海外大生体験談

一見変則ルートの先輩たち、なぜその道を?vol.4 ~OPT(就労)・コミュニティカレッジからアメリカ4年制大学編入を目指す~

アメリカ4年制大学への進学ルートとして、高校卒業後の直接進学のほか、2年制大学のコミュニティカレッジに入学・卒業後に4年制大学へ編入する道があることを前回までにお伝えしてきました。今回登場のKotomi S.先輩は、コミュニティカレッジを卒業後、現地での就労経験を経て再び大学へ戻る道を選択。その意図や進路選択の過程において感じたことをお聞きしました。

 

コロナを機にアメリカ残留を決意。国内大から米国大編入に切替え、就職を見据えて専攻もチェンジ!

 

今回の「ラボ協力隊」


Kotomi S.先輩 

アメリカ オレンジコーストカレッジを卒業後、1年間の現地就労を経て再度入学、在学中。かつてグローバル・スタディーズ、リベラルアーツ専攻だったが、現在は4年制大学への編入や今後の就職を見据えて会計学を専攻。

 


 

Q: 高校卒業後、どのようなルートを選んできましたか?

 

日本の大学編入を前提にコミカレ進学。進路変更して卒業後に現地就労、再び大学へ!

 

私は高校卒業後、約4ヵ月間は語学学校のELS Language Schoolに通い、その後コミュニティカレッジ(2年制大学・通称コミカレ)であるオレンジコーストカレッジ(以下OCC)に入学しました。一番はじめはグローバル・スタディーズ(Global Studies)専攻で入りましたが、その後リベラルアーツに専攻を変えました。

 

当初の留学計画は、コミュニティカレッジ卒業後は日本に戻って国内の4年制大学に編入することでした。編入したかった日本の大学に連絡したところ、アメリカの大学での専攻は関係ないとのことだったので、興味のある教科を幅広く学べる上に必須科目なども少ないという、自由度がとても高いリベラルアーツ専攻に変更しました。また、アメリカでの大学編入は金銭的な問題などから絶対にないと当初思っていたため、アメリカ4年制大編入用のクラスを取らないコースを選択しました。

 

リベラルアーツ専攻のままOCCを卒業しましたが、コロナなどで思っていた留学生活が送れなかったことと、まだアメリカに残りたいという気持ちが在学中に強まっていました。そこで日本での大学編入をやめ、アメリカで卒業後に1年間の就労経験を積むことができるOPT(オプショナル・プラクティカル・トレーニング)*として仕事することを選びました。

 

働いたのは日本から車を輸入販売する会社で、仕事内容は様々だったのですが、主に輸入の手続き、少しだけ会計の仕事も経験しました。コミュニティカレッジでグローバル・スタディーズ関連のクラスを多く取っていたことから、他国とのつながりがある仕事だったこともあり選びました。コロナで失業者が多く出ていた中、日本語を話せるという強みを生かすために日系の会社を中心に仕事を探していました。

 

その間に「ワークビザなどが取れたらいいな」と思っていたのですが、現実はとても厳しく、不可能でした。ですので、1年間の就労後は日本に帰るか、アメリカに残って学校に戻るか選択しなければならなくなりました。英語もまだまだだし、こちらでの生活がとても気に入っており、まだ帰りたくないと感じていたため学校に戻ることにしました。

 

せっかく学校に戻るのなら手に職をつけたい、武器になるスキルを身につけたいと思ったため会計学を学ぶことにしました。直接4年制大学に編入できたらよかったのですが、就労前の在学中に編入用の授業を取らなかったことに加え、専攻を新しくしたため、OCCに再入学することにしました。OCCでの1年間で編入に必要なクラスと専攻のクラスを終わらせ、来年の秋学期から4年制大学に編入することを目指して今は勉強しています。

 

*OPT(Optional Practical Training)=大学、短大等、SEVP(Student and Exchange Visitor Program)に認可された学校に1年以上フルタイムで通い、卒業またはコースを修了した学生に与えられるトレーニング期間のこと。

 

 

Q: もともとの想定と異なる進路選択で考えたことや気づきは?

 

学ぶことに年齢は関係ない!手に職をつけるべく、その時ベストな選択をとることを決意。

 

私の今の進路は、高校卒業したばかりの頃や最初にOCCにいたときから考えると、全く想像がつかなかったものです(笑)。とても変則的な進路を選んだなあと思っています。

 

私がアメリカに来てとてもいいなと感じ、大きく価値観が変わったことの一つが「勉強すること、学校に行くことに年齢は全く関係がない」ということです。語学学校にいたときに参加したメンタープログラムで私のメンターになってくれたかたは、米軍でずっと活躍していて引退し、学校の先生になるために大学に行っているかたでした。

 

コミュニティカレッジでも、仕事をしながら大学に通っていたり、すでに大学を卒業しているけど新しいことを学びに来ていたりという学生がたくさんいました。それまで私は「高校を卒業したら、大学、就職、そしてずっと働く」というようなことしか考えていなかったため、とても新鮮でしたし、とてもかっこいいなと思いました。

 

私はOCC卒業後からは、その時にベストだと思った進路を選択してきました。最初から編入用のコースにしなかったことは後悔しているのですが、それ以外は選んだ道が私にとってのベストだったと言えます。

 

OCC卒業後にOPTとして現地で仕事することは、自分の中ではOCCでの3学期目くらいの時には決めていたと思います。コロナでオンライン授業になるなど、本当に思った通りの留学生活が全くできなかったというのは、日本の大学への編入からOPTをすることに変えた一番大きな理由だったと思います。

 

親や家族は2年で帰ってくると思っていましたし、そういう約束だったので、アメリカに残るという選択にはとても驚いたと思います。最初は反対されたものの、何とか説得しOPTをすることになりましたが、1年間の就労が終わり、日本に帰るかアメリカに残るかの選択はまたすごく難しかったです。

 

まず私の一番の心配事は費用面でした。学校に戻るという選択をすると最短でも3年間の学費がかかりますし、4年制大学に編入すると学費も高くなります。学費のほかにも、家族に会えない、これ以上迷惑をかけるわけにはいかないなどの気持ちもありました。日本にいる同級生たちは、今年大学4年生で就活などをしているのに、はたして自分は学校に行っている場合なのか…という葛藤もありました。

 

何度も日本に帰るべきではと考えて、その準備を始めようかとも思いました。しかし、将来のためを考えたら今学校に戻って手に職をつけて卒業するのが一番いいと思いましたし、「日本に今帰ったら一生後悔する」と思ったので、家族を説得し、学校に行かせてもらうことにしました。

 

焚き火しながら友達と将来について語り合った

ビーチで焚火をしながら友達と将来のことを語り合いました(笑)

 

 

Q: これまでのルートをもとに、卒業後はどんな進路を考えていますか?

卒業後は未定ながら、どんな道にも進めるように準備することを大切にしています。

 

とりあえず今はOCCで1年間、4年制大学に編入して2年間学び、卒業後は再びOPTとして仕事できたらと考えていますが、その後のことは想像がつきません。ワークビザなどが取れる機会があればいいなと思いますが、もし日本に帰ることになっても会計で学ぶことはどこにいても生かせることだと考えています。その時々でベストな道を選ぶつもりです。

 

もともと留学に来るまで私は計画に沿って物事を進めることが好きだったのですが、実際は今の進路も含めて計画の180度を超えるような感じになりました。計画を立てすぎてそれに縛られるよりも、時には流れに身を任せてベストな道を選択していくのもありなのではないかなあと考えるようになりました。

 

でもそのために、どの道にでも進めるように準備をたくさんして、いろいろなことをエキストラでやっていかなければいけないと思っています。編入用クラスを取らなかったことを心底後悔した経験から、絶対にありえないと思ってはいても一応編入もできるコースにしておくべきだと痛感しました。これからは同じような選択をする時があったら、より多くの道に対応できるようなものを選びたいと考えています。

 

いかがでしたか? 

当初は2年間の海外留学だったKotomi S.先輩の進路を大きく変えたきっかけの一つがコロナ禍。思うようにいかない状況に苦しみながらも、粘り強く家族の説得や自身の葛藤を乗り越えてきたことがうかがえました。その時々でベストなルートを選び取る覚悟と行動をとってきた姿に、勇気づけられたかたも多いのではないでしょうか。

次回は「自分にぴったり!」と思える海外進学ルートの選び方についてアドバイスをお届けします。

 

【一見変則ルートの先輩たち、なぜその道を?:シリーズ記事をチェック!】

Vol.1 TAFEからオーストラリア3年制大学編入

Vol.2 コミュニティカレッジからアメリカ4年制大学編入/カリフォルニア州立大学

Vol.3 コミュニティカレッジからアメリカ4年制大学編入/ワシントン大学

Vol.4 OPT(就労)・コミュニティカレッジからアメリカ4年制大学編入を目指す(この記事)

Vol.5「自分に合った海外進学ルートの選び方」について中高生へアドバイス!

 

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※この記事でご紹介している内容は2022年8月23日現在の情報に基づいています。
 

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