海外大受験時のアプリケーションに必要!な「課外活動」とはどんなもの?
海外大学に出願するための書類には、アメリカの「コモンアプリケーション(共通願書)」をはじめとして、必ずといっていいほど「課外活動」を記入する欄があります。課外活動が評価される割合は大学によって異なりますが、とくにアメリカのトップレベルの大学や名門大学では、課外活動や受賞歴、エッセイなどの要素が合否判定において重要な役割を占める傾向があると言われています。つまり、「課外活動」は海外大合格に向けてカギとなる要素の1つであると言えるでしょう。
コロナ禍では活動内容が制限される「課外活動」も多くありましたが、現在はほぼコロナ前の状況に戻りつつあります。そこで今回は、海外大学の入試で「課外活動」が重視される理由や、評価の観点、取り組む際に抑えておきたいポイントなどをご紹介します。
海外大入試での「課外活動」の重要性・メリット
海外大学への出願書類にはほぼ必ず、中学3年生から高校3年生の出願時点までの課外活動について記載する欄があります。たとえばアメリカの場合、多くの大学で使われているコモンアプリケーション(Common Application)には「Activity(活動)」という欄があり、活動の種類・タイプごとに最大10個の活動について申告することができます。活動の内容や活動時期・期間、自分が果たした役割、成果などを詳細に記入していきます。 アカデミックな大会などに出場して入賞した場合は、「Honors(受賞)」欄にも記載することが可能です。また、課外活動を通して得た経験や培った人間性などについては、エッセイを書く際のネタとして活用することも考えられます。
「課外活動」とは、授業以外でやってきた活動ほぼすべてのことを指します。部活・クラブ活動や、委員会、ボランティア活動、さらには小さい頃から続けている趣味や習い事なども含まれます。また、学術、文化、スポーツなどのコンテストや大会に出場した結果も書くことができます。自分が情熱を持って取り組んできた活動であれば、何でも当てはまると考えて良いでしょう。
海外の大学では、合否を決定する際に高校での成績やテストのスコアだけを評価するわけではありません。勉強以外の活動で何をして、何を得て、どんな興味・関心・意欲を持っているのか、その出願者の人間性の全体を包括的に把握して判断しようとします。大学側にそうした自分の情報を知ってもらい、他の出願者とは違う自分の魅力を明確にアピールするための重要な要素が、「課外活動」ということになります。
大学側は「課外活動」をどのような観点で評価するのか?
まず大前提として挙げられるのは、それぞれの大学が、ただ「学力的に優秀」な人材を求めているわけではないということです。一流大学になるほど、熱意と探求心にあふれ、将来リーダーとなって社会に影響を与えられるような人材が好まれる傾向があります。また、海外の大学はそれぞれに独自の校風や特色を大事にしているため、自らの大学に合致した人材であるか、という点も大きなポイントになります。
もちろん、大学の授業や研究についていけるだけの学力は必須になるので、一定以上の成績やテストの点数をクリアする必要はありますが、同じような学力を持つ出願者はたくさんいます。そこで、出願者個人の個性やスキルを判断する材料の1つとして使われるのは「課外活動」の記録です。入学審査官は、願書の「課外活動」欄から出願者の資質やストーリーを読み取り、その人物がキャンパスにどのように溶け込み、どのような活動に参加し、どのような能力を発揮できそうか、といった可能性を判断するのです。
大学によって最も重視する観点は異なりますが、一般的な観点として挙げられるのは下記のポイントと考えられています。
◆意欲・情熱
どんなことでも、物事に取り組む意欲や自発性が評価されます。既存の活動に参加するだけでも立派な課外活動となりますが、独自のプロジェクトや組織を立ち上げるなどオリジナリティは高く評価されると言われています。
◆リーダーシップ
リーダーシップには様々な形があるため、生徒会長やチームのキャプテンなどといったわかりやすいリーダーの肩書がなくても大丈夫。自らのポジションで、どんな責任を負い、組織をどう成長させたかなど、具体的な活動の中でどのようにリーダーシップを発揮したかが評価されます。
海外大入試における「課外活動」の種類
授業以外でやってきた活動ほぼすべてが「課外活動」と認められますが、実際の課外活動の種類としては下記のようなものが挙げられます。
■学術活動
教室の枠組みを超えた、さらなる学びへの取り組みとしてのアカデミックな分野での活動、コンテスト・アワードなどでの実績が含まれます。例としては、数学や化学など各種の学術オリンピック、ディベート大会、模擬国連、模擬裁判、大学入学前プログラム、留学プログラムなどになります。
■コミュニティ活動
地域の組織への参加や、ボランティア活動が含まれます。
■その他の個人的な活動
学校やクラブでの活動や、長く続けている習い事などが含まれます。スポーツや、芸術・音楽などが考えられます。
「課外活動」に取り組む際に大切なこと
願書でアピールする「課外活動」は、数が多ければ良いというものでもありません。いろいろなことを少しずつかじるよりも、いくつかに絞ってそれを長く続けるほうが高く評価される傾向があります。責任感や根気といったものが活動からうかがえるからです。本当に自分の好きなこと、得意なことに、情熱を傾けて取り組むと良いでしょう。
また、「課外活動」で評価されるのは、成果よりも過程であることを心にとめておきましょう。もちろん大会やコンテストで派手な結果・成績があるに越したことはありませんが、それがなくてもとくに問題はありません。成果の大きさよりも、そこに到達した(もしくは到達できなかった)過程で何をしたのかが重要です。本気で打ち込んだからこそ学べた・身につけられたことが、大学に評価されるポイントとなるのです。
さらに、複数の活動を願書に記入する場合は、自分という一人の人間がなぜそれらの活動を行ってきたのかという説明ができるよう、「活動の一貫性」や「性格・人間性とのフィット感」にも気を配りましょう。日本ならでは、もしくは自分が住んでいる地域ならではの活動など、オリジナリティが出せるとなおよいですが、無理に結びつける必要はありません。なによりも、「自分らしさ」が最も大切です。
※次回は、具体的な課外活動の内容をご紹介します。お楽しみに!
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※この記事でご紹介している内容は2023年11月6日現在の情報に基づいています。