海外大研究シリーズ【アメリカ編③】世界中の学生から大人気!「カリフォルニア大学ロサンゼルス校」
全世界を覆うコロナ禍がなかなか収束の兆しを見せず、海外の大学を直接見学に行くことが難しい状況が続く昨今。この海外大学研究シリーズでは、世界の人気大学を中心に、海外大進学に興味がある方が「そこが知りたい!」と思うポイントをまとめてお届けしています。今回はアメリカ編の3回目、UCLAの略称でもよく知られる「カリフォルニア大学ロサンゼルス校」を取り上げます。カリフォルニア大学群の1つであり、大規模な州立大学の中でもひときわ人気の高いUCLAの魅力をご紹介します。
カリフォルニア大学ロサンゼルス校(United States University of California, Los Angeles)の基本データ
設立年 | 1919年 |
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所在地 | カリフォルニア州ロサンゼルス |
学部数 | 学部課程には5つの学部 (School) 研究課程に7つの専門大学院 |
学生数 | 学部生:約31,500人 大学院生:約14,000人 |
大学ランキング(*1) | THE:15位 QS:36位 |
主な分野別ランキング(*2) | education:8位 engineering:11位 psychology:10位 arts and humanities:12位 social sciences:12位 |
授業料(*3)と財政援助 | ●授業料:州内学生13,226ドル/州外学生42,980ドル ●ニーズベースの奨学金または助成金:平均21,621ドル(約47%が援助を受けている) ※ただし、UCLAではアメリカ市民または永住者ではない学部生に、奨学金や学資援助を授与していない |
合格率 | 12% |
留学生率 | 17% |
合格基準の目安 | ●UCLAに入学した志願者の半数は、SAT®スコアが1280-1530、またはACTスコアが27-34 ※コロナ禍の影響で、2024年秋まで入学または奨学金の選考ではSAT®/ACTのスコアを考慮しないことが発表されている ●英語を母語としない国からの留学生の場合、高校までに英語での指導が3年未満であれば英語力を証明するテストスコアの提出が必要 ・TOEFL iBT®テストでは100以上(サブスコアは22以上) ・IELTSでは7以上 |
立地環境 | キャンパスはロサンゼルス中心部から少し離れたウェストウッド商業地区にあり、ビバリーヒルズ等の高級住宅街に隣接する都会的な環境。周囲にはディズニーランド、ユニバーサールスタジオ、ハリウッド、サンタモニカビーチなど有名観光地が多数ある |
著名な卒業生 | フランシス・フォード・コッポラ氏、ジェームズ・ディーン氏、湯浅卓氏、佐治信忠氏 ※15人のノーベル賞受賞者、261のオリンピックメダルを獲得 |
公式URL | https://www.ucla.edu/ |
*1 THE:Times Higher Educationが発表している「World University Rankings 2021」
QS:Quacquarelli Symonds発表している「QS World University Rankings® 2021」
*2 Times Higher Education「World University Rankings 2021 by subject」より
*3 Tuition and Fees(授業料とその他諸費用)の2020-2021
カリフォルニア大学ロサンゼルス校の特徴
校風
モットーは「Fiat lux」(ラテン語で「そこに光あれ」/Let There Be Light〔英語〕)。州立大学のため学生はカリフォルニア州民が多いですが、世界各国からの留学生も積極的に受け入れており、キャンパスコミュニティは多様性に富んでいます。授業以外で自分の興味・関心を深める機会を自発的に作ったり、他者と積極的に交流しようとする学生が多い傾向があるといわれています。スポーツ分野での活躍も目覚ましく、政財界、学者、文化人だけでなく、多くのメダリストやアスリートも輩出しています。
どのような学生が求められているか
UCLAでは、学業成績と個人的な経験の両方を考慮した入学者選考が行われます。提出された書類から、独自の14の基準により教室内外の各要素をバランスよく判断。学業に優れ、人生を形作るのに役立った個人的な経験から貴重な視点を得た学生が評価されます。入学後は学業を通じて成長し、UCLAコミュニティに貢献できる知的好奇心の強い学生が求められています。
人気のある専攻
UCLAの公式サイトによると、学部課程で最も人気のある専攻TOP6は以下の通りです。
●生物学
●ビジネス経済学
●政治学
●心理学
●心理生物学
●経済学
授業の特徴
UCLAの学部課程は、109の学科(academic department)に、3900以上のコースがあります。提供されている主専攻(Major)は125以上、副専攻(Minor)は90以上です。Lower divisionと呼ばれる教養の授業には数百人規模のクラスもありますが、Upper divisionと呼ばれる学部・専攻の授業の70%以上は30人未満のクラスであるため、ノーベル賞受賞者や世界的に有名な研究者が揃う教授陣と密にコミュニケーションができる学習環境となっています。
施設・設備の特徴
400エーカーを超えるキャンパスは北部と南部に分かれ、庭園や噴水、博物館など160以上の建物が点在しています。図書館は基本的に24時間空いており、またスポーツジムも学生であれば無料で利用することができます。アメリカの大学食堂ランキング1位を獲得したこともある学食は世界各国の料理が楽しめるなどメニューが豊富で、学生からも高い評価を得ています。美しい景観から観光名所として世界各国からの訪問も多く、学生による観光客向けのキャンパス・ツアーも実施されています。
学生生活の特徴
学生の48%がキャンパス内の寮やアパートに居住し、残り52%は学外に住んでいます。1年目の学生の大半は、6つある学生寮に入寮します。授業以外の活動も活発で、キャンパスには1,000以上の学生組織があり、学校主催の交流イベントも頻繁に開催されるため、自分の興味を探求したり、仲間を見つけてプロジェクトを追求したりする機会が豊富に提供されています。74%の学生がなんらかのクラブや組織に参加していると言われています。
コロナ禍での授業
2021年春学期は、冬学期の状況を継続し、学生の訓練が必要不可欠となる限られた数の対面またはハイブリッドコースを除いて、リモートのみの指導が提供される予定です。夏のセッションの授業がリモートか対面かについては、現時点では未定となっています。
日本でも知名度が高いUCLAは、カリフォルニア大学システム(UCシステム)の中の1校で、学生総数が45,000人を超える最大規模のマンモス校。2020年秋には10万人以上の新入生出願があるなどApplicationの応募総数がアメリカで一番多く、全米人気ナンバー1の大学であり、アメリカの国公立大学の中では最も合格率が低い難関大学でもあります。ただ、州立大学のため、カリフォルニア州内のコミュニティ・カレッジからの編入は優遇されており、直接大学以外にもUCLAへの道は開かれています。編入合格を果たすためには、コミュニティ・カレッジでの高い学業成績が必要になりますが、進学ルートの1つとして十分、検討に値すると言えるでしょう。
※この記事でご紹介している内容は2021年1月29日現在の情報に基づいています。