海外大生体験談

やっててよかった!課外活動 体験談 ~カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD) A.K.先輩~

海外大学、特にアメリカの大学受験において課外活動が大事と知ったけれど「どんな活動をすればいい?」と迷ってしまうことも。実際に海外進学を実現した先輩たちは、どのようにして自分に合った活動を見つけ、効果的な出願につなげたのでしょうか。カリフォルニア大学サンディエゴ校で学ぶA.K.先輩の体験談から、そのヒントを探ってみましょう。

 

「好き」だから続けた活動の数々。得た経験や学びに筋を通し、海外大で学ぶ情熱をアピール!

 

今回の「ラボ協力隊」


A.K.先輩

アメリカ カリフォルニア大学サンディエゴ校 2年生、神経科学とジェンダー批評学をダブル専攻。
中3の時に興味のある分野に関する海外論文を読んだことから海外大進学を考え始めた。幼少期からの空手・ダンス、高校時には研究論文を執筆するなど課外活動は多岐に渡る。

 


 

Q. 高校までの課外活動で、出願の書類に記入したのはどんなもの?

 

部活や研究活動、長年の趣味も。多種多様な活動の数々で経験の幅・深さを表現。

 

かなり多岐に渡って課外活動をやっていたので、私の入試資料において占める割合が多い順に書いていこうと思います。

 

A.K.先輩の課外活動一覧

1. 部活(ペーパーアート製作、部長)

2. グローバルサイエンスキャンパス受講生(高1、2)

3. 研究室でのインターン経験(高1、2、3)

4. ジェンダー学の論文執筆、学校の文集に掲載される

5. 空手、空手インストラクターとしての活動(2〜18歳)

6. ダンスインストラクター、コレオグラファーとしての活動(2〜18歳)

7. フェミニズム系のインターネット媒体でのライター活動

8. フェミニズム系の学生NGO団体としての活動

9. 楽器演奏(ピアノ、ギター、ウクレレ)、DJとしての活動(2〜18歳)

10. 語学学習:韓国語、中国語、ハワイ語で資格取得(6〜18歳)

11. サーフィン、スケボー(2〜18歳)

1. 部活(ペーパーアート製作、部長)…部活・クラブ活動、委員会、コンテストや大会

学校で美術系の部活で部長を務めていたことを課外活動欄に書きました。中高一貫校に通っていたのですが、所属していたのは中高の部活の中で最も長い歴史を持つ、建築系のペーパーアート制作を主に行なっていた珍しい部活でした。

 

私が部長を務めていた際、部活の規模は100人ほどだったのにも関わらず、私を含め同期は3人しかいませんでした。それ故に、5年間の部活動生活の中の大目玉、最後の文化祭展示の準備には高校2年生の生活の大半を費やし、1週間のうち100時間はゆうに超えるくらい、文化祭準備(主に作品制作)に時間を割いていました。(あまりに非現実的な数字だと思う方もいらっしゃると思いますが、1年間、毎日睡眠時間を2時間に抑えた上でそれ以外の時間はほぼ作品制作をしていたので、計算ミスではありません)

 

結果的に文化祭準備は功を奏し、受賞経験にも繋がりました。具体的には、学校内の展示で最大級の集客を記録し学校内での賞もいただき、卒業制作をプロ・アマ関係なく参加できるペーパーアートのコンテストに出した結果、賞をいただくことも叶いました。

 

部活の卒業制作として仕上げたペーパーアート

部活動で高校2年生の時に2人の同期と作った卒業制作です

 

ですが正直、高2の時点でこれほど一つの課外活動に缶詰になるのは全く推奨しません。実際、健康状態もギリギリでしたし、私は高2を部活に全振りしたことでSATの準備も遅れ、高3の春に国内大と海外大の併願を諦めることになったからです(あまりにも机に向かって勉強しなかったので…)。

 

ただ、ここまで私が部活動に打ち込んだのは確かなる勝算のようなものがあったからでもあります。それがどう入試本番につながったかは、後ほど詳述します。

 

また、この部活での部長を務めるにあたって文化祭準備委員会にも関わっていました。コロナ禍において初めて開催された文化祭だったので、まずコロナ感染防止対策を一から練り直すことに学校全体として試行錯誤していました。

 

部長同士で何十時間も協議を重ねる中での積極的な姿勢を俯瞰的な視点で評価してもらいたかったので、委員会での活動に関しては自分で課外活動欄には書かず、学校の先生にお願いした推薦状に書いていただきました。

 

2. グローバルサイエンスキャンパス受講生(高1、2)…研究活動

学校を通して、「グローバルサイエンスキャンパス」という日本全国の高校から選ばれた50人ほどの生徒が理系の研究に触れられるプログラムに参加し、理系の研究に携わり始めました。といっても、コロナ禍だったので、現在は対面で開催されている講演会などの企画は全てオンライン上で参加していました。

 

このグローバルサイエンスキャンパスへの参加がきっかけとなり、「3. 研究室でのインターン経験(高1、2、3)」などの活動に繋がりました。

 

4. ジェンダー学の論文執筆、学校の文集に掲載される…研究活動

理系の研究にはグローバルサイエンスキャンパスを通して携わる一方で、個人的に元々興味のあったジェンダー学の研究への関心が捨てきれませんでした。

 

そんな時に中1から6年間続けていたジェンダー学に関する個人研究を高3の授業でまとめる機会がありました。論文を執筆したところ、高校の文集に優秀作品として掲載していただく事が叶いました。

 

5. 空手、空手インストラクターとしての活動(2歳〜18歳)…趣味、コンテストや大会

2歳から18歳(受験当時)まで趣味で空手をやっており、初段の資格まで取りました。それから幼稚園生・小学生・中学生・高校生のクラスを持っており、約100人の生徒を指導していました。

 

6. ダンスインストラクター、コレオグラファーとしての活動(2歳〜18歳)…趣味、コンテストや大会

また、長年ダンスも趣味でやっており、ダンス教室での指導振り付け制作のアシスタントなどをやっていました。

 

7. フェミニズム系のインターネット媒体でのライター活動…ボランティア活動

8. フェミニズム系の学生NGO団体としての活動…ボランティア活動

フェミニズム系の学生NGO団体の一員としてイベントを開催したり、渋谷のシェアオフィスでインターンとして働いたりする機会をいただきました。

 

フェミニズム系のインターネット媒体でのライターやそのサポートとしてのボランティア活動も、こちらの学生NGO団体を通じてのものです。

 

9. 楽器演奏(ピアノ、ギター、ウクレレ)、DJとしての活動(2〜18歳)…趣味、コンテストや大会

趣味でいろいろな楽器を演奏していました。DJとしてはいくつかのイベントに参加しました。

 

10. 語学学習:韓国語、中国語、ハワイ語で資格取得(6〜18歳)…趣味

中学1年生から高校3年生まで語学学習に励んでいました。ここで得た知識を生かして、7.で執筆した記事を翻訳する活動にも繋げていました。

 

11. サーフィン、スケボー(2〜18歳)…趣味

幼少期から完全に気晴らしでやっていたのがサーフィンとスケボーです。大会などには出ていません。

 

 

Q. 「海外進学には課外活動が必要」だと思った時期ときっかけ、またその活動を選んだ理由は?

 

自分の好きなことを継続!中3から意識的にアカデミックな研究活動をプラス。

 

課外活動が必要だと思ったのは【中学3年生の10月頃】

きっかけは、中学3年生の頃に参加した無料の海外大進学ウェビナーです。実際にアイビーリーグの大学に進学された先輩がたが、海外大進学のための重要な要素として課外活動は必要不可欠であると仰っていたからです。中学3年生の時点で海外大進学は視野に入れていたので、「では、今から始めよう」と意識し始めました。

 

しかし言ってしまえば、私が入試資料に記載した課外活動の半分ほどは幼い頃から地道に続けていた活動です。なので、課外活動が必要だと思って初めて課外活動に手を出したというよりも、今まで自分が何を(好きで)してきたのか、またそれをなぜ好きなのかに思いを巡らせてみて、その後の高校3年間は自分の好きなことをやり続けたという言い方のほうが正しい気がしています。

 

ちなみにですが、中学3年生の時に課外活動の必要性を実感し、その後真っ先に手をつけ始めたのはアカデミックな研究活動です。グローバルサイエンスキャンパスに応募しました。

 

将来は医者になりたいという思いと将来のビジョンはあるものの、それまで自分がやっていたことはダンスや空手ばかりだったので、アカデミックな経験や知識を圧倒的に欠いていると思ったからです。

 

 

Q. 忙しい学校生活と課外活動の両立。多くの活動を同時並行で続けるコツは?

 

全予定を1冊に集約!逆算して日毎のタスクに割り振り、確実に終えられるよう工夫。

 

スケジュール帳を駆使する。これだけです。

 

私はアナログな人間なので、中学3年生から紙のスケジュール帳を使っています。私のおすすめはD-BROSの「クリエイターズダイアリー」です。今でも愛用しています。

 

1日1日が個別のページに分かれているようなスケジュール帳1冊に全ての予定を書き込んで(複数のデジタルのカレンダーに予定を別々に書き込むのは、いつかボロが出て予定をすっぽかすと思うので私はやりません)、提出期限やプレゼン、試験などの予定はそれぞれの2週間前、1週間前、そして3日前の日にリマインダーを書き込んでおきます。

 

そして、その日までに、そのプロジェクトであったり試験勉強であったりをどれくらいのレベルまで仕上げておくかまで大まかに書きます(例えば、◯日までに問題集を2周する等)。そうすれば、逆算で日毎のタスクを割り振ることができ、それを毎朝ポストイットに書き出せば、今日1日で自分が何をどのくらい完了させなければいけないかが可視化できます。

 

タスクを終わらせる度にそのポストイットを剥がしていけば多少の達成感も得られますし、前もって機械的にタスクを終わらせていくことができるので、期限の前日に頭を抱えることも減ると思います。

 

 

Q. いよいよ入試本番!続けてきた課外活動を海外大の入試にどう活かした?

 

別個に見える学術系・運動系の活動をリンクさせ、筋の通ったアピールに昇華!

 

私はかなり多種多様な課外活動を行なっていたので、実は出願するにあたって一番苦労したのは「どの課外活動を、どういった順番で、コモンアップ(Common Application / Common App : 米国大学の共通願書システム)をはじめとした入試資料に記載するか」でした。

 

入試資料の限られたスペースの中で、全部を詰め込もうとするとガチャガチャしてしまうから、自分をどう見せたいかに応じて、何かを優先する一方で何かを捨てなければならない。そうして課外活動を選び抜いた上で順番を決めるにあたり重要だったのは、課外活動の貢献度や規模を数値化したときにいかに伝わりやすいか/理解しやすいか、です。

 

[1. 部活・クラブ活動]に関しては、学校で美術系の部活で部長を務めていたことを課外活動欄に書きました。建築系のペーパーアート制作を主に行なっていた珍しい部だったので、入試審査官(Admission Officer)に対しても印象に残る自信がありました。審査官に印象が残すことができる活動かどうかは少なからず重要だと思います。なので、書かない手はありませんでした。

 

私が異常なほどに部活動に打ち込んだのは、確かなる勝算のようなものがあったからでもあります、と先述しました。それはつまり、「この一年間をやり切れば、確実にこの経験は私のアピールポイントになるだろう」という確信があったということです。

 

まず、部活自体の珍しさで掴みだけでもいいので審査官に興味を持ってもらおうと思いました。それから、100人規模の下級生をたった3人で束ねた経験から、自分なりのリーダーシップ論や、同い年だけでなく下級生を引き込む協調性の養い方自分の言葉で語ることができるようになりました。

 

それから、週に100時間も部活に時間を割いておきながらも授業や他の課外活動を両立していた経験から、タイムマネジメントが上手いこともアピールできます(これは本当に面接などでよく聞かれましたが、1つ前の質問が答えです)。

 

[2. グローバルサイエンスキャンパス]や[3. 理系研究のインターン]、そして[4. ジェンダー学の個人研究]に関しては、将来アカデミアで活躍したいというビジョンを持っていることや、アカデミックな側面をアピールするために課外活動欄に書きました。

 

また、理系(生物系)と文系(ジェンダー学)を両立したい、それらを二重専攻、つまりは同じレベルで両分野の知識を磨きたいという自分のビジョンをアピールすることで、私が日本からアメリカの大学にわざわざ国を跨いで進学する意味や私が持っているパッションを伝える役割を担っていたと思います。

 

[5. 空手]や[6. ダンサー]としての活動は、アカデミックなビジョンを掲げるにあたってやや異質な経験に映るので、研究経験の隣に運動系の課外活動として並べるだけでも印象に残るかと思いました。

 

しかし、それだけでなく、同い年で空手やダンサーをやっている人々と自分を比べた時に、私の個性は指導経験が多くあることだと思いました。その上、私がアカデミアの道に進みたいと思った理由は、これらの指導経験の中での実体験に基づいていました。

 

なので、生物学やジェンダー学の研究を志した理由を、一見関係のない2歳から続けていた空手やダンスの経験に結びつけることで、雑多な私の課外活動に一貫した筋を通せるのではないか、と思ったのです。

 

この私のブレない人物像のようなものは実際に大学や奨学金の面接などでも触れていただき、その都度自分の目で見たことを自分の言葉で話すことで、自分が海外進学や学びに対して継続的に持っている熱意を伝えることが出来たのではないかと思います。

 

 

Q. 自分らしい課外活動の見つけ方、対策などぜひアドバイスを!

 

自分の情熱を込められる活動を。身近な人や情報も存分に、上手に頼ろう!

 

周りに海外大進学を志している同い年の学生が少なかったことや、自分がやりたい分野が非常にマイナーであったこともあり、自分の好きな分野の活動を自力で探し出して地道に取り組むことができたのは良かったと思います。

 

先輩の課外活動を参考にしてしまうあまり、人と同じような課外活動にばかり取り組んでしまうと、「自分」はアピールできても、相手の印象に残りません。肝心な出願の紙面や面接での熱意のこもった言葉は相手に伝わる一方で、作り物の言葉やテンプレはすぐに見透かされます。なんて言ったって、相手は年間何万人もの学生を見ているプロですから。気の向くままに、自然体で行けば大丈夫です。

 

後悔しているのは、身近なリソースをチェックしない傾向にあったことや、身近な人に頼ろうとあまりしなかったことでしょうか。

 

通っていた高校で海外大進学があまりメジャーではなかったこともあり、学校内に海外大進学についてのリソース(例えば奨学金や、海外大学の情報)がほとんどありませんでした。そのため、学校外に出て情報収集をしたり課外活動を探したりしていましたが、今思えばコンテストなどの情報は学内にそこそこありました。ネットで検索する前にまず学内の情報を集めてみるのも大切だと思います。

 

それに加えて、海外大進学をするにあたって、絶望的に人を頼る力に欠けていたこともなかなかに後悔しています。

 

例えば、エッセイの添削やコモンアップの書き方のアドバイス、インターン先の紹介にしても、身近な人に片っ端から聞いてみるのは本当に大切です。必要に応じて、思う存分人を頼ってください。

 

それに、人を頼ることは恥ずかしいことでもなんでもありません。一人でああでもないこうでもないと、インターネットで3ヵ月間検索をかけて片っ端からアポを取りまくっても見つからなかったインターン先が、お世話になっている教授の紹介を通せば一発で決まる事だってあるんです。どこにチャンスが転がっているかは、誰にも分かりません。

 

いかがでしたか? 

A.K.先輩の経験や人としての幅広さ、奥深さが感じられる多彩な課外活動の数々でした。バラエティに富むだけでなく活動の一つ一つに筋が通っているのは、自分の「好き」や興味に沿った取り組みだからこそ。ぜひ皆さんも自分自身の軸となる活動を探求してみてくださいね。

 

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※この記事でご紹介している内容は2024年9月3日現在の情報に基づいています。
 

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