関する情報をシリーズでお届けしています。今回は、実際にオーストラリアに留学する場合の渡航準備について取り上げます。
オーストラリアは、アメリカ、カナダ、イギリスなどの他の人気国と入学時期がじゃっかん異なっており、出願や渡航のタイミングも違います。受験のスケジュール目安や、出願や入国、滞在に必要な手続きなどについて、やり方や特徴、注意点などを知っておくと受験~渡航準備のスケジュールも組みやすくなるでしょう。まずは、オーストラリアの大学等に入学するまでのスケジュールをチェック!
オーストラリアの留学準備スケジュール
オーストラリアの大学は、一般的に年に2つのsemester(学期)があります。最初のsemesterは2月に始まり、2番目のsemesterは7月に始まります。どちらのsemesterが始まるタイミングでも入学が可能となっているため、一般的な入学時期の目安は2月・7月の年2回(*1)となります。
*1) 3学期制(Trimester)をとっている大学の場合、3月・7月・10月の年3回が一般的です。
海外からの留学生の場合、学部課程への出願は個々の大学に直接行います。大学・学部ごとに入学時期に合わせたアドミッション(入学審査)の締め切りが決められています。締め切りまでの期間であれば、基本的にいつでも出願可能。各semesterの正確なスタート日や出願の締切り日は大学によって異なるので、各大学のWebサイト等で留学生向けの最新情報をしっかり確認することが大切です。不明点は、大学のアドミッションオフィスにメールなどで質問するとよいでしょう。
オーストラリアの大学には日本のような入試がないため、合否は書類審査で決まります。基本的に、「高校の学業成績」と「英語力」が審査の材料となります。
出願に必要な書類は、主に下記の4つです。
<オーストラリアの大学に出願するための主な書類>
- ●高校(もしくは最終学歴)の成績表
- ●高校(もしくは最終学歴)の卒業証明書
- ●英語力証明書(IELTS〔Academic〕またはTOEFL®テストなど)
- ●パスポート
- ※学部・コースによっては推薦書や志望理由書が必要な場合もあります。
大学が定めた高い入学要件を満たしている場合や、国際バカロレア(IB)などのプログラム修了者などは、直接、大学への入学が可能となる場合もありますが、日本とオーストラリアの教育システムが異なることもあって、「学業成績」または「英語力」(もしくは両方)が基準に達したら入学を認めるという「条件付き合格」となることがほとんどです。「条件付き合格」の場合は、課せられた条件に沿って、まず大学付属のファウンデーションコース(Foundation Course)に入学して学ぶか、語学学校に通って英語力を磨くか、といった進学ルートが決定します。
また、大学に直接出願するのではなく、いったんTAFE(Technical and Further Education)と呼ばれる公立のキャリアカレッジのディプロマ(Diploma)以上のコースで学び、大学2年次に編入するというルートを選ぶこともできます。
<オーストラリアの大学に入学するための主な3つのルート>
- ① 大学の1年次に直接入学する(一部の大学で条件を満たせば可能)
- ② 大学付属のファウンデーションコース(Foundation Course)を経由して大学1年次に入学する
- ③ TAFE(Technical and Further Education)のディプロマ(Diploma)以上のコースを経由して大学の2年次に編入する
*①~③とも、英語力が不足している場合は、その前に語学学校に通って必要なレベルに達するまで英語を学ぶこともあります。
どのルートになるか(もしくは選ぶか)は、個人の高校の成績と英語力、志望大学・学部によって変わってくるため、大学選びは早いうちから始めると良いでしょう。
大学(直接入学) | 大学付属のファウンデーション・コース(Foundation Course) | TAFE(公立のキャリアカレッジ) | 語学学校の英語コース | |
---|---|---|---|---|
入学時期の目安 | 2月/7月 (2学期制の場合) |
2月/6月/8月/10月 (主に2月または7月の大学新学期に間に合うように設定されている) ※入学時期は、大学やコースの期間によって異なる |
2月/6月/10月 ※入学時期は学校によって異なる |
随時 |
受講期間 | 3年間 | 通常8か月~1年間 ※大学や各学生の学力等によって異なる | 1~2年間 ※おおむね1年間程度だが、分野によっては2年間かかるコースもある |
英語力に応じて決定 |
高校卒業⇒オーストラリアの大学入学を目指す場合のスケジュール目安
<高3の4月~夏休み前>
- ・興味がある大学の情報収集開始/各大学の入学資格や条件のチェック
- ・TOEFL®テスト、IELTSなどの英語テストに向けた勉強、受検
<高3の夏休み~11月ごろ>
- ・TOEFL®テスト、IELTSなどの英語テストを受検
- ・パスポートの申請(取得していない場合)
- ・志望大学の絞り込み ⇒大学の入学条件と自分の学業成績、英語力などから、自分に合った進学ルートを検討
- ・出願書類の準備
<高3の11月~12月ごろ>
- ・オンラインで出願 ⇒3週間~3か月程度で入学審査の結果が判明
- ・海外学生健康保険(OSHC)申込み
<高3の1~2月ごろ>
- ・進学ルート決定、入学手続き
- ・滞在先の申込み(学生寮、ホームステイなど)
<高3の3月ごろ>
- ・高校の卒業証明書を提出
- ・学生ビザ申請(入学許可証が発行されたら)
<学校スタートの2~3か月前>
- ・航空券の手配
- ・海外旅行保険の申込み(必要な場合)
<渡航の1か月~2週間前>
- ・荷物の準備
- ・日本出発前の公的機関手続き(海外転出届け/住民税/国民健康保険/国民年金など)
≪進学ルートごとの渡航スケジュールの目安≫
●ファウンデーションコース⇒大学の例
<卒業後の7月>
・渡航⇒ファウンデーションコース(スタンダード:1年間)入学
<翌年7月>
・大学入学(1年次)
●語学学校の英語コース⇒ファウンデーションコース⇒大学の例
<卒業後の7月>
・渡航⇒語学学校入学
<12月>
・語学学校の英語コース終了、入学基準の英語力クリア
<翌年2月>
・ファウンデーションコース(スタンダード:1年間)入学
<翌々年の2月>
・大学入学(1年次)
●TAFE⇒大学編入の例
<卒業後の6月>
・渡航⇒TAFE入学
<翌年6月>
・TAFEのディプロマ取得(ディプロマコース修了)
<翌年7月>
・大学2年次に編入
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次回は、オーストラリアへ渡航する場合にマストとなる手続きについて取り上げます。お楽しみに!
※この記事でご紹介している内容は2021年3月26日現在の情報に基づいています。