海外TOP大に合格&入学するためにハズせなかった対策 〜ヴァンダービルト大学 Alisa H.先輩〜
憧れの海外大進学を実現した先輩たちは、名門大学合格に向けてどんな対策を行ってきたのでしょうか。最高水準の研究・教育で定評のあるアメリカ・ヴァンダービルト大学1年生のAlisa H.先輩に、進学理由や合格につながった対策などをお聞きしました。
一貫性を意識して、自己の多面的な魅力をアピール。憧れた研究室の一員になれました!
今回の「ラボ協力隊」
Alisa H.先輩
アメリカ ヴァンダービルト大学 工学部1年生、化学バイオ工学専攻。
自らの興味分野に沿った研究活動や部活動、校内外でのプロジェクト立ち上げ、バレエなど積極的に課外活動に取り組み、高2の冬に海外大進学を目指し始める。
Q. ヴァンダービルト大学を志望した理由は?
最先端の研究だけでなく教育機関としても充実。食事のおいしさも大事!
去年(2023年)の夏から、アメリカのテネシー州にあるヴァンダービルト大学に通っています。
私は高校生の時に分子生物学と環境学に興味を持ち、この2つが重なる学問である生物工学を学びたいと考えていました。
生物工学の中でも、環境問題の解決に向けて生物の能力を応用する「バイオテクノロジー」を深掘りしてみたいと考えていたところ、ヴァンダービルトではバイオ燃料の生産に活かせる微生物を研究していることを知りました。
その研究発表を解説した記事が大学のサイトに掲載されていて、読んでみると研究内容はもちろん、複雑なサイエンスをわかりやすく噛み砕いた文章の書き方にも、グッと心を掴まれたのを覚えています。面白い研究をする人と魅力的な文章を書く人がいるというだけで、“Vanderbilt”のロゴの文字までキラキラかっこよく見えました(笑)。
ヴァンダービルトとの出会いはちょっとニッチでしたが、その後大学について調べてみました。私が大学を調べる際に大切にしていた項目は主に3つあります。
1. 私のやりたい専攻分野で最先端の研究が行われているか
2. 研究施設としてだけでなく教育機関として充実しているか
3. 食事がおいしいかどうか
1. 私のやりたい専攻分野で最先端の研究が行われているか
ヴァンダービルトには“Biomolecular and Chemical Engineering”(化学バイオ工学)という私にぴったりの専攻があり、私の興味分野にピンポイントの研究がいくつも行われていたので、第一項目はクリアでした。ちなみに現在は、上述した憧れの研究室で研究を行っています!
キャンパスは自然が豊かです。建物もかっこいい!
2. 研究施設としてだけでなく教育機関として充実しているか
ヴァンダービルトはリサーチ系総合大学でありながらも、リベラルアーツを用いた学部教育に力を入れています。少人数の授業が多く、履修できる科目が幅広いことが魅力的でした。実際に今年度は、必修ではない環境学や美術を履修しました。
今学期のスケジュール。実験や美術など手を動かす系が多くて楽しい!
3. 食事がおいしいかどうか
コモンアプリケーション(Common Application / Common App : 米国大学の共通願書システム)のエッセイで「食」について書くくらい、私は食べることが好きです。アメリカでの食事には全然期待していなかったものの、学食の全米ランキングが上位だったのが志望校のリストに追加する決め手になりました。
Q. 大学合格に向けてどんな情報を集めた?その目的は?
幅広い大学の情報を満遍なく集めて比較。数を絞れたら公式情報をリストアップ。
私は海外大学に関する知識がほぼゼロの状態からリサーチを始めました。言語や暮らしやすさなどを考慮し国をアメリカに絞った後は、気になった大学をとにかくピックアップして比較してみました。NicheというレビューサイトやU.S. Newsのランキングを参考に、情報源が偏らないよう意識しながら、大学選びを進めました。
ある程度現実的な数にまで絞れてきたら、確実に最新の情報が得られるコモンアップや大学の公式サイトで、入試方法や奨学金について調べ、スプレッドシートにまとめました。
大学のオンライン説明会にも何度も参加しましたが、どの大学も似たようなことを言っているように感じ、この大学すごい!となったのは1校くらいでした。効率を重視するなら、特に気になった大学にだけ参加するのがいいかもしれません。
Q. 今だからわかる、大学の情報収集で気をつけたいポイントは?
カテゴリーにとらわれすぎず、学費の高さに怯えすぎない大学選びを!
大学選びの際は、大きな括りに引っ張られすぎないことを意識した方がいいと思いました。
例えば、いろんな授業を取ってみたいからリベラルアーツカレッジに絞る、というのは一つの選択肢ですが、この場合、同じくらい幅広く授業を取れる総合大学(“Open Curriculum”という制度を取っている総合大学)を見落としてしまいます。
アメリカには「名門大学」と言われる大学が無数にあるので、レッテルや括りではなく大学の色が自分に合っているか、で大学を選ぶことが大切だなと思いました。実際、私の通うヴァンダービルトは「南部のアイビー」と呼ばれるのですが、同じ異名を持った大学は他にも複数あります(笑)。
後は、アメリカの大学の学費に怯えすぎないことです。(目の当たりにすると恐ろしいので)
ヴァンダービルトの魅力と受験した理由は上にたくさん書きましたが、同じようにこだわりを持って出願した大学は全部で23校でした。合格をいただいた学校の中からヴァンダービルトに進学を決めた一番の理由は、提示された奨学金の額でした。
大学を比較して調べていると私立の学費の高さが目立ちますが、高いからと志望校リストから外してしまうのはもったいないです。国内の奨学金財団の指定校であるかどうか、大学に学力ベースの奨学金(Merit Scholarship:金銭状況に関係なく、優秀な成績を修めた学生に支給される奨学金)の枠があるかどうか、それは留学生でも支給されるのかを確認することをお勧めします。
私立は学費が高い分、学校の資金も潤っていることが多い(はず)です。ただ、奨学金に応募する場合、一般の出願より期限が早いこともあるので(ヴァンダービルトはそうでした)、志望校の奨学金の枠はしっかりチェックすることが大事だと思います。
Q. 振り返ってみて「もっとこうすればよかった!」と思うことは?
海外大学受験は準備がたくさん!一人で抱え込みすぎず、人に頼ることも大事。
もっと早くから人を頼ればよかったと後悔しています。
私が海外大受験を決めたのは、高2の冬です。SAT・TOEFL®の準備や、エッセイの執筆、IBDP(国際バカロレア・ディプロマプログラム)の最終試験に向けての勉強、とやることが重なって忙しい時期だったので、かなり焦っていました。海外大受験について右も左も分からない状態なのに、あれもこれも自分でやらなきゃと一人で抱えすぎていたと思います。
GLC(ベネッセGlobal Learning Center)に入って、経験を積んだアドバイザーさんが付いてくださっただけで、とても心強かったです。ネイティブの先生によるエッセイの添削も、なければ英語圏の同世代とは同じ土俵に立てなかったと思います。
周りに海外大受験の経験者がいないと思っても、情報発信しているコミュニティに飛び込んでみれば意外と仲間・先輩がいるんだと、Route H・GLCの無料オンライン説明会に参加して感じました。
Q. エッセイや課外活動、面接など、志望校別に特化した対策は?
多面的な魅力を見せながら、ブレない軸を感じさせる一貫性を意識。
ヴァンダービルトは面接がない(最新情報は要確認!)ので、時間をかけて出願書類を準備しました。
大学に提出したエッセイは3つです。
- 1. コモンアップエッセイ(Common App Essay:全大学共通の自己分析系エッセイ)
2. サプリメンタルエッセイ(Supplemental Essay:大学独自の短めのエッセイ)
…ヴァンダービルトはCommunity Engagementに関する質問に答える形式でした。
3. 奨学金応募エッセイ(Scholarship Application Essay:奨学金の応募に必要なエッセイ)
アドミッションの方が出願書類のページをめくるたびに「この人にはこんな魅力もあるのか」と思ってもらえるよう、アピールしたい自分の個性にアクセントをつけることを意識しました。
私の場合、Common App Essay(1)で自分の強みについて表現していて、Supplemental Essay(2)で課外活動に触れていたので、残ったScholarship Application Essay(3)には、興味分野に対する熱量と大学に対する愛を注ぎ込みました。
一方で、たくさんの魅力があるのにブレない軸があるな、とも思ってほしいので、出願書類全体のバランスと一貫性にも注意しました。例えば、趣味である料理の話を書いたCommon App Essayでも「グルコース」と生物学的な用語を使うことで生物学オタクな部分が垣間見えるよう工夫したり、表現した「自分の強み」が課外活動・表彰の欄で結果に現れていることがわかるよう意識したりしました。
Q. ヴァンダービルト大学に憧れる中・高生へアドバイスを!
課外活動・表彰歴は興味関心や強みを表現する武器。普段から貪欲に取り組んで!
コモンアップに記入する課外活動10個と表彰5個は直前には準備できないので、普段から興味があることには足を踏み入れてみてほしいです。高校にいると機会が少ないように感じられるかもしれませんが、貪欲にいけば最強です!
いかがでしたか?
アドミッションが出願書類を見てどう感じるか、読み手の視点を意識してエッセイを巧みに構成したAlisa H.先輩。多数のアプリケーションが集まる名門大学を目指す人ほど、自己の強みを客観的に捉えて戦略を立てることをぜひ意識したいですね。
【海外TOP大に合格&入学するためにハズせなかった対策:シリーズ記事をチェック!】
アメリカ / カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD) A.K.先輩
イギリス / ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン Toko H.先輩
アメリカ / プリンストン大学 Tomoka O.先輩
カナダ / ブリティッシュコロンビア大学 K.S.先輩
アメリカ / ヴァンダービルト大学 Alisa H.先輩(この記事)
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