リベラルアーツ大だからできたこと ~アメリカ バックネル大学 Yuki Y. 先輩~
総合大学か、リベラルアーツ大学か。米国大進学における大きな分かれ道ですが、先輩たちは受験当時どのような観点で各大学を選び、実際に進学してその価値にどんな実感を得られているでしょうか。今回はいよいよリベラルアーツ大学について、バックネル大学4年生のYuki Y.先輩にお聞きします。
※ここでご紹介している内容は個人の体験です。実際に準備する際は、必ず最新の情報をご確認ください。
小規模ゆえに密で高度な学びを得られる環境。オールラウンドな成長意欲がある人にオススメ!
今回の「ラボ協力隊」
Yuki Y.先輩
アメリカ バックネル大学 4年生、コンピュータサイエンス専攻。
学ぶ学問を確定せずに進学できる点、ダブルメジャーや専攻の変更など柔軟にできる点を魅力に感じ、米国リベラルアーツ大学を選択した。
Q. リベラルアーツ大学と総合大学、どう違う? 日本の大学との違い・共通点はある?
小規模で教育に重点。教授・他学生と濃い関係性を築き、質の高い教育を享受。
アメリカのリベラルアーツ大学・総合大学の特徴的な違い
リベラルアーツ大学と総合大学の大きな違いは規模です。リベラルアーツ大学の多くは学部生のみがキャンパスライフを構成している場合が多く、修士生や博士課程の学生が混同している総合大学とは違った雰囲気があります。
学生の規模も一学年400名から1000名ほどがメジャーだと言われています。私が通っているバックネル大学はリベラルアーツ大学の中でも大規模の部類ですが、一学年900名弱、全体で3500名ほどの学生から構成されています。
このリベラルアーツ大学の小規模な特性は学生の学びに直結します。例えば、教授陣との関わりの深さが挙げられます。小規模で、修士生や博士生がいないがゆえに授業も教授が直接教えますし、研究に関しても、1年生から教授と密にプロジェクトを進めるというケースもよく見かけます。
また、本質的にリベラルアーツ大学にいる教授の主な役割は、研究を進めるというよりも教えることに重きを置いている場合が多く、Teaching Assistant(TA)が授業を教えることも多い総合大学と比べて質の高い授業を受けることができます。
私がこれまで履修した授業のほとんどが、週2回以上教授と課題や授業に関して話し合えるオフィスアワーが設置されているなど、教授と積極的に対話をする意欲がある学生にとってはうってつけの環境だと思います。
日本の大学との違いや共通点
日本の総合大学とアメリカのリベラルアーツ大学の大きな違いは、授業の規模です。
日本では大きな教室で一人の教授対大人数の学生がレクチャーを聞くことが多いですが、アメリカのリベラルアーツの大学では、小さなクラスルームで対話を促進しながら様々な価値観を尊重して授業を作り上げているスタイルが多いです。それと同時に、前述した通り教授からの手厚いケアが得られるので、学びの質を高めることができます。
もう一つは、アメリカのリベラルアーツ大学の多くは都会から離れた自然豊かな環境に置かれている場合が多く、必然的に学生の多くが大学に併設されている寮で生活することになります。
日本の大学では一人暮らしをしたり実家から通ったりするのがメジャーですが、寮生活を通して友人と深い絆を築くのもアメリカのリベラルアーツ大学ならではの体験なのではないでしょうか。
緑豊かで広々としたキャンパスには、歴史を感じる美しい校舎がゆったりと配置されている
Q. リベラルアーツ大 or 総合大学、志望大学を決めるときにどう選んだ?
幅広い分野を横断的に学ぶことで成長したかったので、リベラルアーツ大一択!
大学受験時、私はアメリカのリベラルアーツ大学に絞って出願しました。高校2年生の時、アメリカのボストンにあるアマースト大学に訪問する機会があり、自然豊かな環境で幅広い分野を横断的に学べる点に魅力を感じたため、受験をリベラルアーツの大学に絞ることにしました。
リベラルアーツ大学の醍醐味は専攻外の授業を多く履修することが可能な点で、好奇心が赴くままあらゆる分野を探究することができます。私自身も大学入学当初は哲学、心理学、芸術学など様々な授業を履修し、最終的にコンピューターサイエンスを専攻することに決めました。
4年生になった今でも履修中の授業の半分は専攻とは関係のない分野で、普段考えもしない物事に時間を費やすことが求められ、幅広い学びを得られていると実感しています。
私のように、大学で特別何かの専門領域を身につけるより、横断的な学びを通して一人間としてオールラウンドに成長したいという考えがあるかたは、ぜひリベラルアーツ大学への進学をお勧めします。
Q. 実際の大学生活や授業を通してわかった、リベラルアーツ大学のメリット・デメリットは?
同時並行で専攻外の分野も学ぶことで、柔軟に考え発想する力が鍛えられる!
ここがメリット!リベラルアーツ大学
幅広い分野の授業を履修することができる点です。
私はコンピューターサイエンスを専攻しているのですが、専攻分野外の授業を取ることができ、あらゆるフィールドの体系的な知識を得ることにつながっています。
例えば、過去の学期ではコンピューターサイエンス関連の授業を2つと、教育学、そして地質学の授業を同時に履修しました。このように全く異なる分野の授業を横断的に学ぶことができるので幅広い知識と、異なる分野で求められる頭の使い方として柔軟さを身につけることにつながります。
ここがデメリット?リベラルアーツ大学
小規模な大学という性質上、専攻の中で提供されている授業の数・種類に限りがあるので、思うように専門知識を極めることは難しいかもしれません。
例えば私自身、コンピューターサイエンスの中でも実際にアプリを開発したりするソフトウェア・エンジニアリングに興味があるのですが、この領域で提供されているクラスは1つか2つほどしかなく、課外活動や自習等でスキルを補う必要があります。
もう少し大規模な総合大学に通っていれば、専攻内でも広い教科が提供されているのではないかと考えたりもします。
Q. リベラルアーツ大 or 総合大、どちらが自分に合いそう?選ぶコツやアドバイスを!
譲れない点を具体的に洗い出すこと。求める環境の軸が決まれば、自ずと大学も明確に。
大学選びの際、自分が求めている環境の軸を決めるのが大切です。私立・公立、総合大学・リベラルアーツ大学、都会・田舎など、自分にとって譲れない点を具体的に洗い出すことができれば、スムーズに大学選びが進むかと思います。
私の場合は以下のような条件で大学を探しました。
- ①留学生に対して奨学金を提供している
→私立大学の方が公立大学と比べて留学生に奨学金を提供しやすいのでこの時点で私立の大学に絞れました。
- ②リベラルアーツである
→小規模で横断的な学びが得られるリベラルアーツ大学メインで探しました。
- ③教育学が提供されている
→大学受験当時は教育学に興味があったので、リベラルアーツの中でも教育学が提供されているという条件を満たしている大学を探すだけでリストがだいぶ絞れました。
このように自分にとって大切な軸をいくつか絞ると、行きたい大学が明確になると思います。
いかがでしたか?
幅広く横断的に学べることに魅力を感じ、リベラルアーツ大学一択で受験に臨んだYuki Y.先輩。入学当初に興味があった教育学ではなく、様々な学びを得た上で最終的にコンピュータサイエンス専攻と決められたこと、かつ専攻に限定されず異なる分野も学べるなど、リベラルアーツ大学の価値を存分に感じられていることが伝わってきました。
【総合大学/リベラルアーツ大学だからできること:シリーズ記事をチェック!】
[総合大学編]アメリカ / ニューヨーク大学 Mei T.先輩
[リベラルアーツ大学編]アメリカ / バックネル大学 Yuki Y.先輩(この記事)
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