海外大生体験談

海外大に進学した先輩! 今学んでいる時間割の中身を教えてください! ~インペリアル・カレッジ・ロンドン Hazuki Y.先輩~

海外大で学ぶってどんな感じ?先輩たちのリアルな“時間割”を通して授業内容や学びの特徴を探るシリーズも最終回。3年間で学士修了となるイギリスの大学、インペリアル・カレッジ・ロンドンで生物化学を専攻するHazuki Y.先輩が、卒業を前にその集大成となる研究に打ち込む日々の様子を教えてくれました。

 

卒業を控えて研究に専念!決まった時間割はなく、やるべきことは自分で決めて進めています。

 

今回の「ラボ協力隊」


Hazuki Y.先輩

イギリス インペリアル・カレッジ・ロンドン3年生(最終年度)、生物化学専攻。
海外在住歴が長く海外大進学は常に意識していたが、中3での大学のサマープログラム参加が決め手に。

 


 

Q. インペリアル・カレッジ・ロンドンってどんな大学?選んだ理由は?

 

最先端の研究を推進するSTEM特化の大学。入学後すぐに専攻を深められる!

 

私の大学は、STEM(Science, Technology, Engineering, Math)に特化している大学です。特に、イノベーションと実用性に焦点を置いており、イギリスで研究の影響力が最も大きい大学のランキングで今年は1位でした。また、私の学部はCOVID-19の際に国から依頼されて、ワクチンの開発やウィルスの解析をけん引していました。

 

実用性に重きを置いているので、まだわかっていないことを解明するための実験計画を作る課題や、ジャーナルの形式を指定された(“Nature”“Science”など高い影響力を持つ科学ジャーナルのガイドラインに則って執筆する)論文の課題があります。また、工学系の学部はプロジェクトが多く、学部生の間にインターンをして経験を積まないと卒業できません。

 

私の学部(自然科学部)は3年で学士として卒業しますが、多くの人はそのまま修士を取るために大学院に行きます。他のほとんどの学部は修士付き(Integrated Masters)というもので、4年で学士と修士を終わらせて卒業します。

 

私は実験がしたかったのと、行ったことのない国に行ってみたいと思ってこの大学にしました。また、イギリスの大学では1年次から専攻の内容しか学びません。私は高校時代にいろいろなことに挑戦していたこともあり、大学入学を機に一つのテーマに専念したいと思い、イギリスの大学にしました。

 

インペリアル・カレッジは、そのような専門に特化しているスタイルのイギリスの中でも、1年に一つだけ文系の科目を取ることができ(犯罪心理学、フランス語など)、それが息抜きみたいで楽しいかなと思ったのでこの大学にしました。

 

生物化学を選んだ理由は、もともと化学が好きで、化学をもっと人の役に立てたいと思った際に、私たちを作っている有機化学とそれがどのように作用しているかを学べるのが生物化学ではないかと思ったからです。また、いろいろな構造と役割を持つたんぱく質が、小さな万能の機械みたいでとても面白いと思ったのもきっかけです。

 

 

Q. 今学期はどんな時間割?特徴的な授業もいくつか教えてください!

 

卒論期間は決まった時間割が無い!やるべきことを自ら見つけて研究を進める日々。

 

Hazuki Y.先輩の時間割

Hazuki Y.先輩の今学期の時間割

 

私の専攻している学部は、3年生になると1学期と2学期の半ばまで1ヵ月かけて一つの科目を学ぶというのを3回繰り返します。だいたい1日に授業が2時間あり、それに加えてプロジェクトや実験が入ります。

 

冬休み明けと3月上旬にそれぞれテストがあり、その後、“Final Year Project”という卒業論文みたいなものを書きます。8週間ひたすら研究だけをし、論文を書きます。

 

私は、たんぱく質の構造予測をもとにした、肺炎のワクチン開発をテーマにしました。どのたんぱく質をターゲットにすれば有効なワクチンが作れるのか、ということを調べていました。

 

\3年間の学びの集大成/
研究の進め方

研究する間は、週1回の定期ミーティングの他は自分の実験の進捗に合わせて登校するので、定まった時間割はありません。人によってはあまり行く必要がなかったり、研究室に缶詰だったりします。

 

私の場合はパソコンベースの研究だったので、ミーティングに出席し、ちゃんと報告すればどこにいてもよかったです。所属研究室の大きさにもよりますが、教授ととても近い距離で研究できます。

 

自らやることを決めて研究に没頭!

研究の時は、実験を進めたり、関連する論文を読んだり、ミーティング用の発表資料を書いたり、自分の卒論を書いたりと、その日やらなければいけないことを自分で見つけて行っています。

 

全体のラボミーティングの後に、教授と一対一でさらに詳しく話し合えるのは、とても手厚くていいなと思っています。研究がうまくいけば正式な論文になったりするので、モチベーションにつながります。

 

 

\発見や面白さがあって気に入っていた授業/
スペイン語

共有した時間割は3学期のものなのですが、1学期と2学期はスペイン語の授業を取っていました。授業を取る前に、言語のレベルチェックのプレイスメントテスト(クラス分けテスト)があります。

 

毎週木曜日に2時間授業があり、5~10人ほどの少人数のクラスで、スペイン語の小説を読んだり、ニュースを見たり、ポッドキャストを聞いたりしながら、ディスカッションベースで進んでいきます。

 

授業のテーマは、学生が選んだり先生からの提案があったりで、臨機応変に変わっていきます。特に印象に残っていたのは、アルゼンチンの男性のポッドキャストで、軍事政権に抑圧されながらもいつか日の目を見ることを願い、秘密裏に政府の不正の証拠を記録し続けた話が印象的でした。

 

授業では、そのポッドキャストの感想や文体、トーンのディスカッションから始まり、そのような状況下で何ができるのかなど様々なことを話し合いました。

 

言語だけでなく、各国の歴史・文化も学べる!

世界にはスペイン語を話す国が多いので、スペイン語を学ぶ中で、いろいろな国の歴史や文化も同時に学べて面白いです。

 

また、授業を取っている学生はいろいろなバックグラウンドからきているので(フランス、バングラデシュ、イギリス、ギリシャ、ハンガリーなど)、同じテーマでも視点が全く違ったりするのも面白いです。あと、人によってアクセントの違いも感じることができるのも楽しかったです。

 

 

Q. インペリアル・カレッジ・ロンドンで学ぶ良さってどんなところ?

 

学問にとどまらず、研究やインターンを通して実践・応用につなげられる!

 

インペリアル・カレッジは、興味ある分野を専門的に学べることと、それを学問にとどめるのではなく研究やインターンを通して実践・応用につなげられることです。

 

インペリアル・カレッジ・ロンドンにおけるタンパク質構造の授業での課題の一部 マラリアを研究しているラボで蚊を育てている箱

(左)たんぱく質構造の授業での課題の一部。与えられたデータからどのようにたんぱく質構造を導き出すのか、実践を通して学びました。

(右)マラリアを研究しているラボの蚊を育てる箱です。箱を見ながら、蚊の性別や、蚊がどのように物を認識しているか学びました。

 

1年生から専攻のことしかやらない分、早くも大学2〜3年生で、他の大学だと院生にならないと学ばないような内容やプログラムを使わせてもらえることで、その分野の高い専門スキルが身につきます。

 

また、勉強やプロジェクトは誰かに決められるのではなく自分次第なことが多いので、自ら何かを学ぶスキルが身につくのがとってもいいです。

 

いかがでしたか? 

1年次から専門的な深い学びを追究してきたHazuki Y.先輩。3年間の締めくくりとなる研究活動は、全て自分で計画立てて進める毎日でした。研究内容そのものだけでなく、海外大生活での様々な試練を乗り越えて身につけたセルフマネジメント力も発揮される集大成となったのではないでしょうか。

 

【海外大に進学した先輩! 今学んでいる時間割の中身を教えてください!:シリーズ記事をチェック!】

アメリカ / バックネル大学 Yuki Y.先輩

カナダ / トロント大学 Kei T.先輩

アメリカ / カリフォルニア州立大学モントレーベイ校 Naoki H.先輩

アメリカ / ワシントン大学 Ayami K.先輩

イギリス / インペリアル・カレッジ・ロンドン Hazuki Y.先輩(この記事)

 

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※この記事でご紹介している内容は2024年7月30日現在の情報に基づいています。
 

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