奨学金を利用! いつ・何をした? 本番どうだった? ~プリンストン大学 Tomoka O.先輩~
海外進学を考える時、必ず一緒に考えておきたい「お金」のこと。夢の実現を大きく後押ししてくれる奨学金について、海外大の先輩に具体的な応募・審査のプロセスや対策についてうかがいました。今回登場のプリンストン大学のTomoka O.先輩は、どのように奨学金を取得したのでしょうか。
高校留学・海外大進学を見据えて高1から準備。自分なりに分析やプレゼン練習を行って挑戦!
今回の「ラボ協力隊」
Tomoka O.先輩
アメリカ プリンストン大学 新2年生、地球科学専攻。
中2の夏に参加したサマースクールをきっかけに海外で学ぶことに興味を持つ。日本の中高一貫校を経て高2からカナダのUnited World College(UWC)に留学し、米国大学受験を決意した。
Q. 海外進学にあたり、現在受けている奨学金は?
[孫正義育英財団]高い志と異能を持つ若手人材の育成を支援。収入制限はありません。
私が支援をいただいているのは、孫正義育英財団からです。ソフトバンクの孫正義氏によって設立された奨学金団体で、研究環境の提供や学費支援を通じて、「異能」と表現されるより良い未来をつくる人材を育成することを目的としています。
年齢や家庭収入による縛りが一切なく、25歳以下なら何歳でも財団の支援を受けることができます。
Q. 「海外進学には奨学金が必要」だと思った時期ときっかけ、その奨学金を選んだ理由は?
高校での海外留学、海外大も視野に入れ、早期に目処をつけたいと考えて挑戦!
奨学金が必要だと思ったのは【高校1年生の終わり頃】
友人に勧められたのが直接の理由です。過去の財団生と比較をして、自分は世界規模の目立った成績を残したり、課外活動をしていたりしたわけではなかったので、受かるとは到底思っていませんでした。しかし、挑戦をしない理由もないなと思い、出願をしました。
また高校でのUWC(United World College)留学、ひいては海外大学の進学を視野に入れた際、早いうちから奨学金の目処をつけておいた方が良いと考え、出願の際に年齢制限のない孫正義育英財団に出願をしました。
Q. 奨学金を得るまでのプロセスと、各段階で行った事前対策は?
書類選考と面接が複数回。自分なりに強みや課外活動の成果を分析・評価してアピール!
リサーチ・準備:高1の3月〜4月頃
・書類選考の提出期限…3月
↓
面接直前対策:高2の4月〜6月頃
- ・一次面接…4〜5月
- ・二次面接…5〜6月
↓
財団生認定:高2の7月上旬
〜UWC留学へ出発
リサーチ・準備:高1の3月〜4月頃
基本的には財団のホームページを閲覧し、財団が求めている人材の方向性を確認し、そこに自分の目指したい姿を擦り合わせていきました。
他の多くの奨学金団体とは異なり、目に見える合格基準がないため、どうしたら財団生になれるのか全くイメージがつかめませんでした。また、財団生の知り合いがいたら対策も詳しくできたのかもしれませんが、いかんせん身近にいなかったこともあり、情報がほとんどつかめませんでした。
対策らしい対策が見当たらない中、自分のありのままを出そうということで、課外活動とその結果を列挙することに決めました。自己流で自分の強みと伸ばしていきたい点を分析し、評価していった次第です。とにかく春の書類選考の時点で、聞かれている質問と自分の活動がマッチするように気をつけました。
面接直前対策:高2の4月〜6月(一次面接:4〜5月、二次面接:5〜6月)
孫正義育英財団では、書類選考を経て、複数回の面接をしてから財団生の決定の結果が決まります。私の場合はコロナ禍での出願だったので、一次面接はまずオンラインで行われ、それを突破した後の最終面接は録画したビデオを提出する、という流れになっていました。現在は異なる選考方法かもしれません。
まさか予選を通過するとは思っていなかったので、通過の連絡があるたびに、面接の準備を一つずつ自分で行いました。面接できちんと伝えたいポイントを紙にまとめ、プレゼンの練習を本番前までに何度も行い、よどみなく話せるよう練習しました。
家族にも一、二度聞いてもらって、プレゼン内容がスッと頭に入るか、また話し方は適切で聞きやすいかなどを判断してもらいました。基本的にはプレゼンで強調したい部分や想定される質問と返答を自分で準備して臨み、あとはもう流れに任せるだけでした。
Q. 書類選考や面接で特に気をつけたこと、印象に残っていることは?
選考委員にどう見られているか意識して、各段階で強調する点や見せ方を工夫。
孫正義育英財団の奨学金は、書類選考の時点で5つのカテゴリーから一つ選んで出願することができます。そのため、自分の強みを一番出せるのはどのカテゴリーかを見極めるのが重要になってきます。
例えば、学業で優秀な成績を修めた人、画期的な論文を提出した人、世界大会で活躍する人、などです。私は「学業で優秀な成績を修めた人」というカテゴリーで、中高の成績や課外活動で修めた成績などを書類選考で提出しました。
書類選考を突破した後は複数回の面接があり、当時はコロナ禍だったので現在とは異なる形式かと思いますが、一次はオンラインで事前に準備をしてきたプレゼンを行い、質疑応答をするものでした。
面接の通過後は、録画した5分程度のプレゼンを本部に送り、孫正義氏をはじめとする選考委員会の方々がその内容を審査します。この最終審査では、それまでに提出した情報全てに選考委員の方々が目を通しているはずだと思ったため、自分が一番強調したい点、そして書類や一次面接では表現しきれなかった将来の夢などをより具体的に説明しました。
Q. 奨学金だけでなく、海外大の対策や高校の勉強も同時並行の受験期。特に苦労したことは?
奨学金は確保できていたので出願に専念。一方、支援延長の面接で身の縮む思いも…
高校2年の夏で奨学金を獲得できたため、大学出願中は奨学金が得られるかという不安は特に抱かず、出願のみに集中できました。もし財団生になれなかったら、高3になって奨学金に応募する際に情報収集をしようと思っていたほどなので、とても恵まれたことです。
しかし、孫正義育英財団の支援は基本的に5年間であるため、そのままだと大学3年を終えた時点で支援が途切れてしまうことになります。そこで、受験期の11月に延長試験の面接を受けることにしました。
大学の学部で何を勉強したくて、その理由は何か、自分で固められたと確信していました。しかし、質疑応答の際に面接官の大学教授にかなり詰められ、答えに窮する場面があり、かなり神経を使いました。面接を終えた後、自信がへし折られ、号泣して自室に戻ったことを覚えています。
結果的に学部4年間の支援の延長が認められたため万事うまくいった、と言ってしまえばおしまいなのですが、あの延長試験が一番難しかったです。
Q. 自分らしい奨学金の見つけ方、対策のしかたなどぜひアドバイスを!
金銭的な支援を受けるだけでなく、自らコミュニティーに貢献する視点も持って。
海外大学派遣に特化した奨学金がたくさんある中、孫正義育英財団は年齢や地域、目的の縛りが一切ない、少し特異な奨学金と言えるかもしれません。
財団生は渋谷キャストにある Infinity にて、財団生と出会える機会があったり、
「奨学金」というと、高額な海外大学進学には欠かせないものだと思います。しかし、もし一歩踏み込むならば、支援を享受するだけでなく、学部時代やその先で奨学金のコミュニティーに自分なりに貢献できたら、なおさら素敵なことだと思います。
どの奨学金で学びを深めたいかと考えるとき、自分が貢献したいと思えるコミュニティーであるのか、卒業生との交流の機会が用意されているのかなど思い巡らせてもよいのではないでしょうか。さらに、応募の際には一歩踏み込んで、自分がどのような人間になりたいか、どうコミュニティーに貢献したいのかまで考えると選ぶ観点も変わってくると思います。ぜひ、頑張ってください。
いかがでしたか?
海外での高校〜大学進学と計6年間の留学生活を大きく支える奨学金を獲得したTomoka O.先輩。合格基準も対策も不明、過去の奨学生ほど突出した実績がない…と怯んで諦めてしまわず、まずはチャンスを得るべく挑戦する姿勢をぜひ見習いたいですね。
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