海外大生体験談

総合大学だからできたこと ~アメリカ ニューヨーク大学 Mei T. 先輩~

アメリカの大学進学を視野に入れたとき「総合大学か」「リベラルアーツ大学か」は一つの大きな選択。それぞれの先輩たちは、なぜ総合大またはリベラルアーツ大を選択し、実際に進学して各大学の特徴から得られる価値をどのように感じているのでしょうか。まずは総合大学の先輩、ニューヨーク大学4年生のMei T.先輩にうかがってみましょう。

※ここでご紹介している内容は個人の体験です。実際に準備する際は、必ず最新の情報をご確認ください。

 

専攻したい学部の有無と大学院連携を重視して総合大を選択。院生の経験談も大きな学びに。

 

今回の「ラボ協力隊」


Mei T. 先輩

アメリカ ニューヨーク大学 4年生、演劇教育専攻。
課外活動の一つとして打ち込んだ英語劇の経験が、大学での学びにつながる軸となった。

 


 

Q. 総合大学とリベラルアーツ大学、どう違う? 日本の大学との違い・共通点はある?

 

深く掘り下げる学びが特徴。規模が大きく、幅広く様々な学部があり学生も多い。

 

アメリカの総合大学・リベラルアーツ大学の特徴的な違い

シンプルに言うと、総合大学は狭く深くリベラルアーツ大学は広く浅くというのが私のイメージです。

 

総合大学では幅広い学部があり、自分の学びたいことを1、2つ選んで、それに関する学びを深めていきます。一方で、リベラルアーツでは教養として考えられる分野が教えられていて、いくつかを学んでいくという解釈です。

 

日本の大学との違いや共通点

これはアメリカもそうだとは思いますが、総合大学の方がリベラルアーツ大学よりも規模が大きいと思います。学生もたくさんいて、基本的に大学院制度があると思います。

 

リベラルアーツは総合大学に比べると規模は小さくて、主に教養関係の授業が教えられているイメージです。

 

 

Q. 総合大 or リベラルアーツ大、志望大学を決めるときにどう選んだ?

 

専攻したい学部の有無、大学院との連携がカギ。学びの好奇心を満たせる環境も重視!

 

私も、総合大学にするかリベラルアーツにするかというのは迷ったことがあるのですが、結果的に以下の3つの理由から総合大学にしました。

 

まず1つ目は、私の勉強したいことがリベラルアーツではなかなか見つけられなかったということです。私はEducational Theatre(演劇教育)という分野を勉強しているのですが、これはビジネスや歴史のようによくある学部ではないため、この学部を見つけるのがなかなか大変でした。

 

演劇だけ、教育だけ、というのはありましたが、2つが接続して「演劇教育」として学べる学部は、私が探した中でリベラルアーツ大学では1、2大学しかなかったです。それに対して、総合大学ではEducational Theatreとしての学部がいくつかありました。その中でも私が進学したニューヨーク大学は、院のプログラムもあったり学部に研究室があったりと、より深く学べそうだったので選びました。

 

これが私の2つ目の理由にもつながってくるのですが、大学院があるというのも総合大学を選んだ理由でした。リベラルアーツは基本的には大学のみだと思いますが、総合大学は大学院まであることが多いです。

 

大学探しをしていく中で、総合大学に行くと学部生の間に院の授業を受けられるということを知りました。一層深く踏み込んだ、レベルの高い授業は楽しそうだなぁと思って、総合大学により興味を持ったのを覚えています。実際に私は大学2年生の時から院生と授業を受けていて、院生は実社会での経験を踏まえて意見をシェアしてくれるので、議論がとても楽しいです。

 

そして最後の理由が、総合大学ではたくさんの学部があるということです。大学ではいろんなことが学べるというのが、大学生になる一つの楽しみでした。

 

中高では基本的に授業が決められていて、科目の種類も多くないです。だからこそ、大学生になったら自分が勉強したことがない分野に挑戦してみたいという思いもありました。自分の学部の他にも興味がある授業を取ってみたいなと思い、それが叶えられる総合大学に決めました。

 

 

Q. 実際の大学生活や授業を通してわかった、総合大学のメリット・デメリットは?

 

実社会を知る院生と共に学ぶ価値を実感!大学の規模を活かした多彩な学びも可能。

 

ここがメリット!総合大学

大学院の授業が取れること、院生と授業が受けられること。

院生の中には大学を何年も前に卒業して、社会で経験をしてから大学院に入って勉強している人がたくさんいます。

 

私が勉強している分野は教育なので、特に現場での経験がどんな本よりも大切です。院生が授業の中で実際の経験をたくさんシェアしてくれるのですが、将来自分が社会に出た時に生かせるものばかりです。院生と授業を取れることは本当にありがたいなと思います。

 

ニューヨーク大学のEducational Theatreの教授、院生、大学生を含む研究チームで作ったショーを準備している写真

Educational Theatreの教授、院生、大学生を含む研究チームで作ったショーの準備中です!

 

ショーのアンケートを集計している写真

私は裏でアンケートの集計中。見にきてくれた人の考えがこのショーを通して変わるのかを調べます。

 

いろんなことを幅広く学べること。

私は演劇教育を主に勉強していますが、大学での過去3年を通して、それ以外のこともたっくさん勉強してきました!

 

英語の手話(American Sign Language)や、子どもの成長と絵本の関係、ビジネスの始め方から、人生の意味について考える授業まで、本当にたくさんの違った種類の授業をとってきました。自分が興味のあることを学べるのは、本当に楽しいです!

 

 

ここがデメリット?総合大学

学校の規模が大きすぎて、学生が多すぎること。

頼れる人やサービスはもちろんあるのですが、自分から積極的に動いて手に入れなきゃいけないです。

 

もう私は4年目なのでそこまで苦労はしないですが、1年目は結構大変でした。右も左もわからないのに一人で全てをやらなきゃいけない感じ。自分で頑張って動いていかないと他の学生に埋もれて、いなくなっちゃう感じがなかなかきつかったです。

 

現地の学生だったらもっと楽だったのかもしれませんが、当時は初めてニューヨークでの学生生活、寮生活、大変な英語…といろいろハードルが高かったですね(汗)。もう少し学生が少なかったらもっとケアしてもらえたのかなーと思ったりもしました。でも、おかげで精神的に強くなったとは思います!

 

 

Q. 総合大 or リベラルアーツ大、どちらが自分に合いそう?選ぶコツやアドバイスを!

 

大学の先まで目を向けた時に最適な“通過点”か。多角度から情報を集めて見極めよう!

 

まず一つアドバイスをするなら、ぼやっとでもいいので、大学の先を考えてみることです。もしかしたらまだまだ先のことかもしれませんが、大学を本格的に選ぶ時は考えてみた方がいいと思います。

 

受験が結構大変なので大学に入るのがゴールのように思えるのですが、大学は通過点です。社会との架け橋。だからまず大学の先の自分の人生を考えてみて、それにつながる場所なのか、自分が行きたい場所との架け橋になってくれる場所なのかということを考えてみると良いと思います。

 

もう一つは、いろいろなところから大学についての情報を集めるということです。

 

私はYouTubeでニューヨーク大学に行っている人のVlogを見たり、大学の入学審査担当者(Admission)にメールして実際にEducational Theatreの学生から学部について詳しく教えてもらったり、SNSでニューヨーク大学に行っていた人に連絡してテキストやZoomを通して大学生活について教えていただきました。

 

リベラルアーツ、総合大学と一口に言っても、大学によって雰囲気はそれぞれ違いますし、大学の説明会やホームページだけではわからないこともあるので、実際に話を聞いてみるのが良いと思います。

 

いかがでしたか? 

「演劇教育」という一般的にはまだ馴染みの薄い学部を志した結果、海外大かつ総合大学に行き着いたMei T.先輩。学士課程にありながら大学院レベルの授業を取ったり院生と学べたりするメリットは、まさに総合大学の強みです。どのように学び、どう社会に活かしたいか考え巡らせて選択できると良さそうです。

 

【総合大学/リベラルアーツ大学だからできること:シリーズ記事をチェック!】

[総合大学編]アメリカ / ニューヨーク大学 Mei T.先輩(この記事)
[リベラルアーツ大学編]アメリカ / バックネル大学 Yuki Y.先輩

 

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※この記事でご紹介している内容は2024年11月5日現在の情報に基づいています。
 

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