海外大学進学情報

海外大入試にも「面接」がある!〜どう行われる?何が聞かれる?〜

海外大の入試について、一斉ペーパーテストがなく、基本的に書類選考のみで合否判定が行われる、というのは何度もご紹介していますが、実は面接(Interview)が実施される大学もけっこうあります。「書類選考」+「面接」という入試形式は、日本の大学の総合型選抜のようなイメージになりますが、海外大の面接は、日本の大学入試で行われるものとは少し趣きが違うことが多いと言われています。
今回は海外大の入学者選考で行われる面接について取り上げます。面接が行われるかどうかは大学によりますが、志望大学で面接がオプションとされていた場合は、書類では伝えきれない部分をアピールする機会にもなりますので、なるべく受けてみることをおすすめします。

海外大入試にも「面接」がある!

どんな大学で面接が実施される?

海外大の入試で面接が行われるかどうかは、いずれの国でも、大学や専攻・コース等によってあらかじめ決まっています。自分が志望する大学・学部で面接が行われるかどうか、出願前に個別にチェックする必要があります。

アメリカの大学の場合、面接を必須としているのはアイビーリーグなど一部のTOP大学が多くなっており、私立大学や名門大学ほど面接を重視する傾向があると言われています。他の大学では、面接を「推奨する」として必須ではないか、まったくの任意とされていることがほとんどです。出願者が非常に多くなる大規模な公立大学などでは、面接が行われていないこともあります。

※国内学生の出願者のみ面接必須で、留学生の場合はオプションとされているケースもあります。

海外大の面接はどんな意図で行われる?

海外大が入試で面接を行う主な理由は、「出願者のことをよく知る」及び「大学のことを出願者によく知ってもらう」という2つになります。
出願者を知る観点としては「どのようなことを勉強してきたのか」「何に興味を持っており、なぜその大学で学びたいのか」「その大学にどのように貢献できるのか」など。面接官は、面接を通じて出願書類からだけではわからない出願者の人柄や個性、受け答えの際の表情やしぐさを含むコミュニケーションのとりかた、熱意などを見るとともに、出願者がこれまでの知識や経験を大学生活にどのように適用できるかを見極めていきます。つまり、その学生が大学に入学した後に伸びていける「人間性」の部分を、面接によって把握しようとしているのです。

また、面接官が大学のカリキュラムや設備の特徴など、大学の良さを語ってくることも多々あります。大学の授業内容や、学生生活についてなど、聞きたいことがあれば真摯に答えてくれることがほとんどです。

出願者にとって面接は、自分を大学側に印象づけ、熱意をアピールするチャンスであると同時に、自分にとってその大学が本当に合っているかを判断する絶好の機会でもあると捉えると良いでしょう。

海外大の面接はどんな形式で行われる?

大学への出願の前、主に夏から秋にかけて面接が行われるパターンと、各大学の出願期間の後にインタビュー期間が設定されているパターンがあります(アメリカの秋入学に向けた選考では、通常出願が締め切られた1~2月がインタビューシーズンと言われています)。面接が義務付けられている場合は、出願後に設定されるのが一般的です。面接が任意の場合、面接枠には上限が設定されていることもありますが、仮に面接を受けなくても合否判定に悪影響はないとされています。

面接は、基本的に出願者が大学のキャンパスに赴いて行われますが、大学の担当者や卒業生が出願者の居住地に来てくれるケースもあります。また、留学生を含め遠方の出願者に対しては、電話やオンラインによる面接が行われることもあります(コロナ禍の影響で面接がすべてリモートになっている大学もあります)。
面接官は、大学のアドミッションズ・オフィス(入学審査を専門に行う部署)のスタッフやその大学の卒業生であることが多いです。留学生の場合は、留学生の出願を専門に扱うスタッフが担当することもあるようです。大学によっては、その大学を卒業して日本に住んでいる・働いている人が、面接官として日本で会ってくれる場合もあります。

日本では面接というと堅苦しいものを想像しがちですが、海外大の面接はほとんどの場合、リラックスした雰囲気の中で行われ、圧迫面接などはほとんどないと考えて大丈夫です。面接官が一方的に質問をして出願者がそれに答える、というような形ではなく、30分~1時間くらいかけて気軽におしゃべりするようなフリートークに近いものが多いと言われています。大学によっては、カフェやホテルのロビーでコーヒーを飲みながら、世間話のようなくだけた話になるパターンもあります。

面接ではどんな質問をされる?

面接官との一問一答のような形式ではないため、話の流れによって話題も変わることが多くいですし、大学・学部によっても異なりますが、一般的には以下のようなことが聞かれることが多いとされています。

海外大の面接でよくある質問

  • ●なぜこの大学で勉強したいのか?
  • ●なぜこのコース・専攻を選んだのか?
  • ●将来・キャリアについて
  • ●あなたは大学に何をもたらす/貢献することができるか?
  • ●あなたはどんな人か?(自己紹介)
  • ●あなたの長所/短所は?
  • ●家族や住まいについて
  • ●あなたの好きな本/好きな作家は?
  • ●尊敬する人は誰か?
  • ●高校で好きな科目/嫌いな科目は?
  • ●クラス以外の自由な時間は何をしているか?(課外活動や趣味について)
  • ●高校生活で最も重大な出来事は?/一番の失敗は?
  • ●何か質問はあるか?

どの質問にも、なるべく具体的な例やエピソードを挙げて自分の言葉で答えることが重要です。ただし、あらかじめ用意して丸暗記していた回答を読み上げるような感じになるのは良い印象を与えないので注意しましょう。面接官は、質問になんと答えるかという内容よりも、質問に対する学生の反応を見ていることが多く、きちんと会話のキャッチボールができることがなによりも大切になってきます。

また、面接の途中や最後に、面接官に対して質問する機会を与えられる可能性が非常に高いので、必ずいくつか質問を準備していきましょう。学生生活や授業の様子など、なかなか知ることのできない貴重な情報を得るチャンスであると同時に、自分がその大学にどれだけ興味があり、どれだけ真剣に調べているかをアピールできるチャンスでもあるので、しっかり考える必要があります。大学のWEBサイトやパンフレットなどで簡単に調べられるようなことは質問しないように注意してください。

【海外大の面接】 先輩体験談

自分のことを伝えつつ、大学のことをより深く知るチャンス

Lunasa S. 先輩
Harvard University

ハーバード大学の場合、出願した後すぐに日本にあるハーバードの卒業生の団体からメールで連絡が来て、面接のアレンジをしてくれました。面接は、日本にいるハーバード大を卒業された先輩と、カフェみたいなところでお話をする形。かたい面接というよりは、いろんな話ができるやわらかい感じで、それほど緊張もしませんでした。

私の場合面接官の方は日本人で、面接は英語でした(ただし、日本で行う面接がすべて日本人とは限りません)。待ち合わせの時は日本語だったので、このまま日本語だとラッキーだなと思いましたが、カフェに入って話し始めるところからは英語でした(笑)。でもハーバードの雰囲気を感じるという意味では、英語でよかったと思います。緊張してうまく話せなかった部分もあったかもしれないんですが、面接官の方が優しくうなずきながら笑顔で話を聞いてくださったので、自分の英語の出来不出来をあまり気にせずに最後まで話すことができました。

面接では、自分の高校時代の活動について、エッセイとか受賞歴など、出願書類には書かなかったことを話した記憶があります。私の課外活動はスポーツがものすごく大きいものだったのですが、それ以外の委員会活動であるとか、普段の学校での活動について話しました。逆に面接官の方には、ハーバードにいらっしゃったときにどういう雰囲気だったのか、どういう活動をしていたのかお聞きしました。自分のことを伝えられるいい機会になりましたし、ハーバードのことをより深く知ることもできました。

先輩による面接が選考の最終判断になるわけではなく、面接で先輩が感じたことが選考の要素の中の1つに入るだけなので、お互い過度なプレッシャーを感じない中で、こちらの人間性などいろいろな面を見せられる、プラスでポジティブな要素だなと面接を受けながら感じました。面接は、先輩を通じて大学に自分をアピールできるいいチャンスだと思います!

カレッジフェアでも大学の担当者と密接な繋がりができる!

Y.S. 先輩
Tokyo University(海外大に多数合格)

私が海外大に出願する際に、大学の担当者の方とコミュニケーションをとったケースには、2パターンありました。

1つは大学の方がこちらに来てくれたパターン。例えばブリティッシュコロンビア大学の場合は、私が在学していた学校で先方の担当者に1時間ぐらいお話をうかがい、私が気になる点を質問するという形でコミュニケーションをとりました。

2つ目がカレッジフェア。何十校もの大学のアドミッションオフィサーが集まり、それぞれの大学のお話を聞けるイベントでした。大学の方と話すのはすごく緊張して、順番を待っている間に質問する内容をメモにしてから話しかけた記憶がありますが、こちらからぶっちゃけて聞きたい情報を質問できるいいチャンスでした。そこでいただいたパンフレットや名刺にアドミッションオフィサーの方のメールアドレスなどの連絡先が載っていたので、後日気になったことを直接連絡して聞くこともできました。 実は大学に合格した後、カレッジフェアで会って質問した方から祝福のメールをわざわざいただいたことがあるほどで、それぐらい密接な繋がりを持てるいい機会だったと思います。


 

 

海外大入試において、面接が合否に与える影響の度合いはどの大学でも公表されていませんが、面接によって大学側に自分のことを印象付けられるというメリットのほうが大きく、デメリットになることはほとんどないと言われています。とくに、ぜひ知っておいていただきたいのは、面接は英語のテストではない、ということ。英語に少々苦手意識があっても、面接官に対し自分自身の魅力や熱意を精一杯アピールするという努力が伝わればよいので、怖がることはありません。
そもそも面接にはある程度必要なスキルがはっきりしており、事前に練習をしておくことができます。あらかじめ自己分析をしっかりしつつ、その大学についてのリサーチも万全にしたうえで、学校の英語の先生や、英語が得意な友人などに疑似面接をしてもらって、面接に慣れておくと安心です。

面接がオプションの場合、受けなくても選考で不利になることはありませんが、大学側の担当者と直接コンタクトをとれる貴重な機会でもあります。面接できるチャンスがあったらラッキー!ぐらいの気持ちで、ぜひ積極的に臨んでみましょう。

※この記事でご紹介している内容は2021年1月8日現在の情報に基づいています。

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