海外大学進学情報

授業が英語で行われる大学ってどこ?(後編)


前編に続き今回の後編では、授業を英語で行うなど、日本国内の英語に力を入れている大学や学部を取り上げます。今や日本にいながらにして、国際的な環境で英語を勉強することが可能になりつつあります。高校卒業後すぐに海外留学するというところまではまだ考えられないけれど、大学では英語の勉強に力を入れたいという人は必見です!

授業が英語で行われる大学ってどこ?(後編)

英語で授業が行われる大学ってどこ?

英語による授業を開講している日本の大学・学部を、後編では3校ピックアップしてご紹介します。前編と合わせて7校それぞれに、特長や魅力のある英語環境が整っています。

【前編はこちらから】
授業が英語で行われる大学ってどこ?(前編)

5.慶應義塾大学環境情報学部GIGAプログラム

慶應義塾大学環境情報学部で実施されているGIGAプログラムは、「Global Information and Governance Academic Program」を略したもの。慶應義塾大学の学部では初めての英語プログラムとして2011年9月にスタートしました。また、このプログラムは2015年9月からは環境情報学部とカリキュラムがほとんど同じで、授業や研究会をお互い自由に行き来して学ぶことができる総合政策学部でも提供されています。
GIGAプログラムは、コアとなるすべての授業が英語で行われる学部課程プログラムで、学部卒業に必要な124単位をすべて英語のみで取得することが可能となっています。カリキュラムは、講義形式の授業に加え、学生が能動的に参加するICT関連プロジェクトやガバナンスプロジェクト、海外フィールドワークやインターンシップなどを中心に構成されています。
GIGAプログラムが目指すのは、現代の社会や世界が直面している複雑な諸問題を発見し、様々な専門分野にまたがる知識を統合した解決策を見出す実践的な能力を身に着けた、グローバルに活躍できる人材の育成。科学技術、デザイン、政策、国際戦略、社会イノベーションを統合した学びを提供しており、 特にICT(Information and Communication Technology、情報通信技術)分野の創造的能力とガバナンス能力の修得を目指しています。環境情報学部、総合政策学部の学生は、学部や学年、入試形態にかかわらずGIGAプログラムの科目を履修することができるようになっています。取得した単位は進級・卒業に必要な単位に含まれ、所定の科目を修得した学生には、プログラムを終了したことを証明する「サティフィケート」が授与されます。

【参考ページ】:慶應義塾大学 SFCとは?

6.法政大学グローバル教養学部 GIS

法政大学グローバル教養学部(GIS)が採用している「英語イマージョン教育」という教育プログラムでは、原則として授業はすべて英語で行われています。歴史やITの授業も英語なのはもちろん、講義だけでなくディスカッションやプレゼンテーション、試験やレポート、論文の執筆まですべて英語。授業でどっぷりと英語環境に浸ることで英語の4つの基本的なコミュニケーションの力をバランスよく育みつつ、多様な知識を吸収し、さらに英語そのものに内在する発想や論理的・批判的な思考方法を身に着けるというのが英語イマージョン教育の特徴です。
1学年100名の学生に対し、14名の専任教員と30名以上の兼担・兼任教員がいるため、演習(ゼミ)をはじめとしたほとんどの授業は20名程度の少人数。多様な出身地・海外経験を持つ教員が、アットホームな雰囲気の中で学生一人ひとりの興味と先行知識に合わせたきめ細やかな指導を行っています。
また、大学や学部による留学制度も用意されています。法政大学全体では3年次または4年次に海外協定大学へ1年間留学できる派遣留学制度があります。また、GIS独自の留学制度としては2年次後期もしくは3年次前期にアメリカ、イギリス、カナダ、ニュージーランドの各協定大学で4~10ヶ月、正規の学部授業を学ぶOverseas Academic Study Program(OAS)というプログラムがあります。どちらも留学先で習得した単位は既定により卒業所要単位として認定されます。

7.立教大学Global Liberal Arts Program(GLAP)

立教大学で2017年度より新設された「Global Liberal Arts Program(GLAP)」は、自ら考え、行動し、世界と共に生きるグローバルリーダーの育成を目的とした英語学位プログラムです。GLAPはすべての授業科目を英語で学び、原則英語で授業が行われる科目の履修だけで学位の取得が可能です。GLAPに入学した学生は、4年間GLAPというコースに所属してリベラルアーツを英語で学び、英語によるコミュニケーション力、思考力、表現力など、実践的な英語力や卒業後に広く世界で活躍できる力を身に付けることを目指します。1学年の定員が20名と少ないため、教員との距離が非常に近く、学生一人ひとりがきめ細かな指導を受けることができる教育環境です。1年次のTutorialでは、最大5名という超少人数で論理的思考の基盤となる力を身に付ける導入教育が行われるのも特筆すべきポイントでしょう。
GLAPの大きな特徴としては、全寮制であること。入学から1年半(2年次春学期まで)はGLAP生全員が外国人留学生も混住する寮で生活し、国籍・文化・価値観の異なる多様なバックボーンを持つ人々と力を合わせて様々なことに取り組むという貴重な経験をすることができます。寮での共同生活を経て、2年次の秋学期から3年次の春学期までの1年間、全員がリベラルアーツ教育に定評のある海外の協定校に留学するのも特徴の1つ。協定校はいずれも厳選された名門大学で、海外でリベラルアーツの神髄を学びつつ、英語によるコミュニケーション能力を向上させ、国境を越えた幅広い人的なネットワークを形成することができます。留学にあたってはアカデミック・アドバイザーと連携し、履修状況なども考慮して、留学先や履修科目を検討します。

英語に力を入れている大学・学部は、入試でも英語重視!

英語に力を入れている大学・学部では、当然ながら入試の際も英語が重視されている傾向があります。詳細な部分はそれぞれの大学独自の規定によりますが、大きく分けて、英語の能力テストで「定められた基準以上のスコアを提出しないと出願ができない」パターン、「一定の基準以上のスコアを提出できれば『外国語』に加点される」パターン、「一定の基準以上のスコアを提出できれば優遇される」パターンがあります。

●英語の能力テストで定められた基準以上のスコアを提出しないと出願できない入試制度を持つ大学・学部(抜粋)

1)立命館大学国際関係学部グローバル・スタディーズ専攻(AO入試)

【出願条件】
下記のいずれかの証明書の提出が必須
・ 実用英語技能検定 :準1級以上
・ TOEFL iBT®テスト :71点以上
・ TOEFL PBT®テスト :530点以上
・ TOEIC® L&R TEST :730点以上
・ IELTS(Academic Module) :Overall Band Score 5.5以上
・ GTEC-CBT :1150点以上

2)立教大学Global Liberal Arts Program(国際コース選抜入試〈GLAP〉)

【出願条件】
下記のいずれかに該当する者
・ Cambridge English(ケンブリッジ英検)First(FCE)グレードC合格以上
・ 実用英語技能検定(英検) 準1級以上
・ GTEC CBT 1,250点以上
・ IELTS 5.5以上
・ TEAP(Reading / Listening+Writing+Speaking) 334点以上
・ TOEFL iBT®テスト 72点以上
・ TOEFL Junior® Comprehensive 341点以上
・ TOEIC® L&R TESTおよびTOEIC® S&W TESTのスコア合計 1095点以上

●一定の基準以上のスコア提出により「外国語」に加点される入試制度を持つ大学・学部(抜粋)

1)国際教養大学 国際教養学部(一般入試)

【内容】
特例措置として、下記のいずれかのスコア・等級を証明する資料の提出で大学入試センター試験の英語科目を満点と換算
・ TOEFL iBT®テスト 71点以上
・ TOEFL PBT®テスト 530点以上
・ TOEIC® L&R TEST 780点以上
・ IELTS バンド6.5以上
・ 英検(実用英語技能検定) 準1級以上

2)立命館アジア太平洋大学(一般入試/センター試験方式<7科目型・5教科型・3教科型・センター試験+面接による総合評価方式・後期型>)

【内容】
特例措置として、下記のいずれかの基準スコア・級位を満たす証明書の提出で大学入試センター試験における「外国語」の科目を満点として換算
・ TOEFL iBT®テスト 72点以上
・ TOEIC® L&R TEST 785点以上
・ IELTS(Academic Module) 5.5以上
・ 英検(実用英語技能検定) 準1級
・ TEAP(4技能) 334点以上
・ GTEC-CBT 1250点以上
・ ケンブリッジ英検 160点以上  ほか

●一定基準以上のスコア提出により試験科目等の優遇措置がある入試制度を持つ大学・学部(抜粋)

1)立命館アジア太平洋大学(AO入試/英語基準AO方式)

【内容】
英語能力に関して下記のいずれかに相当する場合は、書類選考と面接だけで合否が判定される
・ TOEFL iBT®テスト 61点相当以上のスコアを保持
(TOEIC® L&R TEST700点、IELTS(Academic Module)5.5、実用英語技能検定準1級、TEAP〈4技能〉297点、GTEC-CBT 1164点、TOEFL Junior® Comprehensive 334点、ケンブリッジ英検153点が相当)
・ International Baccalaureate(IB)のディプロマを英語で取得もしくは取得見込み
・ 日本の中学・高等学校課程に当たる教育の原則全科目を英語で受講するなど十分な英語力を有していると認められる

2)法政大学(一般入試/英語外部試験利用入試)

【内容】
指定された英語外部試験のいずれかで学部ごとに設定された基準を満たした場合、1科目の点数のみで合否が判定される(英語の受験は免除)
<グローバル教養学部(GIS)の場合の基準>
・ TOEFL iBT®テスト 76点以上
・ TOEFL PBT®テスト 540点以上
・ TOEIC® L&R TEST 820点以上
・ IELTS バンド6.0以上
・ 英検(実用英語技能検定) 準1級

いずれのパターンでも、英語の力を証明するために必要となるのは英語能力テストのスコア。受験してハイスコアを獲得しておけば、入試を有利に進めることができると言えるでしょう。大学ごとに指定されている英語能力テストならどれでもかまいませんが、もっとも一般的かつ日本以外でも多くの国で認められているのはTOEFL®テストです。英語に力を入れている大学・学部に合格したいなら、早めのTOEFL®テスト対策をおすすめします。

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※この記事でご紹介している内容は2017年2月3日現在の情報に基づいています。

※この記事は、旧GLCウェブサイトの「グローバル海外進学コラム」2017年2月3日に掲載されたものです。

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