留学中の先輩に聞いた「公式サイトには載ってないほうの」海外大学紹介 〜多様性に富む インペリアル・カレッジ・ロンドン〜
医学部、工学部、自然科学部からなる理工系大学で、オックスブリッジと並んでイギリスを代表する名門大学インペリアル・カレッジ・ロンドン。進学前に公式サイトなどの情報以上のインプットはなかったというHazuki Y.先輩も、学生生活3年目。純粋な実体験から見えてきた“リアルな大学の姿”を教えてくれました。
多様性に満ち、留学生も居心地よい大学。徹底して専門分野を深められます!
今回の「ラボ協力隊」
Hazuki Y.先輩
イギリス インペリアル・カレッジ・ロンドン3年生、生化学専攻。
海外在住が長く海外大進学は常に意識していたが、中3での大学のサマープログラム参加が決め手に。
Q. 入学前のイメージと実際のところ、何かギャップはあった?
発見がたくさん!学生生活を送る中で、差別・治安への不安も減少。
入学前は、出願をギリギリに決めたこともあり、あまり何のイメージも持たずに留学しました。しいて言うなら、理系しかない大学・研究に力を入れている・理系以外の科目も1学期に1つとれるということを知っていました。
実際に入学して、まずびっくりしたのは、大学のほとんどの学生がイギリス国外から来ていること。その中でも、東アジア人がとても多いです。ちょうど留学をした時期がコロナ禍とかぶっていたので、アジア人差別が心配だったのですが、ここまでいろんなアジア圏の人がいると、差別がなくて安心だなと思いました。
また、友達と話したところ学部によって違うようですが、学問にかける学生や教授の熱量も高いです。私の学部は第1週目のはじめの授業から細胞やタンパク質について教授らが話し始めるほどで、本当に生化学をやりたい人がひたすら生化学を学ぶという印象を受けました。実験は授業の中に組み込まれていて、1~3日にわたる実験を1学期に4~7回ほど行っています。
そして、ソサエティ(society:日本でのサークルや部活のようなもの)も想像以上にいろいろありました。ハリーポッターや紅茶のソサエティは、イギリスらしくて面白いです。
個人的には、大学の場所もいいなと気に入っています。いろいろな博物館に囲まれており、近くに大きな公園もあるので、ふらっと授業の間に行けます。
大学の隣のNatural History Museum。この建物の前にはV&A (Victoria and Albert Museum)もあります。
ロンドンは私が考えていたよりも安全で、場所によるのですが、大学の周りは女の子でも一人でプラプラ歩けます。
Q. 実際に通ってみてわかった、インペリアル・カレッジ・ロンドンの特徴3選を教えて!
留学生・現地生ともバックグラウンドが多様。課外活動にも熱心な人が多い!
1. 留学生が多くて、居心地がいい
インペリアルは、「留学生が大学の60%」とホームページに書いてあると思うのですが、残り40%のイギリスから来ている人も、インド系イギリス人・ヨーロッパ系イギリス人・中国系イギリス人など、いろんなバックグラウンドを持っています。
私が1年生の時に入った寮は、同じキッチンを共有する8人中6人がイギリス出身だったのですが、家族の出身国がみんな違って、普通に話していてもいろいろな文化的な違いが感じられて面白かったです。
ここまでいろいろな国籍・人種の人が混ざっている大学だと圧倒的マジョリティが存在しないので、どんな人でもあまり差別なく、居心地よく過ごせるなと感じています。
2. 教授が自分の研究に力を入れていて、何でも質問できる
大学の教授は、基本的に自分の研究室を持っている研究者で、自分の得意分野について教えてくれます。なので、その研究分野の最先端の知識や、未だわかってないことを聞けます。授業の2、3時間ごとにQ&Aセッションがあって、そこで自由に質問できますし、メールも大体3日以内に帰ってくる印象です。
一方で、専門家すぎて、学生のわからないところがわからなかったり、説明が早くなりすぎてしまったりする教授もいます。ただ教わる対象になるのではなく、研究者として教授のスキルを見て盗むことも必要かなと思っています。
個人的に、ある教授が授業で話したことが印象に残っています。脳科学の中でも特に睡眠の研究をしている教授だったのですが、いろいろな論文を列挙しながら、最終的にはまだまだ何もわかってないに等しい、と断言。「これからもまだまだ研究者が必要なので、君たちを待っている」という言葉が印象的でした。
3. オタクが多い(いい意味で)
私の大学は、イギリス国内で、理系のオタクが集まることで有名です。ただ、入ってみると、必ずしもみんな「理系オタクなだけ」ではありませんでした。スポーツや音楽、クイズなど自分の趣味に打ち込んでいる人が多く、その分いろんなソサエティがあり、本格的に活動しているものが多いです。
ダンス、クイズ、スクワッシュ、卓球、ジャズなど、いろいろな分野においてイギリス大学間でトップを取っているソサエティもあります。好きなことが見つかればそこで活動するのも楽しいし、友達がいれば応援するのもとても楽しいです。
大学のみんなが自由にかける白板。いろんな言語で書いてあり、誰かが「ぴえん」と書いてあるのが面白くて、写真を撮ってしまいました。
Q. 大学による留学生のサポートや対応はどんな感じ?
困ったときに相談できる場所・チューターの両方が提供されていて安心!
留学生がとても多いせいか、大学が用意している学生のサポートは、あまり留学生用と国内生用で分けていない印象があります。
ただ、英語があまり得意ではない学生のためには、大学が始まる前に英語の夏期講習を行っており、誰でも申し込める英語のライティング講座も提供しています。また、留学の書類やその他困ったことを相談できる“Student Hub”という場所もあります。
また、私の学部では、1年生から3年生まで学部の教授が1人、パーソナルチューターとしてついてくれます。このパーソナルチューターは、勉強の相談だけでなく、進路や生活で困っていることなど、なんでも相談に乗ってくれる存在です。
ちなみに、イギリスの冬は日照時間が少ないので、太陽光の多い地域から来た留学生はビタミンDの摂取を推奨されると聞きました。また、大学側に相談すると、太陽光ライトを安めに買えるそうです。
Q. インペリアル・カレッジ・ロンドンに憧れる中・高生へ、入試対策をアドバイスするなら?
自分自身と学びたい学問の結びつきを徹底的に深め、エッセイで表現を。
イギリスの大学は、アメリカの大学と違って一つのエッセイで複数の大学に出願します。なので、大学に対して書くという意識を持つよりも、自分自身のことと学びたい学問を中心に書きました。
どういう経緯でその分野に興味を持ったのか。なぜその分野じゃないといけないのか。その分野について今までどのようなことをやってきて、それにまつわるどのような論文や書籍を読んだのか。そして、将来的にはその分野を学ぶことで何を成し遂げたいのか。
徹底的に、自分と学問についてのストーリーがうまくまとめられたらいいと思います。
Q. インペリアル・カレッジ・ロンドンに合うのはどんな人? 入学前に考えておいたほうがいいことは?
専攻として選んだ学びを追究できる人、誰とでも柔軟に向き合える人にオススメ!
大学では3年間、ひたすら専攻についての勉強をメインでやるので、自分が選んだ学部に本当に興味がある人がいいかなと思います。また、大学には本当にいろいろな人がいるので、どんな人とでもうまくやっていける、やっていきたいと思える人であることが大事です。
あとは、ロンドンの中心地に近いところに大学があるので、都会が好きな人、また、ヨーロッパに旅行に行きやすいので、旅行が好きな人にもおすすめです。
マストな心構えというのはないですが、寮がすべて自炊なので、料理を含む家事全般をある程度習得してから留学できると、留学した後が楽かなと思います。また、薄切り肉やゴボウ、大根、レンコンといった根菜が手に入りにくいので、その制限の中でごはんが作れるようになると便利かなと思います。
いかがでしたか?
3年制をとるイギリスの大学は教養課程がなく、初年度から専攻を深めていきます。中でもインペリアル・カレッジ・ロンドンはトップレベルの理工系学生、教授が集まる大学。留学生として疎外感を感じることなく、高いレベルで研究に打ち込みたい人にとって理想的な環境ではないでしょうか。
【留学中の先輩に聞いた「公式サイトには載ってないほうの」海外大学紹介:シリーズ記事をチェック!】
オーストラリア / メルボルン大学 Natsume T.先輩
カナダ / ブリティッシュコロンビア大学 Miyu M.先輩
イギリス / インペリアル・カレッジ・ロンドン Hazuki Y.先輩(この記事)
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