海外大を卒業した先輩! 海外生活で最高に嬉しかったこと・最大のピンチを教えて! ~ウェズリアン大学 Hayate M.先輩~
海外大学への進学が初めての留学となる先輩たちにとって、その日々の全てが新しい経験の連続。様々なピンチや嬉しい出来事からどんなことを感じ、学んでこられたのでしょうか。名門リベラルアーツカレッジのウェズリアン大学に進学したHayate M.先輩に当時を振り返ってもらいました。
トラブルや逆境は挑戦の証。乗り越えた先に、かけがえのない絆や成長の実感が得られました!
今回の「ラボ協力隊」
Hayate M.先輩
アメリカ ウェズリアン大学卒業。自分が出会ったことのない環境に浸り、知らない文化背景を持つ学生や教授と共に真剣に学びたいと感じ海外進学を決意。学部生時代は社会科学とロシア・ヨーロッパ・ユーラシア研究のダブルメジャー。
現在はカリフォルニア大学サンタバーバラ校にて、大学院生として歴史学(ロシア史・戦争史)を研究している。
Q. 4年間の海外大生活で起きた最大のピンチ、苦労したことは?
Episode #1【2年生の9月〜11月頃】
専攻落第のピンチ?!英語で書く毎週の課題が予想以上に大変でした…
大学2年生の時、社会科学に興味を持っていた私は、“College of Social Studies(社会科学部)”という経済学・政治学・歴史学の各教科をローテーションで、2年生の1年間(秋学期と春学期)をかけてじっくり学ぶ専攻に入りました。
その専攻では、2年生の間、毎週5〜6ページのショートペーパー(=レポート、小論文)を提出する必要がありました。1年生の間に「慣れてきて書けるようになった!」と自信をつけてきた英語でペーパーを書く課題でしたが、毎週のスパンで書いてみると、実はあまりうまく出来ていなかったことに気づきショックを受けました。
しっかり筋が通るように説明しようとするあまり、つい一文一文を長く書いてしまって結局何を言っているのか不明瞭になってしまったり、英語の語彙不足で主張したいことがクリアに説明できておらず、教授に理解してもらえなかったり… 毎週の課題が始まった当初はかなり悪戦苦闘しました。
そうこうして秋学期の終わり、歴史学の教授から2週連続で実直ながら辛辣なコメントをもらい、さらにひどく落ち込みました。「英語の質もペーパーの内容も目に余る」という、実に厳しいコメントでした。2週目のペーパーの最後には「このままでは2年生の終わりにある総合試験(その日に質問が与えられ、翌日までに10ページのペーパーを書き上げる試験)にパスできないだろうから、専攻をドロップすることをお勧めする」という手痛い評価まで書かれてしまいました。
特に歴史学の授業は毎週2、3冊の分厚い本が課題として出され、読むだけでもとても苦労する上に、その内容をまとめて自分の主張を探す作業も大変で、ペーパーを書くのもすごく時間がかかりました。大学進学で初めて海外留学した私にとって、英語で読み書きすることも、毎週の課題の難しさを倍増させていました。
よく勉強しに通っていた大学の図書館。教授から厳しいコメントをもらった日、文字通り雲行きの怪しい雲がかかっていて写真に撮っていました。
社会科学の本をとにかくたくさん読みました。このサイズの本が毎週2、3冊課題に。
\こうしてピンチを乗り越えた!/
専攻落第のピンチに陥ったものの落ち込んでいる暇もなく、翌週の課題に取り組むほかありませんでした。でも、このまま自分一人で苦しんでいても埒(らち)が開きません。
担当の歴史の教授に相談に行き、1年生の時にお世話になっていた英語ライティングの教授に、歴史学の教授に出す前に一度ペーパーを読んでもらい、フィードバックをもらって修正したペーパーを提出する許可をもらいました。話を聞いてみたところ、過去に留学生の先輩の中にも同様にしていた人がいたようです。
ライティングの教授はとても面倒見が良く優しい先生で、書き上げて早朝に提出したペーパーをその日中に見てコメントを返してくれていました。その結果、歴史学の次の週のコメントは驚くものに。あの辛口な歴史学の先生から、「これは1、2週目からは考えられないほどいい出来のペーパーだ」というコメントが返ってきたのです!ちょっと漫画的な展開に、その時は嬉しさもあって少し笑ってしまいました。
この経験は、自分の弱さや苦手なところを知り、努力した上でも行き詰まった時は、周りの先生や友人に頼ってもいいということを教えてくれました。それまで、アメリカに来てもどこか遠慮がちであった私にとって、人間的な成長につながった経験でもあったと思います。
最終的に、教授や同級生の助けを借りながら学期末までペーパーを書き続けられ、無事に最後の総合試験までやり切ることができました。
気づけば外が明るくなるまでかかった、総合試験の最終日。試験後、たくさん寝ました。
教授のコメントがなければ、この成長も無かったはず。厳しいながらも実直なコメントをくれた歴史学の教授、ライティングの先生や同じ専攻の同級生に深く感謝すると共に、手厚くサポートしてくれるリベラルアーツの環境にも恵まれていたと思います。
Episode #2【3年生の3〜5月頃】
コロナパンデミックで緊急帰国!突然なくなってしまったキャンパスライフ。
3年生の春休み中に、コロナ禍の影響で全寮のクローズがアナウンスされ、あえなく春休みが終わる前に緊急帰国となりました。突然始まったオンライン授業の環境に戸惑い、またアメリカとの時差のため授業が日本時間の早朝や深夜に行われることが多く、非常に苦労しました。
また、大学にも、英語にも慣れて、留学生活において楽しめることが増えてきた中で突然打ち切られてしまったので、ショックでもありました。
\こうしてピンチを乗り切った!学べた!/
結局、次の4年生の秋学期も日本の自宅から授業を受けることになってしまいましたが、前学期の経験を生かし、教授に相談してクラスの時間を調整してもらったり、現地時間で夕方の遅い時間のクラスを取ったりと、工夫して乗り切ることができました。
インターネットの時代に生きているとはいえ、世界中に散らばり、物理的に離れてしまった友人とコミュニケーションを取るのは難しい面もありました。しかし、卒業してコロナ禍が終息を迎えた今、再び大学時代の友人と会う機会が増えています。大学のキャンパスで共に時間を過ごした友人たちとの縁は、コロナ禍にも負けなかったことを実感でき、そのつながりに感謝しています。
誰もが影響を受けたコロナ禍なので仕方がないところが大きいのですが、コロナ禍による緊急帰国を含め慣れないことの多い留学には、どうしてもトラブルがつきものです。上手くいかないことや落ち込むことがあっても神経質になりすぎず、外国で生活をし、授業を受け、勉強をしている自分に自信を持つこと。時には教授や友達を頼りに、今できることをして、一歩一歩前に進んでいくことが重要な人生の糧になるということ。突然のトラブルを乗り越える経験を通して学びました。
Q. 海外大に進学して味わったピンチ、先輩にとってどんな意味があった?
トラブルや逆境のときこそ、自分のチャレンジを認め自信を持つことが大事。
繰り返しになってしまいますが、留学生活というのは、住み慣れた日本を出て、外国でキャンパスライフを送ることになるので、当然トラブルや逆境がつきものだと思います。しかし、留学生活におけるピンチは、新しい学びを得たり成長につながったりするなど、逆にチャンスになることが多いと感じます。
だからこそ、上手くいかないこと、悩んでしまうことがあれば、それは自分にとっての新しい挑戦をしている、頑張っていることを意味すると捉えています。ピンチに直面した時ほど、そんなチャレンジをしている自分に自信を持つことを大事にしたいとあらためて思います。
Q. 逆に、4年間の海外大生活で最高に嬉しかったのはどんなこと?
Episode #1 【3年生の9月〜2月頃】
ハウスリーダーになりコミュニティー作りを経験!充実した交流ができ成長を実感。
「ロシアンハウス」という、ロシア語を話したり勉強したりしている学生や、ロシア・ユーラシア出身やその移民を家族にもつ学生が応募して集まる寮のハウスリーダーになりました。
ハウスリーダーを務めた、ロシアンハウスの外観。黄色の壁がトレードマークです。
ロシア映画の鑑賞会を企画したり、ロシア料理のディナーパーティを開催したりと、自分の興味と共通する友人とつながることができ、居心地のいいコミュニティーになりました。
ロシア映画鑑賞会を開催しました!ソ連時代の映画は、とても味があって見応えたっぷりです。
3年間お世話になったロシア語の先生を招いてTea Partyを開催!
\こんなポジティブな影響もあった!/
友人やコミュニティーとつながれたと同時に、ハウスリーダーとしてコミュニティー作りを経験できたことは大きな自信になりました。英語で苦労していた1年生の頃に比べて、リーダーシップやコミュニティービルディングの経験を得られるなどコミュニケーション面が充実し、留学生活における成長を実感できました。
またアメリカでは、留学生はキャンパス内でしか就労が認められておらず、リサーチアシスタントなど限られた仕事しかない中で、こうした学生と関わりながら責任も伴うレジデントアシスタントの経験ができたことは、あらためて貴重な機会だったと感じます。
Episode #2 【2年生の3月〜5月頃】
辛い試験期間を友達と乗り切った!苦楽を共にしたことで、強いつながりに。
2年生の終わりには専攻の最終試験があり、1年間の総復習になるため勉強量が多く、大きなプレッシャーとストレスがかかる辛い時期でした。
しかし同時に、試験に向けて同級生たちとグループを組んで一緒に勉強したり、専攻の先輩が後輩である私たちに食べ物など差し入れや勉強のサポートをしてくれたりと、大変だった分、思い出深い時期でもあります。
\苦労を共に乗り越えたからこそ!/
そして、最終試験を無事乗り切り、学期末に開催されたディナーで苦楽を共にしたクラスメイトや専攻のメンバーと過ごした時間は、忘れたくても忘れられない大切な思い出になりました。
“Diamonds are made under pressure”(ダイアモンドはとても強い圧力が作り出す)とは言いますが、まさに大変な勉強を一緒に乗り越えた友人たちとのつながりはとても強く、卒業した今でもよく連絡をとっています。
苦楽を共にした、専攻の同級生たちと。大学がある街のホテルで、1年に1回のディナーパーティーへみんなで向かう前にパシャリ。
Q. 「海外大に進学したからこそ!」の嬉しさ・楽しさってどんなところ?
大変さを乗り越えた先にある、自分の成長や多様な人々との深いつながり。
海外の大学には、日本の大学に進学しただけでは得られない様々なバックグラウンドや国から来た同級生たちと友人になり、互いに学び合える恵まれた環境があると思います。
また、自分にとって心地よい環境からあえて離れ、外国という慣れない環境で生活し、慣れない言葉でキャンパスライフを送る中で一皮二皮むける経験をしていきます。これは、海外に留学することでしか得られない貴重なものです。
日本の外に出ることで目新しいことが多く、上手くいかずに大変なこと、トラブルも多い留学生活。だからこそ、乗り越えた先にある自分の成長や、異なる環境で育ってきた周りの人と深くつながれる、bittersweetな喜び・嬉しさがあると思います。
いかがでしたか?
学部生時代に「一番苦労した」という歴史学を、現在は大学院生として、より専門的にロシア史・戦争史にフォーカスして学んでいるHayate M.先輩。ピンチを乗り越えて得た成長の実感や様々な経験、苦楽を共にした人々とのつながりを拠り所にして、海外大でさらに学び深める力につなげていく姿が頼もしいですね。
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アメリカ / ウェズリアン大学 Hayate M.先輩(この記事)
アメリカ / ウェルズリーカレッジ Michiru I.先輩
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