TOEFL®テストの問題形式
現在、日本で個人向けに行われているTOEFL®テストは、インターネットを利用して行われるTOEFL iBT®テストです。測られる技能はリーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4つ。それぞれの問題形式をきちんと把握し、対策をしていくことがTOEFL®テストで高得点を獲得するために非常に重要です。ここでは、TOEFL iBT®テストの問題形式を見ていきましょう。
英語の4技能すべてで高い能力が求められるTOEFL®テスト
効率的なTOEFL®テスト対策は、各セクションの形式とポイントを知ることから
TOEFL iBT®テストはリーディング(Reading)、リスニング(Listening)、スピーキング(Speaking)、ライティング(Writing)の4つのセクションで構成されています。受験者は試験会場で各自で1台のコンピュータを使用し、画面上で問題に解答していきます(専用マイク付きヘッドフォンを使用)。試験時間は約4時間~4時間30分です。
テストはすべて英語で行われ、問題の総数はプレテスト*を含めると約80~130問。全セクションでメモをとること(Note-taking)が可能です。
各セクションが0~30点で採点され、全体は120点満点です。自分のスコアは受験日の約10日後に確認できます。(紙のスコアレポートは受験日の約13日後にETSから郵送)スコアの有効期限は受験日から2年間になります。
*「プレテスト」とは統計目的の採点対象外の問題(ダミー問題)のこと。リーディング・リスニングのセクションに含まれている可能性があります。ランダムに出題されるので、どの問題がプレテストかは受験者に分からないようになっています。
TOEFL iBT®テストのテストの流れ
セクション | 問題数 | 出題・設問数 | 制限時間 | スコア |
---|---|---|---|---|
Reading | 36~ 70問 | アカデミックな長文読解問題 (3~5パッセージ[1パッセージ約700語] 各パッセージに12~14問の設問) | 60~ 100分 | 30 |
Listening | 34~ 51問 | 講義形式問題 (4~6題の講義、各講義に6問の設問) 複数人数による会話問題 (2~3つの会話、各会話に5問の設問) | 60~ 90分 | 30 |
休憩 | 10分 | |||
Speaking | 6問 | Independent Task:2問 (身近なトピックに対して口答で解答) Integrated Task:4問 (読み聴いた内容に関する質問に口答で解答) ※Read+Listen→Speak 2問 Listen→Speak 2問 | 20分 | 30 |
Writing | 2問 | Independent Task:1問 (与えられた身近なトピックに関して作文) ※Read+Listen→Write(150語~225語程度) | 20分 | 30 |
Integrated Task:1問 (読み聴いた内容に関する問題に対し作文) ※300語程度 | 30分 |
Reading
問題数 | 36~70問 |
---|---|
出題・設問数 | アカデミックな長文読解問題(3~5パッセージ[1パッセージ約700語] 各パッセージに12~14問の設問) |
制限時間 | 60~100分 |
スコア | 30 |
Listening
問題数 | 34~51問 |
---|---|
出題・設問数 | 講義形式問題(4~6題の講義、各講義に6問の設問) 複数人数による会話問題(2~3つの会話、各会話に5問の設問) |
制限時間 | 60~90分 |
スコア | 30 |
休憩
制限時間 | 10分 |
---|
Speaking
問題数 | 6問 |
---|---|
出題・設問数 | Independent Task:2問(身近なトピックに対して口答で解答) Integrated Task:4問(読み聴いた内容に関する質問に口答で解答) ※Read+Listen→Speak 2問/Listen→Speak 2問 |
制限時間 | 20分 |
スコア | 30 |
Writing
問題数 | 2問 |
---|---|
出題・設問数 | Independent Task:1問(与えられた身近なトピックに関して作文)※Read+Listen→Write(150語~225語程度) Integrated Task:1問(読み聴いた内容に関する問題に対し作文)※300語程度 |
制限時間 | Independent Task:20分 Integrated Task:30分 |
スコア | 30 |
4つのセクション
リーディングセクション(Reading)
選択式で、選択肢や文中の語彙をマウスでクリックして解答する形式になります。60~80分の制限時間の中で、約700語の学術的な文章を3~4パッセージ*読んで設問に答えます。パッセージの内容は生物学・天文学・社会学・歴史などの、多くの専門単語を含むアカデミックな内容のみで、時事問題や物語文、対話文などは出題されません。
設問数は1パッセージにつき12~14問で、計36~56問を60~80分で解答します。それぞれのパッセージに解答するための時間が示されており、第1リーディングが20分で1パッセージ、第2リーディングが40分で2パッセージ、さらに第3リーディングが40分で2パッセージを解くことになります。
*通常は3パッセージ、プレテスト(ダミー問題)が含まれる場合は4パッセージ。
回答形式は以下の4つです。
-
1)4択形式
設問に対し、4つの選択肢の中から正しいものを1つ選んでクリックする形式です。リーディングセクションの中では、この形式の問題が最も多く出題されます。TOEFL iBT®テストのリーディングは、パッセージの中から設問に関する箇所を自動的にわかりやすく表示する機能が備わっているので、該当箇所をスクロールして探す必要はありません。
4択形式の問題では…- ●同義語選択するもの(パッセージ内の特定の熟語と同じ意味の用語を選択肢から選ぶ問題)
- ●文章挿入をするもの(与えられた文章をパッセージの適切な個所に挿入する問題
- ●パッセージ要約をするもの(パッセージ全体、または特定パラグラフの趣旨を把握し、正しい要約文を選ぶ問題)
…などの内容が扱われます。
-
2)複数選択形式
設問文に対して正しいと思われる選択肢を、指定された数だけ選択してクリックする形式です。選択肢の数や、選ぶべき選択肢の数は設問によって異なります。パッセージの内容を正確に把握していないと解答できない問題です。
-
3)文挿入形式
提示された英文を、パッセージ内の適切な位置に挿入する形式です。パッセージ中に4つの■が表示され、その中から英文を挿入して意味が通る場所を選択してクリックします。パッセージの構造、論の展開を理解できているかどうかが深く問われる問題です。
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4)ドラッグ&ドロップ形式
選択肢群の中から、選んだ選択肢をクリックして適切なカテゴリ欄や場所までドラッグ&ドロップし、移動させる形式です。パソコン上でテストを行うTOEFL iBT®テストならではの出題形式といえます。
この形式の問題では、まず選択肢をクリックし、マウスのボタンを押したまま移動させます(ドラッグ)。選択肢を選んだカテゴリ欄または場所まで移動させたら、マウスボタンから指を離します(ドロップ)。
選択肢群の中には、どの欄にも該当しない選択肢が含まれていることがあるので、注意が必要です。
リスニングセクション(Listening)
個別にヘッドセットで英文を聞きながら行います。解答は選択式で、選択した単語や文中の語彙をマウスでクリックして解答する形式になります。60~90分の制限時間の中で34~51問が課されます。
英語の講義や授業中の討論、会話などを聞いた後に質問に答える形で、問題で取り上げられているテーマは、ほとんどが大学生活についての話や大学などでの講義内容に関するものです。
3分程度の「会話」(2~3人の人物が大学生活に関して話している形式)を聞いて5つの質問に答える問題が2~3セット。3~5分程度の「講義・討論」(教授が1人で話す形式や、教授の講義を中心に学生たちがディスカッションを行う形式)を聞いて6つの質問に答える問題が4~6セットになります。
回答形式は、以下のようなものが挙げられます。
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1)4択形式
4つの選択肢から正答を選ぶ、最も多く出題される形式です。回答の仕方はリーディングと一緒です。
設問が読み上げられた後、画面に選択肢が表示されるパターンと、再生された会話や講義の音声の中から特定の部分を抜粋して再度再生され、その意図や趣旨を問われるパターンがあります。 -
2)複数選択形式
設問に対して複数の選択肢を選ぶ形式です。比較的多く出題される形式で、回答の仕方はリーディングと一緒です。
-
3)表チェック形式
表に並べられたいくつかの要素について、それぞれをA / B(Yes / No)に分類していく形式です。各要素に設けられたAとBの項目セルのうち、どちらかをクリックしてチェックマークをつけていきます。
スピーキングセクション(Speaking)
個別のヘッドセットのマイクを使って、質問に対する解答を録音していく形式になります。
20分の制限時間の中で、設問に対する自分の意見を述べたり、提示された内容を要約して話したりする内容の計6問に解答していきます。
スピーキングセクションの問題は、独立型問題(Independent Task)と統合型問題(Integrated Task)の2つに大別することができます。
独立型問題(Independent Task)は、身近なトピックに関して自分の意見や考えを交えて解答するもので、純粋にスピーキングの能力が求められます。
統合型問題(Integrated Task)は、リーディングやリスニングをしたうえで、その内容に関してスピーキングで解答をするものです。この形式ではスピーキングの際の文章構築力だけでなく、読解力やリスニング能力などすべてのスキルが総合的に問われます。
テストの流れは以下のようになります。
-
1)独立型問題(Independent Task):2問
身近なトピックに関する単純な質疑応答の独立型問題(Independent Task)が2問あります。短い英語の文章が課題文(質問文)として提示され、それに対する受験者の考えを述べます。
1問目は自分にとって身近で、個人的なトピックについて解答し、2問目は対照的、あるいは対立する2つのことについて、どちらかの立場に立ち根拠を含めた意見を述べます。
※ 準備時間は15秒・解答時間は45秒です。 -
2)文章を読み、その後にリスニングをしてその両方の内容に関する統合型問題(Integrated Tasks: Read / Listen / Speak):2問
75~100語程度のパッセージを読んだ後に、その内容に関連する会話や講義を聞いて設問に答える統合型問題が2問あります。
パッセージを読む(45秒) → 関連した音声を聴く(60秒~90秒)→ 設問に対して解答、という形式になります。
3問目は大学内での会話の内容や背景を要約して説明することが求められ、4問目は学問的な内容を読み取って解答することが求められます。
※ 解答の準備時間は30秒・解答時間は60秒です。 -
3)リスニングをして、それについて解答する統合型問題(Integrated Tasks: Listen / Speak):2問
長めの会話や講義を聞いた後に、その内容を問う設問に答える統合型問題が2問あります。
会話・レクチャーを聞く(60秒~120秒程度) → 設問に対して答える、という形式になります。
5問目は学生同士の会話を聞き、話者が抱えている問題の概要を説明したうえで、解決策について意見を述べることが求められ、6問目は学問的な講義を聞き、その内容を要約したうえで、その中で挙げられた例と主題の関連性について述べることを求められます。
※ 解答の準備時間は20秒・解答時間は60秒です。
ライティングセクション(Writing)
タイピングによって解答を入力する形式になります。テストの際に使用されるのは、標準の英語コンピュータキーボード (QWERTY 配列) です。
ここでは50分の制限時間の中で、2問が課されます。大学の授業で出てくるようなアカデミックな内容のパッセージを読んで音声を聞き、それらの内容に関する設問に答えて文章を書く統合型問題が1問と、与えられたトピックについて自分の意見をまとめる独立型問題が1問です。
-
1)統合型問題
解答の制限時間は20分。
アカデミックな文章を読む(3分) → 関連する講義の一部を聴く(約2分) → 要約を作成する、という形式になります。
まず230~300語程度のリーディングパッセージを3分間で読みます。その後、約2分間の講義の音声が始まります。内容は主にパッセージを違った視点から見た批判や問題点を提示するものです。リスニングが終了すると解答画面に切り替わるので20分でライティングを行います。解答の語数は150~225語程度が目安となっています。 -
2)独立型問題(Independent Task: “Writing from Experience and Knowledge”)
解答の制限時間は30分で、その間に与えられたトピックに対する自分の意見を書きあげます。
トピックは、2つの事柄のうち受験者自身がどちらを支持するか、立場や意見を述べることが求められます。またその理由についても、例などを交えて説得力のある説明することが必要です。解答の語数は、300語以上が有効とされています。
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※この記事でご紹介している内容は2015年6月22日現在の情報に基づいています。
※この記事は、旧GLCウェブサイトの「グローバル海外進学コラム」2015年6月22日に掲載されたものです。