海外TOP大に合格&入学するためにハズせなかった対策 〜プリンストン大学 Tomoka O.先輩〜
高校の成績やエッセイなどをもとに総合的な選抜が行われる米国大学。新しい挑戦を求めて国内の中高一貫校からカナダの高校へ移ったTomoka O.先輩は、どのようなことを意識して出願準備を進めたのでしょうか。
自分の性格や信条を中心に伝えたエッセイ。何をしたかよりも、そこから何を学んだかが大事!
今回の「ラボ協力隊」
Tomoka O.先輩
アメリカ プリンストン大学 1年生、地球科学専攻予定。
中2の夏に参加したサマースクールをきっかけに海外で学ぶことに興味を持つ。日本の中高一貫校を経て高2からカナダのUnited World Collegeに留学し、米国大学受験を決意した。
Q. 海外進学の経緯、プリンストン大学を志望した理由は?
原体験は国際的な環境でのサマースクール。快適な環境を離れて挑戦の道へ!
日本の高校を中退してUWCへ
私は高校2年の夏に通っていた高校を辞め、カナダにあるUWCへ通いながら、アメリカへの大学受験を決めました。
UWCとは“United World College”の略で、教育を通じて人々や国や文化を結んで、平和と持続可能な未来を目指すことをモットーにしたプログラムです。キャンパスは世界に18ヵ所あり、155以上の国と地域の選考委員会によって選ばれた生徒がそれぞれの学校に派遣されます。私は日本の経団連を通して出願し、2021年の秋にカナダ校に派遣となりました。
さて、まずはなぜ私がUWCに通う決断をしたのかについて話します。私が通っていた中高一貫校が英語教育に力を入れていたことからも、中学の頃には漠然とした海外への憧れがありました。学業と部活に取り組みつつ、文化祭や研修旅行といった学校行事に全力投球するのがとても楽しく、毎日フルエネルギーで生きていたのですが、厚かましくも「自分がここでできる最大限のことはもうやり尽くしたから、そろそろ環境を変えたいな」という思いが沸々と湧き出てきました。
また、中学2年の夏に参加したISAKサマースクールでの強烈な経験も、UWCに挑戦する後押しになりました。ISAKは軽井沢にある日本のUWCキャンパスです。サマースクールでは2週間でリーダーシップについて理解を深めるワークショップを行いました。
当たり前のように交わされる英語でのディスカッションに全くついていけない。未知の世界に突然放り込まれた感覚でした。それでも、何もわからないならそれなりに自分で乗り切るしかない!と振り切って、わからない部分があったらすぐメンターに頼ったり、一つ学んだならそれをみんなに共有したり、小さな挑戦をコツコツ積み重ねていきました。
たった2週間、されど2週間。サマースクールが終わった後の私は達成感でいっぱいでした。それと同時に、親身になって支えてくれた友達のようになりたいと、心から強く願うようになりました。この原体験からも、目の前に自分を成長させてくれる機会がある限り、その挑戦をやめる理由はないとの思いが揺るぎないものとなり、UWCに出願することに決めました。
しかしここで強調したいのは、UWCに行くことは必ずしも海外大学に行くことと同義語ではない、ということです。もちろんUWCに進学したおかげで英語力が伸びたかもしれません。しかし、それはUWCで得られる経験の氷山の一角でしかなく、多様性を尊重するからこそ生まれる軋轢に何度も直面しましたし、受験時のメンタル面も含めて、日本にいて家族と過ごしていた方がどれほど楽だったでしょう。
それでもなお、日本という故郷を離れる決断をしたのは、日本のことをもっと知りたいと感じたからです。逆説的ですが、距離が離れているからこそ異なる考え方が吸収でき、かつそれを日本で応用するためにはどうすれば良いか、という視点も育める。特に、私が専攻したい地球科学という学問は舞台が地球なので、勉強しているだけで日本と繋がっている感覚があります。
快適な環境からあえて離れるからこそ、精神的にも大きく成長できます。私は強くなっていく自分を見ることが好きなのかもしれません。
プリンストン大学を志望した理由
米国大の出願過程をよく知っていたのと、学内の研究やリサーチのリソースが豊富なことからアメリカを進学先に選びました。その中でもプリンストン大学を志望したのは、こぢんまりとした規模が自分に合っているかなと思ったのと、やはりそのアカデミックな環境ですね。
私は大学の現地に訪れる機会がない状態で出願先を選びましたが、大学で何をしたいかを考えたときに、自分の好きな地球科学が学べることがマストでした。そしてリベラルアーツとしても名高いプリンストンならば、他の興味分野に挑戦することもできるのではないかと思いました。
ゆったりとした治安のいい街で学べるのも、プリンストンの魅力です。
また、合格をいただいた大学の中でもプリンストンは海外留学を積極的に支援しており、その機会が豊富に提供されています。自分の視野を広げつつ、高校で学ぶことのなかった分野にも挑戦できる環境になると思いました。
しかも、学生が自分で海外留学の計画書を立てれば渡航費や生活費など全額補助してくれることがほとんどです。もちろん大学の許可が降りればですが、計画書を作る際は大体教授によるサポートシステムもあります。私は専攻予定の地球科学に関連して、アイスランドや東南アジアでの実地調査ができればなと思っています。
世界を牽引する研究者や教授と直接交流する機会が多いのも、総合大学の魅力だと感じます。勉強ばかりでしんどい時もありますが、こうして自分の興味ある学問を学べる機会をいただけたことに感謝しています。
Q. 大学合格に向けてどんな情報を集めた?その目的は?
明確に大学生活を思い描くとき、一番の拠り所は実際に大学で学ぶ先輩の声!
米国大学生の生活・特定分野に強い大学を検索
まずアメリカの大学生の生活を知るために、私は知り合いの先輩方に話を聞いたり、ブログを活用したりしました。(今は自分がそのブログを書いている身です!「プリンストン大学を知ってもらい隊」です。よかったらぜひ一度ご覧ください。 https://princetontora.wordpress.com/)
また、専攻したい学問の分野が明確になったので、どの大学がその分野に優れているかをNicheというカレッジサーチで検索をかけたりして、志望校をリストアップしていきました。
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大学が求める人物像・プログラムなど詳細をチェック
より具体的な大学の雰囲気を掴むために、その大学の先輩方にSNSや対面で話を聞いたほか、各大学が主催するオンライン説明会に参加したりもしました。そこでは、大学がどのような人材を求めているのかをはっきり伝えてくれた大学もありました。そのため、エッセイを通じて自己表現をする際、自分のアピールしたいポイントを絞り込めたように感じます。
また、校風が自分の過ごしたいと思える環境に近いか、自分の学びたい専攻に関してその大学がどのようなプログラムを提供しているかに関しては、大学のWebサイトを中心に情報を集めました。
先輩の生の声からリアルな日常生活をイメージ
一方、実際に大学に通っている先輩方からは、その大学にいないとわからないこと、例えば大学周辺の治安や食事、環境面での違い(特に私は環境の変化に対して人より敏感な体質なので、気候はもちろん、水の味まで含めてどこの大学が自分の体質に合っているか調査しました)、またパーティーカルチャーについて聞きました。
大学は4年間、もしかしたらそれ以上の年月を過ごすところなので、人やキャンパスの雰囲気を重点的に調べていった気がします。出願校を決める際に候補の大学のWebサイトを巡ったりしましたが、やっぱり一番はその大学に通っている人と話すことですね。結果的に、どの大学に行っても自分は楽しい生活を送れるだろう、というところに出願をすることができました。
Q. 情報収集など出願準備の中で難しさを感じたことは?
現地に行けない分、その大学をよく知る人と交流できるかがカギ。
アメリカの大学に日本など国外から出願する時、難しい点としては、直接大学に訪問できないことだと思います。前述したように大学のオンライン説明会やWebサイトなどからいろいろと情報を集められましたが、現地に行かないと知り得ない、感じ取れないこともあります。
その点、やはり実際に大学に通っている人と話すことで、ある程度大学の雰囲気が掴めたように感じます。大学生と海外大を考えている高校生との交流がもっと増えればいいな、と思います。
Q. エッセイや課外活動、面接など、志望校別に特化した対策は?
コモンアップは最も印象的な経験、サプリは挑戦したいことを軸にアピール。
エッセイは自分の性格や大事にしている信条が伝わるように、コモンアップ(Common Application / Common App : 米国大学の共通願書システム)、サプリメント(Supplemental Essay:各大学から課せられるエッセイ)で書き分けました。
エッセイの書き方や戦略は人それぞれあると思いますが、私の場合は、コモンアップは深いことは考えず、自分が過ごしてきた歳月の中でどのシーンを一番話したいか、という点に絞りこみ直感に従って書きました。
私がコモンアップで書いたのは、UWCに留学して3ヵ月の時、アジア太平洋地域の出し物で友達にソーラン節を教えた経験です。自分が書いていて楽しかったのもありますし、ソーラン節の音楽を流しながらエッセイを書いて、その時の情景を思い出していたのもいい思い出です。
大学のサプリメンタルエッセイは、その大学の人物像に従いつつ、いかに大学のWebサイト以上の事柄に対して取り組みたいと思っているのかをアピールしました。
自分が挑戦したいと思っていること、それは学業以外でも全く構いません。むしろ、自分がどんな勉強をしたいかは他のエッセイで述べているはずなので、勉強以外の面で自分が成長したいこと(私は演劇クラブに参加したいと書いて、一つミュージカルに実際に参加しました!)を書くと、より自分という人物像が大学に伝わりやすくなるのかなと思います。
Q. プリンストン大学に憧れる中・高生へアドバイスを!
自分を信じる気持ちと、どの大学も素敵な縁になるということを大切に!
自分の好きなことをのびのびやってください。高校の成績を維持しながら、課外活動でも結果を出し、そして「自分らしい」エッセイを書かなければならない…。乗り越えなければいけないことが多いと、目的と手段を見失いがちです。
それでも一番大切なのは、自分が通いたいと思える環境に身を置くこと。大学は必ずあなたに合ったところを選んでくれます。そして、その縁に巡り合うためには、自分が本当にしたいことを突き詰めること。自分を信じる気持ちと、どこの大学に行ってもそれが素敵な縁になるということを、心に留めておいてください。
受験中は人と自分のことを比べがちですが、私はあえて一切何も気にせず、自分のしたいこと(カヤック免許を取ったり、帰省時にボランティアをしたり)をとことん突き詰めました。大切なのは、何をしたかではなく、そこから何を学んだかにあると思います。
海外大学を目指すみなさんも、自分の気持ちを大事に、進路を選択してくださいね。
いかがでしたか?
自ら成長できる環境を求めて海外へ飛び出したTomoka O.先輩。現地で学ぶ大学の先輩たちと話し、具体的なイメージをふくらませて「どこの大学でも楽しめる」と確信できた志望校に出願。何よりも自分の気持ちを大切に邁進してきたからこそ、自分に合った大学との縁を紡ぐことができたのですね。
【海外TOP大に合格&入学するためにハズせなかった対策:シリーズ記事をチェック!】
アメリカ / カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD) A.K.先輩
イギリス / ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン Toko H.先輩
アメリカ / プリンストン大学 Tomoka O.先輩(この記事)
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