海外大生体験談

奨学金を利用! いつ・何をした? 本番どうだった? ~ヴァンダービルト大学 Alisa H.先輩~

海外進学、特にアメリカの大学を目指すときに避けては通れない「お金」のこと。多くの大学が学ぶ機会を支援するために奨学金を用意していますが、ヴァンダービルト大学 工学部のAlisa H.先輩もその恩恵を受ける一人。応募プロセスや提出書類で気をつけたことなど詳しく教えてもらいました。

 

授業料全額+αをカバーする奨学金を受給!選考のカギは熱量、説得力ともに高いエッセイ。

 

今回の「ラボ協力隊」


Alisa H.先輩

アメリカ ヴァンダービルト大学 工学部 新2年生、化学バイオ工学専攻。
自らの興味分野に沿った研究活動や部活動、校内外でのプロジェクト立ち上げ、バレエなど積極的に課外活動に取り組み、高2の冬に海外大進学を目指し始める。

 


 

Q. 海外進学にあたり、現在受けている奨学金は?

 

[大学からの奨学金]学業とリーダーシップに優れた学生に授与。授業料全額をカバー。

 

私は進学先であるヴァンダービルト大学(Vanderbilt University)から“Cornelius Vanderbilt Scholarship”を取得しています。

 

この奨学金は、大学の創立者であるコーネリアス・ヴァンダービルト氏を讃えるため、2007年に設立されました。学業成績と学外でのリーダーシップを示す学生に授与され、毎年大学受験者の約1%*に対して支給されています(*Cornelius Vanderbilt Scholarshipに限らずメリット型奨学金について/ FAQはこちら)。

 

受給者には、4年間の授業料全額夏の課外活動(インターンなど)に必要な資金が支給され、家庭の収入に応じてプラスαでニード型(学資の不足分を補うために支給されるもの)の学資補助(Financial Aid)を受けることも可能です。奨学金は毎年更新され、3.0以上のGPAを取り続けることが求められています。

 

大学の奨学生はディナーなどのイベントにも招待されます

 

ヴァンダービルトには、授業料全額カバーのメリット型奨学金(特定の分野で優れた学生に与えられるもの)が他にも2つあります。

 

“Ingram Scholars Program”はイノベーションと社会奉仕を重視する奨学金で、毎年一定時間の社会奉仕活動が求められています。“Chancellor’s Scholarship”は、多様性を大切にし、コミュニティーや社会問題への積極性が認められた学生へ授与されています。

 

総じて“Signature Scholarship”と呼ばれる上記の3つの奨学金は、国籍や収入の制限はないため誰でも(留学生でも)応募できます。

 

応募方法としては、コモンアプリケーション(Common Application / Common App : 米国大学の共通願書システム)等で大学受験のアプリケーションを提出して2日後以内に大学から送られてくる“MyAppVU”(受験者専用Webページ)のポータル上でエッセイを提出します。

 

注意したいのは、一般の入学審査よりも期限が早いことです。奨学金にも応募したい場合には早めにアプリケーションを提出するよう気をつける必要があります。

 

 

Q. 「海外進学には奨学金が必要」だと思った時期ときっかけ、その奨学金を選んだ理由は?

 

米国大進学の大前提!アピールポイントを分析し、最適な奨学金を選んで応募。

 

奨学金が必要だと思ったのは【海外大受験を決めた高2の冬】

海外大受験を決めた時点で、アメリカに進学するのであれば奨学金が必要だと思っていました。まずアメリカの大学は学費がとても高いことで有名で、円安も進んでいたので、「奨学金が取れなければ行けないだろう」と覚悟していました。そのような不安もあり、全部で26校を受験しました。

 

私は、アカデミックなところ(高校の成績・研究の経験・学びに対する熱意)が自分のアピールポイントであると自負していたため、ヴァンダービルトの3つのSignature Scholarshipの中ではCornelius Vanderbilt Scholarship が一番自分に合っていると考えました。

 

エッセイも3つの中で一番書きやすいと感じたため、他大学のエッセイ等と両立しやすかった、という点もあります。

 

 

Q. 奨学金を得るまでのプロセスと、各段階で行った事前対策は?

 

大学出願の数日後から奨学金応募が可能。面接無し、エッセイにアピールの全てを注入!

 

リサーチ:高3の4月〜6月頃

出願準備:高3の6月〜11月頃

直前準備:高3の11月〜12月頃(本番12月上旬)

合格・奨学金取得

 

リサーチ:高3の4月〜6月頃

国内の財団奨学金に関しては、先輩方が登壇するオンライン座談会などに参加し、財団生の方と実際に話して財団の雰囲気や応募のコツなどを教えていただきました。

 

大学別の奨学金に関しては「留学生に対する奨学金があるか」を考慮しながら大学を選んでいたため、常に奨学金の情報にアンテナを張っていました。

 

出願準備:高3の6月〜11月頃

6〜8月は、主に国内財団奨学金の提出物コモンアップのエッセイ準備に取り組みました。

 

9〜11月には、国際バカロレア(IB)の模擬試験と最終試験があり、コモンアップの仕上げ大学別のエッセイ、SAT受験準備、他国内奨学金の応募などに並行して取り組みました。

 

全26校受けたので、ヴァンダービルトの奨学金エッセイのみの準備をしている意識はなく、たくさんのエッセイを準備しながら少しずつコツを掴んでいった、という感じです。

 

直前準備:高3の11月〜12月頃(エッセイ提出期限 12月初頭)

私が受験した時、ヴァンダービルトのSignature Scholarshipの応募期限は12/1でした(今年の情報は大学の公式要項をご確認ください)。

 

コモンアップで入学のための書類を提出したのち、(2営業日ほどで)専用ポータルから奨学金応募のためのエッセイが提出できるようになります。そのため、逆算して期限の1週間ほど前にはコモンアップの提出をしました。奨学金の選考に面接はないので、自分のアピールポイント全てをエッセイに注ぎ込む気で書きました。

 

 

Q. 奨学金の応募や書類提出のポイント、知っておいたほうがいいことは?

 

奨学金に加えてニード型の学資補助も取得、さらに交渉で金額アップも!

 

Cornelius Vanderbilt Scholarshipのエッセイプロンプトは、いわゆる志望理由で、志望した専攻大学に対する熱量を問われます。ヴァンダービルトの奨学金応募には面接がないため、500 語のエッセイ(とコモンアップで提出する書類)での勝負になります。

 

審査の話からは少しズレますが、奨学金の枠に合格した場合にも、追加でニード型の学資補助を受けることが可能です。私も、メリット型の奨学金に加えてニード型の学資補助も大学からいただいています。

 

そして、実を言うとFinancial Aid Officeとメールで交渉し、当初の提示された額よりも金額を上げてもらいました。これが交渉の国アメリカです(笑)。

 

メール文はGLC(ベネッセGlobal Learning Center)の担当の方に添削していただきながら、簡易的なエッセイのようなものを作成しました。アメリカではこういった交渉もよくあるそうで、書類審査だけではわからない部分に柔軟に対応してもらえます。

 

 

Q. 奨学金だけでなく、海外大の対策や高校の勉強も同時並行の受験期。特に苦労したことは?

 

必要なエッセイを全てリスト化・共有。高3秋冬は一気に立て込むので早めに着手!

 

奨学金応募・大学受験に必要なエッセイをスプレッドシートに全てリストアップし、そのスケジュールを家族やGLCの担当の方に共有していました。特に秋冬にかけては、やることが一気に増えてしまうので、早めにエッセイのドラフトに取りかかる必要があります。

 

ただ実体験から感じたのは、書いているうちにどんどんコツを掴んでエッセイ1つにかかる時間も減ってきて、気づくと想定よりも早く書き上げられるようになっていました。そこでやっつけ仕事のようにこなしてしまうと大学側に見抜かれてしまうので、モチベを保つことを意識してエッセイを執筆していました。

 

 

Q. なぜ、厳しい審査を経て奨学金を得ることができたと思いますか?

 

学びに対する情熱とその大学である必要性を、説得力高く伝えられるかがカギ。

 

審査官のかたに聞いた訳ではないので、あくまで私の考察になってしまうのですが、出願書類でいかに筋が通っているかが重要なのではないかと思います。Cornelius Vanderbilt Scholarshipでは、学びに対するパッションが重視されているため、それを裏付けられるような説得力のあるエッセイが必要です。

 

以下、私がエッセイで気をつけた点について記載します。

 

私のエッセイでは、前半で「分子生物学に対する熱情」と「なぜヴァンダービルトで分子生物学を学びたいのか(Why Vanderbilt?)」を語っています。超ざっくりですが、分子生物学にハマった →ヴァンダービルトで行われている研究に辿り着き、その環境で学びたいと思った、といった展開です。

 

後半部分では「どんな将来を目指しているのか」と「そのために今まで何をしてきたのか」を課外活動に触れながら説明しています。続けて「ヴァンダービルトでは何をしたいのか/どう学びを深めたいのか」を具体的な授業名や教授名を出して記述しました。

 

最後に「どうしてもヴァンダービルトに行きたいです」「奨学金を得て入学できれば超がんばります」という強い意思表示で締めています。

 

 

Q. 自分らしい奨学金の見つけ方、対策のしかたなどぜひアドバイスを!

 

可能性がある奨学金は全て挑戦を。大学別奨学金は出願や応募期限に要注意!

 

国内の財団奨学金は提出期限が比較的早いため、大学受験前から自己分析系のエッセイを書く練習になりました。エッセイのレベルアップも目論みながら、受かる可能性があるものには全部挑戦するのか良いかと思います。

 

アメリカの大学受験は、自動的に奨学金選考が行われる(コモンアップの提出物以外に追加書類が求められない)ことも多く、収入に関係なく審査されるメリット型奨学金の応募が比較的簡単です。受験校の数が多い場合は、受験のコスパの良さも大事です。

 

ただ「奨学金に応募する際は提出期限が一般よりも早い」といったパターンも珍しくないので、気をつける必要があります。私の調べたところだと、南カリフォルニア大学、エモリー大学、テュレーン大学、ヴァンダービルト大学、グリネル・カレッジ、ボストン大学、ワシントン&リー大学はその制度でした(2024時点)。

 

いかがでしたか? 

奨学金がないと進学できないという覚悟をもって米国大受験に臨んだAlisa H.先輩。コモンアップに大学別サプリメンタル、さらに奨学金応募用エッセイと、出願校数が増えるほど準備も増大。一覧化や早めの着手など、先輩のモチベーションを高く保ちながら進めた工夫をぜひ参考にしてくださいね。

 

【奨学金を利用! いつ・何をした? 本番どうだった?:シリーズ記事をチェック!】

アメリカ / プリンストン大学 Tomoka O.先輩

アメリカ / ヴァンダービルト大学 Alisa H.先輩(この記事)

 

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※この記事でご紹介している内容は2024年8月20日現在の情報に基づいています。
 

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