数千校ある世界の大学から、憧れの「志望大」ってどうやって選んだ? Kei T.先輩:カナダ・トロント大学
世界中から進学先を選べるのが海外進学の魅力である一方、自分に合った大学を探し当てるのは、国内大の専願以上に難しくなるもの。比較的早い段階でカナダへの進学を決めたKei T.先輩は、どんなきっかけで検討を始め、志望大学を絞り込んでいったのでしょうか。
高1の原体験がカナダ進学の意志を強固に。学べる内容の幅広さ、入学後の柔軟性も重視!
今回の「ラボ協力隊」
Kei T.先輩
カナダ トロント大学3年生(2023年9月〜)。高校1年生の夏休みに参加したサマースクールがきっかけとなり、海外進学を視野に入れるように。高校卒業後は国内大学に在籍し、2021年9月からカナダへ。都市社会学(Sociology and Urban studies)を専攻。
Q. 海外の志望大学選び。スタートから進学先の決定まで、いつ・どのように進めた?
カナダの大学の雰囲気、学びとの相性の良さを感じて国内大との併願を決意!
▼ 高2の8月頃:大学選びをスタート
▼ 高3の8月頃:受験校を決定
▼ 高3の2月:合格!
最終的に進学先を決めたのは、高校3年生の3月!
高1の時、語学研修を主な目的として、ブリティッシュコロンビア大学のサマースクールに参加しました。多様性に満ちた環境、議論が多い授業スタイルということもあって想像以上に楽しく、海外大、カナダの雰囲気が自分に合っているのではないかと感じたのをきっかけに、海外大進学に興味を持ち始めました。
本格的に国内大・海外大併願を決めたのは、高2の時です。海外大受験に必要な科目等の調査を行った結果、やはりカナダが一番自分の条件に合っていることを確認して、最初はブリティッシュコロンビア大学を第一志望に置きました。
カナダの大学進学には学校の成績が大事であることを知り、定期考査など良い成績を取れるよう力を入れ始めることに。それと並行して、座談会などに参加してアメリカの大学の様子もうかがいつつ、カナダ進学という方向性が合っているか再確認していました。
いよいよ高3、とにかく必死でTOEFL®やIELTSの点数を上げ、国内大の受験勉強の傍ら、志望動機書を仕上げることに注力!結果として思ったよりIELTSの点数を上げることができ、出願要件に届いたのでトロント大学にも出願することを決めました。
そして、高3の2月に出願。2週間ほど経った頃、トロント大学から合格通知が!第一志望だったブリティッシュコロンビア大学よりも先に合格通知をもらえたことに加えて、世界ランキングが高かったこともあり、トロント大学への進学を本格的に検討し始めました。カリキュラムなどをしっかり確認した上で、3月にトロント大学への進学を最終決定しました。
志望大学を決める際は、ベネッセが主催しているイベントなどに参加して、海外大学に通っている方の話から海外大の様子をうかがっていました。その他、海外大学に通うインターナショナル生のYouTubeチャンネルなどを参考にしていましたが、正直、もっといろいろ調査できたかなとは思います。
Q. 志望大選びで特に考慮したポイントは?優先順位、どう比較したのかも教えて!
“あえて海外”だからこそ、自分が納得できる条件が揃っているかをチェック。
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- <優先順位が高かったのは4つ!>
- 1. 国(カルチャーや教育制度)
2. 難易度の高さ・ランキング、学費や生活費などのお金
3. 大学の個性、雰囲気、施設・設備などのオプション
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1. 国(カルチャーや教育制度)
サマースクールでのキラキラとした思い出と家族のルーツが理由で海外大学を考え始めたため、最初からカナダに進学する意志は固めでした。
カナダの大学で特に魅力に感じたのは、インターナショナル生や多様な文化的バックグラウンドの学生が多いことでした。卒業後、日本に帰るのか、どこかの国に居続けるのか、住む場所を想定することが難しいと感じていたので、ただ現地の生活になじむだけではなく、通っている学生を通じて世界中の様子を探ることができるのは魅力的でした。
また、多少先入観によっていますが、カナダは他の英語圏の国と比べるとあまりガツガツしていない印象がありました。私自身がかなりのんびりとした性格なので、合っているな、と感じました。
他にも、進学先の候補としてイギリスの大学も調べましたが、私の通っていた高校からは直接進学できないようだったので、諦めてしまいました。
- 2. 難易度の高さ・ランキング
日本の大学と天秤にかけていたので、「なぜ、国内ではなくわざわざここにする必要があるのか」自分自身としても100% 納得する必要がありました。国内の大学に進学した場合にもかなり良い環境やキャリアを得られることが見えている中では、どうしても国際ランキングなどは意識せざるを得ませんでした。自分が求めている「国際性」などの評価が高く、全体順位も高いトロント大学は魅力的に感じました。
- 2. 学費や生活費などのお金
国内・海外大学の併願の上に奨学金の申し込みをするのは非常に厳しくなることがわかっていたため、大学からもらえる可能性があるわずかな奨学金以外は全て自費負担になることを見込んで、アプリケーションを行っていました。その状況では、アメリカと比べると比較的学費がリーズナブルなカナダは魅力的に映りました。
- 3. 大学の個性、雰囲気、施設・設備などのオプション
海外大は学業が大変だと聞いていたので、スポーツなどをして息抜きができる環境があるかどうかも判断基準の一つでした。ブリティッシュコロンビア大学の施設が良いことはサマースクールで見ていたのですが、トロント大学は、どのキャンパスになったとしても(3つキャンパスがあり、それぞれかなり距離が離れています)運動施設が充実していることがわかったので、安心して選ぶことができました。
進学前はまだ副専攻として学びたい内容のアイデアがなかったため、広く道が開かれている大学を選ぼうとしました。トロント大学は、聞いたこともないような専攻もたくさんあるほどプログラムが充実しており、何か自分が好きなものを見つけられそうな気がする、という期待感が強くありました。また、プログラム選択が入学後にでき、変更も比較的簡単にできるということが安心材料になりました。
豪華なアドミッションレターにテンションが上がります!これを開けた瞬間にトロント大学進学への意志が強くなりました。
Q. 大学選びの時に考えておいてよかった!と実感したことは?
選択できるプログラムが幅広く、変更も比較的簡単にできる柔軟性が魅力!
学べる内容の広さです。最初はダブルメジャーを都市学と経済学にしようと考えていましたが、友達の誘いで受けた社会学の授業にハマり、経済学から社会学に乗り換えました。かなり異なる分野ではありますが、学んでみてから自分が楽しいと思うことを選び直すことができるのは非常にありがたいと感じました。
Q. 逆に、もう少し考えておけばよかった!とギャップを感じることは?
寮の確保に苦戦!住まいがキャンパス外になり、思い描いた生活とは違う形に。
入学後の住む場所のことを全く考えていませんでした。特に苦労なく大学の寮に住めると思っていましたが、トロント大学はマンモス大学なので、1年生でも寮に住むのはやっとこさ、です。私がなんとか得られた寮の条件は悪く、1年目からキャンパス外に住むことになりました(トロント大学は、1年目でもオフキャンパスの学生がとても多いです)。
トロント大学はカレッジ制度を導入しており、カレッジによっては、志望順位が1位でないとそのカレッジの寮に住む権利を失い、キャンパス外のトロント大学の寮に住むことになるようなケースがあります。そもそも、キャンパス内に住める確率がものすごく低い学部やカレッジもあります。ちなみに、申請自体はオンラインで志望順位を登録するので複雑ではありません。
私の場合、8月に入ってやっと寮の通知が届いたのですが、キャンパスから徒歩20分(それも、1年生の人数が多すぎるため一般のホテルを借り上げて寮にした場所)、繁華街のすぐ近くの部屋しかもらえませんでした。あまりにも条件が悪いので、8月半ばになってから再び住む場所を探すことになり大変でした。
イメージしていた寮生活とは少し異なる結果になったので、大学だけでなく、その経験とセットになっている居住環境にもぜひ目を向けて検討してください。
Q. 先輩の経験をもとに、後輩のみなさんへ海外志望大選びのアドバイスを!
各大学の個性をじっくり調べて。実際に通う学生の話を聞くなどおすすめです!
海外大学とひと括りにせず、また国でひとまとめにせず、一つ一つの大学の個性に目を向けてください!
私はブリティッシュコロンビア大学でのサマースクールをきっかけにカナダへの進学を考え始めたので、頭の中はそのイメージでいっぱいでしたが、実際はトロント大学の雰囲気はちょっと異なっていました。カナダの大学はどこも雰囲気が似ていて、コースも同じものがオファーされている、という一般的な触れ込みに影響されすぎていたように思います。
私が感じたところだと、トロント大学は、かなり成績を気にしている学生、課外活動にあまり興味がない学生が多くいる印象です。ブリティッシュコロンビア大学の選考には課外活動等のエッセイが必要な一方、トロント大学はほぼ高校の成績だけで合否が決まることも影響しているのではないかと個人的に考えています。
興味をもった大学の学生に直接話を聞きに行くなど、自分と大学の個性がマッチした場所をぜひ選んでください!
いかがでしたか?
大学のサマースクールでカナダの大学と自分のフィット感を確認できていたKei T.先輩。その原体験から生まれた強い意志が、後々の受験勉強や出願準備をしっかり支えていたように感じられます。興味のある大学を訪ねてみる、あるいは実際に通う学生から話を聞くことは、個々の大学をより深く知り学生生活を具体的にイメージするとともに、そこへ向かう強い推進力にもなりそうですね。
【数千校ある世界の大学から、憧れの「志望大」ってどうやって選んだ?:シリーズ記事をチェック!】
Vol.1 Jun I.先輩:アメリカ・カリフォルニア工科大学
Vol.2 Misato O.先輩:アメリカ・カリフォルニア大学バークレー校
Vol.4 Kei T.先輩:カナダ・トロント大学(この記事)
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