海外大を卒業した先輩! 海外生活で最高に嬉しかったこと・最大のピンチを教えて! ~ハーバード大学 Lunasa S.先輩~
海外大に進学したからこそ得られる喜びや嬉しい出来事もあれば、思いがけないピンチや苦労に直面することも。4年間の海外大生活を経た先輩たちに当時を振り返ってもらい、海外大での泣き笑いエピソードとその経験から得られた学びや気づきをお聞きします。
現在はフィンランドリーグでプロのアイスホッケー選手として活躍するLunasa S.先輩、ハーバード大学時代はどのようなドラマが起きたのでしょうか。
慣れない文化やハードな課題。数々の試練を乗り越え、全てが「自分だけの特別な経験」に!
今回の「ラボ協力隊」
Lunasa S.先輩
アメリカ ハーバード大学卒業(科学史専攻)。全米準優勝4度、全米大会出場常連の名門アイスホッケー部に初の日本人選手として活躍。
現在はフィンランドでプロアイスホッケー選手としてプレーしている。
Q. 4年間の海外大生活で起きた最大のピンチ、苦労したことは?
Episode #1【1年生の9〜12月頃】
返却された初レポートは赤字だらけ!厳しくも的確なアドバイスを受け最終版を提出。
1年生の時、初めて10枚以上書かなければいけないレポートの課題がありました。大学受験の時に書いたエッセイとは違い、中身もよりアカデミックな内容に沿ったもの。1年生にとって必修のライティングの授業は受けているものの、同時進行でとっている別授業の課題なので、まだライティングの基本が分からないままドラフトを提出しました。
返却されたドラフトは赤字や訂正、ツッコミばかりで自分で見るのも恥ずかしくなるほどでしたが、採点したティーチングフェローが、私の提出したドラフトの内容や書き方を心配してミーティングを設定してくれました。そこで初めて自分の状況を説明すると、わかりやすく指導してくれて、厳しいながらも的確なアドバイスをもらうことができました。そのおかげで、なんとか最終的なレポートを書いて後日提出することができました。
\このピンチがあったから気づけた!/
どんな授業でも初めはできないこと、分からないことばかりですが、最初に恥ずかしがらずに相談に行くことでより自分に合った助けが得られると思いました。
それ以降に取った授業では、あらかじめクラスのティーチングフェローや教授に自分の状況を説明し、役に立つリソースを紹介してもらったり、寮や大学の各学部が開いているライティングのオフィスアワーに通ったりするようになりました。
また、何事も経験することで成長していくもの。どれだけ恥をかくと思っても、挑戦してみて何がうまくいって何がうまくいかないか、自分の経験として積んでいくことが成長に一番つながると思いました。
1年生の頃は10ページのレポートに苦戦して、書く内容も、書き方や順序も全く分からないような状態でした。それでもいろいろなクラスでレポートを書く経験を経て、4年生の頃には90ページを超える卒業論文を書いて提出することができました。
春頃になると、卒業論文を書いた4年生が図書館前で写真を撮るのが恒例になっています。
自分もその仲間入りができて嬉しい気持ちでした。
Episode #2【1年生の9〜12月頃】
アメリカの大学で初のパーティー。慣れない文化も友達のヘルプで無事クリア!
アメリカの大学は毎週末のようにパーティーが行われ、それが多くの学生の楽しみだったりもします。私の場合、1年生で入学して割とすぐにあった、女子アイスホッケー部と男子レスリング部の合同パーティーが初めてのパーティーでした。
グループチャットに流れてくる詳細や、当たり前のように使われるパーティー用語も暗号のようで、私には何のことだかさっぱり分からない状態。周りには高校生からそういう文化に慣れている子が多く、自分だけついていけていないという感覚で、その日は昼ごろから少しソワソワしていました。
最終的には周りのみんなが洋服を選ぶのも手伝ってくれたり、待ち合わせて一緒に行ってくれたりして、無事に初めてのアメリカでのパーティーに参加。なかなかワイルドでしたが、ここでまた、新しい文化を自分自身で経験することができました。
\この経験があったからできた!/
その後大学を卒業するまで、チームでの夜の集まりや週末でのパーティーは数えきれないほどありましたが、一度経験したことで自分なりの関わり方を見つけることができました。
私はあまりお酒を飲まない方だったので、みんなと馴染めるか心配でした。けれど、パーティーの最初の方に顔を出してチームメイトと喋ったり写真を撮ったりして楽しむなど、アメリカに根付いたソーシャル文化を自分なりに心地よく楽しめるような方法を見つけられたのが良かったと思います。
Q. 海外大に進学して味わったピンチ、先輩にとってどんな意味があった?
様々なピンチも理解や順応につながり、全てが「自分だけの特別な経験」に!
海外大での4年間は、勉強面でも生活面でも文化面でも、毎日が新しいことで溢れているのは刺激的ではあるものの、ストレスフルでもあります。
振り返ってみると、私も最初の1、2年、特に入学したばかりでまだ右も左も分からない頃から多くのピンチに遭遇しました。しかし、自分で経験して、どんなものか理解していくことで「アメリカで生活するとはどういうことか」「どういう文化がここにはあるのか」「大学生活ってこういうことが起こるのか」と次第と順応していくことができました。
海外に行くとピンチに陥ったり、恥ずかしい思いをしたり、自分が予想すらできなかったハプニングはいろいろあると思います。ですが、それも何年か経つと自分自身を助けてくれる「自分だけの特別な経験」になります。
大変なことやショックなこと、落ち込むことがあってもその道を通ってきたのはあなた一人だけじゃないので、安心してください!
Q. 逆に、4年間の海外大生活で最高に嬉しかったのはどんなこと?
Episode #1【4年生の2月頃】
アイスホッケーチームの4年生最後のホーム戦。全てが報われた一日!
4年生でアイスホッケーシーズンも終盤に差し迫り、自分達のホームリンクで行われる最後の試合で、4年生のためのセレモニーが開催されました。その日は、下級生がポスターを作ってくれたり、保護者が4年生それぞれにお祝いのグッズを作ってくれたりして盛大にお祝いしてもらいました。
まだコロナ禍だったこともあり、4年生の中で自分の両親だけは当日試合に来ることはできなかったのですが、試合が始まる前から終わったその夜まで、チームメイトや保護者・関係者などたくさんの人に、これまで築いてきた大学でのアイスホッケーキャリアを祝ってもらいました。みんなから大切にされて応援してもらっていたことを改めて実感してとても嬉しかったです。
\こんなポジティブな影響があった!/
1年生から大変なこともたくさんあり、チームメイトと仲良くなるのにも信頼を得るのにも人一倍時間がかかりました。けれど、その日にたくさんの下級生や保護者、チームのスタッフから祝ってもらい、「これまでこのチームで続けてきて本当によかった。大変だったことも、この日1日だけで全て報われた」と心から思うことができました。
それからも数試合残っていたのですが、最後までこのチームのためにできることは全てやろうと思いました。
4年生最後のホーム戦後に行ったセレモニーでの写真。
大好きなチームメイトとこの日を迎えられて光栄な気持ちでした。
Episode #2【2年生の1〜5月頃】
不安だったディスカッション。初めて自分の意見を述べられるように!
2年生の後期に、長文のリーディングとその考察が課題として毎週出される少人数の必須クラスをとりました。授業に積極的に参加して発言することが成績の評価に入るので、最初はついていけるか、毎週のディスカッションで自分の意見を言えるかすごく心配でした。
クラスが始まった時に担当のティーチングフェロー(教授の指導のもとで授業の計画・進行・管理などを行う補助教員)に不安なことを相談すると、毎週のオフィスアワー(学生が直接教員に質問できる時間)に来て一緒にリーディングをやろうと提案してくれました。その学期は、毎週彼女のオフィスアワーに通い、リーディングの宿題を一緒にやるように。
オフィスアワーで予習したことをディスカッションでも扱うので、自然と少しずつ自信を持って話せるようになりました。学期の最後には大きなクラスの前でも自分の意見を言えるようになり、独りよがりではなく、共感を得られたり、周りに新しい観点を提起したりできるようになったことが嬉しかったです。
\こんなポジティブな変化があった!/
そのクラスにしっかり向き合い、ティーチングフェローと毎週コミュニケーションをとれたことで、リーディングやライティングの質が高まり、自分の取り組みや成績に自信がつくようになりました。
結果的にそれ以降の提出物やレポートの質も上がり、学業面でも教授やフェローから信頼を得られるようになったという嬉しい手応えもありました。
Q. 「海外大に進学したからこそ!」の嬉しさ・楽しさってどんなところ?
不安にもまれながらも、全力で進み続けた先に自分の成長や達成感がある!
入学当初に不安だったことや出来なかったことを振り返り、「こんな時期もあったけど続けてきてよかった。あの頃の苦労が報われた」と思う瞬間が、私にとっての嬉しさや楽しさに繋がっていたと思います。
初めての環境で慣れないことや出来ないことが多い中でのスタートでしたが、出来なくても辞めたり足を止めたりせずに、また周りと比べたりもせずに、自分のペースで少しずつでも進み続けたことが、最終的な達成感や嬉しさに繋がりました。苦手なことでも今の自分が出せる全力で取り組むことを続けていたら、いつかは変化や達成感に導かれる瞬間があるのではないかなと思います。
いかがでしたか?
全力で数々の困難を乗り越え、やり抜いてきた達成感や自己の成長にこそ嬉しさや楽しさを見出したLunasa S.先輩。アイスホッケーの挑戦の場としてハーバード大学を選び、あえて厳しい環境に身を置いたからこそ、一つ一つ「できるようになった」喜びもまた一際大きいものとなったことでしょう。
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アメリカ / ハーバード大学 Lunasa S.先輩(この記事)
アメリカ / ウェルズリーカレッジ Michiru I.先輩
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