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THE世界大学ランキング 2020年版発表!

イギリスの高等教育専門誌「Times Higher Education(THE:タイムズ・ハイヤー・エデュケーション)」は、去る9月12日に2020年の「THE世界大学ランキング」を発表しました。今回で16回目となるこのランキングは、“世界で最も権威ある大学ランキング”の1つとして知られ、毎年、発表のたびに全世界で注目を集めています。今回は、2020年の最新ランキングと上位校の変動についてなど、今年のトピックスをお伝えします。「世界レベル」の視点で、世界の大学の傾向を知り、どの国・どの大学で学ぶかの選択に生かしていきましょう。

THE世界大学ランキング2020年版発表

THE世界大学ランキング2020の全体TOP25

「THE世界大学ランキング2020(THE World University Rankings 2019-2020)」は、2019年9月12日に公開されました。ここでは25位までのランキング結果を一覧表でご紹介します。

■「THE世界大学ランキング2020」 1位~25位

順位 2019年の
順位
順位の変動 大学名 国名
オックスフォード大学(University of Oxford) イギリス
カリフォルニア工科大学(California Institute of Technology) アメリカ
ケンブリッジ大学(University of Cambridge) イギリス
スタンフォード大学(Stanford University) アメリカ
マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology) アメリカ
プリンストン大学(Princeton University) アメリカ
ハーバード大学(Harvard University) アメリカ
イェール大学(Yale University) アメリカ
10 シカゴ大学(University of Chicago) アメリカ
10 インペリアル・カレッジ・ロンドン(Imperial College London) イギリス
11 =12 ペンシルバニア大学(University of Pennsylvania) アメリカ
12 =12 ジョンズ・ホプキンス大学(Johns Hopkins University) アメリカ
=13 15 カリフォルニア大学バークレー校(University of California, Berkeley) アメリカ
=13 11 チューリッヒ工科大学(ETH Zurich) スイス
15 14 ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL) イギリス
16 16 コロンビア大学(Columbia University) アメリカ
17 17 カリフォルニア大学ロサンゼルス校(University of California, Los Angeles) アメリカ
18 21 トロント大学(University of Toronto) カナダ
19 19 コーネル大学(Cornell University) アメリカ
20 18 デューク大学(Duke University) アメリカ
21 20 ミシガン大学アーバー校(University of Michigan-Ann Arbor) アメリカ
22 25 ノースウェスタン大学(Northwestern University) アメリカ
23 22 清華大学(Tsinghua University) 中国
24 31 北京大学(Peking University) 中国
25 23 シンガポール国立大学(National University of Singapore) シンガポール

*THE World University Rankings 2019-2020より

トップ10入りした大学は前回と変わらず。2位にカリフォルニア工科大学が躍進~2020年版ランキングの動向~

今回発表された2020年のTHE世界大学ランキングには、前回をさらに上回る92カ国1300校以上(前回は1250校以上)の大学がランクインしました。トップ10にランクされた大学は、順位の変動はあるものの前年と変わらない顔ぶれとなっており、アメリカ7校、イギリスが3校でした。1位は、こちらも前回と同じくオックスフォード大学で、4年連続の栄冠。2位は前年の5位から躍進したカリフォルニア工科大学でした。ケンブリッジ大学(3位)、スタンフォード大学(4位)、マサチューセッツ工科大学(5位)はそれぞれ前年から1つずつ順位を下げています。

ランキング全体の大きな傾向に変化は見られませんが、今回の注目は並み居る世界の名門大学をおさえて2位に輝いたカリフォルニア工科大学でしょう。Caltech(カルテック)の略称でも親しまれているカリフォルニア工科大学は、実はもともと2012年から2016年まで5年連続1位を獲得していた非常に実力のある大学。常に最先端の研究成果を挙げていることでも名高い全米屈指のエリート大学なのですが、今回のランキングではとくに「Internatinal outlook(国際性)」の分野のスコアが20ポイント以上も劇的にアップしたことが、全体の順位の押し上げにつながったとみられます。「Teaching(教育)」では2位、「Reserch(研究)」でも4位と高い順位にランクされています。さらに特筆すべき点としては、5分野すべてで80以上のスコアを獲得していること。これを達成しているのは、同ランキング内でもマサチューセッツ工科大学と同校のたった2校のみです。逆に言えば、アメリカの「テクノロジー系(工科系)大学」の総合力の高さが如実に表れているといえるでしょう。

上位200位までのランクイン校を国別で見てみると、ドイツが前年の3校から23校に、オーストラリアが3校から11校に大きく増加しているのが目につきます。また、アジア圏の躍進傾向は続いており、とくに中国はランクイン数が72校から81校に増加、その数はアメリカ、日本、イギリスに次いで世界第4位となっています。アジアトップの清華大学とアジア2位の北京大学は、それぞれ総合23位と24位にランクされています。
アジア第3位となるシンガポール国立大学は、前年から2ランクダウンしたものの総合25位にランクイン。南洋理工大学が同率48位に入ったため、シンガポールから初めて2校がトップ50入りを果たしました。
また、台湾はランクイン数が32校から36校に増加。地域内トップの国立台湾大学は上位200位に入る大学としては異例の50ランクアップで同率120位となっています。韓国は31校がランクインし、トップ200以内は1校増えて6校になりました。香港は4年連続で5校がトップ200入りし、地域内トップの香港大学は35位にランクされています。

日本からは、前回に引き続き東京大学と京都大学が引き続きトップ100入りを果たしました。東京大学は順位を6つ上げて同率36位、京都大学は前年と同じ65位でした。日本のランクイン数は世界に2番目に多い110校で、前年から7校増加しています。

THE世界大学ランキングとは

「THE世界大学ランキング」とは、イギリスの教育専門誌「Times Higher Education(THE)」によって、2004年から発表されている世界的な大学のランキングです。 「THE世界大学ランキング2020」では基本的に前回と同じ指標を用い、「教育力」「研究力」「論文の引用数(研究の影響力)」「国際性」「産業界からの収入」という5つの分野について、13の指標で各大学のデータを収集、評価、分析したうえでそれぞれのスコアを算出し、世界の大学を順位付けしています。

各分野・指標の比重は以下の通りです。

THE世界大学ランキングにおける分野・指標の比重

◇教育(教育環境)【Teaching (the learning environment)】: 30%

  • ・評判調査<教育> 15%
  • ・学生に対する教員比率 4.5%
  • ・学士課程学生に対する博士課程学生比率 2.25%
  • ・教員に対する博士号取得者比率 6%
  • ・大学の総収入 2.25%

◇研究(量、収入、評判)【Research (volume, income and reputation)】: 30%

  • ・評判調査<研究> 18%
  • ・研究関連収入 6%
  • ・学術生産性 6%

◇被引用論文(研究影響力)【Citations (research influence)】: 30%

◇国際性(教員、学生、研究)【International outlook (staff, students, research)】: 7.5%

  • ・外国籍留学生の割合 2.5%
  • ・外国籍教員の割合 2.5%
  • ・国際共同研究 2.5%

◇産業界からの収入(知の移転)【Industry income (knowledge transfer)】: 2.5%

※この記事でご紹介している内容は2019年10月25日現在の情報に基づいています。

※この記事は、旧GLCウェブサイトの「グローバル海外進学コラム」2019年10月25日に掲載されたものです。

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